ALBUM COLLECTION バックナンバー 2024

January Februaly March April May June July August September October Nobember December


  1. VAULT OF HORRORS/ABORTED
  2. HUMANOID/ACCEPT
  3. THE CATALYST/AMARANTHE
  4. PLAYS METALLICA VOL.2/APOCALYPTICA [IMPORT]
  5. THE WARRIOR CELT/BELLFAST
  6. THE GREAT DIVIDE/BEYOND GOD
  7. SERVITUDE/THE BLACK DAHLIA MURDER
  8. GHOST STORIES/BLUE ÖYSTER CULT
  9. 50th Anniversary Live - Second Night -/BLUE ÖYSTER CULT
  10. PAIN THERAPY/CONSPIRACY OF BLACKNESS
  11. THE SILVER KEY/CRYSTAL VIPER
  12. ENDTIME SIGNALS/DARK TRANQUILLITY
  13. BANISHED BY SIN/DEICIDE
  14. INVINCIBLE/DEMON
  15. ENDLESS/DGM
  16. WARP SPEED WARRIORS/DRAGONFORCE
  17. METAL GODS/DREAM EVIL
  18. SPECTRUMS/DUSK
  19. WINTER STORM/ENSIFERUM
  20. STAND UNITED/FIREWIND
  21. THE HORROR AND THE METAL/F.K.Ü.
  22. OPERA/FLESHGOD APOCALYPSE
  23. SILVER ROMANCE/FREEDOM CALL
  24. THE STARS WILL LIGHT THE WAY/GALNERYUS
  25. AVENGE THE FALLEN/HAMMERFALL
  26. INVINCIBLE SHIELD/JUDAS PRIEST
  27. FROM HELL I RISE/KERRY KING
  28. RANKARUMPU/KORPIKLAANI
  29. THE END OF THE BEGINNING/LIV MOON
  30. MECHANICS OF PREDACITY/LORDS OF BLACK
  31. MYCELIUM/MANTICORA
  32. EXPEDITION ONE/METALITE
  33. THE UNDERWORLD AWAITS US ALL/NILE
  34. THE ORDER OF FEAR/ORDEN OGAN
  35. UNIVERSE CALLS/PARALYDIUM
  36. AFTERLIFELINES/RAGE
  37. CHALLENGE THE WIND/RHAPSODY OF FIRE
  38. MEAN STREETS/RIOT
  39. ELIMINATED/SABER TIGER
  40. THE COSMIC RACE/SCANNER
  41. CHILD WITHIN THE MAN/SEBASTIAN BACH
  42. FAUST - ACT I PRELUDE TO DARKNESS/STRANGER VISION
  43. ULTRAPOWER/STRIKER
  44. PROFANE PRAYER/SUICIDAL ANGELS
  45. MANIFESTO/SUNBURST
  46. WAKING OUR ANCIENT MEMORIES/UNBORN PROPHECY
  47. WHAT IS DEATH?/UNHOLY ORPHEUS
  48. PHANTOMA/UNLEASH THE ARCHERS
  49. THE EMPYREAN EQUATION OF THE LONG LOST THINGS/VANDEN PLAS [IMPORT]
  50. TENKA-MUSOU/VOLCANO
  51. TIME II/WINTERSUN

January

DUSK | METALITE | STRIKER |

SPECTRUMS/DUSK

スペクトラムズ/ダスク

WORMHOLEDEATH JAPAN BITX-1296 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 サウジアラビア出身のメタルDJによるプロジェクトの2023年に発表されたフルアルバムです。

 スペーシーなムードが高まるミッドテンポの1からクリーンとグロウルを使ったプログレッシヴでエクストリームなサウンドを作り出していくアルバムは、スクリームが炸裂するエモーショナルでアグレッシヴな2、攻撃性が高まるメタルコア風パートとテクニカルなプレイが飛び出すプログレッシヴパートとのコントラストも強い3、グロウルが先導するミステリアスでカオティックな4、スリリングでアグレッシヴな5、攻撃性を高めていくダークでアグレッシヴなパートからエモーショナルなパートへと移行する6、スペーシーなイントロからブルータルとエモーショナルを行き来して進む7、EDMなムードとデスメタルが交錯する8、威圧感の強いモダンサウンドと浮遊感のあるサウンドが重なりあう9、アンビエントなムードで進む10、メランコリックでニューウェイブ的な11、センチメンタルなアウトロの12で幕を閉じます。

 多数のゲストを迎えて多彩な音楽性を見せていくアルバムは、予測のつかない展開と様々なメロディを組み合わせた楽曲を揃えて異色のサウンドを作り出していきます。この手の音楽が活発とは言えない地域にも関わらず、この混沌とした素材をまとめ上げる地力に才能をうかがわせています。バンドの形態としての活動は不透明ですが、創作活動は継続してほしい一枚でした。
同系統アルバム
FAUNA/HAKEN
SPECTRA/THE WRING
RUINS/EMBER FALLS

EXPEDITION ONE/METALITE

エクスペディション・ワン/メタライト

MARQUEE MICP-11842 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身の女性ヴォーカルを擁するバンドの4枚目のアルバムです。

 サイバー感高まるイントロから、伸びやかな女性ヴォーカルが鮮やかなメロディを歌い上げていくキャッチーなアップテンポの1から、メロディックメタルを作り出していくアルバムは、湿ったメロディが広がるポップ感の強いパートとテクニカルな展開を見せるアップテンポの2、エモーショナルなヴォーカルと煌めくキーボードが交錯するソリッドなミッドテンポの3、キャッチーなメロディが躍動するアップテンポの4、ダイナミックなビートを刻むイントロからキャッチーに進んでいくミッド〜アップテンポの5、シリアスなイントロからエモーショナルなメロディが広がるミッドテンポの6、ダークなムードが強まるエモーショナルでソリッドなミッドテンポの7、メランコリックなメロディを紡ぐ爽やかなナンバーの8、キャッチーなメロディでドライヴするアップテンポの9、スケール感が高まるダイナミックなミッドテンポの10、ミステリアスなムードが高まるエモーショナルなミッドテンポの11、ダンサブルなイントロからのキャッチーなミッドテンポの12、爽やかなメロディが広がるミッドテンポのポップナンバーの13、ナレーションから抒情メロディを紡ぐエモーショナルなインストナンバーの14、ボーナストラックには、抒情メロディで進むキャッチーなミッドテンポの15、テクノ風に進むポップなアップテンポの16が収録されています。

 何かもっとこのバンドのアルバムを持っていたような気がしましたが、そんなことはなかった'`,、(´∀`) '`,、SF風味な雰囲気を醸し出しつつキャッチーなメロディックメタルを作り出していくアルバムは、女性ヴォーカルの魅力を活かした楽曲を揃えており、テクノと80年代風のサウンドを合わせたようなムードを生み出します。4分台のコンパクトな楽曲を中心に様々な表情を見せていく成長をうかがわせます。洗練度が進んだことで、先達バンドに近いアプローチも見られますが、順調な進歩を見せていく一枚です。
同系統アルバム
MANIFEST/AMARANTHE
IMPERIAL DAWN/REXORIA
CIRCUS OF DOOM/BATTLE BEAST

ULTRAPOWER/STRIKER

ウルトラパワー/ストライカー

MARQUEE MICP-11843 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 カナダ出身のバンドの7枚目のアルバムです。ヴォーカルとギター以外のメンバーを一新して制作されています。

 大仰なイントロから躍動的なギターリフで突っ走るロッキンなスピードナンバーの1から、80年代の息吹漲るサウンドが展開されていくアルバムは、キャッチーで勢いのあるコーラスで盛り上げるハードロックナンバーの2、哀愁あるホーンセクションで80年代感が強化されるメロウなロックナンバーの3、マカロニウエスタン風のイントロからアグレッシヴなリフで突き進む緩急の強いアップテンポの4、LAメタル感もある勢いのあるコーラスで突っ走る怒涛のスピードナンバーの5、激しいイントロからドライヴしていくハードロッキンなアップテンポの6、エフェクトを効かせたヴォーカルとキャッチーなメロディで進むアリーナ感のあるロックナンバーの7、タイトなリフを刻みつつ加速していくダイナミックなアップテンポの8、フックの効いた展開で盛り上げる壮大なミッドテンポの9、80年代のMTVで流れそうなキャッチーなハードロックナンバーの10、ドライヴするリフが躍動するハイテンションのスピードナンバーの11、ボーナストラックには、キラキラサウンドでメロディックロックするミッドテンポの12、ソリッドなイントロからキャッチーなビートで進むミッドテンポのロックナンバーの13、キャッチーなメロディが広がるポップ感もあるミッドテンポの14が収録されています。

 キャッチーなコーラスにメロディと80年代メタルが復活したかのようなサウンドが戻ってきたアルバムは、この路線を貫徹しようとする意志を感じさせており、当時のサウンドをブラッシュアップしていきます。エネルギッシュなサウンドはメンバー交代の影響も感じさせず、心機一転でさらに強力になっており、求心力のある楽曲を盛り上げていきます。今時のサウンドを完全に振り払っていくメタル黄金時代を再現していく一枚でした。
同系統アルバム
NOSTALGIA/ENFORCER
OUTSIDER/NIGHT DEMON
PAID IN FULL/SKULL FIST

WAKING OUR ANCIENT MEMORIES/UNBORN PROPHECY

ウェイキング・アワ・エイシェント・メモリーズ/アンボーン・プロフェシー

WORMHOLEDEATH JAPAN BITX-1293 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 コスタリカ出身の2018年に結成されたデスメタルバンドの2023年に発表されたファーストアルバムです。

 不穏なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、テクニカルな展開の中ををグロウルとスクリームが咆哮するミッドテンポの2から、凶暴なサウンドが繰り広げられており、緊迫感高まるイントロからソリッドなリフが襲い来る緩急のあるアグレッシヴな3、クランチーなリフが迫りくる高密度で凶悪なミッド〜アップテンポの4、テクニカルなイントロからタイトなリフで押し込んでいく威圧感の強いミッドテンポの5、ダークなフィーリングを高めていく展開の大きいミッド〜アップテンポのヘヴィな6、ヘヴィリフで進む7は女性コーラスも導入してミステリアスでエスニックな雰囲気を醸造していきます。高圧のリフを叩き込んでいくダイナミズム高まり大きく展開するミッドテンポの8、ソリッドなリフが押し寄せるブルータルなミッドテンポの9が収録されています。

 速度よりも圧と密度に重点を置いたデスメタルを展開していくアルバムは、時折見せるメロディックなソロパートやコーラスなどで印象を変化させつつも、エクストリームなサウンドに特化していきます。複雑系のフレーズを確かなテクニックで表現していくあたりは新人離れした力量を感じさせており、安定感のあるパフォーマンスで楽曲を提示していきます。ごった煮感の強いサウンドのため聴き手を選びそうですが、今後の期待値は割と高そうな一枚です。
同系統アルバム
AS GOMORRAH BURNS/CRYPTOPSY
LAND OF DECAY/GRAVE OF SACRIFICE
VILE NILOTIC RITES/NILE





Februaly

AMARANTHE | BEYOND GOD | CONSPIRACY OF BLACKNESS | F.K.Ü. | SCANNER |

THE CATALYST/AMARANTHE

ザ・カタリスト/アマランス

UNIVERSAL MUSIC UICN-1110 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身の男女混合ヴォーカルのバンドの7枚目のアルバムです。グロウル担当のヴォーカリストが交代しています。

 エレクトロなビートとエモーショナルなトリプルヴォーカルが絡み合うキャッチーでメロウなアップテンポの1から、ドラマティックでコンパクトな楽曲を揃えていくアルバムは、ラウドなビートとフックのあるメロディが交錯するタイトなミッドテンポの2、ミステリアスなイントロからスピード感を高めていくアップテンポのスピードナンバーの3、女性ヴォーカルとグロウルが絡み合うエモーショナルなミッドテンポの4、エレクトロなムードが高まるアグレッシヴでダイナミックなミッドテンポの5、タイトなビートと煽情性の強いヴォーカルが重なりあうエモーショナルなミッドテンポの6、センチメンタルなバラードナンバーの7、エモーショナルなメロディで進むミッドテンポの8、シリアスなムードで進むエモーショナルなミッドテンポの9、ドラマティックなイントロからエモーショナルなメロディが広がるポップ感もあるミッドテンポの10、デジタルビートで畳みかけるスリリングでキャッチーなアップテンポの11、エレクトロなフィーリングとエモーショナルなヴォーカルが交錯するミッドテンポの12、ボーナストラックには、同郷のロクセットのカバーの13、収録曲の別バージョンが3曲、PCゲーム「The Elder Scrolls V: Skyrim」の収録曲のカバーの17が収録されています。

 トリプルヴォーカルのクオリティが高まったことにより、魅力がより引き出されている楽曲は3分台のコンパクトなものを揃えて、聴き手を捕えていきます。メジャー感の高まるサウンドにアグレッシヴなメタル感が合わさった独自性に強いスタイルはより強化され、孤高の存在へとバンドを引き上げていきます。完成度の高い作品を提示し続けるバンドの意欲的な一枚です。
同系統アルバム
XI/ELEGY OF MADNESS
DIAMANTI/TEMPERANCE
CIRCUS OF DOOM/BATTLE BEAST

THE GREAT DIVIDE/BEYOND GOD

ザ・グレート・ディヴァイド/ビヨンド・ゴッド

WORMHOLEDEATH JAPAN BITX-1301 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 オランダ出身の女性ヴォーカルを擁するシンフォニックメタルバンドの2023年に発表された4枚目のアルバムです。

 壮大なムードが高まる導入部からダークなムードを孕むシンフォニックでスリリングな展開を見せる1から、ドラマティックなサウンドを展開するアルバムは、タイトなリフと優雅なヴォーカルが交錯するミッドテンポの2、緊迫感高まるソリッドでエモーショナルなミッドテンポの3、ピアノの響きに導かれる4はメランコリックなメロディが広がるスリリングでダイナミックなナンバー。壮大なイントロからシンフォニックに展開していく緊張感高まるアップテンポの5、エモーショナルなヘヴィパートからドラマティックに展開する6、ダークな空気が漲るイントロからスリリングに突き進むスピードナンバーの7、センチメンタルなイントロからのエモーショナルなバラード風ナンバーの8、緊張感のあるイントロからシンフォニックに突き進むスピードナンバーの9、メランコリックなメロディが広がるイントロから疾走していくダイナミックな10が収録されています。

 ダークで壮大な世界観を作り出していくアルバムは、情感豊かに劇的なサウンドを展開しており、豊かな表現力とパフォーマンスで聴き手の没入感を高めていきます。モダンなフィーリングも加えた安定感のあるサウンドでバンドの充実度を感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
THE WONDERS STILL AWAITING/XANDRIA
CELESTIAL VISION/MYSTFALL
XI/ELEGY OF MADNESS

PAIN THERAPY/CONSPIRACY OF BLACKNESS

ペイン・セラピー/コンスピラシー・オブ・ブラックネス

WORMHOLEDEATH JAPAN BITX-1297 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 女性ヴォーカルを擁するイタリア出身のバンドの2023年に発表された二枚目のアルバムです。

 ミステリアスなイントロダクションに導かれるアルバムは、情念高まる女性ヴォーカルが歌い上げていくダークな雰囲気のドラマティックなミッドテンポの2から、ゴシック風味のサウンドが広がっており、ヘヴィリフで進むダイナミックでシアトリカルなミッドテンポの3、ピアノに導かれる4はダイナミックな展開とエモーショナルなヴォーカルが生み出す劇的ナンバー。ミステリアスなヘヴィリフがのたうつダークなミッドテンポの5、メランコリックなメロディが炸裂するソリッドなアップテンポの6、圧の強いヘヴィリフのイントロからヴォーカルが繊細かつパワフルに展開していくヘヴィなミッドテンポの7、タイトなリフが緊迫感を高めていくアグレッシヴなミッドテンポの8、ソリッドなリフが押し込まれていくモダンなミッドテンポの9が収録されています。

 表現豊かな女性ヴォーカルとアクセントのグロウルによって彩られていくモダンでゴシックなサウンドは、エクストリームでエモーショナルな楽曲を作り出しており、暗黒劇場を開幕していきます。パワフルなサウンドと確かなパフォーマンスによって生み出されていく楽曲は、説得力と魅力のあるものになっており、バンドの地力を感じさせます。さすがイタリアンメタルって感じの実力のある一枚でした。
同系統アルバム
ALCHEMISTS/DEGREES OF TRUTH
XI/ELEGY OF MADNESS
MATER LARVARUM/DEATHLESS LEGACY

THE HORROR AND THE METAL/F.K.Ü.

ザ・ホラー・アンド・ザ・メタル/F.K.U.

SPIRITUAL BEAST IUCP-16366 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの6枚目のアルバムです。

 ダークなイントロから荒々しいギターリフがクランチーに叩きつけられていくアップテンポの1から、吐き捨てヴォーカルが叫ぶクロスオーヴァーなスラッシュメタルが展開されるアルバムは、怒涛の突撃ナンバーの2、不穏なイントロからダークに進むタイトなミッドテンポの3、グルーヴィなイントロから壮絶なリフが叩きこまれる凶悪な激烈スラッシャーの4、ヘヴィなイントロからソリッドなリフを連ねていく圧の強まるミッドテンポの5、不吉なイントロからの6は切れ味鋭いリフで突撃していくスラッシュナンバー。ソリッドなリフで威嚇的に迫るミッドテンポの7、ハイテンションで一気呵成に突っ走る突撃ナンバーの8、タイトなリフが躍動するアグレッシヴなアップテンポの9、ミステリアスなイントロからクランチーなリフで疾走していく緩急の効いた突撃ナンバーの10、ボーナストラックには、唸りを上げるリフで突っ走る怒涛のファストチューンの11が収録されています。

 トレンドに気を取られない独自の路線をひた走るアルバムは、全くブレないスラッシュメタルを展開しており、聴き手の期待に応える作品に仕上げています。バンドのアイデンティティであるホラー映画モチーフは「ピラニア」、「オーメン」、「スキャナーズ」とかまあ色々。シンガロングする楽曲も増やしてオーディエンスに寄り添ってみたりする、安定感のある一枚でした。
同系統アルバム
THRASHING EXTINCTION/INCRYPT
ELECTRIFIED BRAIN/MUNICIPAL WASTE
THE SHADOW INSIDE/SADUS

THE COSMIC RACE/SCANNER

ザ・コズミック・レース/スキャナー

WARD RECORDS GQCS-91438 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ベテランジャーマンメタルバンドの9年ぶり七枚目のアルバムです。ベーシストとドラマーが交代しています。

 キレのあるリフと厚いコーラスにトライバルなパートまで詰め込んだ劇的スピードナンバーの1から、パワフルでエピックなサウンドを展開していくアルバムは、エモーショナルなメロディとタイトなリフが交錯するミッドテンポの2、タイトなリフと粘りのあるヴォーカルで突っ走る勢いのあるアップテンポの3、グルーヴィなリフと情念的なヴォーカルが一体となって迫るヘヴィナンバーの4、タイトなイントロから躍動感のあるリフで進んでいくアップテンポの5、メランコリックなムードが高まるバラード風ナンバーの6、怪しげなイントロからエピックなムードが高まっていくミッドテンポの7、緊張感高まるコーラスからの8はスリリングなリフで突っ走るダイナミックなアップテンポのナンバー。ジューダス・プリースト風味のダークなリフで進む重厚なヘヴィナンバーの9が収録されています。

 前作はパワーメタリックな要素が強まっていたようですが、今作では伝統的なヘヴィメタルの感触を強めており、先達バンドを思い起こさせる正統派スタイルが印象に残ります。リズム隊の交代で安定感も高まり、安心感のあるパフォーマンスを見せていますが、今時のリスナーにどれほど刺さるかは分からない'`,、(´∀`) '`,、SF風味のジャケットは洗練されてますが、サウンドはちっとも垢抜けない一枚でした。
同系統アルバム
TOUCHDOWN/U.D.O.
TALES FROM THE NORTH/BLOODBOUND
BACK TO ATTACK/MAJESTY





March

ABORTED | DRAGONFORCE | FIREWIND | JUDAS PRIEST | LORDS OF BLACK | RAGE | SUICIDAL ANGELS |

VAULT OF HORRORS/ABORTED

ヴォールト・オブ・ホラーズ/アボーテッド

WARD RECORDS GQCS-91447 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ベルギー出身のデスメタルバンドの12枚目のアルバムです。

 不穏なムードが高まるイントロから、デスコアバンドのヴォーカル、ベン・デュールが参加する凶暴なリフが襲い掛かるタイトでブルータルな1から、クラシックスタイルのデスメタルが展開されるアルバムは、フレッシュゴッド・アポカリプスのフランチェスコ・パオリが参加する凶悪な突撃ナンバーの2、カナダのデスコアバンドのギタリストが叫ぶアグレッシヴでブルータルな破壊力の高い高密度の3、デスパイズド・アイコンのアレクサンドル・エリヤーンが吼えるブルータルでソリッドなミッドテンポの4、クリプトプシーのマット・マギャキーが参加する暴虐な突撃ナンバーの5、英国のデスコアバンドのヴォーカルが参加する緩急の強い高圧ナンバーの6、ミステリアスなイントロから不穏なサウンドが充満する展開の激しいダイナミックな7、アーチスパイアーのヴォーカルが参加するブルータルな突進ナンバーの8、米国産デスコアバンドのヴォーカルが参加する重量級のアグレッシヴな高圧ナンバーの9、さらに米国産デスコアバンドのヴォーカルが参加するタイトでブルータルな10が収録されています。

 ホラー映画に題材をとったアルバムは、多数のゲストを迎えながらも全体的なムードを統一して手堅いサウンドを作り出していくベテランバンドの妙を見せつけるものとなっています。ちなみに、モチーフとなっているホラー映画は、1「遊星からの物体X」、2「バタリアン」、3「パラダイム」、4「悪魔のいけにえ」、5「ヘルレイザー」、6「ザ・フライ」、7「ドグマ」、8「ハロウィン」、9「死霊のはらわた2」、10「ザ・フォッグ」と有名どころが揃えられています。安定感と破壊力が高まる壮絶なサウンドとマニアックな楽しみが詰め込まれた一枚でした。
同系統アルバム
THE HORROR AND THE METAL/F.K.Ü.
AS GOMORRAH BURNS/CRYPTOPSY
WEAPONS OF SPIRITUAL CARNAGE/IRONMASTER

WARP SPEED WARRIORS/DRAGONFORCE

ワープ・スピード・ウォーリアーズ/ドラゴンフォース

VICTOR VICP-65621 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国産スピードメタルバンドの9枚目のアルバムです。女性ベーシストが新たに加入しています。

 ドラマティックなイントロから高速フレーズとハイトーンヴォーカルで突っ走る疾走ナンバーの1から、テンション高いサウンドが展開されるアルバムは、キャッチーなメロディと躍動的なビートが一体となって進むミッドテンポの2、解放感の強いメロディで進む壮大なミッドテンポの3、抒情メロディで突っ走る高速ナンバーの4、ミリタリーケイデンスも盛り込んだクワイアで盛り上げるキャッチーなミッドテンポの5、キラキラインストナンバーの6から高速ビートで突っ走るダイナミックなスピードナンバーの7、80年代風サウンドのポップなミッドテンポの8、抒情メロディが広がるイントロから怒涛のビートで突き進む高速ナンバーの9、10はテイラー・スウィフトの高速カバーが収録されています。

 前作からのスタイルを受け継いでいくアルバムは、毛色の変わった楽曲でもバンドらしさを盛り込んで、個性的な楽曲に仕上げていきます。全体的なムードとしてはバンドの魅力を損なわない自由な楽曲を揃えており、パーソナルな部分とポップカルチャー的な部分が組み合わされた世界観を提示しています。新たに加入したベーシストも実力は確かで楽曲の底を支えており、安定感のあるサウンドを作り出していきます。ポップでエクストリームなサウンドが満載の一枚でした。
同系統アルバム
DINOSAUR WARFARE PT.2 - THE GREAT NINJA WAR/VICTORIUS
RETURN TO THE KINGDOM OF FIFE/GLORYHAMMER
TRAVELER'S TALES/SHADOWSTRIKE

STAND UNITED/FIREWIND

スタンド・ユナイテッド/ファイアウインド

KING RECORDS KICP-4063 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ギリシャ出身のバンドの10枚目のアルバムです。

 鮮やかなギタープレイで突き進むメロディックでパワフルなアップテンポの1から、ハスキーヴォイスが歌い上げていくアルバムは、タイトなリフが切れ込んでくる躍動感高まるスリリングなアップテンポの2、ドライヴするリフで駆け抜けるアップテンポの3、ルーズなリフでロックするミッドテンポの4、湿ったメロディで突き進むダイナミックなミッドテンポの5、抒情メロディとタイトなリフで迫るアップテンポの6、エモーショナルなメロディとソリッドなリフが交錯するミッドテンポの7、クランチーなリフで進むタイトなミッドテンポの8、ザ・ロマンティクスのカバーの9、メランコリックなメロディが高まるエモーショナルでパワフルなミッドテンポの10が収録されています。

 ガスG.のフラッシーなギタープレイが炸裂するアルバムは、オーセンティックなヘヴィメタルを確かな実力で実直に作り出しています。加入したバンドのサウンドを喰ってしまうハービー・ランガンスのパフォーマンスもバンドの楽曲とフィットしている感を出しており、このバンドが一番あってるんじゃないかなって印象を与えます。奇をてらわずにクオリティを上げていく安定の一枚です。
同系統アルバム
BLOODLINES/PYRAMAZE
GRAVITY/RING OF FIRE
INNERVOID/ELDRITCH

INVINCIBLE SHIELD/JUDAS PRIEST

インヴィンシブル・シールド/ジューダス・プリースト

SONY MUSIC SICP-6557 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ブリティッシュ・ヘヴィメタルの開祖による19枚目のアルバムです。

 シンセサイザーによるサウンドで幕を開けるアルバムは、スリリングなリフワークとコーラスで突き進むシリアスなアップテンポの1から、バンドのアイデンティティを明らかにしていくと、ドライヴするリフで突っ走るファストパートとルーズなコーラスのコントラストが強いスピードナンバーの2、タフなギターリフで押し込んでいくパワフルで多彩な展開を見せるエピックなアップテンポの3、タイトなリフとルーズなムードが交錯するミッドテンポの4、湿ったメロディが炸裂するタイトでエモーショナルなミッドテンポの5、哀愁メロディが広がるタフなロックナンバーの6、鋭いギターリフで突っ走るアグレッシヴでダイナミックなファストチューンの7、ダークなムードで進むタイトでグルーヴィなナンバーの8、ドゥーミーでエモーショナルなヘヴィナンバーの9、ノリのよいリフが躍動するキャッチーでダイナミックなアップテンポの10、70年代風味のグルーヴィでメランコリックなロックナンバーの11が収録されています。

 センチネルブレイキン・ザ・ロウを合わせてペインキラーをまぶしたみたいな1から、ジューダス・プリーストかくあるべし、みたいなサウンドが展開されていくアルバムは、原点回帰職人のアンディ・スニープをプロデュースに迎えたことでも予想されるものでしたが、80年代サウンドを中心に70年代、90年代をも網羅する徹底ぶりを見せます。問題作を発表してこそのバンドという気持ちもあったりしますが、正直、バンドがあとどれくらい続くかは、誰にも分らないのも含めて、ラストアルバムになっても後悔しないような仕上がりを目指しているような印象を受けます。ヘヴィメタルとしては停滞している感もありますが、ジューダス・プリーストとしては満点の一枚でした。
同系統アルバム
TOUCHDOWN/U.D.O.
THE SINNER RIDES AGAIN/KK'S PRIEST
THE COSMIC RACE/SCANNER

MECHANICS OF PREDACITY/LORDS OF BLACK

メカニクス・オヴ・プリダシティ/ローズ・オブ・ブラック

MARQUEE MICP-11854 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スペイン産メタルバンドの6枚目のアルバムです。

 物悲しいギターの調べに導かれるアルバムは、ダークな雰囲気が高まるソリッドなリフを叩き込んでいく緊張感の強いミッドテンポの1から、パワフルなヴォーカルとパフォーマンスが一体となって迫るサウンドを作り出していくと、タイトなリフと抒情メロディで突き進むアグレッシヴなミッド〜アップテンポの2、ダークでエモーショナルなミッドテンポの3、ソリッドなリフで進むアグレッシヴなミッドテンポの4、解放感のあるメロディで進むスムーズなミッドテンポの5、レインボー系譜の重厚なミッドテンポの6、キャッチーな感触が強まるソリッドなミッドテンポの7、タイトでダイナミックな展開を見せるミッドテンポの8、ミステリアスなイントロからエモーショナルに進むドラマティックでプログレッシヴなミッドテンポの9、アコースティックギターの響きに導かれる10はアグレッシヴでドラマティックなアップテンポのナンバー、ボーナストラックには3のアコースティックバージョンが収録されています。。

 前作からのスタイルを維持しているアルバムは、ダークでドラマティックな世界観を丁寧に作り出しており、硬質なサウンドがムードを構築していきます。プログレッシヴな展開も導入され緻密な音世界を更に強化しており、クオリティを高めていきます。バンドの熟成度を感じさせる安定感の高い一枚です。
同系統アルバム
STAND UNITED/FIREWIND
INNERVOID/ELDRITCH
GHOST TOWN/NARNIA

AFTERLIFELINES/RAGE

アフターライフラインズ/レイジ

WARD RECORDS GQCS-91430/1 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 40周年を迎えるベテランジャーマンメタルバンドの25枚目くらいの二枚組アルバムです。ギタリストが一人活動停止になって、トリオ編成になって制作されています。

 哀愁帯びたシンフォニックなイントロで幕を開けるディスク1は、抒情メロディとアグレッシヴなリフが交錯するアップテンポのスピードナンバーの2から、レイジ節が炸裂するサウンドを展開しており、煽情的なメロディで突き進むエモーショナルなアップテンポの3、ソリッドなリフで押し込んでエモーショナルなコーラスへと進んでいくタイトなミッドテンポの4、クランチーなリフで突っ走るアグレッシヴでエモーショナルな5、ソリッドなリフで進むダークなミッドテンポの6、エモーショナルなムードが高まる煽情性の強いミッドテンポの7、大仰なイントロからクランチーなリフを叩き込んでいくダイナミックなスピードナンバーの8、タイトなリフが躍動感を高めていくミッドテンポの9、ソリッドなリフと湿ったメロディが交錯するエモーショナルなミッドテンポの10、哀愁メロディが炸裂するミッドテンポの11、ボーナストラックにライヴ曲が一曲収録されています。
 ディスク2は、ピアノに導かれるシンフォニックなイントロからダイナミックに展開していく緩急の強いスピードナンバーの1から、オーケストラとの共演で盛り上げていき、抒情メロディが広がるミッドテンポのエモーショナルな劇的ナンバーの2、ダークな空気が充満していくヘヴィナンバーの3、ストリングスとタイトなリフで進むドラマティックなミッドテンポの4、威圧感の強いヴォーカルとシンフォニックな展開が交錯するダークなミッドテンポの5、センチメンタルなメロディで進むバラード風の6、エモーショナルなメロディが広がる煽情的なミッドテンポの7、重厚なムードが高まるエモーショナルな劇的ナンバーの8から過去曲のモチーフを散りばめたオーケストラによるインストナンバーの9を経て、メランコリックな劇的ナンバーの10へと至ります。

 40周年なのに、メンバーの問題がまた発生してしまってますが、楽曲のクオリティはいつも通り( ´∀`)最近のスタイルを踏襲するディスク1と、オーケストラなディスク2で一応スタイルを分けてはいますが、オーケストラ全開の方は久しぶり感があるのでちょっと盛り上がります。今なお変わらぬ旺盛な創作意欲にすっかりやられていきますが、いつまでも元気な二枚でした。
同系統アルバム
FIRESTAR/IRON SAVIOR
CODE RED/PRIMAL FEAR
ACTA EST FABULA/PHOENIX RISING

PROFANE PRAYER/SUICIDAL ANGELS

プロフェイン・プレイヤー/スイサイダル・エンジェルズ

WARD RECORDS GQCS-91441 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ギリシャ出身のスラッシュメタルバンドの8枚目のアルバムです。

 哀愁帯びたイントロからメロディアスなリフが繰り出されていくタイトでアグレッシヴなアット・ザ・ゲイツを彷彿とさせる1から、ダイナミックなスラッシュメタルを展開していくアルバムは、ソリッドなリフを叩きつけていく展開の激しいブルータルなナンバーの2、スレイヤー分が増量される怒涛の圧巻スラッシュナンバーの3でもダークでヘヴィなエンディングを見せていきます。センチメンタルなアコースティックのイントロからダークなメロディを連ねていき、クリーンヴォーカルも加えて正統派メタル的な展開を見せるエモーショナルなミッドテンポの4、何だか炎が産まれそうな激烈スラッシュナンバーの5、ダークなイントロからタイトなリフを詰め込んでいくダイナミックでスリリングなミッドテンポの6、ダイナミックなリフで突き進むアグレッシヴなアップテンポの7ではフラッシーなギターソロも。スレイヤー成分がさらに増強されるスラッシュナンバーの8、女性ヴォーカルも導入したミステリアスでダークな展開も多彩な大作ナンバーの9で幕を閉じます。

 クリエイター風の曲とスレイヤー風の曲の二極化が加速するアルバムは、すでにベテランの域に達するバンドのスラッシュメタルの多様性を模索する意志を感じさせており、安定感のあるパフォーマンスが様々なスタイルを底支えしていきます。適度にメロディアスで充分にアグレッシヴなベテランの風格を感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
ELECTRIFIED BRAIN/MUNICIPAL WASTE
HATE ÜBER ALLES/KREATOR
THE RESILIENCE/HEART ATTACK





April

ACCEPT | BLUE ÖYSTER CULT | KORPIKLAANI | VANDEN PLAS |

HUMANOID/ACCEPT

ヒューマノイド/アクセプト

WARD RECORDS GQCS-91457 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ベテランジャーマンメタルバンドの17枚目のアルバムです。トリプルギター体制になった前作から、やっぱりツインギターに戻っています。

 中近東風味のイントロからタイトなリフで進むミッドテンポのワイルドな1から、不穏なムードで進むダークなミッドテンポの2、タイトなリフでロッキンしていくドライヴィンなミッドテンポの3、グルーヴィなリフで進むアメリカンロックナンバーの4、緊迫感のあるイントロからソリッドなリフが詰め込まれる勢いのあるミッドテンポの5、躍動的で湿り気のあるハードロックナンバーの6、パワーバラードの7、湿ったメロディで突き進むタイトなアップテンポの8、エモーショナルでソリッドなミッドテンポの9、ルーズな雰囲気のロックナンバーの10、タイトなリフで進むアグレッシヴなミッドテンポの11が収録されています。

 全体的にはハードロック要素の強まったサウンドが揃ったアルバムは、とてもリラックスしたパフォーマンスが楽曲にも影響を与えたか、何だか緩いムードで練りこみ不足な感が印象に残ります。ピーター・バルテスの脱退が響いているのかは不明ですが、さすがに作曲では新戦力が必要になってるんじゃないかな、と思わされます。アクセプトらしさはありますが、いろいろ不足している印象が強い一枚でした。
同系統アルバム
THE COSMIC RACE/SCANNER
TOUCHDOWN/U.D.O.
STAND UNITED/FIREWIND

GHOST STORIES/BLUE ÖYSTER CULT

怪談/ブルー・オイスター・カルト

MARQUEE MICP-11865 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産ベテランロックバンドの16枚目のアルバムです。初期メンバーの関わった楽曲で構成されています。

 ミステリアスなムードのミッドテンポのロックナンバーの1から、キャッチーなアップテンポのロックナンバーの2、メランコリックなムードのソフトな3、アニマルズのカバーの4、ブルージーでルーズなロックナンバーの5、70年代ロックフィーリングが高まるミッドテンポの6、ジャズ風の導入部からキャッチーにハードロックしていく7、ムーディでエモーショナルな8、ソリッドなリフで進むハードロックナンバーの9、乾いたムードのロックナンバーの10、エモーショナルでダイナミックなロックナンバーの11、ビートルズのカバーの12、ボーナストラックにはドアーズのカバーが収録されています。

 今年って1974年だったかな…(´Д`;)と思わせる作風のアルバムは、実際当時ものの楽曲をAIを使って何だかんだしてみたレガシーの再発掘という制作過程を取っています。70〜80年代の楽曲だけに、当時のフィーリングそのままにバンドの魅力を伝えており、往年のファンあたりには刺さりそうな雰囲気を醸し出します。バンドの継続という意味ではどうなんだこれ、って感じではありますが、バンドの本質を楽しむには十分な一枚です。
同系統アルバム
AMERICAN MADE/BPMD
SPECTRA/THE WRING
PYRE OF THE BLACK HEART/MARKO HIETALA

RANKARUMPU/KORPIKLAANI

コルピと温故知新の旅/コルピクラーニ

WARD RECORDS GQCS-91451 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のフォークメタルバンドの12枚目のアルバムです。ヴァイオリニストが交代しています。

 勢いのあるヴォーカルで始めるアルバムは、テンション上がるアッパーなスピードナンバーの1から、フォーキーなメロディが炸裂する哀愁メタルを展開していくと、アグレッシヴに突き進むアップテンポの2、哀愁メロディで突っ走るキャッチーでアッパーなアップテンポの3、ハイテンションで突っ走るファストチューンの4、哀愁メロディでやっぱり突っ走る緩急の強いスピードナンバーの5、抒情メロディで進むパワフルなミッドテンポの6、ダイナミックなリフで突き進む躍動感高まるミッドテンポの7、哀愁メロディのイントロからハイテンションで突っ走るスピードナンバーの8、哀感高まるエモーショナルなアップテンポの9、フォーキーなメロディで加速していく起伏の大きいファストチューンの10、ギャロップするビートで進むミッドテンポの11、情念高まるエモーショナルなミッドテンポの12で幕を閉じます。

 初期のフィーリングを取り戻したかのようなスピードナンバーを揃えてきたアルバムは、素直にテンション上がる作風に仕上げられており、ここ最近のアルバムの傾向を更に強化したものとなっています。さすがに初期の衝撃的な感触は取り戻せませんが、もやもや感が取っ払われたガッツのあるサウンドが充満しています。みんなが好きだったコルピの復活を印象付ける一枚でした。
同系統アルバム
READER OF THE RUNES - RAPTURE/ELVENKING
THALASSIC/ENSIFERUM
ARMAGEDDON/EQUILIBRIUM

THE EMPYREAN EQUATION OF THE LONG LOST THINGS/
VANDEN PLAS
[IMPORT]

エンピリアン・イクウェイジョン 〜失われし天空の方程式〜/ヴァンデン・プラス

FRONTIER RECORDS FR CD 1400 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ出身のバンドの11枚目のアルバムです。キーボーディストが色々引っ張りだこのアレッサンドロ・デル・ヴェッキオに交代しています。

 ピアノの繊細な響きに導かれるアルバムは、インストパートが主軸のソリッドでメタリックなリフが叩きつけられていくダイナミックな展開の1から、抒情メロディが広がる繊細な情感が高まっていくソリッドなミッドテンポの劇的ナンバーの2、ソリッドなリフとタイトなビートが感情の高まりを支えていく手の込んだ展開のエモーショナルなミッドテンポの3、タイトなリフが迫るシリアスなムードが高まるドラマティックなミッドテンポの4、ピアノと共に進むヴォーカルがエモーショナルに展開するパワーバラード風の5、15分を超える大作となる6は、起伏の大きい展開と感情の盛り上がりがシンクロしていく劇的ナンバーに仕上げられています。

 曲数を見たらミニアルバムかな?と思いましたがそんなことはなかった'`,、(´∀`) '`,、8〜10分台の曲が4曲と、プログレッシヴメタルバンドらしい長尺の曲を揃えて劇的世界を作り出していくアルバムは、メロディを更に強化して情感をより訴えかけるものとなっており、ベテランバンドらしい安定感と楽曲の整合性が聴き手を包み込んでいきます。新加入のキーボーディストはそこまでフィーチュアされていませんが、バンドのサウンドに溶け込んでおり、共に構築美を生み出していきます。聴きやすさと満足度が高まる一枚でした。
同系統アルバム
INNERVOID/ELDRITCH
SPECTRA/THE WRING
THE GATES OF THE UNDERWORLD/NOVERIA





May

DEICIDE | FREEDOM CALL | KERRY KING | RHAPSODY OF FIRE | RIOT | SEBASTIAN BACH | UNHOLY ORPHEUS | UNLEASH THE ARCHERS |

BANISHED BY SIN/DEICIDE

バニッシュド・バイ・シン/ディーサイド

WARD RECORDS GQCS-91468 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産デスメタルバンドの13枚目のアルバムです。

 不穏なムード漂うギターリフが襲い来る凶暴な突進ナンバーの1から、ブルータルなサウンドを生み出していくアルバムは、メロディアスなイントロからタイトなリフが押し寄せる圧の強い凶悪なミッドテンポの2、重量感たっぷりのリフで圧倒していくヘヴィナンバーの3、ミステリアスなイントロからブルータルに突き進む突進ナンバーの4、パワフルで不穏なリフが迫りくるアップテンポの5、ダイナミックな展開で突き進むアグレッシヴなファストチューンの6、タイトなリフで切り込んでいく緊迫感高まる攻撃的な7、ブルータルに突っ走る突進ナンバーの8、威圧感タップリに圧を掛けていくミッドテンポの9、怒涛の突進ナンバーの10、ブルータルに突き進むダイナミックな突撃ナンバーの11、メロデス風味のイーヴィルなミッドテンポの12が収録されています。

 邪悪な空気感を醸造していくアルバムは、フラッシーなギターソロでムードを盛り上げつつオールドスタイルのデスメタルへと帰結していく変わらぬスタイルを貫いています。フックの強い楽曲が揃えられており、90年代風のサウンドを現代へとアップデートしつつ独自性を貫いており、ベテランバンドの凄みを見せつけていきます。一気に駆け抜けていく破壊力の高い一枚でした。
同系統アルバム
VAULT OF HORRORS/ABORTED
AS GOMORRAH BURNS/CRYPTOPSY
WEAPONS OF SPIRITUAL CARNAGE/IRONMASTER

SILVER ROMANCE/FREEDOM CALL

シルヴァー・ロマンス/フリーダム・コール

MARQUEE MICP-11887 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ出身のメロディックメタルバンドの11枚目のアルバムです。アイアン・マスクなど色々なバンドで活動しているドラマー、ラミー・アリが加入しています。

 軽快なイントロからキャッチーなメロディが広がっていくアップテンポのスピードナンバーの1から、ハッピーなフィーリングが高まるメロディックメタルが展開されるアルバムは、躍動感の強いリフとゴージャスなコーラスで進むシネマティックで明朗なアップテンポの2、抒情性の強まるメロディでドラマティックに迫るミッドテンポの3、タイトなリフとキャッチーなメロディが躍動するスピードナンバーの4、ファンタジックなムードが高まるポップなミッドテンポの5、抒情メロディでひた走るアップテンポの豪華な劇的ナンバーの6、ファンタジックなイントロから高揚感高まるメロディが飛翔するアップテンポの7、抒情性の強いメロディで進むエモーショナルなミッドテンポの8、タイトなリフで突き進むダイナミックなスピードナンバーの9、重厚さが高まるエモーショナルなパートからコーラスが飛翔するミッド〜アップテンポの10、キラキラサウンドと湿ったメロディが交錯するアップテンポの11、ポップなメロディで進むキャッチーなミッドテンポの12、ハッピーさが爆発する明朗メロディで進むメタルアンセムなミッドテンポの13、ボーナストラックにはライヴ曲が一曲収録されています。

 バンドの結成25周年ということで、アルバムタイトルがこんな感じになってますが、サウンド自体はいつも通りのポジティブでハッピーなメロディックメタル。勇気と希望が漲るサウンドが充満しています。ジャケットがサウンドに寄ってきたのは良かった'`,、(´∀`) '`,、強い信念を持って自分たちのスタイルを堅持する一枚です。
同系統アルバム
TALES FROM THE NORTH/BLOODBOUND
EXPEDITION ONE/METALITE
RETURN TO THE KINGDOM OF FIFE/GLORYHAMMER

FROM HELL I RISE/KERRY KING

フロム・ヘル・アイ・ライズ/ケリー・キング

WARD RECORDS GQCS-91465 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 元か現かよくわからないスレイヤーのギタリスト、ケリー・キングによる自身の名を冠したバンドのファーストアルバムです。ヴォーカリストにはデス・エンジェルのマーク・オゼグエダ、もう一人のギタリストにマシーンヘッドなどで活動していたフィル・デンメル、ベーシストに元ヘルイェーのカイル・サンダース。ドラマーには旧知の仲であるポール・ボスタフを迎えて制作しています。

 不穏なムードが高まるイントロで幕を開けるアルバムは、クランチーなギターリフが唸りを上げる怒涛スラッシュナンバーの2で、一気にテンションを上げていくと、ヘヴィなリフを刻んでいく圧の強いグルーヴィなミッドテンポの3、激しいイントロからタイトなリフで襲い掛かるブルータルな突撃ナンバーの4、不穏なイントロから威嚇的に進むミッドテンポの5、凶暴なリフが荒れ狂う緩急の強い突進ナンバーの6、威圧感高まる導入部からグルーヴィに進むミッドテンポの7、唸りを上げるリフで突撃する凶悪ナンバーの8、ソリッドなリフで押し込んでいくダイナミックなアップテンポの9、パンキッシュなムードも残るアグレッシヴなミッドテンポの10、アグレッシヴに突き進むブルータルな突撃ナンバーの11、威圧感高まるグルーヴィなヘヴィナンバーの12、唸るリフが荒れ狂う凶悪ナンバーの13が収録されています。

 すごく…スレイヤーです…(´Д`;)まあ、当たり前か'`,、(´∀`) '`,、そんなわけで、ケリー・キングのソロアルバムなわけですが、自分のルーツとか遡ることもなく、現在進行形でスレイヤーをやってる感じです。マーク・オゼグエダもトム・アラヤに寄せているので、スレイヤー感が薄れることが全くなく純粋にスラッシュメタルを堪能できます。メンバーは固定されていないので、今後どうなるのかは不明ですが、色々なバリエーションのスレイヤーが出てくると楽しそうだなって感じの一枚でした。
同系統アルバム
PROFANE PRAYER/SUICIDAL ANGELS
THE SHADOW INSIDE/SADUS
DIABOLICAL/DESTRUCTION

CHALLENGE THE WIND/RHAPSODY OF FIRE

チャレンジ・ザ・ウィンド/ラプソディー・オブ・ファイア

KING RECORDS KICP-4061 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア出身のバンドの13枚目のアルバムです。

 ダイナミックなイントロでテンションを上げていくアルバムは、ドラマティックな展開で突き進む壮大なシンフォニックなアップテンポの1から、ファンタジックな世界観を構築していくと、煽情的なメロディとダイナミックな展開で進むアップテンポの2、スリリングなイントロから勇壮に突き進むアップテンポの3、ダークなムードが高まるアグレッシヴで威圧的なパートから飛翔してソリッドに移っていく展開の大きいミッドテンポの大作ナンバーの4、ファンタジックなムードとエモーションが交錯するミッドテンポの5、抒情メロディで突き進むアップテンポの劇的スピードナンバーの6、パワフルなイントロからドラマティックに進む緊迫感高まるアップテンポの7、湿ったメロディで進む勇壮なミッド〜アップテンポの8、緩急の強い展開で進むファンタジックなアップテンポの9、メランコリックなイントロからタイトなリフで進む重厚なエピックナンバーの10、ボーナストラックには1の日本語バージョンが収録されています。

 安定感のあるサウンドが維持されていくアルバムは、エピックメタルのお手本のような楽曲を揃えており、初期の過剰な感触は薄れているものの、オリジネイターとしての求心力を作り出しています。メロディも演出も薄味で聴きやすさを重視しているため、若干物足りなさを感じるところもありますが、広い層へのアピールと完成度が高まった一枚でした。
同系統アルバム
NEKYIA/WINTERAGE
RETURN TO THE KINGDOM OF FIFE/GLORYHAMMER
AT THE HEART OF WINTERVALE/TWILIGHT FORCE

MEAN STREETS/RIOT

ミーン・ストリーツ/ライオット

WARD RECORDS GQCS-91421 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産ベテランメタルバンドの17枚目のアルバムです。

 物悲しいイントロダクションで始まるアルバムは、ダイナミックなギターリフを叩き込んでいくアップテンポのスピードナンバーの1から、ハイトーンヴォーカルが歌い上げていくエネルギッシュなサウンドを展開していくと、フックのあるコーラスで盛り上げる大陸的なロックナンバーの2、哀メロイントロからヘヴィに進んでいくエモーショナルなハードロックナンバーの3、哀メロを引っさげて突っ走るハイテンションのスピードナンバーの4、豊かなメロディが伸びやかに広がっていくミッドテンポの5、ミステリアスなイントロから鮮やかなリフで突っ走るドライヴ感高まるスピードナンバーの6、キレのあるリフで突き進む躍動感高まるアップテンポの7、湿ったメロディが繋げられていくミッドテンポの哀愁ハードロックナンバーの8、ドライヴするリフで突き進む緊迫感高まるファストチューンの9、エモーショナルでアクティヴなアップテンポの10、70年代風ロックパートからドライヴしていくダイナミックな11、湿ったメロディで突っ走るアップテンポの12が収録されています。

 パワーメタル路線から、ライオットらしさを表したハードロック路線に少し比重を移してきたアルバムは、初期の楽曲を彷彿とさせるアメリカンロックな部分も見せつつ、現代へとアップデートしていく意志を感じさせます。なんでも歌えるヴォーカリストを最大限に活かすという意味でも、歴史の長いバンドを満遍なく俯瞰していくスタイルには好印象を覚えます。様々な世代のファンにもアピールしていくバンドの本質に迫る一枚でした。
同系統アルバム
ULTRAPOWER/STRIKER
DARK PARADE/CIRITH UNGOL
NOSTALGIA/ENFORCER

CHILD WITHIN THE MAN/SEBASTIAN BACH

チャイルド・ウィズイン・ザ・マン/セバスチャン・バック

WARD RECORDS GQCS-91464 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ハードロック界の悪童による10年ぶりとなるソロアルバム第四作です。

 ヘヴィなイントロから、ノリのよいリフで突き進むストロングでキャッチーなアップテンポの1から、タフなハードロックを作り出していくと、タイトなリフを刻んでいく2はヒステリックなヴォーカルがテンションを上げるミッドテンポのナンバー、グルーヴィなリフと情念高まるヴォーカルが交錯するヘヴィナンバーの3、モンキー・ビジネス風味の大陸的なムードが広がるダークなロックナンバーの4、ヘヴィリフが迫るソリッドでグルーヴィな5、タイトなリフで迫る圧の強いロックナンバーの6、切れ味鋭いリフで進むエモーショナルでタイトでアグレッシヴなミッドテンポの7、ドライヴするリフで進んでいくハードロックナンバーの8、展開の大きいグルーヴィなヘヴィロックナンバーの9、ソフトなメロディが広がるロックナンバーの10、エモーショナルなパワーバラードの11が収録されています。

 10年の時間を掛けた甲斐もあり、セバスチャン・バックの魅力をたっぷり引き出した様々なスタイルの楽曲を揃えており、これだよこれ、って感じのサウンドが詰め込まれていきます。バズのパフォーマンスも前作よりは随分良くなっており、楽曲の魅力も高めています。多分、スキッド・ロウにはもう戻れそうにないんで、メンバー固定して自身のバンドで活動継続したほうがいいんじゃないかなって一枚でした。
同系統アルバム
TEMPEST/LANCER
OUTSIDER/NIGHT DEMON
PAID IN FULL/SKULL FIST

WHAT IS DEATH?/UNHOLY ORPHEUS

ワットイズデス?/アンホーリーオルフェウス

UNHOLY ORPHEUS ANKM-0045 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産メタルバンド、アンラッキーモルフェウスのメンバーによる、メロディックデスメタル・プロジェクトの第一弾です。

 ヴァイオリンによるメランコリックなイントロで幕を開けるアルバムは、激しい攻撃的なリフで突き進むブルータルでダイナミックなメロディックデスメタルを展開する2から、ヴァイオリンによるゴシックなムードが高まる独特のサウンドが作り出されていくと、抒情メロディに彩られるタイトなアップテンポの3、アーチ・エネミー風のソリッドなファストチューンの4、ヴァイオリンのインストナンバーの5を経て、Fukiが参加する展開の激しいドラマティックな6へと。タイトなリフで進むモダンさが強まるミッドテンポの7、物悲しいヴァイオリンのインストの8から、アグレッシヴなリフとヴァイオリンの響きが交錯する攻撃的でドラマティックなメロデスナンバーの9に。タイトなビートと優雅なヴァイオリンで進むミステリアスでセンシティヴなミッドテンポの10、ブルータルに突き進むメロディとビートが重なり合うダイナミックな突進ナンバーの11が収録されています。

 アンラッキーモルフェウスでも時折現れる初期のアット・ザ・ゲイツあたりをベースにしたメロデス部分を抽出した…と思いきや、ヴァイオリンが女性ヴォーカルパート風なため、男女ツインヴォーカルのモダンなスタイルっぽい印象を与えます…が、ヴァイオリンの響きがゴシック的なムードを高めて、独特なメロディックデスメタルに仕上げられています。Fukiが加わるとアンラッキーモルフェウスになってしまうのはご愛敬ですが、他のどこにもないサウンドが堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
KALMAH/KALMAH
VAST REACHES UNCLAIMED/MAJESTIES
NEMESIS/GLADENFOLD

PHANTOMA/UNLEASH THE ARCHERS

ファントマ/アンリーシュ・ジ・アーチャーズ

MARQUEE MICP-11863 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 女性ヴォーカルを擁するカナダ出身のバンドの6枚目のアルバムです。ベーシストが新加入しています。

 ゆったりとしたメロディが流れるエモーショナルでダイナミックなミッドテンポの1から、表現力豊かな女性ヴォーカルが歌い上げていくアルバムは、テンション上がるキラキラした劇的スピードナンバーの2、ギャロップするリフとキャッチーなメロディが躍動するアップテンポの3、ダークなメロディで突き進むダイナミック展開のスピードナンバーの4、明朗なメロディが広がる爽やかなアップテンポの5、抒情メロディで進むエモーショナルなミッドテンポの6、穏やかなメロディが広がるポップな7、経ダークさが際立つヘヴィナンバーの8、スリリングに進むスピードパートから壮大に展開するダイナミックな9、タイトなリフとエモーショナルなヴォーカルが交錯するダイナミズム高まるミッドテンポの10、ボーナストラックには8の日本語バージョンが収録されています。

 近未来感が強い世界観で構成されるアルバムは、サウンドの方もファンタジックと言うよりもデジタルサウンドがSF風味を強調しており、モダンさが印象に残るものとなっています。エモーショナルなメロディは健在で、グロウルは減少していますが、ドラマティックなサウンドは更に洗練されて、バンドの成長を感じさせます。より安定感と完成度が増した一枚でした。
同系統アルバム
THE GREAT DIVIDE/BEYOND GOD
DARK WATERS/DELAIN
THE WONDERS STILL AWAITING/XANDRIA





June

APOCALYPTICA | CRYSTAL VIPER | LIV MOON | SUNBURST |

PLAYS METALLICA VOL.2/APOCALYPTICA [IMPORT]

プレイズ・メタリカ Vol.2/アポカリプティカ

BMG 964032532 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のチェリスト3人によるヘヴィメタルバンドの10枚目のアルバムです。

 今作は再び初期コンセプトに立ち戻った、メタリカのカバー曲のみで構成されるアルバムになっており、既出のカバー曲は3のみとなっています。セカンドアルバムからのタイトルトラックの1、8枚目のタイトルトラックの2、色々とグレードアップした3、デイヴ・ロンバードが参加したブラックアルバムからの4、今までやってなかったの?!みたいなクリフ・バートンに捧げたセカンドアルバムからのインストナンバーの6には本家のロバート・トゥルヒーヨが参加しています。大佐も喜びそうなファーストアルバムからの6、何か本家より速くない?みたいなブラックアルバムからの7、ジャスティスからの8、さらにジェイムズ・ヘットフィールドが語りで参加した9には再びロバート・トゥルヒーヨが参加。

 バンドが登場した頃をちょっと思い出す完全カバーのアルバムは、さすがに当時とはクオリティやアレンジが格段にアップしており、バンドの成長と経験を見せつけていきます。一番最近の曲でも20年前ってあたりはお察しって感じではありますが、“Trapped Under Ice”とか、まだメタリカカバーの聴きたい曲って残ってるなあ、って一枚でした。
 ちょっと待って10曲目無いんだけど(;´Д`)
同系統アルバム
CULT/APOCALYPTICA
INQUISITION SYMPHONY/APOCALYPTICA
PLAYS METALLICA BY FOUR CELLOS/APOCALYPTICA

THE SILVER KEY/CRYSTAL VIPER

ザ・シルヴァー・キー〜銀の鍵〜/クリスタル・ヴァイパー

RUBICON MUSIC RBNCD-1402 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 女性ヴォーカルを擁するポーランド出身のバンドの9枚目のアルバムです。ギタリストが交代し、ベーシストが脱退したため、ヴォーカリストが兼任となっています。

 ミステリアスで物悲しいイントロダクションで開幕するアルバムは、ソリッドなリフを叩きつけていくパワーメタリックなスピードナンバーの2でテンションを上げていくと、抒情性の強いメロディで進むキャッチーなアップテンポの3、エピックなムードが高まる重厚なミッドテンポの4、煽情的なメロディで突き進むオーセンティックなスタイルのアップテンポの5、不穏な空気感が充満するイントロからタイトなリフで突っ走るスピードナンバーの6、最近のメイデン風味のエモーショナルなミッドテンポの7、ピアノの調べに導かれるバラードナンバーの8、タイトなビートとメロディックなリフが躍動するエモーショナルで勇壮なミッドテンポの9、ソリッドなリフで突き進むアグレッシヴなアップテンポの10、ボーナストラックには、シングルで発表されたアルバム未収録曲の11、ミスフィッツのカバーの12が収録されています。

 前作からのH.P.ラヴクラフトの影響下にある世界観とNWOBHMサウンドを継承していくアルバムは、パワフルな女性ヴォーカルによって描き出される伝統的なヘヴィメタルをたっぷりと詰め込んでいます。音自体はやっぱりラヴクラフト感ゼロですが、オーセンティックなメタルサウンドはさらに強まっており、80年代の空気感が蘇ります。全盛期のメタルスピリットを感じさせる一枚です。
同系統アルバム
THE COSMIC RACE/SCANNER
ULTRAPOWER/STRIKER
IMPERIAL DAWN/REXORIA

CIRCLE OF LIFE/LIV MOON

サークル・オブ・ライフ/リヴ・ムーン

WALKURE RECORDS WLKR-0092 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産シンフォニックメタルバンドの6枚目のアルバムです。

 オペラティックなヴォーカルに導かれていくアルバムは、センシティヴなメロディで進むミッドテンポのパートからダイナミックなファストパートへ展開していくドラマティックな1から、メタリックなリフとオペラティックなヴォーカルが交錯するタイトなミッドテンポの2、抒情メロディで疾走するスピードナンバーの3、ヴァイオリンの響きが広がるミステリアスなムードで進むグロウルも加えたダークなミッドテンポの4、プッチーニの『誰も寝てはならぬ』をメタリックにアレンジした5、スリリングなイントロからアグレッシヴに進む緩急の強いスピードナンバーの6、ダークなムードの高まるイントロからの7はキャッチーなメロディで進むミッドテンポのナンバー、モーツァルトの『レクイエム』をメタリックに仕上げた8、シアトリカルでキュートなポップナンバーの9、繊細な情感を積み重ねていくエモーショナルな10で幕を閉じます。

 前作からのスタイルを継承しつつ、さらにメタリックな感触の強まったアルバムは、伝統的ヘヴィメタルの息吹を感じさせる楽曲から、バンドの定番であるオペラティックな楽曲などバラエティに富んでおり、バンドとしてのケミストリーも高まったものとなっています。特徴の一つであるヴァイオリンの貢献も強まって、オリジナリティも高まっており、魅力的な楽曲に仕上げられています。バンドとしての安定感と完成度の高まる一枚でした。
同系統アルバム
THE GREAT DIVIDE/BEYOND GOD
EXPEDITION ONE/METALITE
ALCHEMISTS/DEGREES OF TRUTH

MANIFESTO/SUNBURST

マニフェスト/サンバースト

BICKEE MUSIC BKMY-1139 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ギリシャ出身のバンドの2枚目のアルバムです。

 メランコリックなメロディを紡いでいくイントロから、テクニカルなリフを展開していくエモーショナルでセンシティヴな多彩な表情を見せるミッドテンポの1から、ドラマティックなサウンドを作り出していくアルバムは、エッジの効いたリフで進む緩急の強い情感高まるミッドテンポの2、トリッキーなリフを繰り出すスリリングでエモーショナルなミッドテンポの3、ヘヴィリフで進む情感豊かなミッドテンポの4、ドライヴ感のあるリフで進むダイナミックなミッドテンポの5、メランコリックなムードが高まるタイトなミッドテンポの6、情感を積み重ねていくテクニカルでドラマティックな7、エモーショナルなムードが高まるミッドテンポの劇的ナンバーの8が収録されています。
 ボーナスCDには2、8、1のオーケストラ仕立てのインストバージョンが収録されています。

 ロイ・カーン風味のヴォーカルによって描き出されるドラマティックな世界は適度なテクニカルプレイと抒情性の強いメロディが組み合わさって、感情に訴えかけるサウンドを作り出しており、安定したパフォーマンスも相まってクオリティの高い仕上がりとなっています。濃厚なヴォーカルのパフォーマンスはよりキャメロットを彷彿とさせており、前作とは違う空気感を醸し出します。雰囲気をエモーショナルな側面に寄せており、今後の方向性を模索していく一枚でした。
同系統アルバム
STATE OF DECEPTION/CONCEPTION
THE TESTAMENT/SEVENTH WONDER
MECHANICS OF PREDACITY/LORDS OF BLACK





July

DEMON | DREAM EVIL | ORDEN OGAN | VOLCANO |

INVINCIBLE/DEMON

インヴィンシブル/デーモン

WARD RECORDS GQCS-91483 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 NWOBHM発祥の英国産バンドの結成45周年目の14枚目のアルバムです。

 70年代プログレ風のイントロダクションを経て、キャッチーなメロディとコーラスを絡めたミッドテンポのロックナンバーの2から、タイトなリフとキャッチーなメロディで進むロックナンバーの3、ダークなリフと情念高まるミッドテンポの4、湿ったメロディでドライヴするアップテンポの5、ミステリアスなイントロからの6はヘヴィリフで進むダークなナンバー、クィーンを彷彿とさせるミッドテンポのロックナンバーの7、ポップ感高まるミッドテンポの8、ディオあたりを彷彿とさせるダークさと壮大さが絡み合うミッドテンポの9、オルゴールのイントロからの10は抒情メロディがコーラスによって彩られていくミッドテンポのナンバー、ドライヴするリフと湿ったメロディが重なりあうミッドテンポの11、メランコリックなメロディとエモーションが交錯するミッドテンポの12、ボーナストラックには12のアコースティックバージョンが収録されています。

 プログレッシヴロック感のある作風とキャッチーなメロディが合わさった、初期のムードを思い起こさせるロックサウンドを展開するアルバムは、ベテランバンドの余裕と最新のプロダクションによって、新旧併せ持ったムードを生み出します。今時のサウンドとは全く異なりますが、当時の雰囲気を楽しめる一枚でした。
同系統アルバム
THE SYMBOL REMAINS/BLUE ÖYSTER CULT
OUTSIDER/NIGHT DEMON
SPECTRA/THE WRING

METAL GODS/DREAM EVIL

メタル・ゴッズ/ドリーム・イーヴル

SONY MUSIC SICP-6608 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの7枚目のアルバムです。ドラマーが交代しています。

 先達バンドをリスペクトしたソリッドで重厚なミッドテンポの1で始まるアルバムは、メランコリックでエモーショナルなメロディを紡いでいくキャッチーなミッドテンポの2、フリーダム・コール感もあるエピックで勇壮なミッド〜アップテンポの3、フックのあるメロディでドライヴするアップテンポの4、ソリッドなリフで押し込んでいくパワーメタリックなミドルテンポの5、トミー・ヨハンソンがギターソロを披露するエモーショナルなミッドテンポの6、エッジの効いたリフで突き進むタフなアップテンポの7ではクリス・アモットがギターソロを担当しています。ヘヴィリフで進むエモーショナルでメランコリックなミッドテンポの8、タイトなリフで押し込んでいくパワフルでダークなミッドテンポの9、ボーナストラックの10はシャープなリフで突き進むアップテンポのナンバー、エモーショナルな感覚が高まるパワーバラード風のミッドテンポの11が収録されています。

 テキトーなタイトルだった前作から、ヘヴィメタル魂全開で進んでいくアルバムは、80年代サウンドをアップデートしながら正統派メタルを作り出していくというバンドスタイルを維持しつつ、外部ライターも使ってマンネリズムの解消に努めています。キャッチーなメロディとメタル然とした楽曲が高品質なプロダクションで描き出される、バンドの特性を活かしたアルバムに仕上げられていますが、最近のシーンの中では刺激的とは言えないサウンドなので、新しいメタラーにどこまでヒットするのかはよく分からない一枚です。
同系統アルバム
INVINCIBLE SHIELD/JUDAS PRIEST
STAND UNITED/FIREWIND
GHOST TOWN/NARNIA

THE ORDER OF FEAR/ORDEN OGAN

オーダー・オブ・フィア/オルデン・オーガン

WARD RECORDS GQCS-91481 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ出身のバンドの8枚目のアルバムです。

 イントロなしで始まるストロングスタイルのアップテンポの1でテンションを上げていくアルバムは、バンドの特徴であう厚いコーラスで盛り上げていき、エモーショナルなヴォーカルとタイトなリフにコーラスが絡み合うエピックなミッドテンポの2、勇壮なコーラスからスケール感大きく進むタイトなミッドテンポの3、フォーク風味の哀愁メロディで進むタイトなミッドテンポの4、キレのあるリフで進む躍動感の強い勢いのあるミッドテンポの5、ドライヴ感の強いリフで突き進むスピードナンバーの6、圧の強まるヘヴィナンバーの7、パワーバラード風味のエモーショナルな8、シンフォニックなイントロから壮大に進むパワフルな劇的ナンバーの9、ナレーションの10を経て、起伏の大きい大作ナンバーの11へと。

 英語に変換したバンド名をタイトルに冠するアルバムは、前作のムードを一変してオカルティックなムードが高まるサウンドを展開していきます。厚いコーラスを全面に押し出した作風はそのままですが、モダンな風味が古典的な空気感へと変わって壮大でダークな雰囲気が作り出されていきます。すでに個性を確立したバンドのサウンドが堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
RETURN TO THE KINGDOM OF FIFE/GLORYHAMMER
HEPHAESTUS/HEIMDALL
SHADOWFALL/SILVER BULLET

TENKA-MUSOU/VOLCANO

天下無双/ボルケーノ

METALLIC CORE MC-013 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 メタルギタリスト、屍忌蛇率いる国産メタルバンドの9枚目のアルバムです。

 重厚さが高まる勇壮なイントロダクションに導かれるアルバムは、ヘヴィリフのイントロからクランチーなリフを叩きつけてエモーショナルなコーラスへと突入するアグレッシヴなファストチューンの2でテンションを上げていくと、唸りをあげるリフで突進する攻撃的なスピードナンバーの3、オーセンティックでタイトなリフを刻んでいく圧の強いミッドテンポの4、跳ねるリフで進むダイナミックなヘヴィナンバーの5、抒情メロディが炸裂するエモーショナルなミッドテンポの6、緩急も大きく突き進んでいくダイナミックなミッド〜アップテンポの7、クランチーなリフが切れ込んでいくスリリングな突撃ナンバーの8、繊細なイントロからパワフルなリフで突き進むエモーショナルなミッドテンポの9、ダークなリフが迫りくるイントロからハードコアに突進していくブルータルな10、シンフォニックなイントロからの11は哀愁メロディが炸裂する勇壮でドラマティックなアップテンポのナンバーになっています。

 スラッシュメタル由来のリフと哀愁炸裂のギターソロが交錯するスタイルは更に切れ味を増していくと同時に、正統派メタル的なアプローチを広げて、ヘヴィメタル然とした様式美を高めています。アルバムコンセプトの所以か、キャッチーさがポップにならないレベルで維持されており、整合性の高いサウンドが構築されていきます。情感を揺さぶる独自のメタルサウンドが堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
CONGREGATION OF ANNIHILATION/METAL CHURCH
ULTRAPOWER/STRIKER
THE HORROR AND THE METAL/F.K.Ü.





August

BLUE ÖYSTER CULT | DARK TRANQUILLITY | FLESHGOD APOCALYPSE | HAMMERFALL | MANTICORA | NILE | PARALYDIUM | WINTERSUN |

50th Anniversary Live - Second Night -/BLUE ÖYSTER CULT

50th アニヴァーサリー・ライヴ - セカンド・ナイト - [Blu-ray+2CD]/ブルー・オイスター・カルト

WARD RECORDS GQXS-90501-3 [LIVE] >>>>>BUY...?

 米国産ハードロックバンドの50周年記念の特別公演の第二夜の模様を収録した映像作品です。

 えーと、ぶっちゃけ昨年に出たファースト・ナイトと同じですが、一応セカンドアルバム完全再現ということで、前作には収録されていない楽曲が多めになっており、長い歴史のバンドの楽曲の豊富さを堪能させてくれますが、「イマジノス」の楽曲をやってくれないのは権利関係とか人間関係とか何とかあるんでしょうか。

 え、第三夜もそのうち出ちゃうんですか?Σ(゜Д゜)みたいな一枚でした。
同系統アルバム
50th Anniversary Live - First Night -/BLUE ÖYSTER CULT
A LONG DAY'S NIGHT/BLUE OYSTER CULT
LIVE 1976/BLUE OYSTER CULT

ENDTIME SIGNALS/DARK TRANQUILLITY

エンドタイム・シグナルズ/ダーク・トランキュリティ

SONY MUSIC SICP-6611 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの13枚目のアルバムです。クリストファー・アモットが脱退し、ベーシストが交代しています。

 グロウルと抒情メロディが交錯するエモーショナルなミッドテンポの1から、イエテボリスタイルの緩急の強いファストチューンの2、抒情メロディを重ねていく情感高まるアップテンポの3、クリーンヴォーカルのメランコリックなメロディとグロウルのエモーションが交錯するミッドテンポの4、ソリッドなリフで押し込んでいく緩急の強いアップテンポの5、メランコリックなイントロからクリーンヴォーカルが歌い上げる抒情ナンバーの6、ザクザクしたリフがエモーショナルなグロウルを乗せて進むミッドテンポの7、アグレッシヴなリフで突進していく緩急の効いたファストチューンの8、繊細なイントロからの9はタイトなリフを刻みつつ情念を高めていくミッドテンポのナンバー。ソリッドなリフと抒情メロディが交錯するミッドテンポの10、クランチーなリフが切れ込んでくるエッジの効いたミッドテンポの11、センチメンタルなイントロからクリーンヴォーカルが歌い上げるバラードナンバーの12、ボーナストラックには、アグレッシヴなリフで畳みかけるミッドテンポの13、抒情メロディで進むエモーショナルなミッドテンポの14が収録されています。

 シングルギターになってしまった影響も感じさせないアルバムは、メロディックデスメタルへの回帰が見られるものの、バンドの特徴である抒情メロディが更に強化されており、これまでのバンドの歩みを伺わせるものとなっています。バンドに求められているものを、ほぼ網羅した完成度の高い一枚です。
同系統アルバム
IVORY TOWER/HÄMÄRÄ
FOREGONE/IN FLAMES
KALMAH/KALMAH

OPERA/FLESHGOD APOCALYPSE

オペラ/フレッシュゴッド・アポカリプス

WARD RECORDS GQCS-91488 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア産バンドの6枚目のアルバムです。オリジナルメンバーのベーシストが脱退し、ドラマーが交代しています。

 オペラティックな女性ヴォーカルが歌い上げていく荘厳な1で開幕するアルバムは、壮大なコーラスとブルータルなビートに凶暴なグロウルとオペラヴォーカルまでが一体となって迫る壮絶な劇的ナンバーの2から、その世界観を露わにしていくと、不穏なコーラスとイーヴィルなグロウルが重厚なムードを高める起伏の大きいミッドテンポの3、静かなイントロから凶暴なリフが襲い掛かる緩急の強いブルータルでダイナミックな4、壮大なイントロからの5は圧の強いリフが押し寄せるオカルティックなヘヴィナンバー、シンフォニックかつクラシカルに駆け抜ける女性ヴォーカルもエキセントリックなスピードナンバーの6、抒情メロディで進むメランコリックでエモーショナルなミッドテンポの7、凶暴なサウンドが押し寄せる緩急の強いブルータルな劇的ナンバーの8、メランコリックでロマンティックな抒情ナンバーの9、ピアノによる静かなアウトロの10により幕を閉じます。

 ネオクラシカルシンフォニックブルータルデスメタルと言う、自分でも何を言ってるのかよく分からないスタイルへと到達したアルバムは、暗黒音楽の極北を作り出しており、オペラとデスメタルの融合を果たしています。端的に言えば凶悪なエピカって感じのサウンドは、またイタリアか!という感想しか浮かばないオペラとデスメタルの奇怪な化学反応を起こしており、独自性の強いものへと仕上げられています。これまでのバンドサウンドを更に進化させたアルバムは好みが分かれそうな雰囲気はありますが、エクストリームな音楽としてのスタイルが極まった一枚です。
同系統アルバム
XI/ELEGY OF MADNESS
CELESTIAL VISION/MYSTFALL
PAIN THERAPY/CONSPIRACY OF BLACKNESS

AVENGE THE FALLEN/HAMMERFALL

アヴェンジ・ザ・フォーレン/ハンマーフォール

WARD RECORDS GQCS-91479 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの13枚目のアルバムです。

 ヘヴィリフと重厚なコーラスで迫るエピックナンバーのミッドテンポの1から、抒情メロディとドライヴするリフで突っ走るスピードナンバーの2、抒情メロディとエピック感の強い展開で進む勇壮なミッドテンポの3、重厚なイントロからの4はマノウォー張りの起伏の大きいエピックナンバー。哀愁メロディで突き進むアップテンポの5、抒情メロディが広がるバラードナンバーの6、キャッチーなメロディで駆け抜けるアップテンポの7、タイトなリフで進むエピックなミッドテンポの8、ソリッドなリフで突き進むアップテンポの9、緊迫感高まるイントロからの10は展開の大きいミッドテンポのナンバーになっています。

 結成30周年を超えてさらに活発に活動を続けるバンドのアルバムは、これまでの路線をもちろん踏襲しつつも今作ではエピックメタル寄りのサウンドに舵を切っており、全体的に重厚なムードが高まっています。キャッチーなメロディと変わらぬピュアメタルスピリットが満載の信念を貫き通す一枚です。
同系統アルバム
RETURN TO THE KINGDOM OF FIFE/GLORYHAMMER
BLOOD, FIRE, MAGIC AND STEEL/BATTLE BORN
THE ORDER OF FEAR/ORDEN OGAN

MYCELIUM/MANTICORA

ミセリアム/マンティコラ

KING RECORDS KICP-4070 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 デンマーク出身のバンドの10枚目のアルバムです。ドラマー不在のまま制作されています。

 重厚で荘厳なイントロダクションで開幕するアルバムは、クランチーなリフとグロウルも加えた個性的なメロディが絡み合う攻撃的なファストチューンの2からドラマティックでソリッドなサウンドを展開していくと、アグレッシヴでダークなリフが押し寄せるタイトでスリリングなアップテンポの3、女性ヴォーカルも参加したメランコリックなメロディで進むスケール感の大きいエモーショナルなミッドテンポの4、スラッシーで攻撃的な突進パートから解放感のある劇的コーラスへと突き進むダイナミックな5、展開の激しいダークでソリッドなミッドテンポの6、パワフルでクランチーなリフを引っさげて突っ走っていくスピードナンバーの7、ピアノがセンチメンタルなメロディを紡いでいくインストナンバーの8から、ダークなヘヴィリフで進んでいくエモーショナルでタイトなミッドテンポの9、物悲しくも壮大なイントロからアグレッシヴに突き進んでいく攻撃的なスピードナンバーの10、ボーナストラックには6、7のインストゥルメンタルバージョンが収録されています。

 やっぱり、ダークでシリアスなオリジナルストーリーを元にしたコンセプトアルバムに仕上げられた今作も、ソリッドでメタリックなサウンドが際立っており、独自性の強いスタイルを貫いています。グロウルの割合が増えているような気がしないでもないですが、情念の強い変なメロディとスラッシュメタルに接近する激しいサウンドが交錯するドラマティックなスタイルを詰め込んでいきます。前作の日本盤ってなんで出なかったんだよ!?みたいなクオリティを維持する個性的な一枚でした。
同系統アルバム
THE ORDER OF FEAR/ORDEN OGAN
TENKA-MUSOU/VOLCANO
BLACKENED HEARTBEAT/SECRET SPHERE

THE UNDERWORLD AWAITS US ALL/NILE

ジ・アンダーワールド・アウェイツ・アス・オール/ナイル

WARD RECORDS GQCS-91486 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産神話系デスメタルバンドの10枚目のアルバムです。ベーシストにモービッド・エンジェルのダン・ヴァディム・ヴォン、ギター・ヴォーカルにザック・ジーターが加入しています。

 不穏な空気が巻き起こるイントロから、凶暴なリフが荒れ狂うブルータルな突撃ナンバーの1で幕を開けるアルバムは、凶悪さがアップするテクニカルな激烈突進ナンバーの2、高密度のリフが襲い掛かる緩急の強いブルータルな3、タイトなリフが迫りくる怒涛の突進ナンバーの4では闇のコーラスが炸裂します。アコースティックのエスニックなインストナンバーの5を経て破壊力満点のリフで突進する凶悪な6でも不穏なコーラスで盛り上げます。怒涛のリフが襲い来るブルータルな突進ナンバーの7、ヘヴィなイントロから重厚なリフで迫る圧の強い8、グルーヴィなリフで進むヘヴィナンバーの9、凶暴に突き進む怒涛のブルータルパートからエスニックでグルーヴィなパートへと展開する10、不穏なイントロからグルーヴィに進むインストナンバーの11が収録されています。

 独自のサウンドスタイルを追求していくアルバムは、今作でも変わりなくメンバーチェンジの影響を全く感じさせません。プロダクションも良好で、凶暴なサウンドがクリアーに描き出されていきます。古代エジプトの世界観に基づいた孤高のデスメタルを作り出していく一枚でした。
同系統アルバム
BANISHED BY SIN/DEICIDE
WEAPONS OF SPIRITUAL CARNAGE/IRONMASTER
AS GOMORRAH BURNS/CRYPTOPSY

UNIVERSE CALLS/PARALYDIUM

ユニヴァース・コールズ/パラリディウム

RUBICON MUSIC RBNCD-1408 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のダイナスティの元メンバーのジョン・バーグが現ダイナスティのメンバーらと結成したバンドの二枚目のアルバムです。

 スペーシーな導入から壮大に展開していくドラマティックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、タイトなリフと湿ったメロディがシリアスに迫るテクニカルなミッドテンポの2から、パワフルなヴォーカルが歌い上げていくプログメタルを作り出していくと、シンフォニックな演出とテクニカルなプレイが緩急大きく展開するミッドテンポの3、シンフォニックなイントロからソリッドなリフと繊細なメロディで進む展開の大きいエモーショナルなミッドテンポの4、スリリングなリフで突き進むアグレッシヴでタイトなアップテンポの5、アコースティックギターに導かれるインストナンバーの6から、タイトなビートがテクニカルに展開するミッドテンポの7、ボーナストラックには5のアコースティックバージョンが収録されています。

 実力者が揃っているだけにサウンドの安定感は折り紙付きのアルバムは、テクニカルだったりシンフォニックだったりしながらプログレッシヴメタルしており、北欧らしい抒情性を孕んだメロディが満載の楽曲が揃えられています。長尺の曲も揃えて曲展開の妙を見せており、作曲能力の高さも窺わせます。個性的なサウンドかと言われるとちょっと微妙ですが、質の高い楽曲を楽しめる一枚でした。
同系統アルバム
LIFE/DGM
INNERVOID/ELDRITCH
THE GATES OF THE UNDERWORLD/NOVERIA

TIME II/WINTERSUN

タイムII/ウィンターサン

WARD RECORDS GQCS-91502 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの4枚目のアルバムです。セカンドアルバムの続編となっています。

 中華風の優雅なメロディを繋いでいくイントロダクションで始まるアルバムは、激しいビートと抒情メロディが交錯する起伏の大きい劇的突進シンフォニックナンバーの2で、グロウルとクリーンヴォーカルにメロディが混然一体としていくサウンドが展開されていくと、勇壮で重厚なイントロからエピックメタル感が高まるエモーショナルなミッドテンポの3、エモーショナルなギターが響くインストナンバーの4から、ムードを受け継ぐイントロを経て哀愁メロディとアグレッシヴなビートが交錯するシンフォニックでテクニカルな突撃ナンバーの5へと。クリーンヴォーカルで歌いあげていく中華風メロディ再びのドラマティックで壮大な6で幕を閉じます。

 中華風のムードが高まるシンフォニックデスメタルを作り出すアルバムは、独自の世界観を構築してドラマティックなサウンドを生み出していきます。長尺の曲を揃えて壮大な雰囲気を演出しており、哀愁メロディが炸裂する北欧のスタイルとアジアンテイストが重なり合って、エモーショナルなムードを生み出します。曲数自体は少ないものの曲展開も複雑かつ多彩なものとなっているアーティスティックな一枚でした。
同系統アルバム
WHAT IS DEATH?/UNHOLY ORPHEUS
ERZDÄMON/MYSTIC CIRCLE
IVORY TOWER/HÄMÄRÄ





September

THE BLACK DAHLIA MURDER | GALNERYUS | SABER TIGER |

SERVITUDE/THE BLACK DAHLIA MURDER

サーヴァチュード/ザ・ブラック・ダリア・マーダー

MARQUEE MICP-11860 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産メロディックデスメタルバンドの10枚目のアルバムです。ヴォーカリストの逝去により、ギタリストがヴォーカルに転向、新たにギタリストが加入して制作されています。

 静かなイントロから破壊力のあるリフで突き進む突進ナンバーの1から、グロウルとメロディが交錯するサウンドが展開されていくと、焦燥感高まるリフで突っ走るダイナミックな2、ブルータルなリフで圧倒していく突撃ナンバーの3、クランチーでタイトなリフが迫る緊迫感高まるアップテンポの4、アコースティックギターによるインストナンバーの5を経て、凶暴なリフが襲い掛かるダイナミックでメロディックな突進ナンバーの6、一気呵成に突き進むブルータルなパートからテクニカルでメロディックなパートへの転換も鮮やかな突撃ナンバーの7、抒情メロディが炸裂するテクニカルなミッドテンポの8、ダイナミックに突き進むテクニカルなメロデスナンバーの9、ダークなムードが高まるタイトな突進パートからメランコリックなパートへと移り変わる展開の大きい10が収録されています。

 ヴォーカリスト交代の影響は感じられるものの、クオリティの低下は見られず、これまでの路線を継承するサウンドが展開されるアルバムは、メロディアスな側面が多少強くなっており、バンドのメンタル面での影響が窺えるものとなっています。バンドの状況は大きく変わったものの、歩みを止めない姿勢をアピールする一枚です。
同系統アルバム
NECROPHONY/EXMORTUS
WEAPONS OF SPIRITUAL CARNAGE/IRONMASTER
VAST REACHES UNCLAIMED/MAJESTIES

THE STARS WILL LIGHT THE WAY/GALNERYUS

ザ・スターズ・ウィル・ライト・ザ・ウェイ/ガルネリウス

WARNER MUSIC WPCL-13609 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産メロディックメタルバンドの13枚目のアルバムです。

 明朗でドラマティックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ハイトーンヴォーカルが歌い上げていく勇壮なメロディを孕む劇的スピードナンバーの2から、フラッシーなキーボードとギターのソロパートでムードを一気に高めていくと、スリリングなリフで突き進むオーセンティックのムードも強いスピードナンバーの3、重厚なムードが強まるエモーショナルなミッドテンポの4、リリカルなフレーズのイントロからメランコリックに突き進む起伏の大きい劇的ナンバーの5、アグレッシヴに突っ走る怒涛の劇的スピードナンバーの6、センチメンタルなメロディで進むバラード風ナンバーの7、ストラトヴァリウスにフォーキーなメロディを絡めたみたいなアップテンポの8、壮大でドラマティックな劇的スピードナンバーの9、哀愁メロディを紡ぐアウトロの10で最後を締めます。

 キーボードの比重が少しずつ多くなってきたアルバムは、多彩な表情を見せるソロパートが強い印象を与えており、バラエティのある楽曲と共にサウンドに彩りを与えています。マンネリズムに陥らないような工夫を様々な面で凝らしていますが、その試みは上手くいったりいかなかったりとチャレンジングな姿勢を見せているものの、エクストラアルバムよりはスッキリとした仕上がりになっており聴きやすく作られています。ファンの期待にはある程度応えたものの期待以上では無かったかなと言う一枚です。
同系統アルバム
CYCLES OF PAIN/ANGRA
BLACKENED HEARTBEAT/SECRET SPHERE
ONCE UPON A TIME/EXCALION

ELIMINATED/SABER TIGER

エリミネイテッド/サーベル・タイガー

WALKURE RECORDS WLKR-0096 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 北海道発メタルバンドの13枚目くらいなアルバムです。

 不穏な空気を孕んだイントロからダークなリフと荒々しいハスキーヴォーカルがエモーショナルに歌い上げていくタイトでダイナミックなミッドテンポの1から、ヴィシャス・ルーマーズあたりを彷彿とさせるアメリカンパワーメタル風味のソリッドなアップテンポの2、タイトなリフとエモーショナルなメロディが交錯する感情に訴えかけるミッドテンポの3、テクニカルなイントロから情感強いヴォーカルとダークなリフが融合していく焦燥感と情緒高まるミッドテンポの4、抒情メロディが染みるエモーショナルでタイトなミッドテンポの5、ベースが響くイントロからダークに迫る6はグルーヴィなリフと激情のヴォーカルが交錯するヘヴィナンバー。テクニカルな展開を絡めたパワーメタリックでドラマティックなアップテンポの7、タイトなリフで押し込んでいくエモーショナルなミッドテンポの8、スリリングなイントロから一気に突っ走るファストチューンの9、ダークなリフが躍動するタイトなアップテンポの10、テクニカルなリフが加速していくダイナミックなスピードナンバーの11が収録されています。

 ハスキーヴォイスとタイトなプレイで構築していくスタイルは継続されていますが、今作はヴォーカルが前面に押し出されており、ほぼ日本語詞の歌唱と相まって情念強いメロディが強力に提示されていきます。もちろんフラッシーなプレイを聴かせるギターの存在感も要所で発揮されており、テクニカルな展開もあって硬質なヘヴィメタルを作り出していきます。伝統と革新に日本と世界を交錯させていく独自のサウンドが展開される圧の強い一枚でした。
同系統アルバム
TENKA-MUSOU/VOLCANO
MECHANICS OF PREDACITY/LORDS OF BLACK
STAND UNITED/FIREWIND





October

BELLFAST | DGM | ENSIFERUM | STRANGER VISION |

THE WARRIOR CELT/BELLFAST

ザ・ウォリアー・ケルト/ベルファスト

KING RECORDS KICS-4175 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産フォークメタルバンドの三枚目のアルバムです。リズム隊とヴァイオリンが交代しています。

 哀愁帯びたイントロを経て、躍動感の強いメロディで進むアップテンポの2から、ブルース・ディッキンソン風のヴォーカルが歌い上げていくフォーキーなサウンドを展開していくと、ライオットを彷彿とさせる80年代風のムードを持ったブルージーなミッドテンポの3、抒情的なイントロからメロディを紡いでいくエモーショナルでドラマティックなミッドテンポの4、フォーキーなメロディで突っ走る高揚感高まるスピードナンバーの5、繊細なヴァイオリンの響きに導かれるパワーバラードナンバーの6、アイアン・メイデンとフォークメタルを掛け合わせたみたいなミッドテンポの7、フォーキーなメロディが躍動するミッドテンポの8、抒情メロディとエピックなムードが交錯するミッドテンポの9、抒情メロディが情感豊かに歌い上げられていくダイナミックな展開のドラマティックな10が収録されています。

 アイアン・メイデン由来の正統派メタルとフォークメタルを融合させていくスタイルのアルバムは、今作でも継承されていますが、バラエティのある楽曲を揃えて作風を広げています。ヴァイオリンとフルートが常駐するというバンド形態を活かしつつ、フラッシーなギターソロを披露していくヘヴィメタルの醍醐味を味合わせる様は、年季の入ったメタラーには刺さりそうです。次回作はもうちょっと早く出るといいなって一枚でした。
同系統アルバム
RANKARUMPU/KORPIKLAANI
READER OF THE RUNES - RAPTURE/ELVENKING
MEAN STREETS/RIOT

ENDLESS/DGM

エンドレス/DGM

MARQUEE MICP-11909 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア出身のバンドの12枚目のアルバムです。オリジナルのストーリーを基にしたコンセプトアルバムとなっています。

 アコースティックギターに乗せてヴォーカルが歌い上げる導入からポンプロックとドリーム・シアターを掛け合わせたみたいなフルートも飛び出す長尺のプログレナンバーに展開する1から、スペーシーなイントロからキャッチーなメロディが広がっていく飛翔感のあるミッドテンポの2、ミステリアスなイントロからスリリングに展開していくプログレッシヴな3、柔らかいメロディで進む広がりのあるポップなミッドテンポの4、キャッチーなリフで駆け抜けるテクニカルなインストパートも印象的なアップテンポの5、ポップ感高まるメロディで駆けるドライヴするアップテンポの6、ピアノに導かれるメランコリックでキャッチーなミッドテンポの7、リリカルなメロディが広がるヴォーカルパートから壮大に展開していく大作ナンバーの8、ボーナストラックの9には7のアコースティックバージョンが収録されています。

 二枚組にする予定だった前作の時点でほぼ楽曲が揃っていたということで、同じスタイルにはしないという意志の元、ヘヴィネスが後退してキャッチーさが際立つ仕上がりになったアルバムは、70年代プログレ風味も強化しつつ彼ららしいサウンドになっています。壮大なエンディングを迎えるアルバムになっているだけに、前作から続けて聴くのが正しいような気がしないでもないですが、これまでにあまり聴かれなかった要素も加えて意欲的な内容に仕上げられており高いクオリティを維持している一枚です。
同系統アルバム
SPECTRA/THE WRING
THE GATES OF THE UNDERWORLD/NOVERIA
FAUNA/HAKEN

WINTER STORM/ENSIFERUM

ウィンター・ストーム/エンシフェルム

MARQUEE MICP-11890 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの9枚目のアルバムです。

 哀愁帯びた壮大なイントロダクションで開幕するアルバムは、フォーキーなムードを孕む勇ましいスピードナンバーの2から、グロウルとクリーンヴォーカルに熱いコーラスが絡み合うダイナミックなサウンドを展開すると、物悲しいイントロから抒情リフで進む情念高まるソリッドなミッドテンポの3、抒情メロディで突っ走る勇壮なクワイアもテンション上がるファストチューンの4、女性ヴォーカルが参加するエモーショナルでリリカルなミッドテンポの5、ミステリアスなインタールードの6を経て、抒情リフで進むダイナミックなミッドテンポの7、メランコリックなイントロから重厚に迫るヘヴィパートから加速していく展開の大きい劇的エピックナンバーの8、抒情メロディが広がるインタールードの9から、一気に加速していく勇ましいハイテンションのスピードナンバーの10が収録されています。

 すっかりフォークメタルと言うよりもエピックメタルと言う方がしっくりくるようになったアルバムは、パワーのあるハイトーンヴォーカルの影響もあってパワーメタリックに展開するパートも増え、ドラマティックな世界観を表現していきます。大作の構成力もさらに磨きがかかりバンドの充実度を感じさせます。初期のスタイルからの変化を継続する意欲的な一枚です。
同系統アルバム
RANKARUMPU/KORPIKLAANI
ARMAGEDDON/EQUILIBRIUM
HEPHAESTUS/HEIMDALL

FAUST - ACT I PRELUDE TO DARKNESS/STRANGER VISION

ファウスト・アクトT:プレリュード・トゥ・ダークネス/ストレンジャー・ヴィジョン

KING RECORDS KICP-4079 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア出身のバンドの三枚目のアルバムです。

 スリリングでシンフォニックなイントロダクションに導かれるアルバムは、タイトなリフで突っ走るダイナミックでアグレッシヴなスピードナンバーの2から、ワイルドなヴォーカルが吼えるサウンドが展開されていくと、ジェイムズ・ラブリエが参加した3はソリッドなリフがテクニカルに繰り出されるエモーショナルなミッドテンポのナンバー、躍動するリフとキャッチーなメロディが交錯するダイナミックなアップテンポの4、女性ヴォーカルが参加する5はデュエットによるダイナミックな展開が印象的なミッドテンポのナンバー、センチメンタルなメロディを紡ぐインストナンバーの6から、抒情メロディとタイトなリフで進むコーラスも厚いエモーショナルなミッドテンポの7へ。緊張感高まるリフで突き進む圧の強いアグレッシヴなアップテンポの8、ストリングスが緊迫感を高めていくインストナンバーの9からムードを維持しつつダイナミックに突き進んでいくシリアスなアップテンポの10へ。スリリングなリフで突っ走るキャッチーなファストチューンの11、シンフォニックなアウトロの12、ボーナストラックには10のオーケストラバージョンが収録されています。

 プログメタルと言うよりは、テクニカルなパワーメタルの方がしっくりくるサウンドが展開されるアルバムは、ヴォーカルの声質もあって、ヴィクター・スモールスキがいた頃のレイジを彷彿とさせたりするものになっています。ジェイムズ・ラブリエにゲスト参加してもらうあたりは、プログメタルをやろうとする意志が感じられますが、そこまで繊細な展開は無かったりするので、剛腕だなあって印象の方が残ります。イタリアらしい少し捻った展開のパワフルなヘヴィメタルが味わえる一枚です。
同系統アルバム
AFTERLIFELINES/RAGE
BLOODLINES/PYRAMAZE
ELIMINATED/SABER TIGER





Nobember

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December

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