新着アルバム

10/13

INQUISITION/BURNING WITCHES

インクウィジション/バーニング・ウィッチーズ

MARQUEE MICP-11954 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スイス出身の女性バンドの6枚目のアルバムです。ギタリストに元ファントム・ブルー〜ザ・アイアン・メイデンズのコートニー・コックスを迎えています。

 勇ましいコーラスがマーチ風のビートに乗ってやってくるエピックなイントロダクションから、タイトなリフを叩きつけていく密度の高いパワフルなミッドテンポの2で、テンションの高いヴォーカルが歌う圧の強いメタルサウンドを展開していくアルバムは、メガデスっぽいムードで進むダークでクランチーなリフを刻むヘヴィナンバーの3、湿ったメロディとソリッドなリフで進む勇ましいミッドテンポの4、不穏なイントロからタイトなリフで進むテンションの高い威圧的なミッドテンポの5、正統派メタル感の強まるダークなミッドテンポの6、攻撃性を露わにしていくクランチーなスピードナンバーの7、煽情的なバラードナンバーの8、緊迫感高まるイントロからクランチーなリフで突き進むアグレッシヴなアップテンポの9、ダークなメロディで進むエモーショナルでタイトなミッドテンポの10、圧の強いリフで押し込んでいくダイナミックなミッドテンポの11、ミステリアスなアウトロでアルバムは幕を閉じます。

 ゴリゴリの硬派なヘヴィメタルを作り続けるアルバムは、新たなギタリストの持ち込んだクランチーなリフワークなども伴って、更に高密度のサウンドを展開していきます。コンパクトながらも様々な表情を見せる楽曲を揃えて、堅実なパフォーマンスでテンション高い演奏を聴かせていく様は、バンドの完成度の高まりを見せていきます。新たな要素と確固たる信念を重ね合わせながら、着実に歩みを進めていく一枚でした。
同系統アルバム
NEW MESSIAHS/ASHES OF ARES
PLAGUE OF RATS/BRAINSTORM
DARK BELIEVER/MARTYR

PARA BELLUM/TESTAMENT

パラ・ベラム/テスタメント

WARD RECORDS GQCS-91675 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産スラッシュメタルバンドの13枚目のアルバムです。ドラマーが交代しています。

 キレのある不穏なリフとグロウルにブラストビートが叩きつけられていくデスメタルかと思わせる攻撃性の高いアップテンポの1で幕を開けるアルバムは、抒情性帯びたイントロから激しいビートとクランチーなリフで突っ走る突進ナンバーの2、キレのあるリフと威圧感のあるヴォーカルで進む展開の大きいタイトなミッドテンポの3、アコースティックギターに導かれる4はオーケストラも導入されるパワーバラードナンバー。グロウルメインで進むタイトでグルーヴィなミッドテンポの5、メロデス風のイントロからスラッシーに突っ走る緩急の強い突撃ナンバーの6、オーセンティックなリフで進むアップテンポの伝統的なメタルナンバーの7、メガデスっぽさも感じさせる湿ったメロディとタイトなリフが交錯するエモーショナルなミッドテンポの8、クランチーなリフで突き進むテスタメント節が炸裂するアップテンポの9、ミステリアスなムードと多彩な展開で進むアグレッシヴな10が収録されています。

 若いドラマーの加入でリズム面で変化が見られるアルバムは、エリック・ピーターソンのサイドプロジェクトからの影響もあったりで、バラエティに富んだ楽曲を揃えており、バンドの懐の広さを思い出させるものとなっています。前作でも多彩な楽曲を見せていましたが、今作では個々の楽曲を更に突き詰めており、エクストリームなスタイルや伝統的なスタイルなどの要素がより強調されるものとなっています。曲の振り幅が大きすぎて全体の評価は難しくなっていますが、いずれの曲もクオリティ高く仕上げられたバンドの才能の豊かさを改めて知らしめる一枚です。
同系統アルバム
SANATORIUM/4BANNED
WRATH AND RUIN/WARBRINGER
TOE TAGGED AND BODY BAGGED/TRIP TO THE MORGUE

THE UNIVERSAL REALM - SPACE OPERA -/AEDAN SKY

ザ・ユニヴァーサル・レルム 〜スぺース・オペラ〜エイダン・スカイ

RUBICON MUSIC RBNCD-1451 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フランス出身のガルデリアのギタリストによるプロジェクトのファーストアルバムです。同バンドのメンバー二人もヴォーカル、ギターで参加しており、トリプルヴォーカルと言う編成になっています。

 煌めくスペーシーなイントロで幕を開くアルバムは、ハイトーンヴォーカルが炸裂するハイテンションで突っ走る怒涛のメロディックスピードメタルナンバーの2を叩きつけていくと、重層的なコーラスを引っさげてスリリングに飛翔するスピードナンバーの3、メランコリックなピアノに導かれる4は穏やかなパートから躍動するリフと壮大なコーラスでダイナミックに迫るアップテンポのスピードナンバー。アグレッシヴに疾走するドラマティックなスピードナンバーの5、キラキラ感高まるイントロからファンタジックに進んでいくポジティヴなミッドテンポの6、華やかなイントロから印象的なコーラスも盛り込んだ劇的に展開する躍動的なスピードナンバーの7、マーチ風のイントロからエピックに進むインストナンバーの8を経て、重厚さを孕むダイナミックなスピードナンバーの9へ。壮大さを孕むメランコリックなアウトロの10、ボーナストラックには、活力あふれるエピック感の強いミッドテンポのナンバーが収録されています。

 「ランド・オブ・ザ・フリー」あたりのガンマ・レイをベースに最近のメロスピのトレンドを盛り込んだアルバムは、カイ・ハンセン以外にアーライって言うヴォーカルいたんだ…(;´Д`)みたいな、カイ・ハンセン濃度の高いヴォーカリストを筆頭に、伸びやかなヴォーカルが鮮やかなメロディを歌い上げており、高揚感を一気に高めていきます。アルバムがほぼスピードナンバーと言う潔さに信念と言うか何が何でもこれをやりたい!みたいな気概が強く伝わります。メロスピ愛があふれ出して聴き手を彼方へと押し流していく一枚です。
同系統アルバム
THE GREAT APOCALYPSE/INSANIA
THE SKIES ABOVE ETERNITY/FELLOWSHIP
AT THE HEART OF WINTERVALE/TWILIGHT FORCE

10/6

A NEW WORLD RISING/RAGE

ア・ニュー・ワールド・ライジング/レイジ

WARD RECORDS GQCS-91661 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツのベテランバンドの26とか27枚目くらいのアルバムです。前作同様スリーピースで制作されています。

 静かなムードのイントロから徐々に盛り上げていくアルバムは、パワフルなリフを叩きつけていく緩急の効いたタイトなアップテンポの2から、独特なサウンドを展開していくと、曲名に色々と含むところがありそうな無さそうな切れ味鋭いイントロからストロングなリフを打ち付けるアグレッシヴでダイナミックなミッドテンポの3、馬力のあるリフで進む4はライヴで盛り上がりそうなコーラスが印象的なヘヴィなミッドテンポのナンバー、クランチーなリフで切れ込んでいくタイトなアップテンポの5、煽情的なイントロから“THE PRICE OF WAR”みたいなパートを経てキャッチーなコーラスへと突入するミッドテンポの6、エスニックでグルーヴィなイントロから躍動感のあるリフで突き進むフックの強いアップテンポの7、抒情メロディで進むエモーショナルなバラード風ナンバーの8、ソリッドなリフとエモーショナルなメロディが交錯するタイトなミッドテンポの9、グルーヴィなリフで進むダークなヘヴィロックナンバーの10、ダークなイントロからソリッドなリフを叩き込んでいく高圧ヘヴィナンバーの11、スリリングなメロディとリフで突っ走るスピードナンバーの12、日本盤のボーナストラックにはオーケストラと共演した際のライヴが収録されています。

 2024年に二枚組を出したのに、もう新譜発表しちゃうの?'`,、(´Д`;) '`,、みたいなピーヴィーの多作っぷりを見せつけるアルバムは、さすがにコンパクトな楽曲を揃えてフットワークも軽く仕上げており、スリーピースということもあって、ヴィクター期を少し思い起こさせるものとなっています。ヴォーカルメロディの練りこみ不足とか、リリースを急ぎすぎなんじゃない?って感じもありますが、新たなメンバーで更にガンガンいこうぜ!って一枚でした。
同系統アルバム
THANATOLOGY/SAGREVEHT
ASH OF ETERNAL FLAME/INNERWISH
THE ORDER OF FEAR/ORDEN OGAN

DOMINATION/PRIMAL FEAR

ドミネイション/プライマル・フィア

WARD RECORDS GQCS-91640 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ベテランジャーマンメタルバンドの15枚目のアルバムです。オリジナルメンバーのギタリストに加え、もう一人のギタリストにドラマーの脱退で、一時は解散も検討されていたというバンドでしたが、新たに女性ギタリストとレイジなどでも活動していたドラマー、アンドレ・ヒルガースが加入して制作されています。

 煽情的なメロディで進むソリッドなアップテンポの1から、タイトなリフで突き進むアグレッシヴなミッドテンポの2、 湿ったメロディで突き進むタイトでエモーショナルなアップテンポの3、ダークなリフで進む4はフックのあるメロディで進むミッドテンポのナンバー、メランコリックなメロディが紡がれるエモーショナルでソリッドなミッドテンポの5、荘厳なイントロからアグレッシヴなリフで突き進みエピックな展開も見せるタイトなアップテンポの6、エモーショナルなインストナンバーの7、壮大なイントロからの8はアド・インフィニトゥムの女性ヴォーカルがゲスト参加したコーラスも厚い抒情的なエピックメタルナンバー、湿ったメロディを孕むリフで進むタイトでロッキンなミッドテンポの9、威圧的なパートとキャッチーなパートとのコントラストの強いヘヴィナンバーの10、パワフルなリフで押し込んでいきキャッチーなコーラスに進むタイトなミッドテンポの11、プリミティヴな感触のイントロからタイトなリフを刻む圧と緊迫感の強いアップ〜ミッドテンポの12、ストリングスの調べに導かれるウィスパーヴォーカルが印象的な静かなパートから壮大なパートへとダイナミックに展開する13、ボーナストラックには哀愁メロディで進むキャッチーなミッドテンポのナンバーが収録されています。

 大幅なメンバーチェンジの影響もありつつも、不動のジャーマンメタルを作り出していくアルバムは、全体的にはキャッチーさが強まったサウンドとなっており、攻撃性よりもメロディが印象に残ります。バンドのパフォーマンスは万全で、安定感のあるサウンドを作り出しており、安心感のある楽曲を支えていきます。新しいメンバーを迎えても変わらぬ信念を突き付けていく一枚です。
同系統アルバム
RESURRECTION/BLACK & DAMNED
CHAMPION/TURBOKILL
REFORGED - MACHINE WORLD/IRON SAVIOR

RISE OF THE RULER/MOB RULES

ライズ・オブ・ザ・ルーラー/モブ・ルールズ

WARD RECORDS GQCS-91642 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ出身の30年選手のベテランバンドの10枚目のアルバムです。

 ナレーションによるエピックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、躍動感の強いリフとキャッチーなメロディで駆け抜けるアップテンポの2から、ザラっとした感触のハイトーンヴォーカルによる正統派メタルを作り出していくと、フックの強いメロディとリフで軽やかに走り抜けるアップテンポの3、メランコリックなイントロから情感豊かなヴォーカルメロディが満ち溢れるメロディックなミッドテンポの4、湿ったメロディで突っ走るアップテンポのスピードナンバーの5、オーセンティックなリフで進む6はエピック感も孕むメロディのミッドテンポのナンバー、タイトなビートのイントロからスケール感を高めて進むミステリアスでエピックなミッドテンポの7、繊細な情感が広がるエモーショナルなミッドテンポの8、抒情メロディで突き進むアップテンポのスピードナンバーの9、アコースティックギターに導かれる哀愁ナンバーの10、抒情メロディで進むミッドテンポのエピックメタルナンバーの11が収録されています。

 今年って2005年だったかな(既視感)…(´Д`;)みたいな感触をたっぷり味わえるアルバムは、湿り気帯びたメロディ満載で伝統的なメタルフォーマットに則った楽曲を揃えています。これっぽっちも今時の作風ではないですが、キャッチーさと程よい硬質感がヘヴィメタル黄金時代を思い出させます。現代のプロダクションで往年のメロディックメタルを仕立て上げた一枚です。
同系統アルバム
THE COSMIC RACE/SCANNER
RISE OF AKHENATON/SERIOUS BLACK
THE SILVER KEY/CRYSTAL VIPER

DARK BELIEVER/MARTYR

ダーク・ビリーヴァー/マーター

WARD RECORDS GQCS-91641 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 オランダ出身のバンドの6枚目のアルバムです。同名のバンドは世の中に多いですが、結成は1982年と一時期解散状態にあったもののキャリアは長いです。

 ディープヴォイスで語っていくイントロから壮大に展開するイントロから、キレのあるリフで突き進むアップテンポの1で、パワフルヴォーカルがアグレッシヴに歌い上げていく硬質なヘヴィメタルを作り出していくアルバムは、スリリングなイントロからメイデン風のリフで進むダークでグルーヴィなミッドテンポの2、プリースト度が上がるスリリングなアップテンポの3、抒情性を帯びた重厚なイントロからソリッドなリフで進んでいくエモーショナルなパートからアグレッシヴに展開するミッドテンポの4、ハイトーンヴォーカルが炸裂するテンションの高いアップテンポの5、鐘の音が響く不穏なイントロからの6はダークでミステリアスなヘヴィナンバー、緊迫感高まるイントロからクランチーなリフで突っ走るハイテンションの突進ナンバーの7、攻撃的でタイトなリフで突き進むスピードナンバーの8、クランチーなリフでドライヴしていく疾走ナンバーの9が収録されています。

 「ペインキラー」以降のジューダス・プリーストをベースに80年代メタルバンドの要素を散りばめたアルバムは、ティム・リッパー・オーウェンズっぽいヴォーカルの影響もあって、先達バンドの影が見え隠れするサウンドになっています。全体としては正統派メタルのフォーマットに則っていますが、後半にはスラッシュメタル的な手法も取り入れていたりと、メタル的にはバラエティのある楽曲を揃えており、一定のクオリティを保っています。世間の時流とかあんまり気にしない、自分たちの道を突き進む一枚です。
同系統アルバム
THE SINNER RIDES AGAIN/KK'S PRIEST
NEW MESSIAHS/ASHES OF ARES
RESURRECTION/BLACK & DAMNED