ALBUM COLLECTION バックナンバー 2010

January Februaly March April May June July August September October Nobember December


  1. ABINGTON ROAD/ABINGTON BOYS SCHOOL
  2. BLOOD OF THE NATIONS/ACCEPT
  3. DEEP EXCEED/ALDIOUS
  4. DON'T FEAR THE REVENGE/ALIGHT
  5. THE ALLIANCE OF THE KINGS
    -THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PT.1/ANCIENT BARDS
  6. END OF EDEN/AMBERIAN DAWN
  7. KINDGOM OF EVIL/ANGELS OF BABYLON
  8. AQUA/ANGRA
  9. LIVE AT MASTERS OF ROCK/ANNIHILATOR
  10. ANNIHILATOR/ANNIHILATOR
  11. 7TH SYMPHONY/APOCALYPTICA [IMPORT]
  12. 7TH SYMPHONY/APOCALYPTICA
  13. LA RAZA/ARMORED SAINT
  14. AVATAR/AVATAR
  15. NIGHTMARE/AVENGED SEVENFOLD
  16. INSULA SACRA/BELLFAST
  17. A VOICE IN THE DARK/BLIND GUARDIAN
  18. AT THE EDGE OF TIME/BLIND GUARDIAN
  19. EXILED TO EARTH/BONDED BY BLOOD
  20. MEMORIAL ROOTS/BRAINSTORM
  21. CHARRED WALLS OF THE DAMNED/CHARRED WALLS OF THE DAMNED
  22. DARKLY,DARKLY,VENUS AVERSA/CRADLE OF FILTH
  23. DOOMSDAY KING/THE CROWN
  24. ANCESTRAL ROMANCE/DARK MOOR
  25. WE ARE THE VOID/DARK TRANQUILLITY
  26. RELENTLESS RETRIBUTION/DEATH ANGEL
  27. LOTUS/DELIRION
  28. FORBIDDEN ANGER/DIARY ABOUT MY NIGHTMARE
  29. ABRAHADABRA/DIMMU BORGIR
  30. IN THE NIGHT/DREAM EVIL
  31. SOLITAIRE/EDENBRIDGE
  32. EVERYTHING REMAINS AS IT NEVER WAS/ELUVEITIE
  33. INTO THE NIGHT/ENFORCER
  34. DIAMONDS/ENFORCER
  35. REKREATUR/EQUILIBRIUM
  36. KARTIKA/THE ETERNAL
  37. NIFELVIND/FINNTROLL [IMPORT]
  38. DAYS OF DEFIANCE/FIREWIND
  39. LEGEND OF THE SHADOWKING/FREEDOM CALL
  40. RESURRECTION/GALNERYUS
  41. TO THE METAL !/GAMMA RAY
  42. GLORY TO MY KING/GOLDEN RESURRECTION
  43. THE CLANS WILL RISE AGAIN/GRAVE DIGGER
  44. 7 SINNERS/HELLOWEEN
  45. CRISIS IN UTOPIA/HOLY GRAIL
  46. THE FINAL FRONTIER/IRON MAIDEN
  47. FESTIVAL/JON OLIVA'S PAIN [IMPORT]
  48. 12 GAUGE/KALMAH
  49. POETRY FOR THE POISONED/KAMELOT
  50. THE ORIGINS/KERION
  51. RETURN TO HEAVEN DENIED PT.II -A MIDNIGHT AUTUMN'S DREAM-/LABYRINTH
  52. BABEZ FOR BREAKFAST/LORDI
  53. SYMPHONY OF WAR/MAGIC KINGDOM
  54. SAFE/MANTICORA
  55. BAD D.N.A./MARTY FRIEDMAN
  56. METAL SLAVE/MEAN STREAK
  57. YOU CAN'T HURT STEEL/THE MORNING AFTER
  58. MUTINY WITHIN/MUTINY WITHIN
  59. THE OBSIDIAN CONSPIRACY/NEVERMORE [IMPORT]
  60. THE OBSIDIAN CONSPIRACY/NEVERMORE
  61. THOSE WHOM THE GODS DETEST/NILE
  62. EASTON HOPE/ORDEN OGAN
  63. THE NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR/ORPHAND LAND
  64. BEYOND THE SPACE,BEYOND THE TIME/PATHFINDER
  65. STRINGS TO A WEB/RAGE
  66. REVAMP/REVAMP
  67. THE FROZEN TEARS OF ANGELS/RHAPSODY OF FIRE
  68. THE COLD EMBRACE OF FEAR/RHAPSODY OF FIRE
  69. NIGHT IS YOUNG/ROYAL JESTER
  70. COAT OF ARMS/SABATON
  71. ARCHETYPE/SECRET SPHERE
  72. BEHIND THE SORROW/SIX MAGICS
  73. THE PANIC BROADCAST/SOILWORK
  74. OMEN/SOULFLY
  75. THE LABYRINTH OF TRUTHS/SOULSPELL METAL OPERA
  76. LORD OF THE WASTELAND/STEELWING
  77. DEAD AGAIN/SUICIDAL ANGELS
  78. WAR MACHINE/TANK
  79. UPON HAUNTED BATTLEFIELDS/THAUROROD
  80. SITRA AHRA/THERION
  81. HERE WAITS THY DOOM/3 INCHES OF BLOOD
  82. DIRT METAL/THUNDERSTONE [IMPORT]
  83. THE WICKED SYMPHONY/TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA
  84. ANGEL OF BABYLON/TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA
  85. THE ROAD LESS TRAVELLED/TRIOSPHERE
  86. THE SERAPHIC CLOCKWORK/VANDEN PLAS
  87. WITCHKRIEG/WITCHERY
  88. SALT/WUTHERING HEIGHTS

January

ABINGTON BOYS SCHOOL | ANNIHILATOR | DIARY ABOUT MY NIGHTMARE | MEAN STREAK | THE MORNING AFTER | ORPHAND LAND |

ABINGTON ROAD/ABINGTON BOYS SCHOOL

アビングドン・ロード/アビングドン・ボーイズ・スクール

EPIC RECORDS ESCL-3340-1 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B002QD2SC2  T.M.Revolutionこと、西川貴教がヴォーカルを務めるバンドのセカンドアルバムです。3年ぶりのリリースは海外バンドなら当たり前な状態ですが、日本のバンドだと凄く久しぶり感が。

 アニメ「ソウルイーター」のエンディングテーマのダークでドラマティックなハードロックチューンの1で開幕するアルバムは、バンドとしての一体感が更に高まったサウンドを展開しており、伸びやかな歌声を最大限に使った楽曲を揃えています。躍動感の強いイントロからドライヴしていくビートを繰り出すアップテンポの2ではエモーショナルなパートで起伏を強めていきます。パワーバラード風の情念あふれ出す3、ファンキーな感覚があふれるロックナンバーに仕上げている「戦国BASARA」のオープニングテーマの4、ラッパーと競演している5はヘヴィなリフとデジタルビートが一時期シーンを席捲したエモでハイブリッドなサウンドを作り出しています。センチメンタルなメロディがロックするサウンドでエモーショナルに昇華する6、微妙なアニメ「DARKER THAN BLACK -流星の双子-」エンディングテーマの7は爽やかな空気が流れる優しい壮大なナンバー、ノイジーなギターリフを繰り出していく8はヘヴィな展開を見せるダークな空気を切れのあるコーラスで切り裂くダイナミックな曲、ゲームソフトの主題歌の9はデジタルでメタリックでパワフルなファストナンバー、湿ったメロディに開放感あふれる爽やかなコーラスが絡む10は「東京マグニチュード8.0」オープニングテーマ。11はLUNA SEAのカバー、デジタルビートなインストナンバーの12からムードを引き継いでSEを絡めて緊迫感を高めていく13へ、物悲しく静かなインストゥルメンタルの14でアルバムは幕を閉じます。

 フラッシーなプレイを要所で見せるギターや、ムードを盛り上げるキーボード、そして楽曲を強力に牽引するヴォーカルのパワーバランスを維持しながら緊張感のある楽曲を作り出していく様は気概に満ちているものの、シングルカットで曲をすり減らされていくのはバンドとしてはどうなんだろう。バラエティに富んだ、もしくは方向性が多様な楽曲が揃えられていますが、日本の音楽シーンとアーティスティックな姿勢との間の葛藤を感じさせなくもないです。タイアップされるコマーシャルな楽曲で地盤を築いて、アーティスティックなオリジナルナンバーで好き勝手やると言う、クオリティが高いだけに色々複雑な気分になる一枚でした。個人的には紐付きじゃない曲の方が興味深いですが、それだと売れないんだろうな…(;´Д`)
同系統アルバム
METEORA/LINKIN PARK
FUTURE ADDICT/MARTY FRIEDMAN
THE DEATH OF THE ARTISTS/HIGHLORD

LIVE AT MASTERS OF ROCK/ANNIHILATOR

ライヴ・アット・マスターズ・オヴ・ロック/アナイアレイター

MARQUEE MICP-10891 [LIVE] >>>>>BUY...?

B002XYK9CK  カナダ出身のスラッシュメタルバンドが2008年にチェコで開催された「マスターズ・オブ・ロック・フェスティバル」に出演した模様を収めたライヴアルバムです。

 ライヴアルバムは買わないようにしようって決めてたんですけど、アナイアレイターなのでつい,、'` ( ´∀`) ,、'`
 2007年に「THRASH DOMINATION 07」で新しいヴォーカリストのパフォーマンスを日本のファンは実感したわけですが、ここチェコの会場でも同じように堅実なプレイをやってます。そもそもアナイアレイターはアルバム再現度がやたらと高いわけで、ライヴだからと言って特別なプレイもしないかわりに、ほとんど一緒ですげーって感想しかないのが本当のところ。そんなわけで、現在進行形のバンドを再確認するのと、日本公演の興奮を思い出す…くらいがこのアルバムの価値でしょうか。もちろん知らない人にとっては、曲数は少ないもののベスト的な選曲なので、手っ取り早くアナイアレイターを知るには手頃な感じです。

FORBIDDEN ANGER/DIARY ABOUT MY NIGHTMARE

フォビドゥン・アンガー/ダイアリー・アバウト・マイ・ナイトメアズ

SPIRITUAL BEAST IUCP-16072 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B002WA5H22  ドイツ出身の女性ヴォーカルを擁するバンドの二枚目のアルバムです。

 ダークなインストナンバーを経ての2は硬質なサウンドを繰り出すブルータルでダイナミックなデスメタルナンバーに仕上がっており、とりあえず女性ヴォーカルと言うエクスキューズが特に必要の無い凶暴なデスヴォイスが炸裂する代物。咆哮で幕を開ける2は威嚇的なサウンドが炸裂する重量感たっぷりのナンバーでエモーショナルなソロパートが飛び出し、SEからの4は唸りを上げる破壊力のあるリフで突進するファストナンバー、叙情感強まるメロディを絡めた5は緩急の激しいアップテンポのナンバー、畳み掛けるなビートがエモーショナルに変貌していく6、ムードを一転しての哀愁漂う静かなインストナンバーの7を経て、哀愁孕むシャープなリフとブルータルなビートが交錯するダイナミックなナンバーの8、ダークなリフが躍動する高密度の9、攻撃的に突き進む威圧感タップリの10、ボーナストラックの11と12は前作からの楽曲が収録されています。

 カーカスの“HEARTWORK”あたりを彷彿とさせる初期メロディックデスメタルの空気を感じさせるサウンドは、ブルータルな音像と時折現れるフラッシーなフレーズのコントラストも相まって、暗黒世界を鮮やかに描写していきます。美人ヴォーカリスト(多分)の パフォーマンスも強烈そのもので、最近のバンドらしい叙情感のあるフレーズとの対比によってより凶悪さが増していきます。ヘヴィメタリックな展開と凶悪なサウンドのエクストリームメタルとしては割と取っ付きやすい感のある聴き応えのある一枚でした。
同系統アルバム
DEFLORATE/THE BLACK DAHLIA MURDER
THE ROOT OF ALL EVIL/ARCH ENEMY
FOREVER CHAOS/SHADOW

METAL SLAVE/MEAN STREAK

メタル・スレイヴ/ミーン・ストリーク

HAPPINET HMCX-1084 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B002WWLQ02  スウェーデン出身のベテランアーティスト達がオーセンティックなヘヴィメタルをやるために作り上げたバンドのファーストアルバムです。

 ダミ声ヴォーカルが湿ったメロディを歌い上げていくミドルテンポのメタルナンバーで幕を開けるアルバムは、80年代テイストあふれるサウンドが展開されていく代物。タイトなリフで焦燥感漂うメロディを積み上げていくミドルテンポの2、ドライヴ感を強めたソリッドなファストナンバーの3、ヘヴィリフで押し込むクワイアも熱いミドルテンポの4、泣きのギターに導かれる5はアップテンポでマイナーメロディを紡ぐキャッチーなナンバー、スクリームから始まる6は躍動感のあるアップテンポのナンバー、ダークに迫る7はエモーショナルなヘヴィナンバー、ソリッドなリフで迫るギャロップするキャッチーでアップテンポの8、メイデン風イントロからの9はやっぱりメイデン風リフで突っ走るファストナンバー。ダイナミックなメロディで進むアップテンポの10、ボーナストラックの11は哀愁のバラードが収録されています。

 懐かしささえ覚える伝統的なメタルサウンドがあふれ出すアルバムは、キャッチーなメロディにフラッシーなギターソロとツボを押さえた楽曲を揃えており、やりたい音楽だけをやると言う強い姿勢を感じさせます。さすがにベテランアーティストなので、勢いに任せて突っ走ったりはしませんが、よく練りこまれた聴かせる楽曲で聴き手に訴えかけていきます。年配の方にはノスタルジー、若い人には何周かして新しい気もする一枚でした。
同系統アルバム
FEEL THE STEEL/STEEL PANTHER
DOMINATOR/U.D.O.
CRASH & BURN/SINNER

YOU CAN'T HURT STEEL/THE MORNING AFTER

ユー・キャント・ハート・スティール/ザ・モーニング・アフター

VICTOR VICP-64795 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B002XYKAZQ  イギリス出身のバンドのデビューアルバムです。

 哀愁帯びた80年代メタルサウンド風のイントロから繰り出されていくのは、デスヴォイスとノーマルヴォイスが交錯する湿ったメロディ満載の正統派メタルサウンドで、キャッチーなコーラスを全開にして疾駆する2から勢いのある劇的な楽曲が揃えられています。グロウルな叫びから始まる3は起伏の激しいダイナミックな展開を見せる楽曲、メイデン風のメランコリックなギターリフで進む4はギャロップするリフとツインリードで更にメイデン度アップの哀愁ナンバー、躍動的なギターリフが湿ったメロディを導く展開の激しいアップテンポの長尺ナンバーの5、ピアノのメランコリックなイントロからの劇的バラードナンバーの6、センチメンタルなメロディで突っ走るアップテンポの7、ノーマルヴォイス、コーラス、デスヴォイスが一体になった勢いのある疾走ナンバーの8、荘厳なインストナンバーの9を経て、ドラマティックに突き進む10は起伏の激しい展開でムードを盛り上げていきます。 ボーナストラックの11と12はTV番組のテーマ曲、13は8のアコースティックバージョンが収録されています。

 NWOBHMにたっぷり影響を受けたサウンドが展開されていくアルバムは、最近の流れのデスヴォイスをスパイスにしてキラキラ感の強いキャッチーな楽曲が並べられており、若手による再解釈がうまく言っている印象を受けます。エッジを効かせるためと思われますがデスヴォイスを導入していると言っても、サウンド自体はヘヴィなものには全然ならないので、唐突な感じと言うか違和感は拭えないところ、いやそれ以前に必要性が…。何はともあれ、若い力と威勢のよさが炸裂していく新鮮な一枚でした。
同系統アルバム
PEDAL TO THE METAL/BLESSED BY A BROKEN HEART
TIME TO CHANGE IT/MIND ODYSSEY
ALL MY LIFE/VIPER

THE NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR/ORPHAND LAND

ザ・ネヴァー・エンディング・ウェイ・オヴ・オアウォリアー/オーファンド・ランド

MARQUEE MICP-10889 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B002XYK9BQ  イスラエル出身のアンドの4枚目のアルバムです。

 キャッチーなコーラスとエスニックなメロディを重ね合わせるドラマティックな1から始まるアルバムは中東由来のメロディを組み込んだプログレメタルというスタイルで、女性ヴォーカルやデスヴォイス、重厚なコーラスなどを用いて多層的な世界観を描き出しており、デスヴォイスが主導するミドルテンポのダークな2、情感豊かなアコースティックナンバーの3、組曲となる4、5はメタリックなフィーリングを強めてダイナミックに迫る大作。フォーク色の強いメロディで迫る6、ナレーションのイントロからの7はシンフォニックでドラマティックな大曲など。

 宗教上や地域上の問題で命がけの音楽活動を続けるバンドですが、スタイルとしては今更それほど新しいものでもなくて、洗練されてしまった分だけ埋没している感が強まっています。独自性のあるフレーズも残っては居ますが、アルバムのカラーを決定付ける程ではないのが残念なところ。かなり普通のプログレメタルになってしまって冗長さが目立つようになっている一枚でした。
同系統アルバム
TRACED IN AIR/CYNIC
GOTHIC KABBALAH/THERION
THE DAYS OF GRAYS/SONATA ARCTICA





Februaly

BRAINSTORM | DREAM EVIL | GAMMA RAY | KALMAH | RAGE |

MEMORIAL ROOTS/BRAINSTORM

メモリアル・ルーツ/ブレインストーム

AFM RECORDS XQAN-1071 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0030TY1CQ  ジャーマンパワーメタラーの8枚目のアルバムです。ベーシストが新たに加入しています。

 荒涼とした風景が浮かぶドラマティックなイントロから始まるアルバムは、変わらぬパワフルなギターリフと粘りのあるパワーヴォーカルが高圧力で迫る緩急の強いエモーショナルなミドルテンポの1で存在感を示します。アップテンポの2は情感高まるメロディが炸裂するダイナミックなナンバー、リリカルなイントロからの3は叙情的なメロディで進むエモーショナルなバラード風ナンバー、クランチーなリフで突っ走る4は躍動的なヴォーカルも伴って高揚感を高める堂々とした劇的ナンバーになっています。メランコリックな劇的バラードナンバーの5、ダークな空気が支配するミステリアスなヘヴィナンバーの6、ソリッドなリフで躍動的に迫る開放感のあるコーラスが印象的なスピードナンバーの7、キャッチーな感触が高まる8は哀愁メロディと威風堂々としたリフと鮮やかなギターソロが印象的なドラマティックナンバー。タイトなビートで威圧感を高めつつコーラスで飛翔する壮大なナンバーの9、ソリッドなギターリフで迫るダイナミックでアクティブなミドルテンポの10、クランチーなリフの動的でエモーショナルな11、ボーナストラックの12はドライブ感の強いスピードナンバー、13はソリッドなリフでキャッチーなメロディを導くアップテンポのナンバー、14はヘヴィリフで進む硬質なナンバーが収録されています。

 これまでと変わらない独自路線を貫き通すアルバムは、エモーショナルな側面が強調されていはいますが、ダイナミックなヘヴィメタル然としたサウンドを作り出しており、ミドルテンポ中心の聴かせる楽曲を揃えたものになっています。衝動性よりも情動性、アグレッションよりもエモーションを重視して丸くなった楽曲はある意味キャッチーさを伴って聴きやすいものになっていますが、テンションはあまり上がらない感も。しかし、ボーナストラックはいつも本編に入れたほうが良さそうな日本向けの曲ばかりなのが。ヨーロッパでは需要が無いのか(´Д`;)重厚な情念の強いヘヴィメタルに飢えたリスナーには希望の光ながらも聞き流させない存在感を主張する一枚でした。
同系統アルバム
DELUSIONS OF GRANDEUR/CIRCLE II CIRCLE
GROUNDED -CHAPTER EIGHT-/METALIUM
DARK HOURS/LIONS SHARE

IN THE NIGHT/DREAM EVIL

イン・ザ・ナイト/ドリーム・イーヴル

KING RECORDS KICP-1460 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0031LSWFU  スウェーデン出身のバンドの5枚目のアルバムです。ギタリストとドラマーが交替しています。さらにメンバーがステージネームを名乗るようになってます。

 湿ったメロディを孕んだギターリフで進む迫力たっぷりのダイナミックなミドルテンポの1から、ヘヴィメタルらしいヘヴィメタル・サウンドを叩きつけてくるアルバムは、ソリッドなギターリフで攻撃的に迫る重厚なクワイアが緊迫感あふれる2、ヘヴィメタル・アンセムな3は不穏なリフが迫力あるクワイアを呼び起こすミドルテンポのナンバー、フラッシーなギタープレイに導かれる4はキャッチーなメロディで盛り上がるアップテンポのハードロック的ナンバー、ハードロック的な展開をメタリックに仕上げるアップテンポの5、圧迫感の強いリフで進む6はシリアスなムードが高まるソリッドなナンバー。煽情性の高いギターリフが情感を高めるドライヴ感の強いエモーショナルな7、名前のまんまなバラードの8、不穏なイントロからドライヴしていく湿ったキャッチーなコーラスで盛り上げる9、伝統的メタリックリフで突き進む10はシリアスなアップテンポのナンバー、躍動的なリフとコーラスで一気に盛り上げるテンション高い11、哀愁帯びたメロディが紡がれるキャッチーでエモーショナルな12、相変わらず何故ボーナストラックなのか分からない4曲は、シャープなリフで突き進むファストナンバーの13から、パワフルなリフで押し込むダイナミックな14、テンションの高いヴォーカルを聞かせるエッジの効いたハードロッキンな15、ヘヴィリフで迫るグルーヴィな16が収録されています。

 新ギタリストのプレイもこれまでのアルバムと変わりないクオリティで楽曲を盛り上げており、今までと変わりないヘヴィメタルなサウンドを作り出しているアルバムは、多少のブランクも何のその信念を貫き通した代物になっています。メタル好きのメタル愛に満ちたどう考えてもヘヴィメタルな一枚でした。
同系統アルバム
16.6(BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD)/PRIMAL FEAR
NO SACRIFICE, NO VICTORY/HAMMERFALL
SET IN STONE/LORD

TO THE METAL !/GAMMA RAY

トゥ・ザ・メタル/ガンマ・レイ

VICTOR VICP-64799 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00317COT4  ジャーマンメタルの化身、カイ・ハンセン率いるガンマ・レイの20周年目の10枚目のアルバムです。

 大仰でも無くスピードナンバーでもない幕開けを迎えるアルバムは、静かなヴォーカルからのダイナミックな展開のミドルテンポのナンバーで落ち着いたスタートを見せます。マイケル・キスクを迎えてのスピードナンバーの2は一気にテンション上がりまくりの多彩な展開でヒートアップ。躍動感あふれるアップテンポの畳み掛ける展開で盛り上げる3、ああ何度目だメタルゴッドのバリエーション(´・ω・`)な4、スピードを上げていく5は物悲しいムードで突っ走るファストナンバー、湿ったメロディが全開のミドルテンポの6、ベースイントロからの7はロブ・ハルフォードばりのシャウターを見せる、ツインリードギターの絡みも鮮やかなハイテンションの劇的疾走ナンバー、ダイナミックな展開のイントロからの8は攻撃的なヴォーカルが攻めつつ開放的なコーラスへと導くソリッドなナンバー、ドラマティックなイントロから疾走していく9は緊迫感のあるリフと朗々とした歌唱が一体となって迫る劇的ナンバーでテクニカルな掛け合いのインストパートで盛り上げます。リリカルなイントロで始まる壮大なバラードナンバーの10、ボーナストラックの11はグルーヴィなリフで進むロックパートからドライブしていく展開の大きな曲、13はヘヴィリフで進むビッグロックなナンバーが収録されています。

 大作だった前作に比べてコンパクトな曲を揃えてきたアルバムは、いつも通りのパク…じゃなくてインスパイアも全開のガンマ・レイサウンドが満載の代物です。インスパイアっぷりも洗練されてきたと言うか、すでに悟りの境地に達しつつあると言うか、あまり気にならなくなり…いわゆるジャーマンメタルの始祖の自信を感じさせます。20年で熟成された安定感と安心感で太鼓判な一枚でした。
同系統アルバム
PHOENIX/DREAMTALE
MENTALIZE/ANDRE MATOS
CARPE DIEM/HEAVENLY

12 GAUGE/KALMAH

12ゲージ/カルマ

KING RECORDS KICP-1456 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0031LSWN2  フィンランド出身のバンドの6枚目のアルバムです。

 予兆を感じさせる静かなイントロから始まるアルバムは、オーケストラヒットにドカドカ派手なビートと唸りを上げるメロディアスなフレーズが一体になって突進していくファストナンバーの1から北欧メロディックデスメタルの伝統を受け継ぐサウンドを展開させていきます。叙情的なイントロから爆走していく突進ナンバーの2、アップテンポで起伏激しく突っ走る3、メガデスっぽいリフから始まる4はフラッシーなギターソロが印象的なアップテンポのナンバー、哀愁帯びたメロディが繰り出される5はダイナミックなヘヴィナンバー。勢いのあるクワイアでテンションも上がるクランチーなリフで突っ走る6、不穏なイントロからやっぱり加速していくダイナミックな7、リリカルなムードが高まる8はドラマティックかつダークに突っ走っていく展開の激しい曲、スリリングに突っ走る情感の振り幅の大きい9、ボーナストラックはシン・リジィのカバーが収録されています。

 ダーク&ヘヴィ路線はすっかり鳴りを潜めて、さらに加速したド派手な北欧メロディックメタルに徹しているアルバムは、美味しいフレーズてんこ盛りのメロデス見本市のような状態になっていて、個別の曲がどうとかあまり関係無い始末。多彩なメロディやフラッシーなプレイの連続に押し流されていくままになってしまうので、アルバム全体としての印象だけが鮮やかに残ります。バンドの個性とか何とか全く希薄になってしまってますが、北欧メロデスの一級品としての価値は感じさせる一気に突っ走る一枚でした。
同系統アルバム
N/NORTHER
FOREVER CHAOS/SHADOW
BLOODDRUNK/CHILDREN OF BODOM

STRINGS TO A WEB/RAGE

ストリングス・トゥ・ア・ウェブ(初回限定盤)/レイジ

MARQUEE MIZP-60018 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00317CNRW  ジャーマンパワーメタラーの17枚目のアルバムです。

 テクニカルなフレーズが炸裂するイントロからテンションあげて突っ走る起伏の激しい1から彼ららしいサウンドが広がっていくアルバムは、切れ味鋭いギタープレイとキャッチーなコーラス満載の楽曲を揃えています。ダークなムードで多彩なリフを繰り出してくる2、ドライヴするリフと哀愁帯びたコーラスで進む緩急の激しいエモーショナルな3、ダイナミックなリフワークで進むアップテンポのロックする4でも湿ったサビとかツボを突くメロディが印象的。5曲による組曲になる5〜9は、荘厳なシンフォニックアレンジのイントロからダイナミックに展開していく5からハンズィ・キアシュなどゲストもバックコーラスで参加してドラマティックな世界を映し出します。
 グルーヴィなリフでヘヴィ&ダイナミックに迫るダークな10、ドラマーの愛娘に捧げる11は躍動感とドライヴ感の強まるレイジ的ロックナンバー、トリッキーなリフで進む12はシリアスさが強まるダークなナンバーで感情を吐き出すコーラスで盛り上げます。リリカルなメロディを紡ぐバラードナンバーの13、躍動するギターリフで突っ走るアップテンポの14でアルバムはテンションを保ちながら幕を閉じます。

 さすがにレイジ節が炸裂するサビのメロディには聴き慣れた感が強まっていますが、その分ヴィクター・スモールスキの凄まじいテクニカルプレイの嵐が吹き荒れる、最近のバンドの傾向を順当に進めたサウンドが展開されていきます。中盤のオーケストラアレンジの組曲は何度も試行錯誤を重ねているだけに、説得力と迫力のあるものになっており、バンドの成熟を感じさせます。これだけ、アルバムを重ねても未だに衰えない創作意欲には感服するしかない、いつも通りに良質な楽曲てんこ盛りの一枚です。
同系統アルバム
TIME TO CHANGE IT/MIND ODYSSEY
BALLADS OF A HANGMAN/GRAVE DIGGER
DARK HOURS/LIONS SHARE





March

CHARRED WALLS OF THE DAMNED | DARK TRANQUILLITY | THE ETERNAL | FINNTROLL | MUTINY WITHIN | ORDEN OGAN | TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA | TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA | WUTHERING HEIGHTS |

CHARRED WALLS OF THE DAMNED/
CHARRED WALLS OF THE DAMNED

チャード・ウオールズ・オブ・ザ・ダムド/チャード・ウオールズ・オブ・ザ・ダムド

METAL BLADE RECORDS MBCY-1122 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0032XOMPQ  デスアイスド・アースなどで活動していたドラマー、リチャード・クリスティがヴォーカルに元アイスド・アースなどのティム・リッパー・オーウェンズ、ギタリストにエクストリーム系バンドのプロデュースでの仕事の方が有名なジェイソン・スーコフ、ベースにやっぱり、デスとかアイスド・アースに参加していたスティーブ・ディジオルジオらを集めて結成したバンドのファーストアルバムです。

 パワフルなハイトーンヴォーカルに、ソリッドなサウンドが重なり合う硬派な正統派ヘヴィメタルをやってのけるアルバムは、アグレッシヴなビートとクランチーなリフで畳み掛ける哀愁帯びたドラマティックなミドルテンポの1、メランコリックなイントロからエモーショナルに迫るミドルテンポの2、ダイナミックなギターリフに導かれるパワフルなミドルテンポの3、アップテンポで躍動しながら突っ走る起伏の激しい4、物悲しいメロディで迫るエモーショナルな5、叙情感を高めつつブラストビートなども絡めてドラマティックに展開していくアグレッシヴな6、再びエモーショナルに迫りつつアグレッションも加味していくミドルテンポの7、スラッシーなリフで襲い掛かる攻撃的なパートからコーラスでは雄大さを生み出す劇的展開の8、タイトなビートが情感豊かなヴォーカルを導いていく9は壮大な展開を見せていきます。ボーナストラックの10はパワーマッドのカバーが収録されています。

 メンバーがメンバーだけに、アイスド・アースとコントロール・デナイドを足して割ったようなサウンドになっているわけですが、力量的には確実すぎるアーティストが集まってのクオリティの高さは折り紙付き。シリアスで迫力のある劇的な楽曲が並べられていく様は、ヘヴィメタルの真髄を見せてやる!みたいな気概にあふれており、エクストリームなスタイルすら飲み込むパワーを感じさせます。やっぱりメンバーがメンバーだけに、今後の活動とか次のアルバムとか全く期待値ゼロな感じですが、漢は黙ってヘヴィメタルな強力な一枚でした。
同系統アルバム
THE FRAGILE ART OF EXISTENCE/CONTROL DENIED
FRAMING ARMAGEDDON:SOMETHING WICKED PART 1/ICED EARTH
GROUNDED -CHAPTER EIGHT-/METALIUM

WE ARE THE VOID/DARK TRANQUILLITY

ウィ・アー・ザ・ヴォイド/ダーク・トランキュリティ

TROOPER ENTERTAINMENT XNTE-00005 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0031QLJ0A  スウェーデン出身のバンドの9枚目のアルバムです。ベーシストにディメンジョン・ゼロのダニエル・アントンソンを迎えています。

 エキゾティックなイントロから唸りを上げるギターリフが躍動するアグレッシヴなスピードナンバーの1で幕を開けるアルバムは、デスヴォイスで多彩な感情を描き出すヴォーカリストも激しいパフォーマンスを見せる北欧メロディックデスメタルを作り出していきます。不穏なイントロからの2は威嚇するヴォーカルで迫るダークなヘヴィナンバー、メランコリックなファストナンバーの3、アグレッションを前面に押し出したダイナミックな展開を見せる4、ノーマルヴォイスも使ったリリシズム高まる情感豊かな5、ソリッドなリフで押し込む展開の大きな6、ノーマルヴォイスでメランコリックに迫るゴシックナンバーの7、リリカルなイントロからヘヴィでブラックメタル的な展開を見せる8、ドライヴするギターリフで突っ走るスピードナンバーの9、アグレッションとエモーションが交錯しながら突っ走るファストナンバーの10、情感渦巻くエモーショナルなヘヴィナンバーの11、ボーナストラックには、メランコリックなインストゥルメンタルの12、ダイナミックなリフがエモーショナルに展開するミドルテンポの13が収録されています。

 前作からの方向性を踏襲したアルバムはこれまで通りの高いクオリティを維持しており、正統的なメロディックデスメタルを体現したサウンドが繰り広げられています。メランコリックなムードが全体を覆いつくすいつものダーク・トランキュリティーらしい世界観をたっぷり味わえる一枚でした。
同系統アルバム
DEFLORATE/THE BLACK DAHLIA MURDER
THE ROOT OF ALL EVIL/ARCH ENEMY
FOREVER CHAOS/SHADOW

KARTIKA/THE ETERNAL

カルティカ/ジ・エターナル

STAY METAL SMR01-100324 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003A9FMZQ  オーストラリア出身の三人組バンドの2008年に発表された三枚目のアルバムです。

 スペーシーなイントロで幕を開けるアルバムは、ダイナミックなギターリフとムーディーでメランコリックなヴォーカルが交錯するミドルテンポの1からエモーショナルなサウンドが展開されていきます。センチメンタルなムードが高まる起伏の大きい2、繊細なメロディが紡がれる物悲しくも伸びやかなコーラスに救われる3、叙情感が募るミドルテンポのダークでミステリアスな4、エスニックなメロディを導入した5はヘヴィなリフが妖しくせまるドゥーミーな大作。センチメンタルなメロディとヘヴィリフが交錯していく6、浮遊感のあるメロディで進むスローナンバーの7、ピアノのイントロからダイナミックにリフが展開されていくメランコリックでアクティヴな8、ゆったりと流れるイントロからの9はバラード風の叙情感あふれるナンバー、エスニックなメロディで進むミステリアスな10、躍動するリフで進むメランコリックロックな11、孤立感が募るメロディを積み重ねて盛り上げていくミドルテンポの12。

 躍動感の残るダイナミックな楽曲が揃えられているアルバムは、メランコリックなムードが全編を覆うものの、それほど陰鬱にはならずに叙情感とダイナミズムが組み合わさったキャッチーなサウンドが作り出されており、ニューウェーブ風ダークロックを展開していきます。哀愁帯びた美旋律が充満するゴシックよりはロックよりな、ねっとりとした空気に包まれていく感情に訴えかける一枚でした。
同系統アルバム
UNBREAKABLE/FIREFLIGHT
THE END OF LIFE/UNSUN
SHALLOW LIFE/LACUNA COIL

NIFELVIND/FINNTROLL [IMPORT]

ニフェルヴィンド/フィントロール

CENTURY MEDIA 8660-2 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003626TJU  フィンランド出身のバンドの5枚目のアルバムです。

 重厚で劇的なイントロダクションで始まるアルバムは、デスヴォイスとブラストビートが炸裂する激しくダイナミックな2でアグレッションとフォーキーなムードが交錯していく壮大なムードで突き進みます。コミカルなムードも漂うイントロからの3は躍動感のあるリズムを繰り出していくアップテンポのナンバー、ポルカ風メロディが前面に押し出された4はデスヴォイスと曲調のギャップが妙な楽しさを生み出すミドルテンポのナンバー、邪悪なムードが高まるリフで押し込んでいく凶暴な5、朗々とした哀歌を歌い上げるダークなヘヴィナンバーの6はシンフォニックに展開、アコースティックなイントロからの7はノーマルヴォイスで哀愁高まるメロディを唄う静かなナンバー、ソリッドなギターリフとシンフォニックなアレンジが緊迫感を生み出す8はタイトでダイナミックなナンバー、ポルカのビートに乗って楽しげに進むフォーキーな9、コミカルなイントロから不穏なムードを高めていく10は起伏も激しく壮大に展開してきます。ダイナミックなリフでヘヴィに迫る11は加速しながらポルカなムードを重ねていく展開の激しいハイなナンバーになっています。

 コミカルな部分とアグレッシヴな部分をメタリックかつシンフォニックにまとめあげていく手腕もすっかり堂に入ったもので、独自の世界観を更に強固にしていきます。色々並べるにはおかしすぎる要素を強引に結び付けていくスタイルもここまで突き詰めると魅力的になるから不思議です。完成度も増してすっかり実力派のバンドになったのを実感できる一枚でした。
同系統アルバム
EVERYTHING REMAINS AS IT NEVER WAS/ELUVEITIE
BLACK SAILS AT MIDNIGHT/ALESTORM
AS THE PATH UNFOLDS.../CRIMFALL

MUTINY WITHIN/MUTINY WITHIN

ミューティニー・ウィズイン/ミューティニー・ウィズイン

ROADRUNNER RRCY-21360 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0031B66RG  アメリカ産新世代バンドのファーストアルバムです。

 テクニカルなギターリフとメタルコア的なクリーンヴォイスとデスヴォイスのコンビネーションを絡めたダイナミックな1で始まるアルバムは、哀愁帯びたメロディと激しいギタープレイが繰り出される目新しいサウンドを作り出しており、切れ込むギターリフで押し込んでいく2は衝動性を露にしたクリーンヴォーカルがエモーショナルに飛翔するミドルテンポのナンバー、ミドル〜アップテンポでヘヴィに迫る3はクリーンヴォーカルがパワフルに歌い上げる情感高まるナンバー、ピアノを絡めたイントロからエモーショナルに迫るソリッドな4、叙情的なイントロからの5はムードを保ちながら進むアップテンポの湿ったナンバー、テクニカルなリフとデスヴォイスで突っ走る高速パートとエモーショナルなパート、更に激しいインストパートのコントラストも激しい6、エモーショナルなヴォーカルと小刻みなリフが交錯するタイトでドラマティックな7、ミドルテンポの8は哀愁帯びたキャッチーなメロディで進むナンバー、タイトなリズムが緊迫感を高める9はアグレッションとエモーションが拮抗していくダイナミックな曲、テクニカルなイントロからの10はヘヴィネスとクリーンヴォーカルが一体となって迫るミドルテンポのナンバー、哀愁帯びたリフが積み重ねられる緩急の激しいダイナミックな11、ボーナストラックの12はシャープなリフで突き進むアグレッシヴなナンバーが収録されています。

 全体的な印象はメタルコアっぽいものの、ヴォーカルがやたらと上手いのとテクニカルなプレイが炸裂していくお陰でプログレメタルみたいな空気も醸し出しており、スタイルの順列組み合わせもここまで来たかって感じです。ベースがメタルコアなので、エモーショナルなスタイルの曲ばっかりになっているのは難ですが、新しい可能性としては期待できるサウンドが展開されていきます。今後の活動をちょっと見守ってみたい一枚でした。
同系統アルバム
RETRIBUTION/SHADOWS FALL
KILLSWITCH ENGAGE/KILLSWITCH ENGAGE
HOLOGRAPHIC UNIVERSE/SCAR SYMMETRY

EASTON HOPE/ORDEN OGAN

イーストン・ホープ/オルデン・オーガン

SPIRITUAL BEAST IUCP-16075 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00338T5GQ  ドイツ出身のバンドの三枚目のアルバムです。結成は1996年と割と年季が入っています。

 壮大なオーケストレーションを配したイントロダクションで幕を開けるアルバムは、メタリックなリフと激しいドラムで疾走していく緩急の激しい2からクワイアと大仰な展開を見せるパワーメタルを展開していきます。シンフォニックなリフで重厚に迫るミドルテンポの3はエモーショナルなクワイアで壮大に盛り上げ、ダークな雰囲気を高める4はタイトなリフで密度を上げるミドルテンポの大仰なナンバー、硬質なメロディで進むエモーショナルな5、叙情的なメロディが紡がれる情感高まるミドルテンポの6、メランコリックなイントロからの7は元ブラインド・ガーディアンのトーマス“トーメン”スタッシュが参加したスピードナンバーで劇的展開でテンションを高めていきます。センチメンタルで壮大なバラードの8、コーラスを受け継いで勇壮に迫る9はアップテンポで少し物悲しくフォーキー。一気にスピードを上げる10は緩急の激しい劇的ナンバー、壮大なムードが高まるヘヴィで静と動のコントラストが激しい11でアルバムは幕を閉じます。ボーナストラックの12はライヴ音源が収録されています。

 序盤のパワーメタルナンバーのパンチ力からは全体的にちょっと異なる印象を与えていくアルバムですが、丁寧に作りこまれたスケール感の大きいドラマティックなサウンドを作り出しています。スピードやパワーよりもクワイアやエモーショナルな側面を強調した劇的サウンドが繰り広げられていき、クオリティは維持しつつ聴かせるだけの説得力を提示していくあたりは先達バンドを研究している空気が伝わります。勢いだけで突っ走らない巧みな手腕を見せる壮大な一枚でした。
同系統アルバム
VENDETTA/CELESTY
DAWN/THY MAJESTIE
THE DAYS OF GRAYS/SONATA ARCTICA

THE WICKED SYMPHONY/TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA

ザ・ウィキッド・シンフォニー/トビアス・サメッツ・アヴァンタジア

MARQUEE MICP-10911 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0035NO7SA  ジャーマンメタル界のすっかり有名人になってしまった、エドガイのヴォーカリスト、トビアス・サメットのプロジェクト第4弾です。前作の続編と言う形になっており今作も多数のゲストが参加しています。

 不穏で壮大なイントロから導かれていくアルバムは、ヨルン・ランデとラッセル・アレンが加わったシンフォニックな大作の1で幕を開けます。実力者の二人の歌唱も手伝ってドラマティックに飛翔する1はアルバムへの期待を高めていきます。マイケル・キスクを召喚して明朗快活なメロディックメタルナンバーに仕上げた2、ティム“リッパー”オーウェンスが馬力のあるハイトーンヴォーカルを炸裂させていくパワーメタリックな3、あのクラウス・マイネが参加したセンチメンタルなムードが高まる劇的な4、アンドレ・マトスが加わった静かなイントロからの5はメランコリックなメロディを重ねていくエッジの効いた叙情的な劇的ナンバー、多彩な情感が押し寄せる大作の6、ヘヴィながらもエモーショナルな空気を持った7、ハードロッキンな展開から厚いクワイアで盛り上げるミドルテンポの8、イーヴルなヘヴィナンバーの9、緊迫感が高まる10はキャッチーなアップテンポのナンバー、ハードロックバラードの11でアルバムはひとまず終了します。ボーナストラックの12はヴァッケンでのライヴの模様が収められています。

 相変わらずのクオリティと物凄いゲスト陣に度肝を抜かれるこのプロジェクト。今回はジャーマンメタル界の重鎮まで参加して、何だかこのプロジェクト凄いことになってるんじゃ…(´Д`;)みたいなスケール感を感じさせていきます。ここまでくると本家のバンドの存在理由がだんだん希薄になってきたりしないこともないですが、どう考えてもトビアス・サメットは全力出しすぎだろ…、エドガイどうすんの(´・ω・`)
 まあ、そんなこんなで一枚だけでもお腹一杯なアルバムでしたが、次に続く。
同系統アルバム
VENDETTA/CELESTY
MENTALIZE/ANDRE MATOS
EQUILIBRIO/XYSTUS

ANGEL OF BABYLON/TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA

エンジェル・オヴ・バビロン/トビアス・サメッツ・アヴァンタジア

MARQUEE MICP-10912 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0035NO7SK  エドガイのヴォーカリストのプロジェクトの4枚目と同時に発表された5枚目のアルバムです。

 ヨルン・ランデ、ラッセル・アレン、マイケル・キスク、オリヴァー・ハートマンなど馬力のあるハイトーンヴォーカリストが勢揃いした1は静かな導入部から一気にパワフルに展開してくアップテンポのドラマティックな大作で、エンジン全開でアルバムの開幕を宣言していきます。ヨルン・ランデとのツインヴォーカルで進む2は伸びやかでポップなハードロックチューン、湿ったメロディのアメリカンハードロック的な3、ジョン・オリヴァが参加した4はミステリアスでシアトリカルなヘヴィナンバーで、特異なヴォーカルスタイルを存分に発揮した異彩を放つ代物。ドライヴ感の強いアップテンポのロックナンバーの5、湿ったメロディの哀愁帯びたハードロックナンバーの6、バラードナンバーの7、女性ヴォーカルを導入した8はゴシック風味のダークなヘヴィナンバー、シャッフルするギターが躍動するロックナンバーの9、高揚感が高まるアップテンポのナンバーの10、アコースティックなパートからクワイアで盛り上げていくドラマティックなロックナンバーの11で二枚に渡る物語は幕を閉じます。 ボーナストラックの12にはライヴ音源が収録されています。

 一曲目のインパクトが強いものの、全体的にはハードロックとロックオペラ的な楽曲を揃えてヘヴィメタル色を若干薄めてきたこの二枚目は、より多彩なヴォーカリストを揃えてバラエティに富む仕上がりになっており、トビアス・サメットのルーツと懐の深さを窺わせます。メタル的には若干テンションは下がっていますが、オーソドックスなナンバーが並んだキャッチーなアルバムになっています。二枚あわせて、改めてトビアス・サメットの才能が花開く結晶のようなアルバム達でした。
同系統アルバム
VENDETTA/CELESTY
MENTALIZE/ANDRE MATOS
EQUILIBRIO/XYSTUS

SALT/WUTHERING HEIGHTS

ソルト/ワザリング・ハイツ

MARQUEE MICP-10908 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0035NO7RG  デンマーク出身のバンドの5枚目のアルバムです。

 パワフルなヴォーカルに導かれる重厚で疾走感を強めるイントロの1で幕を開けるアルバムは、哀愁おびるメロディで緩急も激しく展開していく怒涛の劇的ナンバーの2で更にムードを加速させていくと、不穏なパーカッションに導かれる3は静と動のコントラストも激しいフォーキーで雄大なナンバー、加速する哀愁メロディからの4はエモーショナルなパートが勇壮かつポップに展開していく重厚なナンバー、フォーキーなメロディがリリカルに迫る5は重厚さと疾走感が交錯していく起伏の激しいナンバー、叙情的なヴォーカルで始まる6は哀愁帯びたムードを維持しつつ勇壮な空気を導くミドルテンポの劇的ナンバー、ペイガンメタル風味なミドルテンポの7、フォーキーなメロディで進む8、不穏なイントロから雪崩を打って疾走していくインストパートと緩急が激しい劇的展開が小気味良い超大作の9、ボーナストラックにはユーライア・ヒープのカバーが収録されています。

 メロディックパワーメタルを基本軸にフォークサウンドがドラマティックに加速していくオリジナリティの強い楽曲を揃えているアルバムは、これまでの路線を更に強化していくもので、強力なヴォーカルと洗練された手の込んだアレンジが結びついたテンションの高いものになっています。展開の多彩な楽曲を劇的ナンバーに仕上げていく力量の確かさに圧倒されていく様は、アルバムに掛けるアーティスティックなバンドの情熱を聴き手に叩きつけていきます。圧倒的な存在感を突きつける、めくるめく展開が高密度に集約される一枚でした。
同系統アルバム
KARKELO/KORPIKLAANI
TO THE METAL !/GAMMA RAY
THE DAYS OF GRAYS/SONATA ARCTICA





April

ANCIENT BARDS | ARMORED SAINT | JON OLIVA'S PAIN | NILE | RHAPSODY OF FIRE | ROYAL JESTER | SECRET SPHERE | SIX MAGICS | 3 INCHES OF BLOOD |

THE ALLIANCE OF THE KINGS -
THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PT.1/ANCIENT BARDS

ジ・アライアンス・オヴ・ザ・キングス/エインシェント・バーズ

SPIRITUAL BEAST IUCP-16078 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0036G4CB8  イタリア出身の女性ヴォーカルを擁するバンドのデビューアルバムです。

 女性のモノローグから壮大なイントロダクションへと移行していくアルバムは、ツーバスとオペラティックな女性ヴォーカルが乱舞する起伏の大きい大仰なドラマティックな展開のシンフォニックメタルナンバーの2で一気に空気を塗り替えていきます。壮大なイントロからの3はフォーク的なメロディが躍動的に描き出されるアップテンポの勇壮で劇的なナンバーで終盤のインストが印象的。一気に加速していく4は劇的展開の起伏の激しい疾走ナンバーでテンションを一気に高め、緊迫感高まるリフで突っ走るドラマティック展開の5はスピーディーなクワイアで一体感を強めていきます。コーラス隊による6から、センチメンタルなムードが高まる幻想的で壮大なパートからロックする高速インストパートへ移行していく劇的ナンバーの7、ネオクラシカルなイントロから疾走していく8はモノローグやシンフォニックなパートでブレイクしながらドラマティックに突き進んでいきます。シンフォニックなイントロから雄大なムードで進む9はアップテンポにスピードアップしてシリアスに展開していきます。リリカルなイントロからの10は壮大に展開していくファンタジックなナンバーでアルバムの最後を飾る全てを詰め込んだ大作になっています。ボーナストラックの11は「ファイナルファンタジーVIII」の主題歌のカバーが収録されています。

 ネオクラシカルなギターとシンフォニックなサウンドが一体となって迫りくるドラマティックな楽曲群は、ラプソディー・オブ・ファイアは元より、アングラブラインド・ガーディアンなど先達バンドの影響を感じさせつつも余裕のある女性ヴォーカルのパフォーマンスがバンドの格を一段階引き上げており、破格のデビューアルバムに仕上がっています。クオリティ的には強引な展開が気になるとか、サウンドプロデュースがさすがに軽いとか色々気になるところもありますが、求心力のある楽曲が揃えられており、ファンタジックな世界観に没入できます。まだ、イタリアには隠し玉が色々残ってそうな気がしてきた、期待の新人の一枚でした。
同系統アルバム
DESIGN YOUR UNIVERSE/EPICA
THE FROZEN TEARS OF ANGELS/RHAPSODY OF FIRE
VENDETTA/CELESTY

LA RAZA/ARMORED SAINT

ラ・ラザ/アーマード・セイント

METALBLADE RECORDS MBCY-1123 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0036YCCZI  ジョン・ブッシュは結局アンスラックスに戻るのか戻らないのかサッパリな、アメリカンメタルの雄、アーマード・セイントの6枚目のアルバムです。

 アコースティックのイントロからタフなギターリフでパワフルなヴォーカルを聴かせるダイナミックな1から、アーマード・セイント流ロックサウンドが展開されていくアルバムは、大仰なイントロからの2はエモーショナルなヘヴィロックナンバー、ラウドなリフで振り回すダイナミックなロックナンバーの3、タイトなリフでアクティヴに迫るミドルテンポの4、ブルージーでダルなナンバーの5、ダークなムードのダイナミックな6はラテン系のビートも飛び出すミドルテンポのナンバー、気だるさを孕んだグルーヴィな7、ドライヴ感のあるギターリフが唸るアップテンポの躍動的なロックナンバーの8、メランコリックなメロディで進むミドルテンポの9、カッティングリフで切れ込むタイトでダイナミックな10でアルバムを締めます。

 現在進行形のハードロックなサウンドを展開していくアルバムは、キャリアを積み重ねてきた要素が組み合わされた様々な音楽性を表したものになっており、バンドの自由な創造性が前面に出たものです。骨太のロックサウンドをハイクオリティで提示してきたベテランの余裕を感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
KILLING SEASON/DEATH ANGEL
INFINI/VOIVOD
IN THE BLACK/KITTIE

FESTIVAL/JON OLIVA'S PAIN [IMPORT]

フェスティバル/ジョン・オリヴァズ・ペイン

AFM RECORDS AFM 288-2 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0033CT63O  開店休業中みたいなサヴァタージのヴォーカリストの別バンドの4枚目のアルバムです。キーボードが抜けてツインギターになって製作されています。

 ダイナミックで派手なイントロで始まるアルバムは、重量感のあるギターリフと躍動感のあるメロディがシアトリカルに展開する1からジョン・オリヴァらしさが炸裂する劇的ヘヴィメタルが繰り広げられていきます。ダークなムードが高まる2はスペーシーな感覚も伴うミドルテンポのヘヴィナンバー、SEからドラマティックなリフワークで進む起伏の激しいシアトリカルな3、ヘヴィリフのイントロからリリカル〜エモーショナルな展開を見せるミドルテンポのダイナミックなナンバーの4ではシャッフル、ジャズ調のソロパートまで飛び出します。メタリックなギターリフで押し込んでくる5はエッジの効いたハードアタッキンなチューン、リリカルな優しいナンバーの6、ハードなビートを響かせる7はアグレッシヴなメタルパートからプログレ展開を見せる展開の大きなナンバー、再び優しいメロディを紡いでいく8は開放感強まるコーラスパートからのハードな展開が印象に残ります。煽情性の強いリフで進む9はグルーヴィなヘヴィナンバー、美しいメロディが叙情感を高める10で幕を閉じます。

 サヴァタージの十八番のシアトリカルなサウンドに70年代プログレ的なムードも盛り込んで、多彩な楽曲を揃えるアルバムは、ダークファンタジー的な暗さも孕んだ世界を生み出していきます。今までの作風とは少し趣を変えてきた作品で、ジョン・オリヴァのルーツを窺えるものになっており、サヴァタージにまた接近してきたのは本家の再開の見通しが無いせいなんじゃないかと心配にならなくも無い一枚でした。
同系統アルバム
KINDGOM OF EVIL/ANGELS OF BABYLON
THE SERAPHIC CLOCKWORK/VANDEN PLAS
THE DEVIL YOU KNOW/HEAVEN & HELL

THOSE WHOM THE GODS DETEST/NILE

神に嫌われし者たち/ナイル

YOSHIMOTO R AND C YRCG-90037 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0038002MA  アメリカ産デスメタルバンドの6枚目のアルバムです。

 悲鳴のようなSEから繰り出される雷鳴のようなドラムと野獣の咆哮が凶悪な圧力を伴って迫りくる緩急も激しい1からエスニックなフレーズも飛び出すブルータルなデスメタルワールドが展開されていくアルバムは、怒涛のように突進するファストナンバーの2、ヘヴィにのたうち加減速していく重量級の3、エスニックなイントロから猛烈なドラミングとリフワークで圧倒していく暴虐ナンバーの4、冷気漂うイントロから呪詛めいた雰囲気が高まるヘヴィナンバーの5、荒れ狂うリフで圧殺する突進ナンバーの6、ティンパニに導かれるエスニックなインタールードの7を経て、爆発力の強い凶悪なブルータルナンバーの8へ。ブラストビートで突っ切る殺傷力の高い9、波乱を呼ぶ鋭角なリフが叩きつけられていく10はスピードを可変させながら突っ走ります。ボーナストラックはインストと言いつつ声が入ってる怪しげで凶暴な11、インストと言うかオフヴォーカルなブルータルナンバーの12が二曲収録されています。

 いつも通りの邪悪で凶悪なブルータルデスメタルが繰り広げられているわけですが、エジプト風味は気持ち控えめで、攻撃性が突出したサウンド全開になってます。期待を裏切ること無い暗黒世界が眼前に広がる壮絶な一枚でした。
同系統アルバム
THE AGE OF NERO/SATYRICON
WE ARE THE NIGHTMARE/ARSIS
NECROPOLIS + TO LIVE!!!/VADER

THE FROZEN TEARS OF ANGELS/RHAPSODY OF FIRE

ザ・フローズン・ティアーズ・オブ・エンジェルズ/ラプソディー・オブ・ファイア

KING RECORD KICP-1472 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00396DX5Q  イタリアン・シンフォニックメタルのオリジネイターの7枚目のアルバムです。

 クリストファー・リーのモノローグに導かれるアルバムは、壮大なイントロダクションを経て、攻撃的なギターリフと力強いハイトーンヴォーカルが情感を高めていくアップテンポの2で濃密なギターソロと共に飛翔していきます。スリリングなギターとシンフォニックなサウンドが絡み合う3は白鳥の湖っぽいコーラスパートが印象的な起伏の激しいドラマティックなスピードナンバー、SEからの4はブラックメタル的な手法も盛り込んだクランチーなギターリフで突っ走るスリリングな疾走ナンバー、再びモノローグからの5はフォーキーなメロディが描き出されるファンタジックな曲、高速リフで突っ走る6はクラシカルなフレーズとスリリングな展開で圧倒する劇的スピードナンバー、メランコリックなメロディで迫る物悲しい7、攻撃的に疾走するイントロから静と動のコントラストも激しく進むミステリアスなムードの8、ナレーションに導かれるタイトルトラックは壮大なムードのイントロからソリッドなリフで展開されるエモーショナルな大作、ミステリアスなイントロからの10はテクニカルなプレイを聴かせるスピーディーなインストナンバー、11は2のオーケストラバージョン、ボーナストラックの12は緊迫感高まるソリッドなナンバーになっています。

 リリース期間が少し開いた分、より充実したサウンドを構築しているアルバムは、これまでの路線を更に強化していくもので、このスタイルの先駆者として他の追随を許さない迫力とクオリティの高い代物になっており、彼ら独自の世界へ聴き手を引きずり込んでいきます。ギタープレイがこれまでよりも洗練されたものが増えており、基本路線は変わらないものの多少の新味が加わって新鮮さも感じさせるサウンドにバンドの意欲的な面を垣間見ることが出来ます。圧倒的な存在感と迫力を携えた、文字通りのシンフォニックメタルを提示する一枚です。
同系統アルバム
DESIGN YOUR UNIVERSE/EPICA
SILENT SYMPHONY/DELIRION
VENDETTA/CELESTY

NIGHT IS YOUNG/ROYAL JESTER

ナイト・イズ・ヤング/ロイヤル・ジェスター

MAQUEE MICP-10914 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00396DWMA  スウェーデン出身のバンドのデビューアルバムです。同郷のレイン・エクシードの元メンバーのヴォーカリストとギタリストが中心になって結成されています。

 爽やかなハイトーンヴォーカルによる明朗なメロディとスピード感のあるビートで突き進む1から、キャッチーなサウンドと開放感あふれる楽曲が展開されていくアルバムは、エスニックなイントロから湿ったメロディを展開させるミドルテンポの2、スリリングに疾走していく3は飛翔感と高揚感高まるコーラスでテンションを上げていきます。ダークなリフと伸びやかなヴォーカルが交錯していくメタリックなナンバーの4、哀愁帯びたメロディがアップテンポで展開されるキャッチーな5、叙情メロディで畳み掛けるキラキラ疾走ナンバーの6、センチメンタルなイントロからソリッドなギターリフを繰り出していく7はミステリアスなムードを持った展開の多いナンバーで渾身のインストパートが耳を惹きます。シリアスなメロディで突っ走るスピードナンバーの8、華やかなムードのアップテンポの9、シャープなギターリフで攻撃的に迫るスリリングな10、ボーナストラックの11は哀愁帯びたミドルテンポのナンバーが収録されています。

 ヴォーカルの声質もあってポップとも言えそうなキャッチーなサウンドが展開されていくアルバムは、北欧メタルのスタイルを踏襲する楽曲と煌びやかなムードが相まって清廉な空気を生み出していきます。多彩なメロディと適度にメタリックな演奏の組み合わせによる親しみやすいサウンドはファンタジックな世界観と共に気持ちを高揚させ、新しいバンドの息吹を見せ付けます。自分達のサウンドを追及するために新たな道を選んだ気概に満ちた新進気鋭の一枚でした。
同系統アルバム
GATHER THE FAITHFUL/CAIN'S OFFERING
POLARIS/STRATOVARIUS
MENTALIZE/ANDRE MATOS

ARCHETYPE/SECRET SPHERE

アーキタイプ/シークレット・スフィア

MARQUEE MICP-10913 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00396DWM0  イタリアン・シンフォニックスピードメタルの6枚目のアルバムです。今回はギタリストとキーボーディストが交替して製作されています。

 神秘的で壮大なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、切羽詰ったハイトーンヴォーカルが華麗に突っ走るメロディでツーバスが炸裂していく起伏の激しいパワフルなファストナンバーの2で一気にテンションを高めていきます。叙情的なイントロから情感を高めていく3は緩急も激しくパワフルに突き進むダイナミックなナンバー、メランコリックなメロディが積み重ねられる4はソリッドなリフと絡み合って情感を高めていきます。哀愁帯びたメロディで突っ走る5は激情を露にしていくヴォーカルと相まってドラマティックに飛翔するナンバー、メランコリックなムードとソリッドなリフが交錯していく緊張感高まるシンフォニックナンバーの6、アルバム内では毛色の変わった7はルーズなムードが高まるグルーヴィなロックナンバー、ツーバスが炸裂するダイナミックなファストナンバーの8で一気にテンションを上げると、女性ヴォーカルが加わった9でセンチメンタルかつドラマティックに迫ります。ラストナンバーはパワフルなドラムとテクニカルなプレイで突っ走る緊張感高まる劇的でメタリックな10が飾ります。

 シークレット・スフィアらしいサウンドが充満している聴き手と作り手のヴィジョンが一致したアルバムは、ブレの無い楽曲を揃えており独自の劇的世界を構築していきます。度重なるメンバーチェンジにも動じることの無い姿勢が生み出すそのサウンドは更に磨き上げられて、強力な求心力を発揮していきます。華麗な世界と力強さが一体となって迫る、徹頭徹尾独自サウンドを追求していく一枚でした。
同系統アルバム
VENDETTA/CELESTY
EASTON HOPE/ORDEN OGAN
EQUILIBRIO/XYSTUS

BEHIND THE SORROW/SIX MAGICS

ビハインド・ザ・ソロウ/シックス・マジックス

HOWLING BULL HWCY-1281 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0036YCCZS  南米はチリ出身のバンドの三枚目のアルバムです。このアルバムから女性ヴォーカルを加えて心機一転を図っています。

 伸びやかなヴォーカルに導かれドライヴ感を残しながら哀愁と情感的な感触を強めていくアップテンポのダークな1で幕を開けるアルバムは、メランコリックなメロディを重ねていくテクニカルなビートも聴かせるアップテンポの2、叙情感高まるエモーショナルなミドルテンポのナンバーの3、シリアスでシャープなリフが空気を切り裂く4は哀愁あふれるコーラスパートでムードをやわらげて行きます。ダークでヘヴィなリフで進むタイトでグルーヴィでエモーショナルな5、タイトなリフを刻んでいく6はメランコリックなサビとシンフォニックなアレンジで盛り上げるアップテンポのナンバー、センチメンタルなムードが高まるドラマティックなスローナンバーの7、ラウドなリフで進む8はタイトでビートの強いダークメタル。70年代プログレ風味のバラードの9、ソリッドな感触のヘヴィナンバーの10、ボーナストラックの11は3のライヴバージョンが収録されています。

 前作まではシンフォニックスピードメタルをやってたらしいですが、このアルバムではその面影は窺えることは無く、プログレ&ゴシック風味のダークでモノクロームなサウンドを展開していきます。女性ヴォーカルな割には華やかさとか欠片も無いシリアスな楽曲が並べられており、ジリジリ重苦しいムードが高まっていくあたりは、多分このバンドに求められていたものとは違う予感。基本的な楽曲とかサウンドプロダクションなどは高いレベルを保っているものの、せっかくチリから登場したのにアメリカとかイギリスのバンドに任せておけば?って感じのモダンなアルバムになっているのがちょっと残念な一枚でした。
同系統アルバム
THE ABSENCE/LUNA MORTIS
KARTIKA/THE ETERNAL
SEASONS OF TRAGEDY/BENEDICTUM

HERE WAITS THY DOOM/3 INCHES OF BLOOD

破滅のヘヴィ・メタル/スリー・インチズ・オブ・ブラッド

HYDRANT MUSIC QIHC-10002 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0037ZF6R2  カナダ産メタルバンドの4枚目のアルバムです。またもメンバーチェンジが起こって、ヴォーカルは超ウド・ダークシュナイダー型一人に、ベーシストとドラマーも交替して4人組になっています。

 アップテンポの正統派メタルナンバーの1で幕を開けるアルバムは、ツインギターのハーモニーと金切り声のヴォーカルが硬質なメロディを重ねていく躍動的な楽曲を揃えています。湿ったメロディでロックしていく泣きのギターソロも炸裂の2、ドライヴするギターリフでロックしていくダイナミックな3、メイデンばりのギャロップするリフが心地良いアップテンポの4、グルーヴィなリフで迫るブラック・サバス的なナンバーの5、スラッシーに突っ走るハイテンションの6もツインギター全開。ダークなリフを連ねていく7はシリアスなムードを保ちつつアップテンポで情感を高めていきます。クランチーなリフで攻撃的に迫る緩急の強い8、躍動的に進むアップテンポのダイナミックな9、メランコリックなインストナンバーの10、ダークなイントロから勇壮さを伴ったリフを展開していく11は徐々に加速してテンションを上げていくヘヴィナンバーの大作、ボーナストラックの12はカバー曲、13はミドルテンポのナンバーが収録されています。

 アイアン・メイデンジューダス・プリーストのスタイルを継承するスタンダードなメタルサウンドを作り出しているアルバムは、ヴォーカルが一人になったことにより、曲の輪郭が明らかとシンプルになり、ツインリードギターの絡みにもより注意が惹きつけられるようになっています。ツインヴォーカルと言う妙な特徴がなくなったことで、曲自体の魅力がより鮮明になって分かりやすいものになっているあたりは、バンドの方針を如実に表していきます。試行錯誤のメンバーチェンジの結果、自分達のルーツに落ち着くあたりにピュアメタラーの業の深さを窺わせますが、伝統の生み出すヘヴィメタルの力を味わえる一枚でした。
同系統アルバム
IN THE NIGHT/DREAM EVIL
THE EVOLUTION OF CHAOS/HEATHEN
DOMINATOR/U.D.O.





May

ANGELS OF BABYLON | ANNIHILATOR | AVATAR | DELIRION | ELUVEITIE | SOULFLY | STEELWING | THUNDERSTONE |

KINDGOM OF EVIL/ANGELS OF BABYLON

キングダム・オブ・イーヴル/エンジェルズ・オブ・バビロン

HYDRANTMUSIC QIHC-10003 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003C1V38C  元マノウォーのドラマー、ライノが結成したバンドのファーストアルバムです。ベースにはメガデスのデイヴィッド・エルフソン、ヴォーカルにはフォーゴットン・レルムで活動していたデイヴィッド・フェフォルト、そしてギタリストには期待の新鋭イーサン・ブロッシュを迎えています。

 ハスキーなパワフルヴォーカルが歌い上げるミステリアスなメロディックメタルの1から、オーセンティックなスタイルのヘヴィメタルを展開していくアルバムは、哀愁帯びたイントロからのエスニックな空気も孕んだ重厚な2、ミステリアスなムードとタイトなビートが交錯するミドルテンポの3、ダークなムードが支配するスローナンバーのメランコリックな4、フラッシーなギタープレイを聴かせるドライヴィンなハードロックナンバーの5、ルーズな雰囲気のスローロックナンバーの6、アコースティックのイントロからの7は不穏な空気が高まるミドルテンポのダークな劇的ナンバー。リリカルなメロディのインストナンバーの8から、重厚なムードでダイナミックに迫る劇的ナンバーの9、不穏な空気のシンフォニックなイントロからドラマティックに展開していく10、ボーナストラックには女性ヴォーカルを迎えてキャッチーに迫るメランコリックなナンバーが収録されています。

 元マノウォーと言う煽りとは違ったミドルテンポのダークでオーセンティックな楽曲を揃えたアルバムは、ブラック・サバスディオあたりを彷彿とさせるハードロック〜ヘヴィメタルサウンドを作り出しています。実力のあるヴォーカルに手数の多いドラムを含めたリズム隊は万全で、新人ギタリストのプレイも特徴的ではありませんがそれなりに印象的なプレイを聴かせていたりしますが、楽曲自体の魅力はそれほど強まったりしないのが、伝統的なメタルにこだわった弊害でしょうか。エルフソンがメガデスに出戻ったため、メンバーを再構成しなければならなかったりしますが、アルバムを重ねていけばそのうち良くなるんじゃないかと思われる一枚でした。
同系統アルバム
COMPASSION DENIED/FREQUENCY
METAL SLAVE/MEAN STREAK
THE DEVIL YOU KNOW/HEAVEN & HELL

ANNIHILATOR/ANNIHILATOR

アナイアレイター/アナイアレイター

MARQUEE MICP-10899 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B002WBAH8K  カナディアンスラッシャーの13枚目のアルバムです。いつも通りドラマーが交替して製作されています。

 叙情感を残す滑らかな長尺のインストパートを経て迎える1は、攻撃的なリフと吐き捨てヴォーカルが絡み合うブルータルでテクニカルなナンバー。高速リフが炸裂していく激烈スラッシュナンバーの2はヘヴィな中盤からの展開が正にアナイアレイターの本領発揮の一曲。唸りを上げるリフで突撃する3は加速感が心地良い勢いのあるファストチューン。ダークでヘヴィなムードが高まる4は躍動的なリフを繰り出しつつ進むドライヴ感の強いナンバー、邪悪な感触が強まるグルーヴィな5は緩急の激しいカオティックなナンバー、畳み掛けるギターリフが威圧的に迫るミドルテンポのヘヴィな6は哀愁帯びたコーラスが強いコントラストを生み出します。アップテンポで突っ走る7はテクニカルなプレイとドライヴするビートが絡み合うメタリックなナンバー。ソリッドでブルータルな展開とエモーショナルなギターソロが絡み合う起伏の激しい8、タイトなギターリフで迫るヘヴィナンバーの9、ボーナストラックにはヴァン・ヘイレンのカバーが収録されています。

 初期の衝動性の高いスタイルの楽曲に近づいたサウンドを展開していくアルバムは、特徴的だった奇怪な展開やシアトリカルな要素こそ減ったものの、テクニカルなプレイと鋭い攻撃性を兼ね備えたアナイアレイターらしいものになっており、直球勝負の硬質な仕上がりになっています。前面に押し出されたジェフ・ウォーターズのギタープレイが圧倒的な存在感を持って迫る様は一線で活動を続けるアーティストとしての意欲的な側面を強く感じさせます。バンド名を冠するだけの自信に満ちた充実の一枚です。
同系統アルバム
EXECUTIONER/MANTIC RITUAL
THE EVOLUTION OF CHAOS/HEATHEN
UNEXPECTED FATE/BULLDOZER

AVATAR/AVATAR

アヴァター/アヴァター

STAY GOLD ARTSG-031 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003DMTHVA  スウェーデン出身のバンドの三枚目のアルバムです。

 センチメンタルなイントロからデスヴォイスを駆使してエモーショナルかつメロディアスに進んでいくミドルテンポの1で幕を開けるアルバムは、ドライヴ感の強まるアップテンポの2でメランコリックなコーラスと泣きのギターソロを繰り出して感情に訴えかけていきます。センチメンタルなメロディで盛り上げるミドルテンポの3、スプラッター映画調のSEからヘヴィに迫る4はローディみたいなキャッチーなコーラスとファンキーなプレイで盛り上げていく起伏の激しいナンバー、スピード感のあるシャープなギターパートとヘヴィなヴォーカルパートのコントラストも鮮やかなダイナミックな5、グルーヴィなムードで進む6はシャッフルしつつハードロックするノリの良いナンバーでハロウィンを髣髴とさせます。ドラマティックなイントロからシンフォニックな劇的メロディックメタルが展開されていく7、オペラ座の怪人風イントロからシャッフルしていくファンキーな8、一気に加速するスラッシーなファストナンバーの9、メランコリックなムードが高まる10はノーマルヴォイスが主導する激しくもエモーショナルな曲に仕上がっています。

 全体的には売り文句のパワーメタルと言うよりもゴシックメタル的な叙情感が強いサウンドを展開していくアルバムは、時折現れる多様性が多彩な感覚を味あわせます。ブルータルメタルからハードロックまで幅広く網羅していくサウンドはバラエティに富んだ収録曲に反映されており、何が飛び出すか分からない闇鍋感が漂います。様々なことが出来るため、どこに行くのか分からないとか、突出した何かが見出しにくい器用貧乏という感触も残りますが、全方位作戦を展開する意気込みにあふれる一枚でした。
同系統アルバム
WE ARE THE VOID/DARK TRANQUILLITY
HERE WAITS THY DOOM/3 INCHES OF BLOOD
DEADACHE/LORDI

LOTUS/DELIRION

ロータス/デリリオン

SPIRITUAL BEAST IUCP-16080 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003AL7PAE  スペイン出身のバンドの二枚目のアルバムです。ドラマーが交替しています。

 シンフォニックなイントロダクションから繰り広げられるドラマティックワールドは、疾走感と華麗なメロディが起伏激しく飛翔していく2で一気に花開いていきます。シンフォニックなフレーズがメランコリックなメロディと絡み合うスピード感の強い劇的ナンバーの3、哀愁のメロディを紡ぎつつセンチメンタルなムードをシンフォニックに盛り上げていく4、シンフォニックアレンジのイントロから叙情メロディで進むカラフルなミドルテンポの5、エモーショナルなメロディを唄い紡ぐ叙情感満載の6、派手なイントロから徐々に加速していくドラマティックナンバーの7は手の込んだインストパートでムードを変えます。キャッチーなメロディで進むアップテンポの8、フラッシーに疾走していく緩急の激しいファストチューンの9、ミステリアスに疾走していく劇的ナンバーの10、センチメンタルながらも希望を窺わせる壮大な広がりを見せるエモーショナルな11、激しく疾走していく劇的スピードナンバーの12でテンションを高めたままアルバムの幕を閉じます。

 デビューアルバムから格段の進歩を遂げた完成度の高いサウンドを提示していくアルバムは、密度の高い楽曲を揃えてあらゆる点でグレードアップを果たした凄みを見せつけており、わずかな期間での成長に驚かされるばかりです。シンフォニックなアレンジとテクニカルな側面も見せるギターにメロディ満載と、あとはヴォーカルが頑張りきれれば一気に飛躍しそうですが、あんまり成長が早くて瞬間的に燃え尽きてしまうんじゃないかと心配になってくる一枚でした。
同系統アルバム
ARCHETYPE/SECRET SPHERE
THE ALLIANCE OF THE KINGS
-THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PT.1/ANCIENT BARDS

THE FROZEN TEARS OF ANGELS/RHAPSODY OF FIRE

EVERYTHING REMAINS AS IT NEVER WAS/ELUVEITIE

エブリシング・リメインズ(初回限定盤)(DVD付)/エルヴェイティ

HOWLING BULL HWCY-9004 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003FL0TQQ  スイス出身のフォークメタルバンドの4枚目のアルバムです。

 叙情感たっぷりの壮大なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ブラストビートとフォーキーなメロディが渾然一体となって突き進む中、ドスの効いたデスヴォイスが咆哮し女性ヴォーカルも絡んでいくドラマティックな2で一気にテンションを上げていきます。フォーキーなメロディをデスヴォイスが歌い上げていくミドルテンポの3、アップテンポで軽快なメロディとブルータルなパートがぶつかりあうスピードナンバーの4、叙情感たっぷりのメロディが紡がれる北欧メロデス的な5、フィドルの物悲しいメロディが紡がれていくインストゥルメンタルの6、アグレッシヴなビートを刻み込むデスメタルパートとメロディとの起伏が激しい突進ナンバーの7、哀愁帯びたメロディで迫る8は情感漲るミドルテンポのナンバー、邪悪なムードが高まる9は起伏の激しいソリッドなナンバー、牧歌的なムードも漂うフォーキーなサウンドが展開されるインストナンバーの10、メロディとアグレッションが交錯していくアップテンポの11、ゆったりとしたムードの中フォーキーなメロディが積み重ねられていく12、荒涼とした情景を浮かび上がらせるインストナンバーの13でアルバムを閉じていきます。ボーナストラックの14と15は1と13の別バージョンが収録されています。

 前作のアコースティックサウンドから再びメタルサウンドに戻ってきたアルバムは、デスメタルとフォークメロディが濃密に絡み合うカオスなものに突入していきます。ブルータルな要素とファンタジックな要素のコントラストは更に強化され、鮮やかな世界が広がっていきます。スケール感も大きくなったバンドの新たなる段階を目の当たりにできる一枚でした。
同系統アルバム
AS THE PATH UNFOLDS.../CRIMFALL
CROGACHT/SUIDAKRA
FROM AFAR/ENSIFERUM

OMEN/SOULFLY

オーメン・スペシャル・エディション/ソウルフライ

ROADRUNNER RRCY-29204/5 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003A9FMME  ブラジル出身のバンドの7枚目のアルバムです。

 ハードコア的な突進力とメランコリックなギターソロを合わせ持ったダイナミックな1で幕を開けるアルバムは、トリッキーなイントロからヘヴィに迫るラウドな2ではミステリアスなギターを導入してみたり、アグレッシヴに突っ走るスラッシーな3はサビでスローダウン、さらにメロディックなギターソロが印象的。ダルでタイトなリフで迫る4でもテクニカルなギターソロが切れ込み、メロディ孕んだリフで重量感たっぷりに迫る5でも後半でギターが活躍。ラッシュするリフで突き進むヘヴィな6でも更にフラッシーなギターソロ。鮮やかなギタープレイで突進していくタフな7ではトライバル風味なビートも登場。スラッシーに突進する怒涛の8でもピロピロギターソロが乱入!鮮やかなギターとタイトなヴォーカルパートが交錯してながら加速していく9、不穏な空気が高まる緩急の激しいブルータルナンバーの10、メランコリックなインストナンバーの11、ボーナストラックの12は浮遊感のあるインストゥルメンタルナンバー、13はセパルトゥラのカバー、14はEXCELのカバーが収録されています。

 ハードコアな部分とフラッシーなギターが好き勝手に暴走していく楽曲が揃えられていくアルバムは、これまでの作風からは多少違和感を感じる仕上がりになっており、別のスタイルを模索するアーティスティックな試みを見せていきます。ギターソロとリフのあまりの落差にキラデス並の感覚を覚えたりしますが、それなりに聴かせる仕上がりにしてくるあたりは地力を窺わせます。色々と釈然としない割りに何となく聴かせてしまう一枚でした。
同系統アルバム
UNEXPECTED FATE/BULLDOZER
TO THE NINES/HATESPHERE
DAY OF MOURNING/DESPISED ICON

LORD OF THE WASTELAND/STEELWING

ロード・オヴ・ザ・ウェイストランド/スティールウィング

SPIRITUAL BEAST IUCP-16079 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003AL7PA4  スウェーデン出身のバンドのデビューアルバムです。

 アイアン・メイデンの“THE IDES OF MARCH”を彷彿とさせる物悲しくも勇壮なインストゥルメンタルナンバーで開幕するアルバムは、その期待を裏切らないツインリードギターが炸裂するハイトーンヴォーカルを擁する伝統的なヘヴィメタルの血脈を受け継ぐスピードナンバーの2へと進んでいきます。ドライヴ感強まる3は畳み掛けるリフワークとハイテンションのヴォーカル&クワイアで進むアップテンポのナンバー、ルーズなムードから衝動性を高めていくミドルテンポの4、細かいリフワークで物語性を高めていく勇壮さと哀愁を兼ね備えた密度の高いナンバーの5、ミステリアスなムードで疾駆するファストでエモーショナルな6、ザクザクしたイントロからの7は緊迫感を高めつつ突き進むドライヴィンな曲、さらにスピード感を増して突き進むギターの応酬が激しい8、クランチーなリフから進む9はダイナミックで多層な展開を見せていく起伏の激しい大作。 ボーナストラックの10はジューダス・プリーストでもおなじみのフリートウッド・マックのカバーが収録されています。

 何と言うアイアン・メイデン\(^o^)/をベースにしたサウンドが繰り広げられていくアルバムは、若さに溢れているものの手堅い安定した仕上がりになっており、ダイナミックな曲展開がNWOBHMの空気を蘇らせます。近年増えつつある新たなムーブメントのバンドの中ではかなりの高品質になっており、新味は少ないものの確かに聴かせる力量を保持しています。このままずっとメイデン路線でもそれはアリな感じではありますが、今後の成長と進化にも期待したい一枚でした。
同系統アルバム
ALL MY LIFE/VIPER
METAL SLAVE/MEAN STREAK
YOU CAN'T HURT STEEL/THE MORNING AFTER

DIRT METAL/THUNDERSTONE [IMPORT]

ダート・メタル/サンダーストーン

SPV 308402 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003CNNLQC  フィンランド出身のバンドの2009年に発表された5枚目のアルバムです。ヴォーカルには最近色んなバンドで名前を聞くリック・アルツィを迎えて製作されています。キーボードは交替しています。

 インダストリアルなイントロダクションの1から、ソリッドなギターリフを叩きつけていく1からハスキーなハイトーンヴォーカルが力強い歌唱とエモーショナルなメロディを聴かせるミドルテンポのタイトなヘヴィナンバーを提示していくアルバムは、躍動感あふれるリフがロックしていくドライヴ感の強い2、ダイナミックな展開とメランコリックなメロディが一体となって迫るタイトなナンバーの3、タイトなリフが迫りくるアグレッシヴでダイナミックなヘヴィチューンの4、ダークなヘヴィネスが充満するソリッドな5、クランチーなリフとエモーショナルな厚いコーラスが絡み合う6、ダークなメロディがメランコリックに展開されていくダイナミックなミドルテンポの7、ソリッドなギターリフで突進していくアグレッションとドラマ性が交錯する8はフラッシーなギターソロが耳を惹きます。グルーヴィなヘヴィネスとエモーショナルな側面を兼ね備える9、唸りを上げるリフで引っ張るタイトでエキゾティックな10、ダークでメランコリックな空気が充満する情念高まる黒いナンバーの11。

 ヘヴィネスが更に増強されていくアルバムは、ヴォーカルが替わった影響があるのかどうか良く分からない、これまでの路線を更に拡張するものになっていて、このスタイルだったらキーボードって別に必要ないんじゃね…みたいな硬質な代物です。既に北欧出身のバンドと言われなけらば分からないくらいにヘヴィ化が進んでしまってますが、楽曲の一定のクオリティは保ってますし、掛け持ちヴォーカリストの実力も確かなので、割と聴かせる仕上がりになっています。どう考えてもメンバーが不安定で仕方ないだろ、と言うかそんなに欧州ではヴォーカリストは人材難なのかと暗い気持ちになったりしますが、今後も頑張って欲しい一枚でした。
同系統アルバム
TABULA RASA/BLOODBOUND
THE ROAD LESS TRAVELLED/TRIOSPHERE
DARK HOURS/LIONS SHARE





June

EDENBRIDGE | GALNERYUS | LABYRINTH | NEVERMORE | SOILWORK | TRIOSPHERE | WITCHERY |

SOLITAIRE/EDENBRIDGE

ソリテアー/エデンブリッジ

MARQUEE MICP-10922 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003I8WYK0  オーストリア出身のバンドの7枚目のアルバムです。

 シンフォニックで大仰なイントロダクションで壮大に幕を開けるアルバムは、ヘヴィネスを強化したダイナミックなリフワークでパワフルに迫る2からソプラノヴォーカルが華麗なメロディを歌い上げるドラマティックナンバーを展開していきます。メランコリックなイントロからヘヴィリフを重ねていく3は叙情的な情感が高まるミドルテンポの壮大なナンバー、エキゾティックでフォーキーなメロディを絡めたヘヴィナンバーの4、ダークなイントロからの5はソリッドなギターリフで迫るメタリックなナンバー、ボーナストラックの6はメランコリックなピアノの小品、再びヘヴィリフで押し込む7はミステリアスなムードのミドルテンポのナンバー、繊細なメロディを紡ぐ8は幻想的なムードの劇的ナンバー、タイトなギターリフで進むアップテンポの9はドラマティックに展開するナンバー、ボーナストラックの10はセンチメンタルなムードのインストナンバー、ソリッドなギターリフで突進する攻撃性を増した劇的スピードナンバーの11、メランコリックなムードのエモーショナルなナンバーの12、そしてアウトロの13で幕を閉じます。

 繊細なメロディはそのままに、更にヘヴィネスを増したサウンドは重厚さと華麗さが一体となって迫る幻想的な世界はより洗練されたものになり、このスタイルの先駆者であるナイトウィッシュを凌駕しようかと言う完成度になっています。
同系統アルバム
DESIGN YOUR UNIVERSE/EPICA
VENDETTA/CELESTY
THE ALLIANCE OF THE KINGS -
THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PT.1/ANCIENT BARDS

RESURRECTION/GALNERYUS

リザレクション/ガルネリウス

VAP VPCC-81664 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003HGPAH2  小野正利が加入した新生ガルネリウスの通算5枚目のアルバムです。ベーシストも交替しています。

 期待感を高めるドラマティックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ソフトながらも伸びやかなハイトーンを全開にしていくヴォーカルにフラッシーなプレイを連発していくギターが絡み合う激しく熱いドラマティックなスピードナンバーの2で一気に聴き手を引き込んでいくと、間髪いれずスクリームを繰り出すファストナンバーの3でもメロディとスリリングなプレイが炸裂していきます。ファンキーなムードも漂うスポンティニアスなハードロックチューンの4、ホーンセクションも加えてゴージャスに迫るアップテンポのハイテンションナンバーの5、叙情感が強烈に迫る激しくダイナミックなインストナンバーの6、スリリングなイントロから一気に突っ走るスピードナンバーの7、ドラマティックなバラードナンバーの8、緊迫感高まるイントロからダークなムードを携えて突っ走るスピードナンバーの9、開放感と飛翔感高まるファストチューンの10で高速ギターソロを見せ付けつつ、リリシズム高まるインストナンバーの11でアルバムは幕を閉じます。

 前任ヴォーカルと分かれたのが良く解る、絢爛豪華劇的美麗サウンドを徹頭徹尾展開していく様はこのスタイルを極める意気込みに満ちたもので、潔さと心意気が伝わるものです。実力的には太鼓判の知る人ぞ知る新ヴォーカルは前任よりも押しやアクは弱いものの、このスタイルに溶け込んでよりスムーズなものになっており、リスナー層を広げそうな親しみやすさが感じられます。より切れ味を増したこれまでのスタイルに新しい要素も加えて、次のステージに向かう気概に満ちた強力な一枚です。
同系統アルバム
POLARIS/STRATOVARIUS
GATHER THE FAITHFUL/CAIN'S OFFERING
NIGHT IS YOUNG/ROYAL JESTER

RETURN TO HEAVEN DENIED PT.II
-A MIDNIGHT AUTUMN'S DREAM-/LABYRINTH

リターン・トゥ・ヘヴン・ディナイド・パート2〜ア・ミッドナイト・オータムズ・ドリーム/ラビリンス

MARQUEE MICP-10925 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003I8WYJG  イタリア産メロディックメタルの7枚目のアルバムです。バンドのオリジナルメンバーだったオラフ・トーセンが復帰して製作されています。

 哀愁帯びたイントロから始まるアルバムは、マイルドなハイトーンヴォーカルがメランコリックに歌い上げる緩急の激しいスピードナンバーの1から、セカンドアルバムの空気を纏ったサウンドを展開していきます。アカペラから始まる2は一転キレのあるリフとメランコリックなパートで突き進むスピードナンバー、センチメンタルなメロディで進むメランコリックなナンバーの3、メタリックなリフと哀愁メロディで迫るアップテンポの4、メランコリックなミドルテンポの5、シャープなリフで突っ走るスピードナンバーの6、哀愁メロディが迫るバラードナンバーの7、ドラマティックなイントロからテクノ風キーボードも飛び出す哀愁のスピードナンバーの8、テクニカルなプレイとエモーショナルなメロディで迫るミドルテンポの9、10は湿ったハードロックナンバー、 ボーナストラックの11はイングヴェイのカバー、12は7のアコースティックバージョンが収録されています。

 オラフ・トーセン復帰でセカンドアルバムの続編と言う完全に路線を元に戻す意志を示したアルバムは、予想に違わずギターが激しく主張するスピードメタル。自身の脱退後のアルバムを無かった事にするような、オラフ・トーセンのビジョンが繰り広げられていく様は、まさにセカンドアルバムの再来ですが、オリジナルの手によるものでも二番煎じには変わりなく、音質までその頃に戻すことは無いんじゃないかな。近作よりもヴォーカルの特徴を活かしているし、たしかに初期のフィーリングを感じさせますが、こんな忘れた頃に原点回帰されてもなあ、って微妙な気持ちになる一枚でした。
同系統アルバム
ARCHETYPE/SECRET SPHERE
GATHER THE FAITHFUL/CAIN'S OFFERING
NIGHT IS YOUNG/ROYAL JESTER

THE OBSIDIAN CONSPIRACY/NEVERMORE [IMPORT]

ジ・オブシディアン・コンスピラシー/ネヴァーモア

CENTURY MEDIA RECORDS 9979812 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003INJEY4  アメリカ産バンドの7枚目のアルバムです。ギターのスティーヴ・スマイスは脱退してしまった模様。

 ソリッドでヘヴィなギターリフで圧倒していく1からダークでエモーショナルな独自の世界を構築していくアルバムは、連続性を持った2でテンション上がる力強いコーラスを加えたダイナミックなナンバーへと進んでいき、クランチーでヘヴィなリフで押し込んでいく3は独特のメロディとアグレッションが交錯していく起伏の大きいナンバー。鋭角なギターリフで攻撃的に迫る4はメランコリックなパートとのコントラストが激しい曲、情感あふれるメロディを前面に出したメランコリックな5、リリカルなイントロからの物悲しいエモーショナルな6、イーヴルなヘヴィリフで進む7はエモーショナルなコーラスとギターソロがムードを高めていきます。ヘヴィリフでダークに迫る8は無機質なパートと威嚇的なパートが対照的に迫るミドルテンポのナンバー、メランコリックなムードから一転激情的に迫るダイナミックな9、高速ギターが唸りを上げる10はアグレッシヴなリフが押し寄せる緩急の激しい迫力満点の怒涛のナンバー。

 前作からの方向性を守りながら、特に新機軸とかは見当たらないものの、全体的にブラッシュアップしていくアルバムは、ネヴァーモア節が炸裂していく期待通りのサウンドが展開されていきます。「DEAD HEART, IN A DEAD WORLD」ほどではないですが、割とバラエティのある楽曲を揃えており全体的にアクが薄れている印象。またシングルギターということで少しだけ音に隙間があることで若干聴きやすくなって…ないこともないですし、ジェフ・ルーミスがフリーダム。相変わらず取っ付きの悪い音ですが、ファンには待望の強力な一枚でした。
 つーか、輸入盤のケースに“METAL ALBUM OF THE YEAR 2010”って貼ってあるんですけど、さすがに気が早いんじゃないかな,、'` ( ´∀`) ,、'`
同系統アルバム
A-LEX/SEPULTURA
OUTRAGE/OUTRAGE
MUTINY WITHIN/MUTINY WITHIN

THE PANIC BROADCAST/SOILWORK

ザ・パニック・ブロードキャスト(初回限定盤)/ソイルワーク

MARQUEE MIZP-60022 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003IMS51I  スウェーデン出身のバンドの8枚目のアルバムです。ギタリストに復帰したピーター・ウィッチャーズと元スカーヴのシルヴァン・コードレーを迎えて製作されています。

 ミステリアスなイントロから繰り出されるアグレッシヴなビートとギターリフで圧倒していく1はテンションの高いデスヴォイスと相まって凶暴性と躍動感を露にしていく激しいナンバーで、アルバムのテンションの高さを物語ります。ドライヴするソリッドなギターリフにメロウなコーラスパートとギターソロが重なり合うハイコントラストなアップテンポの2、情念が高まるミドルテンポのダイナミックなナンバーの3、タフなギターリフが唸りを上げる威圧感の強いラウドなヘヴィロックナンバーの4、エモーショナルな感覚が高まるドラマティックな5、ハイテンションで突進するハードコアなファストナンバーの6、センチメンタルなメロディを紡ぐ7は感情を迸らせるヴォーカルが組み合わさったエモーショナルなナンバー。閉塞感高まるダークなムードからコーラスパートが一服の清涼感をもたらす8、グルーヴ感の残るヘヴィパートとクリーンコーラスが交錯するミドルテンポの9、気だるさの残るイントロからアップテンポで展開していくアーク・エナミーみたいな10、ボーナストラックの11はスローなクリーンヴォーカルパートとファストなデスヴォイスパートが交錯するダイナミックなナンバー、12はファーストアルバムの曲のリニューアル、13は6thアルバムの曲のリミックスバージョンが収録されています。

 ピーター・ウィッチャーズの復帰とテクニカルデスの元スカーヴのギタリストの相乗効果で、インストパートにプログレッシヴなムードが戻ってきたサウンドは初期の衝動性と叙情感、更にはドラマ性も高まって、最近の鬱屈感を一掃するような出来栄えになっています。
同系統アルバム
LULLABIES FOR THE DORMANT MIND/THE AGONIST
KILLSWITCH ENGAGE/KILLSWITCH ENGAGE
FORBIDDEN ANGER/DIARY ABOUT MY NIGHTMARE

THE ROAD LESS TRAVELLED/TRIOSPHERE

ザ・ロード・レス・トラヴェルド/トリオスフィア

SPIRITUAL BEAST IUCP-16082 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003F31NW8  ノルウェー出身のバンドの2枚目のアルバムです。

 哀愁帯びた序盤から一転アグレッシヴと複雑な展開のイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ソリッドなギターリフが激しく躍動していくヘヴィでダイナミックな2で、パワーのある女性ヴォーカルのパフォーマンスとテクニカルなプレイを見せ付けていきます。物悲しいムードの中、力強い歌声が引っ張るエモーショナルなヘヴィチューンの3、激しいイントロから叙情的なメロディが紡がれる哀愁たっぷりのミドルテンポの4はメガデスばりのインストパートで空気を一変させていきます。リリカルなイントロからヘヴィに迫るエモーショナルな5、ダイナミックなイントロからソリッドなギターリフを繋いでいく6はミドルテンポのメロディアスなナンバー、哀愁帯びたストリングスのイントロからの7はドラマティックに情感が高められていく物悲しいナンバー、メロウなイントロからのエモーショナルな8ではタイトでドラマティックなインストパートが印象的。クランチーなギターリフで押し込むメロディックなパワーメタルナンバーの9、アグレッシヴにリフが展開する起伏の激しいパワーメタルナンバーの10、センチメンタルなアウトロの11、12はアコースティックのインストでアルバムのフレーズを振り返る一曲。 ボーナストラックの13はW.A.S.P.のカバーメドレー、14はガンズ・アンド・ローゼズのカバーが収録されています。

 力強い女性ヴォーカルを活かした情感豊かなサウンドを展開していくアルバムは、時折切れ込んでくるテクニカルなプレイがプログレメタル的な雰囲気を生み出しつつも全体的には正統派ヘヴィメタルに仕上がっています。ヴォーカルパートとインストパートのどちらもクオリティはかなりのものですが、両方合わさると何だかしっくりこない感じや、中盤のミドルテンポの楽曲が連続するあたりでも少しダレるのが残念なところです。最初の2曲の生み出した高い期待感を維持できないところにはガッカリしましたが、正統派パワーメタルとしては順当な出来の一枚でした。
同系統アルバム
DARK HOURS/LIONS SHARE
TABULA RASA/BLOODBOUND
MEMORIAL ROOTS/BRAINSTORM

WITCHKRIEG/WITCHERY

ウィッチクリーグ/ウィッチリー

TROOPER ENTERTAINMENT XNTE-00016 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003EW4JDK  スウェーデン出身のバンドの5枚目のアルバムです。ヴォーカルがマーダックのリージョンに交代して製作されています。

 雨音のSEと共に現れるアグレッシヴなリフで幕を開けるアルバムは、ギターソロのゲストのケリー・キングに敬意を表すかのようなスレイヤーを髣髴とさせる激烈スラッシュナンバーの1へとなだれ込みます、もちろんケリー・キングのプレイはいつも通りだ,、'` ( ´∀`) ,、'`畳み掛ける圧迫感の強いブラストビートを伴ったリフで押し込んでいくブルータルな2、ハンク・シャーマンがソロで参加した3は怪しいムードが高まるダークでヘヴィなチューンで特徴的なギターソロが聴かれます。ダイナミックなリフで襲い掛かる4は威圧感の高まるミステリアスなナンバー、クランチーなリフで脇目も振らず突っ走る5はエクソダスの二人がゲスト参加。ダークなムードが全体を覆う起伏の激しい6はアンディ・ラロックがゲスト参加。タイトにロックしていくラウドな7、正統派っぽいパワフルなギターリフで進む迫力満点のヘヴィな8には元ダーク・エンジェルのジム・ダーキンが参加。畳み掛けるリフで突き進むイーヴルでダイナミックな9ではフラッシーなギターソロが光ります。決してグレイヴ・ディガーのカバーではない10はそれでもパワーメタリックに突っ走ります。 ボーナストラックの11は緩急の激しい爆走スラッシュナンバー、12はタイトな突進ナンバーが収録されています。

 初期の頃のパロディっぽいところとかファニーなところがすっかり無くなって、真剣なデスラッシャーになってしまったアルバムですが、多数ゲストも参加して高品質のデスラッシュなサウンドを繰り広げていきます。まあ、タイトルだけはそんな意識が残ってるけど、いつも通り別にブリッツクリーグっぽいわけではありません(;´Д`)軽快なところも薄れて普通にデスラッシャーになったなあ、と言う感慨でしみじみする一枚でした。
同系統アルバム
TO THE NINES/HATESPHERE
CULT OF THE DEAD/LEGION OF THE DAMNED
WORLD PAINTED BLOOD/SLAYER





July

AVENGED SEVENFOLD | BLIND GUARDIAN | ENFORCER | ENFORCER | EQUILIBRIUM | FREEDOM CALL | NEVERMORE | REVAMP | VANDEN PLAS |

NIGHTMARE/AVENGED SEVENFOLD

ナイトメア/アヴェンジド・セヴンフォールド

WARNER MUSIC WPCR-13880 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003OACHJU  アメリカ産バンドの5枚目のアルバムです。ドラマーの急逝により、ドリーム・シアターのマイク・ポートノイを迎えて製作されています。

 ソリッドなリフでタイトに迫るメランコリックでキャッチーなミドルテンポの2、マーチ風のイントロから哀愁帯びたメロディが炸裂し加速するスピードナンバーの3、センチメンタルなメロディを保つミドルテンポの4ではドラマティックなギターソロで情感を盛り上げていきます。アグレッションが高まる5はクランチーなリフで突っ走るスピードナンバー、乾いた空気が伝わるエモーショナルな6、メランコリックなイントロからダイナミックに展開する緩急の激しい攻撃的なナンバーの7、静かなイントロからのバラードナンバーの8、物悲しいムードが高まるダークな9、不安感を覚えるピアノが絡みつく美しくも哀しいメランコリックな10、11は叙情的なメロディが開放されていくソリッドな大作、ボーナストラックの12はドライヴ感の強いメタルナンバーが収録されています。

 キャッチーで哀愁帯びたメロディ全開のメロディックメタルは前作からの流れを汲んだもので、メンバーの死という状況が作風に若干の陰を落としているものの、メインストリーム的なムードを保ったサウンドに仕上げています。エモーショナルなギターソロとメロディが亡きメンバーへの思いに満ちている風に強く感じさせる、感情の高まりは最高潮。新しいドラマーはそう簡単に見つかりそうにありませんが、残されたメンバーの決意を感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
SHOW YOUR COLORS/AMORAL
CHARRED WALLS OF THE DAMNED/CHARRED WALLS OF THE DAMNED
LA RAZA/ARMORED SAINT

A VOICE IN THE DARK/BLIND GUARDIAN

ア・ヴォイス・イン・ザ・ダーク/ブラインド・ガーディアン

VICTOR VICP-64874 [SINGLE] >>>>>BUY...?

B003R5HZ80  ジャーマンパワーメタラーの9枚目のアルバムに伴う先行シングルです。

 タイトル曲はスリリングなリフワークにいつも通りのコーラスが加わった展開の激しいドラマティックなスピードナンバーで、ニューアルバムへの期待も高まろうと言うものですが、イントロの期待感ほどはパワーメタル的に盛り上がりきらないのが(´Д`;)一番良い曲じゃないことを祈ろう。2はポップナンバーのカバー、3はアルバムからの楽曲のアコースティックバージョンが収録されています。

INTO THE NIGHT/ENFORCER

イントゥ・ザ・ナイト/エンフォーサー

SPIRITUAL BEAST IUCP-16084 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003K3HB6U  2005年に結成されたスウェーデン出身のバンドの2008年発表のデビューアルバムです。

 NWOBHM臭たっぷりのギターリフにちょっとヨレヨレのハイトーンヴォーカルが歌い上げるとてつもなくオーセンティックなヘヴィメタルの1から、ジューダス・プリーストアイアン・メイデンへの敬意の念が炸裂するアルバムは、クランチーなリフでドライヴ感の強まるスピードナンバーの2、躍動的なリフで突っ走るアッパーな3、スラッシーに突っ走る4はテンションも最高潮の切れ味鋭いファストチューン。軽快なリフでロックしていくアップテンポの5、すごくメイデンです…なインストナンバーの6から、7はシリアスなムードで加速するダイナミックなスピードナンバー、硬質なリフで畳み掛けるソリッドなスピードナンバーの8、遮二無二突っ走るハイテンションの9、ボーナストラックには1、9、2のデモバージョンが収録されています。

 アイアン・メイデンをベースにパンキッシュな鋭角さを増してみるサウンドは、あれ初期スラッシュメタルのスタイルと同じじゃね?みたいなスピードメタルが展開されていくわけですが、デビューアルバムだけに勢い満点でツインリードにキャッチーなメロディ満載のサウンドが詰め込まれています。音まで当時っぽくすることは無いだろ…とか、さすがに楽曲の荒削り感は否めないものの、多彩なギターリフの切り返しあたりに初期のメタリカメガデスの持っていた空気を感じさせることも。最初の一撃はガツンとかましてやるぜ!みたいな気概に満ちた元気な一枚でした。
同系統アルバム
HERE WAITS THY DOOM/3 INCHES OF BLOOD
YOU CAN'T HURT STEEL/THE MORNING AFTER
LORD OF THE WASTELAND/STEELWING

DIAMONDS/ENFORCER

ダイアモンズ/エンフォーサー

SPIRITUAL BEAST IUCP-16083 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003K3HB6K  スウェーデン出身のバンドの2枚目のアルバムです。ベーシストがギターにスイッチ、さらに新たにベーシストが加入してツインギター体制で製作されています。

 アイアン・メイデンの“THE IDES OF MARCH”を彷彿とさせるイントロから躍動感の強いリフとキャッチーなコーラスでひた走る1から、初期のライオットを彷彿させるリフワークで疾駆するファストチューンの2、哀愁帯びたイントロからメイデン節が炸裂していくアップテンポのシリアスな3、湿ったメロディ全開のキャッチーでハードロッキンなミドルテンポの4、フックのあるリフでドライヴするアップテンポの5、やっぱりすごくメイデンです…なインストナンバーの6から、思わずヘッドバンガーな一心不乱に突っ走るスラッシュ/スピードメタルナンバーの7へ。ギャロップするギターリフで突き進む躍動感の強いアップテンポの8、ドライヴするキャッチーなハードロックパートから激しくメタルしていくアップテンポのドラマティックな9、キャッチーなギターリフで突っ走るタイトなスピードチューンの10、ボーナストラックには2のデモバージョンが収録されています。

 相変わらずのNWOBHMへの愛に満ち溢れるアルバムは、やっぱりサウンドまで当時の空気を醸し出しつつ、デビューアルバムよりもハードロック寄りなバラエティに富んだ楽曲を揃えています。ドラマ性の強いソロパートは更に説得力を増し、ヴォーカルはさすがに少し上手くなって曲の荒削りなところも減っており、より磨き上げられたサウンドを聴かせています。よりキャッチーになって集客力を増していきそうな伝統を守る一枚でした。
同系統アルバム
NO SACRIFICE, NO VICTORY/HAMMERFALL
METAL SLAVE/MEAN STREAK
IN THE NIGHT/DREAM EVIL

REKREATUR/EQUILIBRIUM

再創神/エクリブリウム

MARQUEE MICP-90047 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003JR1USC  ドイツ出身のバンドの三枚目のアルバムです。ヴォーカルとドラムが交替して製作されています。

 不穏な空気漂う壮大なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ドスの効いたデスヴォイスと派手なフレーズ連発の起伏激しい劇的高速ナンバーの1からエンジン全開で突き進んでいきます。キャッチーなメロディで突っ走るドライヴ感の強いファストチューンの2、重量感たっぷりの重厚で哀愁満ちるヘヴィナンバーの3、軽快なフレーズが連なる4は気分も高揚するフォーキーなスピードナンバー、静かなイントロから劇的に展開していく5は静と動、緩急のコントラストも激しいダイナミックな叙情的ナンバー、ドラマティックなイントロからハイテンションで突っ走る劇的疾走ナンバーの6では後半でゆったりとしたパートへと変化して手の込んだ展開を見せていきます。クランチーなリフで突っ走る7は緩急激しい緊張感高まる展開にファンキーなサウンドで一気呵成に攻めあがります。叙情的なイントロからの8は壮大なムードを高めつつエモーショナルに迫るミドルテンポの劇的ナンバー、勇壮で激しい劇的展開の超大作インストナンバーの9でアルバムの幕を下ろします。ボーナスディスクにはこれまでのアルバムやデモからのアコースティックバージョンが収められており、印象的なメロディで勝負するバンドの魅力を充分に伝えるものになっています。

 ヴォーカルの変わった影響は微塵も感じさせないサウンドは、フォーキーなメロディと疾走感を合わせ持ったもので、前作からの路線を順当に継承しています。即効性の高いメロディはシリアスなムードの高まりに伴って若干減少していますが、それ以上に劇的展開に磨きが掛かって楽曲の整合性が上がっています。インパクト的には前作には及びませんが、バンドの成長を確かに感じさせる力の入った一枚でした。
同系統アルバム
NIFELVIND/FINNTROLL
FROM AFAR/ENSIFERUM
CROGACHT/SUIDAKRA

LEGEND OF THE SHADOWKING/FREEDOM CALL

レジェンド・オブ・ザ・シャドウキング/フリーダム・コール

KING RECORDS KICP-1487 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B002ZDOYHA  ドイツ出身のバンドの6枚目のアルバムです。ベーシストが交替して製作されています。

 スリリングなクワイアからソリッドなリフでシリアスなムードを高めていく1からドラマティックなコーラスで一気に飛翔する、彼ららしいファンタジックなサウンドが展開されていくアルバムは、明朗なメロディが躍動する厚いコーラスもキャッチーなアップテンポの2、勇壮さと明るさが絡み合うポップでドラマティックな3、緊迫感高まるイントロからの4はキャッチーなメロディで突っ走るスピードナンバー、重厚なコーラスに導かれる5は開放感あふれるコーラスへと繋がるスリリングなファストチューン、メランコリックなイントロからの6はヘヴィリフで進むダークな雰囲気のナンバー、物悲しいムードの中情念高まるヴォーカルが歌い上げ重厚なコーラスへと繋ぐヘヴィな7、ダークなイントロからソリッドに展開していくパワーメタリックな8、ファンタジックなコーラスとエッジの効いたリフが猛威を振るうドラマティックなスピードナンバーの9、ドイツ語の響きが勇壮さと哀愁を醸し出すエピックな10に導かれる11はパワフルな歌声を聴かせるソリッドなミドルテンポのナンバー、リリカルなバラードナンバーの12、70年代ハードロックナンバー風の13、フォーキーなメロディがオペラティックにロックしていく14、ボーナストラックの15は6の歌詞違いドイツ語バージョンが収録されています。

 いつも通りの癒し系ハイトーンヴォイスが全開のファンタジックメタルが展開されていくアルバムは、オペラティックな演出も加わって確かな世界観に没入させていきます。楽曲もパフォーマンスも高揚感も期待通りの鉄板で安心な一枚でした。
同系統アルバム
NO SACRIFICE, NO VICTORY/HAMMERFALL
VENDETTA/CELESTY
TO THE METAL !/GAMMA RAY

THE OBSIDIAN CONSPIRACY/NEVERMORE

ジ・オブシディアン・コンスピラシー/ネヴァーモア

MARQUEE MICP-10929 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003INJEY4  アメリカ産バンドの7枚目のアルバムです。本編レビューはこちら

 日本盤ボーナストラックの11はザ・ティー・パーティーのカバーで、もちろんリスナーの期待を裏切らないヘヴィな仕上がり,、'` ( ´∀`) ,、'`まあ、原曲に忠実です。12はドアーズのカバーで、アコースティックな普通過ぎてガッカリの仕上がりです、こんなネヴァーモアはいーやーだー。13は黒さが際立つヘヴィチューンで、冷気と情念を伴う暗黒音楽。

 まあ、そんなことよりサンクチュアリーでニューアルバム発表予定ってマジですか。
同系統アルバム
A-LEX/SEPULTURA
OUTRAGE/OUTRAGE
MUTINY WITHIN/MUTINY WITHIN

REVAMP/REVAMP

リヴァンプ/リヴァンプ

MARQUEE MICP-90047 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003F0GLWI  惜しまれつつも解散してしまったアフター・フォーエヴァーの女性ヴォーカル、フロール・ヤンセンが新たに結成したバンドのファーストアルバムです。その他のメンバーは同じくアフター・フォーエヴァーのキーボーディストのヨースト・ファン・デル・ブルック、ギター&ベースにドイツ人プロデューサー兼ミュージシャンのヴァルデマール・ゾリヒタらを迎えています。現在ではライヴメンバーとしてレコーディングメンバーとは異なる顔ぶれになっています。

 ダークでアグレッシヴなギターリフとシンフォニックなキーボードが絡み合うスピード感あふれるイントロから美麗なソプラノヴォイスが舞い狂い重厚なクワイアにデスヴォイスがサポートしていくドラマティックかつ凶暴な1から、バンドのアイデンティティを主張していくアルバムは、シンフォニックでヘヴィなミドルテンポの2ではスリリングなインストで盛り上げ、ラッセル・アレンがゲストで参加した3はドラマティックなパワーバラード、メタリックなリフを刻みつつ華麗なメロディとコーラスが飛翔していくアップテンポのシリアスな4、ゴシック風のダークでヘヴィな5、ミステリアスでスリリングに展開していくスローナンバーの6、ソイルワークのビョーンが参加した7は凶暴性と美麗なムードが交錯する緊迫感高まるナンバー、シンフォニックなムードを持った8はエキゾティックなヴォーカルと起伏の激しい展開のミドルテンポのナンバー、ゴシック風の哀愁と緊迫感高まるドラマティックな9、ダークなムード漂う10は攻撃性と叙情性が交錯するダイナミックな曲、躍動感のあるリフが哀愁帯びたメロディに導かれる起伏の激しいミドルテンポのメタリックな11、メランコリックなメロディが紡がれる情感豊かでドラマティックな展開を見せる12、リリカルでセンチメンタルなアコースティックナンバーの13、ボーナストラックの14はシンフォニックでエモーショナルな派手なナンバーが収録されています。

 アフター・フォーエヴァーよりもソリッドな質感でヘヴィなサウンドを展開していくサウンドは、フロール・ヤンセンの目論見どおりのものとなっており、歴史を受け継ぎつつも新しいものを作り出そうと言う意気込みにあふれています。ゴシックよりもヘヴィロック的な質感を強めたいのが良く分かる仕上がりが、彼女のカテゴリーに捉えられているゴシックメタルとの差別化を図りたいとも思わせます。よりヘヴィメタリックに、ドラマティックな世界を生み出していく、新たな出発となる一枚でした。
同系統アルバム
THE ABSENCE/LUNA MORTIS
BEHIND THE SORROW/SIX MAGICS
AVATAR/AVATAR

THE SERAPHIC CLOCKWORK/VANDEN PLAS

ザ・セラフィック・クロックワーク/ヴァンデン・プラス

HAPPINET/BICKEE HMCX-1097 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003MQFFIQ  ドイツ出身のバンドの6枚目のアルバムです。オリジナルストーリーに基づくコンセプトアルバムになっています。

 不穏な空気が漲るイントロから始まるアルバムは、浮遊感のあるヴォーカルが歌い上げるソリッドで起伏の大きい1からミステリアスでテクニカルなサウンドが展開していきます。ヘヴィリフが情感を満たしていくダークでエモーショナルな2、静かな導入部からダイナミックなリフが躍動していく3は感情とメロディがシンクロして流れていく展開の大きいドラマティックな大作。ドラマティックなイントロからの4はタイトで浮遊感のあるメロディアスナンバーでテクニカルなインストパートでムードを高めていきます。メランコリックなイントロからの5はシリアスなムードを高めつつダイナミックに展開していくミドルテンポのやっぱり劇的大作ナンバー、ピアノの繊細な調べが響くセンチメンタルな6は徐々にスケールアップしていくそれでも劇的大作ナンバー、スリリングなイントロからの7はミステリアスなムードの緩急の激しい大作ナンバーで抱擁感強いサビで盛り上げます。リリカルなメロディを紡いでいく8は叙情性と不安感を高めつつドラマティックに展開していき、緊張感高まるインストパートへと導く大作。ボーナストラックはロックミュージカルで使用された女性ヴォーカルとのデュエット曲が収録されています。

 エモーショナルでドラマティックなプログレメタルのスタイルは今作でも徹頭徹尾貫かれており、彼ららしい展開とメロディラインがふんだんに盛り込まれた鮮やかなアルバムになっています。磨き上げられていく独自のサウンドと緻密な展開がすっかり職人芸の域に達した円熟の一枚でした。
同系統アルバム
PULSE FOR A GRAVEHEART/MIND KEY
BLACK CROUD & SILVER LININGS/DREAM THEATER
KARTIKA/THE ETERNAL





August

ANGRA | APOCALYPTICA | BLIND GUARDIAN | IRON MAIDEN | MARTY FRIEDMAN | PATHFINDER | SABATON | SOULSPELL METAL OPERA |

AQUA/ANGRA

アクア/アングラ

VICTOR VICP-64859 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003S898SG  ブラジル出身のバンドの7枚目のアルバムです。初期メンバーだったドラマーが復帰しています。

 荘厳なイントロダクションから軽やかに疾走する劇的スピードメタルナンバーの2で一気に加速していくアルバムは、独特なビートと凝った展開で進む彼ららしさがあふれるアップテンポの明るい3、穏やかなメロディで進む叙情的で優しいナンバーの4、テクニカルなプレイを見せるタイトなスピードナンバーの5、リリカルなイントロからテクニカルなプレイとエモーショナルなヴォーカルが絡み合うロマンティックな6、緊迫感高まるイントロからの7は展開の激しい開放感のあるナンバー、叙情的なメロディで進むメランコリックな8、民俗音楽的なフレーズを絡めた展開の細かいダイナミックな9、ピアノの響きに導かれる哀愁高まる劇的バラードの10。ボーナストラックの11は4の別バージョンが収録されています。

 全体的にはスピード感のある展開と爽やかなメロディが組み合わされた、彼らのイメージに近いサウンドが繰り広げられており、聴き手の期待を裏切らない仕上がりになっています。聴き手を驚かせるような新機軸とか、圧倒的な存在感を示す壮絶展開とかがあるわけではないですが、とりあえず混乱していた周囲の状況を整理したバンドの安定感を感じさせるまとまりの良いゆったりとした一枚でした。
同系統アルバム
GATHER THE FAITHFUL/CAIN'S OFFERING
MENTALIZE/ANDRE MATOS
NIGHT IS YOUNG/ROYAL JESTER

7TH SYMPHONY/APOCALYPTICA [IMPORT]

セブンス・シンフォニー/アポカリプティカ

SONY MUSIC 88697-63590-2 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003QTBT5C  フィンランド出身のチェロバンドの7枚目のアルバムです。

 不穏な空気を醸造していく邪悪なイントロから繰り出されていくチェロのヘヴィな響きが炸裂していく唯一無二にサウンドは、複雑な展開を孕むヘヴィ&ダークなインストナンバーの1から、その世界観で一息に聴き手を飲み込んでいきます。男性ヴォーカルを迎えたメランコリックでダークな2、シャインダウンのブレント・スミスを迎えた外部ライターの手による3はスケール感の大きいメロウでエモーショナルなナンバー、スレイヤーのデイヴ・ロンバードを迎えた4はもちろんイーヴルでアグレッシヴなインストナンバー、クラシカルなテイストが高まるメランコリックなインストナンバーの5、フライリーフのレイシーが参加した6はゴシックメタル風ナンバー、ミステリアスでアトモスフィックな空気が漂うインストナンバーの7、フランスのバンド、ゴジラのヨセフ・デュプランティールが参加した8は突進力の強いメランコリックなメロディックデス風味のファストチューン。メランコリックなクラシカルなインストの9から、重厚かつ劇的に迫る壮絶なインストナンバーの10でエンディングを迎えます。

 さすがに、これだけアルバムを重ねると新味も乏しくなってきたわけですが、バンドとしてのまとまりや完成度は更に増しており、サウンドは異質ながらも普通にヘヴィメタルバンドっぽいムードが漂ってきてすっかり違和感も無くなっています。楽曲によって表情を変える幅の広いサウンドはますます切れ味を増していて、すっかりバンドの武器に収まっています。専任ドラマーがいるんだから、デイヴ・ロンバードも呼ばなくてもいいんじゃね?とか歌物のムードって似てるよね、とか瑣末な事は気にならなくもないですが、やっぱりいつも通りのアポカリプティカなサウンドが充満している一枚でした。

 9月に出る日本盤はボーナストラック満載だそうだよ…(´・ω・`)
同系統アルバム
MUTINY WITHIN/MUTINY WITHIN
THE ABSENCE/LUNA MORTIS
THE OBSIDIAN CONSPIRACY/NEVERMORE

AT THE EDGE OF TIME/BLIND GUARDIAN

アット・ジ・エッジ・オブ・タイム/ブラインド・ガーディアン

VICTOR VICP-64875 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003SUP1HG  ジャーマンパワーメタラーの9枚目のアルバムです。

 ついにオーケストラとの共演を果たしたシンフォニックでドラマティックな世界が広がっていくアルバムは、ゲーム「SACRED 2」で使用された楽曲をスケールアップした大作の1から一つの到達点に達したサウンドが展開されていきます。久々に「エルリック・サーガ」キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!なテンションあがるスピードナンバーの2、繊細なイントロからの物悲しくも勇壮な展開の細かいファンタジックなナンバーの3、ソリッドなリフと厚いコーラスで突き進む起伏の激しいアップテンポの4、リリカルなファンタジックナンバーの5、エモーショナルなイントロから緊迫感を高めていくソリッドなミドルテンポの6、エモーショナルなヴォーカルに導かれるミドルテンポの7、センチメンタルなムードが高まるファンタジックな8、 シングルカットされた9はスリリングなギターリフで突っ走る攻撃性を高めたスピード感あふれるナンバー、再びオーケストラが加わったエキゾティックで壮大な劇的大作の10で幕を閉じます。ボーナストラックの二曲は5、6の別バージョンが収録されています。

 全体的には初期の雰囲気に近づけようとする意欲が高まっていますが、最近の傾向通りに緊張感とか攻撃性は随分足りないなあ、と言うモヤモヤ感が残ります。オーケストラと共演した1と10は夢に見た超ブラインド・ガーディアンみたいな良い感じなので、どうせなら全部その路線でやれば良かったのにと思わないではいられません、まあ予算が無かったんだろうけどな(´Д`;)それでも迷走状態の頃よりは随分皆の期待するブラインド・ガーディアンに戻ってきた感が強まった一枚でした。
同系統アルバム
SCORE TO A NEW BEGINNING/FAIRYLAND
THE ALLIANCE OF THE KINGS -
THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PT.1/ANCIENT BARDS

LEGEND OF THE SHADOWKING/FREEDOM CALL

THE FINAL FRONTIER/IRON MAIDEN

ファイナル・フロンティア(初回限定盤)/アイアン・メイデン

EMI MUSIC JAPAN TOCP-66966 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003RKYE5M  NWOBHMの生き残り、メタル界の二大巨頭の一角の15枚目のアルバムです。

 緊迫感高まるダークでシリアスな長いイントロダクションで始まるアルバムは、ルーズなムードのロックナンバーへと変転していく1から長編の楽曲が揃えられています。ソリッドでドライヴ感のあるアップテンポの2、湿ったメロディを紡ぐドラマティックな3、メランコリックなバラード風ナンバーの4、メロディックなギターリフで進むオーセンティックなメタルチューンの5、ミステリアスなパートとダイナミックなパートとのコントラストが激しい6、静かなイントロからエモーショナルでドラマティックな展開を見せる7、ウィスパーパートから激しく飛翔していく8、メランコリックなムードの9はドラマティックな展開の大作。さらに起承転結のはっきりとした大作でアルバムの幕を閉じます。

 クイーンズ・ライクあたりを彷彿とさせるムードを持った、ここ最近の傾向なプログレ志向のサウンドが展開されていくアルバムは、ところどころにらしいフレーズが散りばめられた自分達のスタイルを貫き通したものです。このスタイルに聴き手も慣れたこともあって、冗長さは相変わらずなものの、そこそこ聴かせるものになっている辺りは、ベテランの力量を見せていきます。世界的に高評価にはなっているものの、全盛期とは別物と考えざるを得ない一枚でした。

 でも、初回版の缶ケースを買うのはやめておけ(´・ω・`)
同系統アルバム
THE DEVIL YOU KNOW/HEAVEN & HELL
DIAMONDS/ENFORCER
LORD OF THE WASTELAND/STEELWING

BAD D.N.A./MARTY FRIEDMAN

バッド・ディーエヌエー/マーティ・フリードマン

AVEX YICQ-10011 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003PE9T14  国民的バンド《FANTA》のギタリストの10枚目とアナウンスしているけど、どう数えても9枚目な全編インストゥルメンタルのソロアルバムです。

 ダンサブルなビートを取り入れたスリリングな展開の楽曲を揃えてきたアルバムは、打ち込みビートとメガデス風味なリフが交錯しながら突っ走る1から、華麗なギタープレイが炸裂するスリリングな楽曲が並んでいます。デジタルビートが更に強まる2はキャッチーなフレーズがスピード感を増していくメロディックなナンバー、うねるギターリフがミステリアスに迫る3は泣きのギターが唄うメタリックなチューン、インダストリアルなムードが高まるヘヴィな4、煽情性の高いメロディが炸裂するドライヴ感の強い5はダークなムードに変貌していくコントラストの強い曲、メランコリックなメロディがブルージーに紡がれる6、カントリー風味の穏やかな7、相川七瀬にでも歌わせるつもりか、みたいな微妙にヘヴィな8、緊張感を高めていくイントロからポップな展開を見せるキャッチーな9、リリカルなメロディとヘヴィリフが交錯しつつソリッドなサウンドに展開していくスリリングな10、ボーナストラックはサラ・ブライトマンでおなじみのオペラ曲が収録されています。

 変幻自在のギタープレイとメタル由来のヘヴィサウンドがデジタルビートと一体になって迫る様は、メガデス時代のアルバム「RISK」を更に発展させたような感触を与えており、マーティの志向するサウンドを再び明らかにしていきます。周りに囚われずに自己主張を続けるギタープレイが炸裂するあたりはマーティ・フリードマンの核のような不変の存在をうかがわせます。でも、やっぱり歌が欲しいかなって感じの一枚でした。
同系統アルバム
ANNIHILATOR/ANNIHILATOR
STRINGS TO A WEB/RAGE
ENDGAME/MEGADETH

BEYOND THE SPACE,BEYOND THE TIME/PATHFINDER

ビヨンド・ザ・スペース・ビヨンド・ザ・タイム/パスファインダー

RADTONE MUSIC RADC-055 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003MTNYPE  ポーランド出身のバンドのデビューアルバムです。バンドの結成は2006年。

 シンフォニックでドラマティックなイントロダクションの1に導かれるアルバムは、疾走感高まる高速フレーズとハイトーンヴォーカルが炸裂する緩急の激しい劇的シンフォニックスピードチューンの2でファンタジックワールドを展開していきます。スリリングなインストの3からベートーヴェンの月光 第三楽章をモチーフにしたクラシカルな劇的スピードナンバーの4へと。メランコリックなメロディがシンフォニックに展開していくスリリングな劇的ナンバーの5、緊迫感高まるイントロから攻撃性を高めつつ迫るダイナミックなパワーメタルナンバーの6、センチメンタルなイントロからのデュエットのバラードナンバーの7、シンフォニックなイントロから一気に加速する疾走ナンバーの8、ドスの効いた歌唱を見せるダークな空気が満ちる重厚なナンバーの9、壮大なムードで突っ走る劇的なイントロからの10は加速する劇的展開が凄まじいスピードナンバーでアウトロまで加えたスケール感の大きさが印象的です。フォーキーなインストの11からの12は重厚なコーラスがムードを盛り上げるスローナンバー、ラビリンスのロベルト・タイランティが参加する13はそのラビリンスを彷彿とさせる劇的疾走大作ナンバー。勇壮で荘厳なムードのアウトロの14でアルバムを締めると、ボーナストラックの15は凄く大仰でスピードメタルな仕上がりのドイツのポップバンドのカバーが収録されています。

 シンフォニックスピードメタルを徹底的に追求しているアルバムは、先達バンドの影響をたっぷり感じさせつつも、核となるエッセンスを抽出してみるこのスタイルへの愛情を強く窺わせるものになっています。聴き慣れたフレーズがあからさまな所が気にならないと言えば嘘になりますが、勢いで押し切るだけのパワーの或る楽曲を揃えているあたりはデビュー仕立ての怖いもの知らずな若さあふれるサウンド満載。ポーランド産と言う割と珍しいところから現れた、デビューアルバムとしては破格の一枚でした。
同系統アルバム
RETURN TO HEAVEN DENIED PT.II-A MIDNIGHT AUTUMN'S DREAM-/LABYRINTH
LOTUS/DELIRION
ARCHETYPE/SECRET SPHERE

COAT OF ARMS/SABATON

コート・オヴ・アームス/サバトン

SPIRITUAL BEAST IUCP-16086 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003OTLUA8  スウェーデン出身のバンドの5枚目のアルバムです。

 哀愁帯びたイントロから始まるアルバムは、ドラマティックなフレーズが炸裂し厚いコーラスがハスキーヴォイスのヴォーカルと共に突き進む勇壮なパワーメタルナンバーの1から、劇的路線をひた走ります。スピード感のあるリフと畳み掛ける勢いのあるコーラスで突っ走る2、スペーシーなイントロから湿ったメロディが紡がれるエモーショナルなミドルテンポの3、重厚なコーラスで一気に突進するアップテンポの4、叙情的なメロディが紡がれるエモーショナルなミドルテンポの5、勇壮なムードが高まるハイテンションのアップテンポの6、哀愁メロディで突き進むアップテンポの7、ソリッドなギターリフで迫るダークでミステリアスな8、煽情性の強いメロディで一気に突き進むアップテンポの9、ボーナストラックの10はどっかで聞いたようなイントロからどっかで聞いたようなフレーズが展開されるキャッチーなナンバー、11は1のインストバージョン、12は10のインストバージョンが収録されています。

 哀愁たっぷりのメロディとキャッチーなコーラスが聴き手との一体感を生み出す、パワフルなサウンドを展開するアルバムは、ヘヴィメタル的なダイナミズムとコーラスワークの丁寧な作りが同居し、泣きメロギターソロに馬力のあるヴォーカルも相まって独特な感触を生み出します。怒涛の展開の割りに曲の終わりがアッサリ気味とか、思ったよりバリエーションが無いとか、ちょっぴり気になりますが、高揚感が高まる手堅いサウンドを聴かせる一枚でした。
同系統アルバム
BALLADS OF A HANGMAN/GRAVE DIGGER
EASTON HOPE/ORDEN OGAN
BEYOND THE SPACE,BEYOND THE TIME/PATHFINDER

THE LABYRINTH OF TRUTHS/SOULSPELL METAL OPERA

ザ・ラビリンス・オヴ・トゥルーシズ/ソウルスペル・メタル・オペラ

SPIRITUAL BEAST IUCP-16087 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003OTLUAI  ブラジル出身のドラマー、エレノ・ヴァーリと同郷のバンド、シンボルスのティト・ファラスキが中心となって活動するメタル・オペラ・プロジェクトの第二弾です。

 有名無名を問わず記述するだけでも嫌になる豪華ゲストが参加して繰り広げられるドラマティックワールドは、ミステリアスで劇的なイントロダクションの1から、ダイナミックなギターリフが入れ替わり現れる何人ものハイトーンヴォーカルと一体になって迫る起伏の激しいミドルテンポの劇的ナンバーの2へと進んでいきます。メランコリックなフレーズと疾走感あふれるギターリフが炸裂する劇的スピードナンバーの3、叙情的なメロディのイントロからの4はソリッドなリフで緊張感を高めていくタイトなナンバー、センチメンタルなイントロからサヴァタージ組のサークル・トゥ・サークルのザッカリー・スティーヴンスとジョン・オリヴァがダーティヴォイスを披露していくドラマティックなミドルテンポの5ではやっぱりサヴァタージっぽいパートも飛び出します。女性ヴォーカルが主導するリリカルでファンタジックな6、ピアノの響きに導かれるエモーショナルなナンバーの7、牧歌的なメロディが哀愁帯びて迫る明るいパートと暗いパートのコントラストが激しいファンタジックな8、テクニカルなヘヴィリフを刻む9は展開の大きいドラマティックな大作。ボーナストラックはファーストアルバムからの楽曲のカラオケバージョンが収録されています。

 あまり知名度が高いとは言えないアーティストが多いので、誰が誰だか混乱するところもありますが、実力的には全員確かなもので各々の役割に応じたパフォーマンスを聴かせています。物語に沿った展開を追いかけないと、何故こんなにヴォーカリストが??みたいな事になったり、やっぱり大人数の必要性が疑問に感じられたりもしなくもないですが、ゴージャスな空気はヒシヒシと伝わってくるので、まあいいか,、'` ( ´∀`) ,、'`
同系統アルバム
SCORE TO A NEW BEGINNING/FAIRYLAND
ANGEL OF BABYLON/TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA
EQUILIBRIO/XYSTUS





September

ACCEPT | APOCALYPTICA | DIMMU BORGIR | KAMELOT | MANTICORA | THERION |

BLOOD OF THE NATIONS/ACCEPT

ブラッド・オブ・ザ・ネイションズ/アクセプト

UNIVERSAL INTERNATIONAL UICE-1167 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003UDP8ZQ  ジャーマンピュアメタラーの再々々結成12枚目のアルバムです。ヴォーカリストには元T.T.クイックのマーク・トーニロを迎えて製作されています。

 ダミ声で荒々しい歌唱を披露するヴォーカルを引っさげたアルバムは、メタリックでパワフルなギターリフが唸る1からオーセンティックで馬力のあるヘヴィメタルを展開していきます。ザクザクしたリフで押し込んでいくヘヴィナンバーの2、ミドルテンポでグルーヴィなリフを刻んでいくミステリアスでメロディックな3、重量感のあるリフと厚いコーラスがドライヴしていくミドルテンポの4、不穏な空気が高まるイントロからの5は焦燥感高まる高圧のナンバー、ソリッドなギターリフを叩き込みながら突進するファストナンバーの6、静かなパートからダイナミックに展開するミドルテンポの7、メランコリックなバラードナンバーの8、ドライヴするリフで突き進むハードロッキンな9、オーセンティックなギターリフで進むミドルテンポのメタルナンバーの10、哀愁帯びたメロディで進むエモーショナルな11、ソリッドなリフと乾いたメロディが交錯するアップテンポの12、ドライヴするロックナンバーの13、ボーナストラックの14はギャロップするリフで進む哀愁メロディ炸裂のミドルテンポのナンバーが収録されています。

 雰囲気的にウド・ダークシュナイダーに近い上に、歌唱法もちょっと似せている感じのヴォーカルが歌い上げる楽曲は80年代アクセプト的なパブリックイメージを忠実に再現しようとする意気込みを感じさせます。バンド解散辺りの迷走ムードを振り払ったプロデューサーのアンディ・スニープの仕事っぷりが光りますが、当時からこの路線だったら別に解散しなくても良かったよね、ウドの信頼を無くしたのはいったい誰のせいだよ…(´・ω・`)ウドがいないのは寂しくはありますが、とりあえず復活してくれたのは喜ばしい新たなるスタートを切った一枚でした。
同系統アルバム
THE DEVIL YOU KNOW/HEAVEN & HELL
METAL SLAVE/MEAN STREAK
MEMORIAL ROOTS/BRAINSTORM

7TH SYMPHONY/APOCALYPTICA

セブンス・シンフォニー/アポカリプティカ

SONY MUSIC JAPAN SICP-2832 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003QTBT5C  フィンランド出身のチェロバンドの7枚目のアルバムです。海外のデラックスエディション本編ディスクに日本独自のボーナストラックが追加されています。本編レビューはこの辺で。

 デラックスエディションにも収録されている5はダークで焦燥感高まるインストゥルメンタルナンバーで、高まる叙情感と緊迫感が押し寄せるダイナミックな仕上がり。ボーナストラックの13はブラック・サバスのカバーで勿論歌なしだ(´Д`;)14、15は過去曲のアコースティックの別バージョンが収録されています。
同系統アルバム
MUTINY WITHIN/MUTINY WITHIN
THE ABSENCE/LUNA MORTIS
THE OBSIDIAN CONSPIRACY/NEVERMORE

ABRAHADABRA/DIMMU BORGIR

アブラハダブラ/ディム・ボガー

MARQUEE MICP-10946 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003XRZZFM  ノルウェー出身のバンドの9枚目のアルバムです。主要メンバーの3人だけになっています。

 荘厳で冷気漂うイントロダクションから始まるアルバムは、デスヴォイスが邪悪に迫る重厚で壮大なシンフォニックメタルを展開していきます。オーケストラに合唱隊とスケール感も最高潮に達した暗黒世界を描き出すサウンドは、クリーンヴォーカルや女性ヴォーカルなどドラマ性を高めて、これまでよりもギターソロなどにキャッチーな展開を持ちながらもバンドのアイデンティティーを維持している凄まじいもので、サウンドトラックを思わせる圧倒的な存在感が他のバンドを寄せ付けない格の違いを見せ付けていきます。ボーナストラックにはディープ・パープルのカバーと言う驚きの選曲が。

 スノーウィ・ショウが出たり入ったりとかバンド周辺はゴタゴタが付きまとっていますが、楽曲はそれを全く窺わせない恐るべき完成度を見せる一枚です。
同系統アルバム
COMMUNION/SEPTICFLESH
GODSPEED ON THE DEVIL'S THUNDER/CRADLE OF FILTH
THE FROZEN TEARS OF ANGELS/RHAPSODY OF FIRE

POETRY FOR THE POISONED/KAMELOT

ポエトリー・フォー・ザ・ポイズンド/キャメロット

MARQUEE MICP-10940 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003XNKFAQ  アメリカ産メロディックメタルの9枚目のアルバムです。ベーシストが交替しています。

 ソイルワークのビョーン“スピード”ストリッドがデスヴォイスを披露するダークで静と動のコントラストも鮮やかなドラマティックナンバーの1から独特の妖しい世界を展開させていくアルバムは、スピード感の強いパートとエモーショナルなパートが交錯する官能的な2、SEを絡めたインストナンバーの3から、ジョン・オリヴァが参加した4はゴシカルでミステリアスなヘヴィナンバー、ガス・Gがギターを披露する叙情的なメロディがエモーショナルに紡がれていくシンフォニックな劇的ナンバーの5、情念掻き立てるシモーネ・シモンズとのデュエットナンバーの6、ダークでミステリアスな劇的ヘヴィナンバーの7、メランコリーとセンチメンタリズムが拮抗するスリリングなミドルテンポの8、緊迫感高まるイントロからダイナミックに展開していくエモーショナルな9、組曲の10〜13はスリリングでドラマティックな10から壮大でメランコリックなデュエットナンバーの11、さらに緊迫感が高まる12、そして叙情感高まるドラマティックな13でエンディングを迎えます。哀愁帯びたメロディが炸裂するスピードナンバーの14、ボーナストラックの15はちょっと珍しい緊張感漲るインストナンバーが収録されています。

 いつも通りのカーン節が炸裂していくアルバムは、前作よりもダークさを抑え目にしてメランコリックなムードを高めたもので、闇の中で輝く美旋律が強調されていきます。ヴォーカルの引き立て役になることが多かったギターソロも今作では自己主張を強めており、バンドとしてのアンサンブルを強めています。楽曲のクオリティと共にプレイヤーとしてのクオリティも追求していく、いつでも安心な満足感の高い一枚です。
同系統アルバム
REVAMP/REVAMP
AQUA/ANGRA
THE SERAPHIC CLOCKWORK/VANDEN PLAS

SAFE/MANTICORA

セーフ/マンティコラ

STAY GOLD ARTSG-034 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003XM7KU0  デンマーク出身のパワーメタラーの7枚目のアルバムです。

 畳み掛けるソリッドなギターリフからの1からダークでパワーメタリックなサウンドを展開していくアルバムは、エモーションを高めたパワフルヴォーカルとメタリックな質感が合わさったドラマティックな楽曲を揃えており、タイトなギターリフで迫る2は高密度のミドルテンポのナンバーで悲壮感の漂う世界観を描写していきます。焦燥感高まるリフと哀愁帯びたメロディが絡み合いながら加速していく3、ヘヴィリフでアグレッシヴに迫る4はデスヴォイスまで飛び出すダイナミックな展開で突き進みます。クランチーなリフで突進する攻撃性の高い劇的ナンバーの5、ダイナミックなリフで進む6はリズムチェンジを繰り返しながら情感を高めていくタイトなナンバー、メランコリックなイントロからクランチーなリフがヘヴィに迫る7は暗い情念が炸裂していくエモーショナルでドラマティックな大作、ボーナストラックの8は叙情感漂うメロディで進むインストナンバーが収録されています。

 情念と暗さが絡まりあうメタリックなサウンドが展開されていく、これまでの路線を継承していくアルバムは、エモーションとアグレッションがそれぞれ強化されていくダイナミックなものになっており、緊張感のある楽曲が集められています。自分達の追及するサウンドを更に強化していく様は、揺ぎ無いメタルスピリットを感じさせます。迷いも逡巡も無いピュアなサウンドがあふれる強力な一枚でした。
同系統アルバム
DIRT METAL/THUNDERSTONE
CHARRED WALLS OF THE DAMNED/CHARRED WALLS OF THE DAMNED
EASTON HOPE/ORDEN OGAN

SITRA AHRA/THERION

シトラ・アフラ/セリオン

TROOPER XNTE-00022 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003Y4TSG6  スウェーデン出身のバンドの11枚目のアルバムです。二枚同時発表アルバムが一枚にカウントされるようになったらしいので、調整しました。スノーウィ・ショウは出たり入ったりしていてよく分かりません。

 女性ソプラノのミステリアスな歌声に導かれるゆったりとした1から大作志向のシンフォニックナンバーが揃えられていくアルバムは、力強い男性ヴォーカルが主導する大作の2は起伏の大きい朗々としたナンバーで、コーラス隊が加わってドラマティックに展開しアイスド・アースっぽいリフまで飛び出します。ミステリアスなコーラスからヘヴィに迫る3、奇妙なイントロからエスニックなムードで進む4は展開の細かい叙情的な大作ナンバー、ダイナミックなコーラスワークで始まる5はドラマティックな展開のアップテンポのナンバー、神秘的なメロディが緩急も大きく劇的に紡がれていく6、ソリッドなリフで威圧感高める壮大な7、重厚に迫るイントロからダイナミックなギターリフで突き進む壮大で劇的な8、メランコリックなムードが高まるシンフォニックナンバーの9、ソリッドなギターリフにデスヴォイスとコーラスが絡みあう突進力の強いアグレッシヴなスピードナンバーの10、哀愁高まるメランコリックでソフトな11でアルバムの幕を閉じます。

 メンバーも大幅に変わってしまって、中心人物であるクリストファー・ヨハンソンのプロジェクト色が強化されたアルバムは、雄大なシンフォニックロックのスタイルを貫いています。攻撃性とか緊張感がすっかり薄れてしまっており、ヘヴィメタルとしてはかなりインパクトが少ないサウンドになっているとか、曲も大作ばっかりなのが難ですが、エピックなムードは高まっておりこのスタイルのサウンドがフィットする層にはアピールしそうです。
同系統アルバム
ABRAHADABRA/DIMMU BORGIR
THE LABYRINTH OF TRUTHS/SOULSPELL METAL OPERA
EQUILIBRIO/XYSTUS





October

ALDIOUS | ALIGHT | AMBERIAN DAWN | BELLFAST | BONDED BY BLOOD | THE CROWN | FIREWIND | HELLOWEEN | HOLY GRAIL | LORDI | THAUROROD |

DEEP EXCEED/ALDIOUS

ディープ・エクシード/アルディアス

SPINNING BSRS-002 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003YUKFQW  大阪出身の女性バンドのファーストアルバムです。

 アカペラのイントロダクションから繰り出されるソリッドなリフと哀愁メロディが絡み合うスピード感のあるメロディックナンバーの2から、叙情メロディックメタルが展開されるアルバムは、アップテンポの3はキャッチーなメロディがメランコリックに迫る哀愁ナンバー、メタリックなリフで突っ走るダークなスピードナンバーの4、センチメンタルなミドルテンポのメロディックナンバーの5、ドライヴするスピードナンバーの6、哀愁バラードの7、畳み掛けるリフで押し込むパワーメタリックな8、メランコリックに感情を高めていくアップテンポの9、叙情的なメロディを重ねていくミドルテンポの10。

 煌びやかな衣装と派手なメイクが印象に残りますが、ジャパニーズメロディックメタルとしては割とスタンダードなスタイルのサウンドを作り出しており、それほど齟齬は無いものの見た目ほどのインパクトも感じられない中庸なアルバムになっています。サウンドだけでは説得力が足りないのでビジュアルが無いとすっかり物足りない感じですが、まあ今後の活動で頑張ってほしい一枚でした。
同系統アルバム
RESURRECTION/GALNERYUS
GATHER THE FAITHFUL/CAIN'S OFFERING
POLARIS/STRATOVARIUS

DON'T FEAR THE REVENGE/ALIGHT

ドント・フィアー・ザ・リヴェンジ/オライト

BIT ORGANIZATION XQIR-1003 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003XGIDMK  イタリア産ゴシックロックバンドの2009年に発表されたデビューアルバムです。

 重厚なヘヴィリフとエモーショナルな女性ヴォーカルが織り成すダークでメランコリックなミドルテンポのナンバーの1から、キーボードのエレクトリカルなムードとメタリックなサウンドが絡み合う濃密なアルバムは、鋭角さを増したダイナミックでドラマティックな2、メランコリックなムードが高まる物悲しい3、シアター・オヴ・トラジェディのヴォーカルが参加した4はファンタジックでダークなナンバー。ダイナミックなリフで迫るヘヴィナンバーの5、キャッチーな哀愁メロディが紡がれるミドルテンポの6、エッジの効いたリフとキーボードが絡み合う起伏の大きいアップテンポのスリリングな7が収録されています。

 ヘヴィでロマンティックでエモーショナルなサウンドが展開されていくアルバムは、デビュー作らしからぬ完成度を見せており、ハードな音作りも相まって独特の触感を与えていきます。メタリックな要素とゴシカルな要素がモダンに絡み合う新鮮なサウンドを聴かせるコンパクトな一枚でした。
同系統アルバム
UNBREAKABLE/FIREFLIGHT
REVAMP/REVAMP
KARTIKA/THE ETERNAL

END OF EDEN/AMBERIAN DAWN

エンド・オヴ・エデン/アンベリアン・ドーン

MARQUEE MICP-10935 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00415Z9VA  フィンランド出身のバンドの3枚目のアルバムです。

 シンフォニックなイントロから神秘的なサウンドが繰り出されていくアルバムは、女性ソプラノヴォーカルがメランコリックなメロディを歌い上げるクラシカルな劇的ナンバー1からファンタジックな世界を描き出していきます。ロマンティックでメランコリックな劇的ナンバーの2、ソリッドなリフでダイナミックに迫る緊迫感強まるアップテンポの3、ミステリアスなメロディでダークに迫る4ではキーボードソロが存在感を主張し、叙情メロディが押し寄せる5は神秘的でポップなミドルテンポのナンバー、メランコリックなメロディが優雅に展開していくアップテンポの6、スリリングなスピード感が高まる劇的疾走ナンバーの7、クラシカルな展開の8は劇的哀愁ナンバー、男性シンガーも加わったオペラティックな9から、ヘヴィネスが増した10は雄々しい男性ヴォーカルも加えて劇的さを加速させていく大作。 ボーナストラックの11は5のギターソロを増やしたバージョン、12はアウトロ的なインストナンバーが収録されています。

 幻想的で優美な世界が広がるシンフォニックメタルを作り出しているアルバムは、テクニカルなギターソロや繊細な女性ヴォーカルも相まって様式美が炸裂する劇的サウンドが展開されていきます。このスタイルのサウンドとしてはクオリティも完成度も高いものになっていますが、楽曲自体の求心力がそれほど高まらないので、同系統の先達のバンドを含めた上でこのバンドを選ぶかと言われるとちょっと微妙な感じです。色々なところがもうちょっと手が届きそうで手が届かないもどかしさの残る一枚でした。
同系統アルバム
DESIGN YOUR UNIVERSE/EPICA
DARK PASSION PLAY/NIGHTWISH
SOLITAIRE/EDENBRIDGE

INSULA SACRA/BELLFAST

インスーラ サクラ/ベルファスト

KING RECORDS KICP-1618 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00405OIUO  名古屋発フォークメタルバンドのデビューアルバムです。

 波音のSEから始まるドラマティックなイントロダクションでムードを盛り上げていくアルバムは、フォーキーなメロディが勇壮かつ哀感たっぷりに紡がれていくミドルテンポの正統派メタルナンバーの2からブルース・ディッキンソン風のヴォーカルとエモーショナルなギターが繰り出す楽曲を揃えており、躍動感の強いメロディで疾走し高揚感も高まるファストナンバーの3、ダイナミックなリフとメロディが情感豊かに展開していくアップテンポの4、哀愁漂うエモーショナルなムードが高まるメランコリックな5、ミステリアスなイントロから叙情的なメロディが重厚に迫るダイナミックな展開のプログレ風味な劇的ナンバーの6、リリカルなアコースティックのデュエットナンバーの7を経て、勇壮に展開しテンション上がる、橘高文彦がギターソロで参加した劇的ファストナンバーの8へと。重厚に迫る9はメロディが情感豊かに広がるエモーショナルな劇的ナンバー、アイリッシュなイントロからの10はミドルテンポのフォーキーなメタルナンバー、泣きのギターが炸裂し情感が高まるエモーショナルな11でアルバムは幕を閉じます。

 哀愁フォークメタルと日本的な繊細さを持ったメロディが融合していく新たなサウンドはゴリゴリのヴァイキングメタルと言うよりもアイリッシュなメロディを取り入れたメロディックメタル、ヴォーカルの声質もあって全体的にはアイルランドに引っ越したアイアン・メイデンみたいな雰囲気が漂う日本ではほとんど見かけないスタイルを追求しており、多彩な楽曲からもメンバーのバックグラウンドを窺わせるものになっています。 日本にもフォークメタルが遂に根付いたんだなあという感慨を浮かばせる稀有なサウンドとアマチュアレベルから一気にワールドワイドなレベルにバンドを引き上げた情熱がシンクロするまさにパッションが炸裂する一枚でした。
同系統アルバム
NIFELVIND/FINNTROLL
THE FINAL FRONTIER/IRON MAIDEN
REKREATUR/EQUILIBRIUM

EXILED TO EARTH/BONDED BY BLOOD

エグザイルド・トゥ・アース/ボンデッド・バイ・ブラッド

SPIRITUAL BEAST IUCP-16090 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003Y5WXT4  カリフォルニア産新世代スラッシャーのセカンドアルバムです。

 メランコリックなイントロから繰り出されていくソリッドなギターリフがクランチーに疾走していく1から80年代スラッシュメタルを踏襲するサウンドを生み出していくアルバムは、エモーショナルなギターのイントロから畳み掛けるリフで押していくタイトな2、不穏な空気が高まるイントロから骨太のギターリフが叩きつけられるソリッドな3、クランチーなリフで突っ走る暴走ナンバーの4、11、多彩なリフを繰り出しながら緩急激しく突っ走る5、6、うねるリフを重ねていく7はスピードを一気に上げる加速感が心地良いナンバー、あっという間に駆け抜ける8、ミステリアスなイントロから疾走していく突撃ナンバーの9、ドライヴしていくリフで突っ走る10、ボーナストラックの12は激しく展開していくインストゥルメンタルナンバーが収録されています。

 バンド名から予想される通りの往年のスラッシュメタルに傾倒した楽曲を揃えてきたアルバムは、切れ味鋭いギターリフにフラッシーなギターソロなども加えて鮮やかなサウンドを作り出しています。さすがに聞き手を選びそうなダーティなヴォーカルまで当時の雰囲気にしなくても良いのにって感じではありますが、ツボを押さえた躍動的な楽曲が揃うとテンションが高まります。さすがにオリジナリティとか言われると?な感じですが、若さだけではない手ごたえのあるサウンドを聴かせる一枚でした。
同系統アルバム
EXECUTIONER/MANTIC RITUAL
THE EVOLUTION OF CHAOS/HEATHEN
UNEXPECTED FATE/BULLDOZER

DOOMSDAY KING/THE CROWN

ドゥームズデイ・キング/ザ・クラウン

MARQUEE MICP-10954 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0040XJ5LS   スウェーデニッシュ・デスメタルの再結成アルバムです。リ・レコーディングを加えると通産8枚目となります。ヴォーカリストに元UTUMNOのヨナス・スタルハマーを迎えています。

 不穏なイントロで幕を開けるアルバムは、凶暴なデスヴォイスとブルータルなギターリフが一体になって襲い掛かる1から、唸りを上げるギターソロが炸裂する破壊力の強まるデスラッシュを繰り出していきます。物騒なリフで突進していく暴走ナンバーの2、哀愁ギターソロも加えてドス黒いムードで突撃する圧迫感の強まる3、のたうつヘヴィリフが威圧感を増していくスローナンバーの4、畳み掛けるクランチーなリフが凶悪に迫るダイナミックな突進ナンバーの5、怪しげなイントロから一気に加速していくブルータルなファストナンバーの6、テンションMAXでブッちぎる凶悪な7はデスラッシュからデスロールまで変転していく過激なナンバー、唸りを上げるリフで圧倒していくテスタメントっぽい起伏の激しい8、高密度のリフで圧力を高めて加減速していくダイナミックな9、クランチーなリフで突っ走るメロデスナンバーの10はブレイクからの予想の出来ないカオスっぷりが印象的。 ボーナストラックの11は同郷のVALCYRIEのカバー、12、13はセカンドアルバムからの楽曲のリ・レコーディングとリメイク、14はリリカルなメロディを紡ぐエモーショナルなナンバーが収録されています。

 再結成前のサウンドをすっかり忘れてしまって、バンドらしさとかこのアルバムに残ってるかどうか定かでは無いですが、徹頭徹尾暴虐で凶悪なデスラッシュサウンドが詰め込まれており、緊迫感と緊張感が持続する凄まじい音空間が現出していきます。アルバムごとに少しずつ変化しているバンドなので、その時点でのスタイルを限界まで追求していくあたりは、バンドの本領発揮と言った感じで、不純物の無いサウンドが生み出す衝動性が聴き手を揺さぶります。復活なって益々の活動が期待される凶悪な一枚です。
同系統アルバム
DAY OF MOURNING/DESPISED ICON
TO THE NINES/HATESPHERE
WITCHKRIEG/WITCHERY

DAYS OF DEFIANCE/FIREWIND

デイズ・オヴ・ディファイアンス/ファイアーウインド

MARQUEE MICP-10950 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0042RSMDE  オジー・オズボーンに抜擢されたギタリストのガス・Gにスピリチュアル・ベガーズのヴォーカルに決定したアポロ・パパサナシオを擁し、一気に注目を集める正統派メタルバンドの6枚目のアルバムです。

 不穏なイントロからパワフルなヴォーカルとタイトなギターリフが交錯するソリッドな1から、いつも通りのダイナミックなヘヴィメタルが展開されていくアルバムは、湿ったメロディがダーク&ヘヴィに展開していくアップテンポの哀愁ナンバーの2、哀感漂うシャープなイントロからアイアン・メイデン風のリフワークを経て飛翔していくドラマティックな3、メランコリックなメロディで進む哀愁ハードロックチューンの4、スペーシーなインストナンバーの5から、華麗に疾走していくメロウなスピードナンバーの6へ。センチメンタルなバラードナンバーの7、キャッチーなメロディが懊悩感高めるミドルテンポのハードロックチューンの8、ドライヴ感高まるリフとメランコリックなメロディが一体になって迫るロックナンバーの9、不穏なイントロからのスリリングな展開のインストゥルメンタルナンバーの10、叙情感漂うメロディがロックしていく起伏の激しいアップテンポのナンバーの11、ヘヴィリフで迫るドラマティックなパワーメタルナンバーの12、静と動の起伏も激しいダイナミックなパワーメタルチューンの13、ボーナストラックの14は哀愁漂うギターインストナンバー、15はジューダス・プリーストのカバーが収録されています。

 オジー・オズボーンのバンドに加入した影響は全く感じさせない、メロディックメタルサウンドが展開されていくアルバムは、色々と制約のありそうなオジーの楽曲よりも自由闊達なプレイが炸裂している…かもしれない曲が揃えられており、期待を裏切らないものになっています。今後の状況すら不透明な中のこの安定感はプロフェッショナルなアーティストとしての気概を見せるもので、バンド活動の方はかなり制限されそうですが、そんな心配を微塵も感じさせない力強い一枚です。
同系統アルバム
STRINGS TO A WEB/RAGE
DIRT METAL/THUNDERSTONE
IN THE NIGHT/DREAM EVIL

7 SINNERS/HELLOWEEN

7シナーズ/ハロウィン

VICTOR VICP-64890 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00405OISQ  ジャーマンメタルの重鎮の13枚目のアルバムです。

 ヘヴィでダークなリフを用いたラウドなメタルナンバーの1から硬質感が強まるサウンドが展開されていくアルバムは、シングルカットされたメタル然とした緊迫感高まるアップテンポの2、“PERFECT GENTLEMAN”の続編として書かれた3は躍動感の強い加速するアップテンポのドラマティックなナンバー、ドライヴするギターリフで突っ走るメロディックメタルナンバーの4はフルートソロまで飛び出します。哀愁帯びたメロディックなリフで迫る起伏の大きいアップテンポの5、先達アーティストへのトリビュートを込めた6はソリッドなリフで押し込むパワーメタルチューン、メランコリックなメロディがシンプルなリフに導かれるエモーショナルな7、ヘヴィリフが威圧的に迫るソリッドでダイナミックな8、タイトなリフで突き進む高圧の劇的メタリックナンバーの9、ハードなリフがドライヴしていく10はキャッチーなメロディラインとの相克が印象的。シリアスなムードが高まる11はダークでドラマティックなナンバー、ミステリアスな小品の12から大作の13は不穏なイントロからの起伏の激しい展開に激しいギターソロが聴き所のパワフルな一曲。ボーナストラックの14はスピードナンバーが収録されています。

 趣向を変えてバラエティに富んだ企画アルバムを経て、ヘヴィメタル魂に火が点いたサウンドが展開されていくアルバムは、キャッチーさと同時にメタリックな感触が増強されたもので、最近のヘヴィメタル的サウンドに接近しています。全体的にはいつもよりモノクロームな印象が残りますが、ヘヴィメタル的な重厚さが増している分、パワフルさとダイナミックさが心地よく響きます。自分たちのスタイルを理解しつつ前進してみるベテランバンドの地力を感じさせる一枚です。
同系統アルバム
DAYS OF DEFIANCE/FIREWIND
COAT OF ARMS/SABATON
IN THE NIGHT/DREAM EVIL

CRISIS IN UTOPIA/HOLY GRAIL

クライシス・イン・ユートピア/ホーリー・グレイル

UNIVERSAL INTERNATIONAL UICE-1164 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0041KOVQY  元ホワイト・ウィザード組が新たに結成したカリフォルニア出身のバンドのファーストアルバムです。

 スピード感あふれるギターリフとハスキーなパワーヴォーカルが一体となって湿ったメロディを紡ぎながら突っ走るパワーメタリックな1から熱気溢れるヘヴィメタルを揃えていくアルバムは、スクリームで始まる唸りを上げるギターがハイテンションの疾走ナンバーの2で一気に盛り上げていくと、グルーヴィなリフでルーズに迫るミドルテンポの3、細かく刻むリフで突進していくダイナミックなパワーメタルチューンの4、タイトで躍動感のあるリフで疾駆するドライヴ感強まる5、静かなイントロからのクラシカルなインストナンバーの6を経て、ヘヴィリフでダークに迫るダイナミックな7、多彩なリフワークで躍動していくアップテンポでタイトな8、重量感のあるリフでエモーショナルに迫るミドルテンポの9、ダークに迫るヘヴィナンバーの10、一気にスピードを上げていく11はツインギターが炸裂する強力な疾走ナンバー、ボーナストラックにはアクセプトジューダス・プリーストの二曲のパワフルなカバーが収録されています。

 新世代正統派ヘヴィメタルバンド群の中では、かなりのヘヴィメタル魂を感じさせる熱さに圧倒されていくサウンドは、オーセンティックなスタイルを貫いており目新しさはさほどありませんが、80年代の空気を再解釈して構成していく力量を感じさせます。フラッシーなプレイを聴かせるツインギターの鮮やかな掛け合いも印象的に聴かせていく曲作りにも注目です。群雄割拠の最近の正統派メタルブームの中では生き残れるかどうか厳しい感じですが、今後の活動が期待される一枚です。
同系統アルバム
NIGHTMARE/AVENGED SEVENFOLD
HERE WAITS THY DOOM/3 INCHES OF BLOOD
IN THE NIGHT/DREAM EVIL

BABEZ FOR BREAKFAST/LORDI

ベイブズ・フォー・ブレックファースト/ローディ

SONY MUSIC SICP-2887 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00409HC4E  フィンランド出身の国民的モンスター・メタルバンドの5枚目のアルバムです。

 ジャケットイメージが展開されるホラー映画風のイントロダクションで幕を開けるアルバムは、躍動感あふれるメロディが炸裂するオーセンティックでキャッチーなメタルチューンの2からダミ声ヴォーカルが全開にロックしていきます。大仰なイントロで始まる3はコーラスも厚いミドルテンポのメタルアンセム、叙情感たっぷりのメロディで迫るメランコリックでキャッチーなLAメタル風の4、起伏の激しいアップテンポのロックチューンの5、センチメンタルなバラードの6、メタリックなリフがキャッチーなコーラスを導いていくアップテンポでタイトな7、ヘヴィさを増した8は哀愁帯びたコーラスパートが盛り上がるミドルテンポのナンバー。メランコリックな空気が強まるミドルテンポのキャッチーな9、ゴスペルコーラスも加えたスケール感の大きいダイナミックなロックンロールナンバーの10、シンガロングなサビが印象的なコンパクトなロックナンバーの11、センチメンタルなインストナンバーの12からアッパーなロックチューンの13へ。ミステリアスなムードと叙情感が交錯するフックのあるコーラスが印象に残る14、童謡風のイントロからテンションを上げていくメランコリックロックな15で本編を終えます。ボーナストラックの16は哀愁強まるミドルテンポのナンバー、17はルーズなロックナンバーが収録されています。

 相変わらずのジャケット詐欺のポップ感満点のハードロックナンバーが揃えられているアルバムは、アメリカンなアリーナロック的なムードと北欧の哀愁が適度にブレンドされた、やっぱりいつも通りのクオリティに仕上がっており、エンターテイメント感満点のサウンドが繰り広げられていきます。キャッチーなメロディには更に磨きが掛かり、ベースとなっているキッスや時々ボン・ジョヴィに聴こえたりする華やかなサウンドはワールドワイドなスケール感を持っており国民的バンドになるのも分かるような分からないような。普遍的なエンターテイメントを作り出すプロフェッショナルな一枚でした。
同系統アルバム
BLOOD OF THE NATIONS/ACCEPT
METAL SLAVE/MEAN STREAK
FEEL THE STEEL/STEEL PANTHER

UPON HAUNTED BATTLEFIELDS/THAUROROD

アポン・ホーンテッド・バトルフィールズ/サウロロッド

SPIRITUAL BEAST IUCP-16092 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003Y5WXTE  フィンランド出身のバンドのデビューアルバムです。バンドの結成は2002年あたり。

 唸りをあげるギターリフと激しいビートで幕を開けるアルバムは、ワイルドなヴォーカルが叙情的なメロディを歌い上げていくドラマティックな疾走ナンバーの1から北欧メロディックメタルを作り出していきます。ブラストビートやデスヴォイスも交えつつ密度の高いリフを繰り出す起伏の激しいエモーショナルなアップテンポの2、泣きのイントロから叙情メロディが押し寄せる壮大なムードのミドルテンポの3、メランコリックに迫る哀愁メロディが折り重なるミドル〜アップテンポの4、加速するリフとメロディが一体になって突き進む緩急の大きい疾走ナンバーの5では高速ギターソロで圧倒し、センチメンタルなメロディで穏やかに進むイントロから荒々しいリフが展開されていく緩急の激しい劇的な6、タイトなリフがエモーショナルなメロディを導くミドルテンポの壮大な7、ピアノのイントロからアグレッシヴに突き進んでいくダイナミックなファストチューンの8、シンフォニックなインターミッションの9を経て、目くるめく大仰な展開を見せるドラマティックな大作の10へと。メランコリックなパートから一転疾走するダイナミックな11でアルバムの幕を閉じます。 ボーナストラックには何だか爽やかなジューダス・プリーストのカバーと、10のデモバージョンが収録されています。

 ソナタ・アークティカあたりのメロディラインを受け継ぐ北欧メロディックメタルが炸裂するアルバムは、ヴァイキング的なムードも孕みつつ哀愁帯びた世界観を作り出すオーセンティックなヘヴィメタルに仕上がっており、華麗なプレイを聴かせるギターとハスキーヴォーカルが生み出していく勢いが勇壮さを呼び込みます。ヴォーカルの傾向とはちょっぴり違うサウンドが展開されていきますが、その辺りが甘くなりすぎないバランスを取るのに役立っています。北欧メタルの地力を窺わせる新しい才能の一枚でした。
同系統アルバム
GATHER THE FAITHFUL/CAIN'S OFFERING
VENDETTA/CELESTY
DIGITAL GHOSTS/SHADOW GALLERY





Nobember

CRADLE OF FILTH | DARK MOOR | DEATH ANGEL | GOLDEN RESURRECTION | GRAVE DIGGER | MAGIC KINGDOM | SUICIDAL ANGELS |

DARKLY,DARKLY,VENUS AVERSA/CRADLE OF FILTH

蔭黒(いんこく)の女神アヴェルサ/クレイドル・オヴ・フィルス

MARQUEE MICP-10960 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0042RSMCK  イギリスの吸血鬼集団の9枚目のアルバムです。5th〜6thのギタリストが復帰し、キーボーディストとドラマーが新たに加入して製作されています。

 聖書などに登場するリリスを主題にしたアルバムは、女性ナレーションとメランコリックなイントロで幕を開ける1からアグレッションかつダークに展開する緩急の激しいシアトリカルな楽曲を揃えていきます。ヒステリックヴォイスが荒れ狂うビートと一体になって迫る暴虐ナンバーの2から、さらにドラマティックに迫る3、崩れ落ちるような緊迫感を高めていく4はブラストビートが炸裂する起伏の激しいブルータルなナンバー、哀愁帯びたメロディで進むダークでメランコリックな劇的ナンバーの5、唸るギターリフで突き進むシアトリカルな突進ナンバーの6、女性ヴォーカルが加わってロマンティックなムードを演出する凶悪な7、緊迫感高まるシンフォニックなナンバーの8、リズムチェンジしながら疾走感を高めていくアグレッシヴな9、ニューウェーブ的な感触を持ったソリッドな10、女性ナレーションからの11は壮絶な展開を見せる大作。ボーナストラックの12はピアノのイントロからスリリングにリフが展開していく邪悪なナンバー、13はアグレッシヴな突進ナンバーが収録されています。

 女性ヴォーカル兼キーボードが加わったことで耽美なムードも高まり、凶悪なパートとのコントラストも高まった更にスリリングなサウンドを作り出しているアルバムは、一般的なキャッチーさをかなぐり捨てた邪悪さを追求するものになっており初期の空気を呼び起こしていきます。レーベルの縛りを外れた攻撃性と暴虐性にあふれるサウンドは、それまでのバンドのストレスをうかがわせます。狂気に満ちた凶悪サウンドを取り戻した暗黒音楽を繰り広げていく一枚でした。
同系統アルバム
THE AGE OF NERO/SATYRICON
COMMUNION/SEPTIC FLESH
DEFLORATE/THE BLACK DAHLIA MURDER

ANCESTRAL ROMANCE/DARK MOOR

アンセストラル・ロマンス/ダーク・ムーア

MARQUEE MICP-10955 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0045L3TBM  スペイン産メロディックメタルの8枚目のアルバムです。

 ドラマティックなイントロダクションに導かれるアルバムは、壮大で重厚なコーラスがロマンティックなメロディと一体となって進む劇的シンフォニックナンバーの1からスケールアップしたサウンドが展開していきます。叙情的なメロディが印象的なデュエットによるロマンティックなナンバーの2、スリリングな展開で疾走する劇的シンフォニックスピードナンバーの3、シンフォニックなイントロからの壮大なナンバーの4、クイーンっぽい新機軸のゴスペル的なコーラスも加わったロックオペラナンバーの5、メランコリックなメロディが押し寄せるセンチメンタルな6、壮大なムードが高まる7はクラシカルなフィーリングとドラマティックな展開が折り重なる起伏の大きいナンバー、スペインの作曲家マニュエル・デ・ファリャの楽曲を取り上げたクラシカルナンバーの8、ネオクラシカルなフィーリングとオーセンティックなメタルが融合していくダイナミックなナンバーの9、哀愁漂う劇的バラードの10、ボーナストラックにはプッチーニのアリア「星は光りぬ」が収録されています。

 これまでのスタイルをすべて上書きしたようなスケールアップした上にバラエティに富んだ楽曲を揃えてきたアルバムは、バンドの新しい次元に向かうと言う強い意志を感じさせるもので、シアトリカルな演出も強まった高い完成度を誇っています。メロディックメタルの枠を飛び出し、普遍的なロックテイストや更に強化されたクラシックも貪欲に取り込んだ意欲的な作風にはアーティストとしての矜持すら窺えます。ワールドワイドに展開したいバンドの野望が漲る本格志向のアルバムでした。
同系統アルバム
EQUILIBRIO/XYSTUS
THE LABYRINTH OF TRUTHS/SOULSPELL METAL OPERA
SOLITAIRE/EDENBRIDGE

RELENTLESS RETRIBUTION/DEATH ANGEL

リレントレス・レトリビューション/デス・エンジェル

KING RECORDS KICP-1500 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0043YJI2K  ベイエリアスラッシャーの6枚目のアルバムです。リズム隊がSCARECROWのメンバーに交替しています。

 クランチーな刻みリフでスタートするアルバムは、威圧感強まるダークなヘヴィナンバーの1からヒステリックな吐き捨てヴォーカルがアグレッション高まるサウンドを展開していきます。畳み掛ける激しいギターリフで一気に突き進みエモーショナルなコーラスへと雪崩れ込むダイナミックなナンバーの2、メガデス風なフレーズも飛び出すスラッシーなリフで突っ走る疾走ナンバーの3、タイトなリフで圧迫感を高めていく衝動的なヘヴィナンバーの4、唸りを上げるリフで突っ走るドライヴ感の強いスピードナンバーの5、黒い空気に染め上げるグルーヴィでヘヴィな6、ザクザクしたギターリフでドライヴしていくスラッシュ&ロールな7、タイトでエモーショナルなナンバーの8、ダークなメロディを刻むエモーショナルなミドルテンポの9、ムードを一転して一気に突っ走るメロディアスでスラッシーな10、アコースティックで情緒豊かなメロディを聴かせていく11、ソリッドなリフが叩きつけられていく密度の高い12でアルバムを閉じます。

 衝動性と煽情性が高まるテンションを上げていくサウンドが展開されるアルバムは、メンバー交替の影響も無くフラッシーなギターソロとキレのあるリフを詰め込んでいきます。前作よりも更に荒々しくなったサウンドはヴォーカルのマイク・シュミーア度の高まりと共に激しさを増しており、アルバムの緩急も伴って独特の感覚を生み出していきます。幅広いスタイルを内包しながらスラッシュメタル、デスエンジェルのサウンドを維持していく一枚でした。
同系統アルバム
THE EVOLUTION OF CHAOS/HEATHEN
HERE WAITS THY DOOM/3 INCHES OF BLOOD
PARASITE OF SOCIETY/HEADHUNTER

GLORY TO MY KING/GOLDEN RESURRECTION

グローリー・トゥ・マイ・キング/ゴールデン・レザレクション

KING RECORDS KICP-1498 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0043YJIFM  元ディヴァインファイアのクリスチャン・リレグレンとレイン・エクシードのトミー・ヨハンソンがタッグを組んだバンドのファーストアルバムです。

 華麗な様式美ギタープレイで幕を開けるアルバムは、定評のあるパワフルヴォイスとテクニカルなギターが交差する哀愁メロディ炸裂のドラマティックなスピードナンバーの1から期待を裏切らないサウンドが展開されていきます。叙情メロディが炸裂するアップテンポの2、キレのあるギターリフで突っ走る躍動的でダイナミックな3、ドライヴするパワフルなギターにキャッチーなメロディが重なるアップテンポの4、ネオクラシカルなイントロから疾走していく5は劇的スピードナンバー。ヘヴィリフで進む6は物悲しいムードが高まるエモーショナルなナンバー、激しく華麗なギターに逞しいヴォーカルメロディを乗せたネオクラシカルなギターソロも炸裂するパワーメタリックな7、哀愁あふれるメロディで進む情感豊かな8、ボーナストラックの9はクラシカルなフレーズが乱舞するインストナンバー、壮大なアウトロの10でアルバムの幕を閉じます。

 二人のこれまでの経歴から予想されるサウンドが華麗に展開されていくアルバムは、予想通りなだけに新鮮味とか驚きは少ないものの、安定したクオリティで揃えられる楽曲は磐石の安心感を覚えます。ディヴァインファイアで培われた攻撃性とレイン・エクシードの華麗なネオクラシカルプレイが噛み合わさって輝きを増したサウンドはバンドの確かなビジョンを感じさせ、パフォーマンスとプロダクションの質も高い、すっかり完成された一枚でした。
同系統アルバム
SHADOW OF THE RED BARON/IRON MASK
GATHER THE FAITHFUL/CAIN'S OFFERING
SYMPHONY OF WAR/MAGIC KINGDOM

THE CLANS WILL RISE AGAIN/GRAVE DIGGER

ザ・クラウンズ・ウィル・ライズ・アゲイン/グレイヴ・ディガー

MARQUEE MICP-10957 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B003XIO7ZK  ジャーマンメタルの重鎮の結成30周年15枚目のアルバムです。ツインギターが二人とも脱退し、DOMAINのギタリストが加入して製作されています。

 壮大なバグパイプの響きに導かれるスコットランド中世史をベースにしたアルバムは、ソリッドなリフが炸裂していくダイナミックなパワーメタルナンバーの2でドラマティックな物語を描き出していきます。メランコリックなイントロからの3はザクザクしたギターリフが緊迫感を高めていく馬力のあるナンバー、アイリッシュなメロディを絡めた4はドライヴ感の強いリフが壮大なコーラスを導くアップテンポのナンバー、グルーヴィなリフがダークに迫るヘヴィナンバーの5、ソリッドなリフで再び押していくパワーメタリックな6、シリアスな空気が高まるタイトなミドルテンポのナンバーの7、メランコリックなイントロからソリッドなリフが炸裂する怒涛のパワーメタルナンバーの8、情念こめたヴォーカルが導く壮大なヘヴィナンバーの9、切れ味鋭いリフで突進するファストチューンの10、バグパイプのインストナンバーの11から重厚なサウンドを聴かせる勇壮なナンバーの12へ。エモーショナルな劇的ナンバーの13でアルバムは幕を閉じます。ボーナストラックの13はドライヴ感強まるアップテンポのダイナミックなナンバーが収録されています。

 シングルギターに戻り、更に結成30周年と言うことで初期のパワーメタルな要素と最近の壮大な演出が上手く噛み合った安定感のある楽曲を揃えたアルバムは、いまだに衰えないヘヴィメタルの真髄を聴かせていきます。スリリングなプレイを聴かせるギターも一人になったことのマイナス面は一切感じさせず、初期のフィーリングに近いものを見せます。大ベテランバンドの一つの節目にふさわしい壮大な作品でした。
同系統アルバム
BLOOD OF THE NATIONS/ACCEPT
CRISIS IN UTOPIA/HOLY GRAIL
EASTON HOPE/ORDEN OGAN

SYMPHONY OF WAR/MAGIC KINGDOM

シンフォニー・オヴ・ウォー/マジック・キングダム

MARQUEE MICP-10958 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B00415Z9TW  アイアン・マスクでも活動するベルギー出身のギタリスト、ダッシャン・ペトロッシが率いるバンドの三枚目のアルバムです。

 華麗なギター&キーボードプレイが炸裂するイントロから勇壮な高速ネオクラシカルシンフォニックナンバーの1がハイトーンヴォーカルによって描き出されていくアルバムは、ダイナミックなイントロから攻撃的に進むパワーメタリックな2、高速フレーズが火花を散らすイントロからドラマティックな展開を見せる3、劇的なイントロからシリアスなフレーズが展開される4は緊迫感高まるダークファンタジーでドラマティックな一曲。疾走感強まるイントロからパワフルに進むエピックナンバーの5、ボーナストラックの6はネオクラシカルなフレーズが炸裂する劇的ナンバー、剣戟のSEからドラマティックに疾走する7、勇壮なコーラスを絡めた8はエピックな劇的ナンバー、デスヴォイスとブラストビートも絡めてアグレッシヴに迫る9は怒涛の疾走ナンバー、10〜14は組曲仕立てになっており、荘厳なイントロから女性ヴォーカルとナレーションによって物語が導かれる壮大な10、エキゾティックなフレーズが重厚に描き出される配役に対応した歌い手が絡み合うミドルテンポの11〜12、再び勇壮なSEからの神秘的な13を経て荘厳なコーラスから寸劇、そして加速するスピードパートでのクライマックスへと雪崩れ込む14でアルバムは幕を閉じます。

 ラプソディー・オヴ・ファイアガンマ・レイを合わせたみたいなネオクラシカルワールドが展開していくアルバムは、やたらとアグレッシヴなフレージングがクラシカルな感覚が生み出す華麗さとか優美さを勇壮さで塗りつぶしながら進んでいくメタリックなものになっており、緊迫感が全体に漲っています。スケール感の大きいサウンドトラック的な要素が強まった勢いのある一枚でした。
同系統アルバム
LOTUS/DELIRION
THE FROZEN TEARS OF ANGELS/RHAPSODY OF FIRE
BEYOND THE SPACE,BEYOND THE TIME/PATHFINDER

DEAD AGAIN/SUICIDAL ANGELS

デッド・アゲイン/スイサイダル・エンジェルズ

SPIRITUAL BEAST IUCP-16094 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0041N98AK  2001年から活動するギリシャ産スラッシャーの三枚目のアルバムです。

 ダークで不穏なイントロの1から始まるアルバムは、クランチーでソリッドなギターリフが次々繰り出されていく初期スレイヤー的な展開を見せる緩急の大きな疾走ナンバーの2で一気にテンションを上げていき、デスヴォイスすれすれの吐き捨てヴォイスが炸裂する邪悪なスラッシュメタルを並べていきます。ザクザクしたリフで押し込む突進ナンバーの3、ファストパートとヘヴィパートを行き来しながら突き進み疾走していく4、かなりスレイヤーっぽいブレイクしながら突っ走る5、ダークなムードを高めていくグルーヴィでヘヴィなパートから疾走パートへのコントラストが激しい6、唸るギターリフで突撃するイントロから期待を裏切らない疾走感を見せていく7では怪しいギターソロが炸裂していきます。遮二無二突っ走る激走パートからアジテイトしていくアグレッシヴな8、ヘヴィなイントロからソリッドなリフが加速していく9、スラッシーに突っ走る高速ナンバーの10、不穏なイントロから唸りを上げて突っ走るタイトルトラックの11、ブレイクしながら突っ走る爆走ナンバーの12、ボーナストラックは初期のナンバーのデモバージョンが2曲収録されています。

 スレイヤーあたりをベースとした邪悪系スラッシュメタルからたっぷりと影響を受けたサウンドは、鋭角さと攻撃性を兼ね備える純化された代物で、往年のスタイルをブラッシュアップした楽曲が揃えられています。メタルコアとかデスメタルとか余分な要素が一切入らないスリリングで衝動性高まるサウンドが心地良いスラッシュメタルファンのためのスラッシュメタルを体現する一枚でした。
同系統アルバム
WAKING INTO NIGHTMARES/WARBRINGER
CULT OF THE DEAD/LEGION OF THE DAMNED
EXILED TO EARTH/BONDED BY BLOOD





December

KERION | RHAPSODY OF FIRE | TANK |

THE ORIGINS/KERION

ジ・オリジンズ/ケリオン

RADTONE MUSIC RADC-057 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0043GT18E  女性ヴォーカルを擁するフランス出身のバンドの二枚目のアルバムです。

 壮大なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、男女ヴォーカルでドラマティックに迫るシンフォニックなスピードナンバーの2でファンタジックな世界を描き出していきます。ダークファンタジー的なリリカルでミステリアスなムードを持った3は優雅に迫るアップテンポのナンバー、センチメンタルなイントロから叙情的なメロディが紡がれていくロマンティックな4、ドラマティックで壮大なイントロからの5は緊張感を持った展開を見せるスケール感の大きいナンバー。メランコリックで起伏の大きいバラードナンバーの6、華麗なイントロからドラマティックな幻想世界が展開されるアップテンポの7、リリカルなイントロからダイナミックな展開を見せていくデスヴォイスも絡めた劇的ナンバーの8、叙情的なムードが高まる壮大な9、ドラマティックなリフワークで突き進む緊張感高まる大作の10、更に二転三転する劇的展開が凄まじい超大作の11、ボーナストラックの12は2のアコースティックバージョン、13は哀愁帯びたメロディが疾走していくスピードナンバーが収録されています。

 少し気だるいムードも持った女性ヴォーカルが紡ぎだすファンタジックワールドは、パワーメタリックなサウンドも伴って力強さと叙情性を合わせ持ったものになっています。ヴォーカルの存在感がちょっと薄めなのとフランス的なムードはそんなに無くて、普通のシンフォニックメタルになっている辺りは残念な感じもしますが、一定のクオリティを保った一枚でした。
同系統アルバム
SOLITAIRE/EDENBRIDGE
BEYOND THE SPACE,BEYOND THE TIME/PATHFINDER
THE ALLIANCE OF THE KINGS -
THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PT.1/ANCIENT BARDS

THE COLD EMBRACE OF FEAR/RHAPSODY OF FIRE

ザ・コールド・エンブレイス・オブ・フィア/ラプソディー・オブ・ファイア

KING RECORDS KICP-1521 [MINI] >>>>>BUY...?

B0047XL3AW  イタリアのシンフォニックメタルバンドの7枚目のアルバムに伴うミニアルバムです。と言っても普通のバンドのフルアルバムくらいのボリュームがあったり。

 吹雪のSEから寸劇に移るやっぱり壮大なサントラ風イントロダクションの1を経て、更に壮大なインストの2。ドラマティックに加速していく3はメタリックなリフから叙情的なパートを経て激しさとスケール感を増していくダイナミックな大作。完全にサントラの寸劇の4を経て、ファンタジックなムードが高まるリリカルな5からムードを引き継ぎつつ壮大に展開していくドラマティックな6へ。7はナレーションを軸にした緊張感高まるナンバーが収録されています。

 純粋な歌ものは3曲だけですが、いつも通りの濃い展開で普通の人ならお腹いっぱい(´Д`;)7thアルバムの余韻を楽しむには丁度良い一枚でした。
同系統アルバム
EASTON HOPE/ORDEN OGAN
SITRA AHRA/THERION
THE DAYS OF GRAYS/SONATA ARCTICA

WAR MACHINE/TANK

ウォー・マシーン/タンク

KING RECORDS KICP-1524 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

B0047XL3AM  NWOBHMの生き残り、タンクの7枚目のアルバムです。オリジナルヴォーカリストのアルジー・ワードを病で欠き、後任にドゥギー・ホワイトを迎えて製作されています。

 ブリティッシュな雰囲気が充満するミドルテンポの1から湿ったギターリフと哀愁漂うメロディが満載のアルバムは、以前のダーティボイスの荒々しい感じとは異なった空気の正統派ヘヴィメタルを作り出していきます。タイトなビートで迫るエモーショナルなミドルテンポの2、ドライヴ感の強まるリフと哀愁メロディが交錯するアップテンポの3、ヘヴィリフでジリジリ進むグルーヴィな4、アップテンポでザクザク進むハードロッキンな5、情感高まるメランコリックなエモーショナルなナンバーの6、ドタドタしたリフでどっしり進む7はキャッチーなコーラスで盛り上げます。レイドバックした雰囲気で進むロックナンバーの8、叙情的なメロディが力強く迫るミドルテンポの9、ボーナストラックの10はラウドなリフのヘヴィロックナンバー、11は現ヴォーカリストによるリ・レコーディング曲、12は3のライヴバージョンが収録されています。

 ヴォーカルのスタイルがあまりにも違うので、どうなることかと思われましたが、新しいヴォーカルの特徴を活かしたブリティッシュ・ヘヴィメタルに仕上がったサウンドは、80年代の空気を蘇らせる懐かしさと何週目か分からない新しさも感じさせなくもなく。とりあえず、懐古主義でなく現在を生きるバンドとしての気概を窺わせる力の入った一枚でした。
同系統アルバム
BLOOD OF THE NATIONS/ACCEPT
LA RAZA/ARMORED SAINT
METAL SLAVE/MEAN STREAK