初心者のためのヘヴィメタル
第九回 「正しく覚えよう」
基本的に外来音楽ジャンルであるヘヴィメタルではアーティスト名、アルバム名、曲名などなど多くのものが横文字になっています。見慣れない単語や造語、さらには略称などまで氾濫している状況にあっては記憶が定かではない状態でお店に行ったとしても目的のアルバムやアーティストを探し出すのは困難になる事でしょう。というわけで今回は混乱しやすい名称の注意点や陥りやすそうな状況を説明してみましょう。
基本的表記
- アルバム名/アーティスト名
Case.1 「一単語:一単語」
アーティスト名は覚えてやすいように、またインパクトを重視する結果、単語一つというものが少なくありません。その場合アルバム名も単語一つであった場合にはアーティスト名とアルバム名の判別が大変困難になります。そこでここでは間違えやすいアルバムをいくつか紹介してみましょう。BREAKER / ACCEPT
BREAKERの方がヘヴィメタル的ネーミングでしょう。UNHOLY / BRAINSTORM
HEARTWORK / CARCASS
REBORN / CEMETERY
SPELLCRAFT / DARKSEED
どちらもアーティスト名のように読めたりします。THE LEGACY/TESTAMENT
このケースではデビュー前のバンド名がLEGACYであった事が分かりにくさに拍車をかけています。お店の品物の配置にも関係ありますが、洋楽の並べ方というのは基本的にはA-Zのアルファベット順になっていることが多く、お店の方で混乱した並べ方をしている可能性があるので気をつけましょう。
Case.2 「一単語:複数語」
さらに複数の単語や文節などをアーティスト名にしている場合です。MENERGY / HEAVENS GATE
天国の門だけにHEAVENS GATEの方がタイトルみたいです。SYMBIOSIS / POVERTY'S NO CRIME
THE REAPER / GRAVE DIGGER
GATEWAY / TREASURE LAND
DRACHENBLUT / MYSTIC CIRCLE
などなど。Case.3 「タイトル名を覚えた」
あるバンドのアルバム名だけを頼りにお店に行って尋ねてみると意外な反応が返ってくる可能性があります。アルバム名だけを言ってみるとどうなるか…NARITA / RIOT
日本では有名なメロディアスバンド RIOT ですが、この成田闘争にインスパイアされたタイトルのみで注文してみるとNARITA / NARITA
北欧様式美系バンドのナリタを提示されるかもしれません。もっとも音楽性には近いものがあるかもしれません。THUNDERSTEEL / RIOT
の場合THUNDERSTEEL / THUNDERSTEEL
現在行方知れずのパワーメタルバンドのその名もズバリTHUNDERSTEELを渡されるかもしれません。それはそれで大変珍しい事なのでそちらの方が価値があるかもしれませんが。RISK / MEGADETH
今押しに押されぬビッグバンドになってしまったMEGADETHの場合はTHE REBORN / RISK
ドイツ出身のパワーメタルバンド、バットマンのパロディもやってのけたRISKの危険があります。KILLERS / IRON MAIDEN
ブリティッシュ・ヘヴィメタルの重鎮である彼等の初期の代表作であるこのアルバムもMURDER ONE / KILLERS
と元ヴォーカリストのポール・ディアノのバンドを渡されることも。PAINKILLER / JUDAS PRIEST
メタルゴッドのへヴィメタルの聖典とも言われるアルバムでもPAINKILLER
アヴァンギャルドな前衛ロックバンドを出されることも無きにしもあらず。PARADOX / ROYAL HUNT
ドラマティックでメロディアスなハードロックを作り出す彼等の一大コンセプトアルバムもHERESY / PARADOX
ジャーマンパワーメタルのこのアルバムを出されたりするかもしれません。目的の物とはかなり方向性が違うので要注意です。ELEGY / AMORPHIS
メロディックデスメタルから華麗な転進を図ったバンドですがELEGY
多くアルバムを出しているこちらのバンドの方が有名だったでしょうか…。というわけで、曖昧な記憶は思わぬ結果に結びつくかもしれない、ということはおわかり出来たでしょうか。もっとも、これらの事はお店の人の知識が多方面に及んでいるために起こりやすいのでコミュニケーションを頻繁にとるようにすれば解消できることでしょう。困ったときはお店の人の知恵を借りるのも一つの方法です。
目的のアルバムを的確に発見するためにお店に行く前には正しい名前を記憶しておきましょう。