ALBUM COLLECTION バックナンバー 2019

January Februaly March April May June July August September October Nobember December


  1. MONOMYTH/AGE OF ARTEMIS
  2. ORPHANS/THE AGONIST
  3. BERSERKER/AMON AMARTH
  4. ORIGINE - THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PART 2/ANCIENT BARDS
  5. THE FACE OF FEAR/ARTILLERY
  6. NO MORE HOLLYWOOD ENDINGS/BATTLE BEAST
  7. FROM HELL WITH LOVE/BEAST IN BLACK
  8. PATH OF THE IMMORTAL/BLACK EARTH
  9. LEGACY OF THE DARK LANDS/BLIND GUARDIAN TWILIGHT ORCHESTRA
  10. RISE OF THE DRAGON EMPIRE/BLOODBOUND
  11. AMATERAS/BLOOD STAIN CHILD
  12. WINGS OF FIRE/BRYMIR
  13. FURYBORN/CHAOS MAGIC
  14. HEXED/CHILDREN OF BODOM
  15. THE BOOK OF SUFFERING/CRYPTOPSY
  16. ORIGINS/DARK MOOR
  17. HUMANICIDE/DEATH ANGEL
  18. BORN TO PERISH/DESTRUCTION
  19. EXTREME POWER METAL/DRAGONFORCE
  20. DISTANCE OVER TIME/DREAM THEATER
  21. ZENITH/ENFORCER
  22. RENEGADES/EQUILIBRIUM
  23. VALENO/FLESHGOD APOCALYPSE
  24. M.E.T.A.L./FREEDOM CALL
  25. Million Scarlets/Fuki
  26. INTO THE PURGATORY/GALNERYUS
  27. WHEN GODS DESCEND/GLADENFOLD
  28. CULT OF SEDNA/GLORYFUL
  29. LEGENDS FROM BEYOND THE GALACTIC TERRORVORTEX/GLORYHAMMER
  30. ASIAN CHAOS/GYZE
  31. DOMINION/HAMMERFALL
  32. FROM DAYS UNTO DARKNESS/HATRIOT
  33. I,THE MASK/IN FLAMES
  34. KILL OR GET KILLED/IRON SAVIOR
  35. ATONEMENT/KILLSWITCH ENGAGE
  36. EVOLUTION/KOBRA AND THE LOTUS
  37. FALLEN IDOLS/LORD
  38. ABOVE THE SKY/MAJESTICA
  39. CONFESSIONS/MARY'S BLOOD
  40. REVOLT REGIME/MERGING FLARE
  41. FROM DARKNESS TO LIGHT/NARNIA
  42. VILE NILOTIC RITES/NILE
  43. SCORES OF WAR/ORION'S REIGN
  44. THE WINGS OF WAR/OVERKILL
  45. THE VERDICT/QUEENSRŸCHE
  46. ASCENSION/PALADIN
  47. REVELATIONS OF OBLIVION/POSSESSED
  48. THE ANASTORIA/QANTICE
  49. THE EIGHTH MOUNTAIN/RHAPSODY OF FIRE
  50. THE GREAT WAR/SABATON
  51. AWAKENING/SACRED REICH
  52. SIGNS OF WINGS/SASCHA PAETH'S MASTERS OF CEREMONY
  53. DEMONS/SAVAGE MESSIAH
  54. LEGENDS OF HUMAN SPIRIT/SHADOWSTRIKE
  55. MOONCULT/SILVER BULLET
  56. THEY NEVER SAY DIE/SKELETOON
  57. VERKLIGHETEN/SOILWORK
  58. THE GOD MACHINE/STEEL PROPHET
  59. YEARS OF AGGRESSION/SUICIDAL ANGELS
  60. VORVADOS/SYU
  61. RETURN TO EDEN/TIMO TOLKKI'S AVALON
  62. MOONGLOW/TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA
  63. ZERO GRAVITY REBIRTH AND EVOLUTION/TURILLI/LIONE RHAPSODY
  64. DAWN OF THE DRAGONSTAR/TWILIGHT FORCE
  65. THE GHOST XPERIMENT - AWAKENING/VANDEN PLAS [IMPORT]
  66. A PRELUDE TO SORROW/WITHERFALL
  67. BURY THE PAIN/XENTRIX

January

ANCIENT BARDS | DARK MOOR | SOILWORK | SYU |

ORIGINE - THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PART 2/ANCIENT BARDS

オリジン-ザ・ブラック・クリスタル・ソード・サーガ・パート2/エインシェント・バーズ

MARQUEE MICP-11456 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア出身のバンドの4枚目のアルバムです。グロウルも担当するギタリストが新たに加入しています。

 ナレーションに導かれてファンタジックに開幕していくアルバムは、重厚なコーラスで始まるダイナミックでドラマティックなスピードナンバーの2から、女性ソプラノヴォーカルが力強く歌い上げていくシンフォニックメタルを展開していくと、叙情的なメロディを織り込んでいくエピックなミッドテンポの3、重厚なリフワークとロマンティックなメロディが交差するエモーショナルなミッドテンポの4、センチメンタルなパワーバラードナンバーの5、艶やかなヴォーカルに導かれる6はスリリングな展開でドラマティックに迫るアグレッシヴなナンバー、畳み掛けるリフワークで進む豪華な劇的スピードナンバーの7、荘厳なコーラスに導かれるドラマティックな8、ダイナミックなリフで突き進むシリアスなアップテンポの劇的ナンバーの9、組曲形式の10は、スリリングなインストパートのパート1からヘヴィリフを繰り出していく重厚で壮大なパート2、そして荘厳さから開放感が高まっていくグロウルも加わった展開の大きいドラマティックなパート3へと。ボーナストラックには、4のイタリア語でオーケストラバージョンの11、9のカラオケバージョンの12が収録されています。

 オリジナルのファンタジックストーリーの第二章となるアルバムは、スタイル的にはラプソディー・オブ・ファイアの影響下にあるもので、徹頭徹尾ファンタジックなサウンドに振り切ったものとなっており、このバンドに求められているものを忠実に描き出していきます。サウンドとしては新しい側面はそこまでありませんが、全体的には底上げされてそうな仕上がりになっていて完成度の高さを窺わせます。基本的にはいつも通りの安心サウンドが展開される一枚でした。
同系統アルバム
DARKNESS OF ETERNITY/AMBERIAN DAWN
HEROES OF MIGHTY MAGIC/TWILIGHT FORCE
THE GREAT BROTHERWAR/EVERTALE

ORIGINS/DARK MOOR

オリジンズ/ダーク・ムーア

KING RECORDS KICP-1955 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スペイン出身のバンドの11枚目のアルバムです。

 バグパイプの音色に導かれるアルバムは、フォークロック色も感じさせる70年代風サウンドを作り出していくミッドテンポの1から、新たな地平を開拓するメロディックメタルを展開しており、軽快なリフで駆け抜ける疾走感の強いロックナンバーの2、哀愁メロディがあふれ出すエモーショナルなミッドテンポのポップナンバーの3、フォーキーなメロディで踊りだす民族音楽風のポップな4、80年代風のキャッチーなメロディとコーラスで進むミッドテンポのロックナンバーの5、郷愁漂うアイリッシュなメロディで進むロマンティックなミッドテンポの6、フォーキーなメロディからエモーショナルに展開していくミッドテンポの7、広大さを感じさせるメロディで進むミッドテンポの8、80年代風アップテンポのハードロックナンバーの9、ブルージーなムードも高まるグルーヴィなロックナンバーの10、カントリー風味でバラード風の11が収録されています。

 フォーキーなメロディを大胆に取り入れたアルバムは、バンド中心人物の嗜好を大いに反映した最近の傾向を更に加速したものとなっており、まあ昔のことを忘れればメロディックロックとしてはアリかなって感じです。メロディは、安定感のあるクオリティを保っているので、聴かせる仕上がりになっているのは、さすがにベテランと呼ばれる頃に入っているバンドならでは、と言ったところでしょうか。バンド名に目をつぶれば安心して聴ける一枚です。
同系統アルバム
TWO PATHS/ENSIFERUM
KULKIJA/KORPIKLAANI
INISHMORE/RIOT

VERKLIGHETEN/SOILWORK

現実/ヴァルケヒエッテン/ソイルワーク

WARD RECORDS GQCS-90671 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの11枚目のアルバムです。ドラマーがメガデスに取られてしまったので、新たなドラマーが加入しています。

 ムーディなインストナンバーに導かれるアルバムは、ダイナミックなリフがメロディックかつアグレッシヴに展開していく突進力の強いアップテンポの2から、ダイナミズム高まるサウンドを展開していくと、グルーヴィなリフで押し込んでいく緩急の強い躍動するダークなミッドテンポの3、ニューウェーブ的な浮遊感を持ったエモーショナルなパートから激しく展開していくミッド〜アップテンポの4、メランコリックなメロディを積み重ねていくミッドテンポのロックナンバーの5、叙情メロディがアグレッシヴに感情を爆発させていくダイナミックな突進ナンバーの6、アーチ・エネミーのアリッサが参加したタイトなリフがエモーショナルなヴォーカルと一体になって進むミッドテンポの7、アグレッシヴにリフを叩きつけていくソリッドなミッドテンポの8、ソリッドなリフがエモーショナルなメロディと共に突き進む緩急を効かせたアップテンポの9、叙情メロディが爆発していくエモーショナルで躍動的なミッドテンポの10、アモルフィスのヴォーカルが参加したメランコリックなイントロから激しいリフで突進していくエモーショナルでアグレッシヴな11、叙情感を孕むリフが積みあがるエモーショナルでソリッドなミッドテンポの12、ボーナストラックには、静かなイントロからダイナミックに展開していくメロディとアグレッションが交差していく突進ナンバーの13、感情を爆発させていくアグレッシヴなミッドテンポの14、リリカルなイントロに導かれるメロディアスなリフが情動性を呼び起こすミッドテンポの15、11の別バージョンの16が収録されています。

 ドラマーが若返ったことで、サウンドに活力が増強されたアルバムは、躍動するドラミングに引っ張られる形でメロディやリフワークなども初期のものを思い出させるテンションの高さを感じさせるものになっています。メランコリックなメロディと激しいプレイが交錯していく華やかささえ感じさせる鮮やかなサウンドは最近の中でも印象の強いものに仕上げられています。若手のメンバーチェンジが功を奏した強力な一枚です。
同系統アルバム
WELCOME TO EMBER FALLS/EMBER FALLS
STRENGTH IN NUMBERS/THE HAUNTED
ANGUISH/DESDEMONIA

VORVADOS/SYU

ヴォルヴェイドス/SYU

WARNER MUSIC WPCL-12983 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産メロディックメタルバンド、ガルネリウスのギタリストであるSYUの三枚目のソロアルバムです。

 スリリングなギタープレイが躍動するダイナミズム高まるインストナンバーで幕を開けるアルバムは、Fuki Commune、Unlucky Morpheusで活動するFukiがパワフルでエモーショナルな歌声を披露する叙情性高まるドラマティックなスピードナンバーの2で一気にテンションを高めていくと、摩天楼オペラの苑が参加した3はメランコリックなムードが高まるキャッチーでエモーショナルなミッドテンポのナンバー、TEARS OF TRAGEDYのHARUKAが参加する4はオペラティックなムードを持ったロマンティックなミッドテンポのナンバー、NoGoDの団長がパワフルに歌い上げていく強烈なフックを持ったキャッチーでドラマティックなスピードナンバーの5でクライ・ヴェノムのギタリストも参加しています。エクストリームな展開を見せるダイナミックなヘヴィナンバーの6はTHOUSAND EYESのDOUGENとAKANE LIVの美女と野獣デュエットの異色作。SYU自らがヴォーカルを取ったアグレッシヴなスピードナンバーの7、再びFukiが唄う8はセンチメンタルなメロディで進むキャッチーなアップテンポのナンバー、小野正利が唄い上げるバラードナンバーの9、再びHARUKAがヴォーカルを取った10はダイナミックな展開で突っ走る開放的な劇的スピードナンバー、メランコリックなアウトロでアルバムの幕を閉じます。

 エモーショナルでテクニカルなギタープレイが充満するアルバムは、ガルネリウスと近いサウンドではあるものの、異なる感触も伝えていくものとなっています。様々なヴォーカリストにフィットする楽曲を揃えたことによりバラエティに富んだサウンドが展開されていくものの、そこは個性の確立したギタリストの本領を発揮する統一感を持った仕上がりになっています。ガルネリウスでその才能は理解していたものの、改めて豊かな才能を確認させる一枚でした。
同系統アルバム
REVENANT/MARY'S BLOOD
KING VAMPIRE/BLOODLINE
UNYIELDING/ETERNITY'S END





Februaly

BEAST IN BLACK | DREAM THEATER | IRON SAVIOR | OVERKILL | QUEENSRYCHE | RHAPSODY OF FIRE | TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA | WITHERFALL |

FROM HELL WITH LOVE/BEAST IN BLACK

フロム・ヘル・ウィズ・ラヴ/ビースト・イン・ブラック

WARD RECORDS GQCS-90684 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの二枚目のアルバムです。ドラマーにサンダーストーンのアッテ・パロカンガスが参加しています。

 躍動感高まる叙情メロディが炸裂していくアップテンポのキャッチーなスピードナンバーの1から、北欧的なポップ感を満載したサウンドが展開されるアルバムは、タイトで鮮やかなギターリフで進むメランコリックねメロディとポップな感覚が交差するミッドテンポの2、哀愁メロディがタイトなリフに乗って進むミッドテンポのポップナンバーの3、ゴージャスなリフワークで突き進むスリリングでドラマティックなアップテンポの4、北欧ポップ感が炸裂するキャッチーでメロウな5、センチメンタルなメロディを紡いでいくロマンティックなバラードナンバーの6、情感高まるメロディを詰め込んでいくエモーショナルでパワフルなミッドテンポの7、80年代ポップ感が高まるアップテンポのロックナンバーの8、ソリッドなリフを打ち付けていく馬力のある重厚なミッドテンポの9、豪華なキーボードワークに導かれるコーラスも鮮やかな80年代風サウンドが炸裂するミッドテンポの10、エッジの効いたリフで突っ走るアップテンポのスピードナンバーの11、ボーナストラックにはモーターヘッドのカバーの12と「ロッキー4 炎の友情」の挿入歌である13が収録されています。

 デビュー作の作風はそのままに、更に洗練されたサウンドを展開していくアルバムは、80年代風北欧サウンドを全力で作り上げていくものになっています。キャッチーなメロディと躍動感高まるビートが繰り広げる色鮮やかサウンドはバンドのポップな側面を強めており、さらに求心力を増した楽曲に結実していきます。北欧的なメジャー感を高めつつもメタルバンドとしての骨格を維持していく強力な一枚でした。
同系統アルバム
SEXORCISM/LORDI
FOR THE LOVE OF METAL/DEE SNIDER
THE LAST STAND/SABATON

DISTANCE OVER TIME/DREAM THEATER

ディスタンス・オーヴァー・タイム/ドリーム・シアター

SONY MUSIC SICP-6014 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 アメリカ産プログレッシヴメタルバンドの14枚目のアルバムです。

 メランコリックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ソリッドなリフを重ねながらエモーショナルなメロディを連ねていくダイナミックでミステリアスな1から、テクニカルなサウンドを展開していくと、タイトなリフが激情を呼び込んでいくスケール感の強いミッドテンポの2、馬力のあるリフで押し込んでいく3はスピードアップしてスリリングに展開していく緩急の強いナンバー、テクニカルかつエモーショナルなプレイでドラマ性を生み出していく4は繊細なメロディも重ねて情感を高めていきます。ヘヴィリフで押し込んでいくダークでソリッドなミッドテンポの5、トリッキーなリフが躍動するテクニカルでアッパーな6、テクニカルなフレーズを重ねていくドラマティックでスリリングなミッドテンポの7、センチメンタルなメロディで迫るバラードナンバーの8、SEからスリリングなプレイの応酬で突き進むシリアスでダイナミックな9が収録されています。

 二枚組コンセプトアルバムに続く作品と言うことで、色々と注目を集めたアルバムでしたが、今作は明確なコンセプトも感じさせない初期の作風に近いものになっています。いつも何がしか実験的だったり、聴き手に熟考を迫るような作品を作り続けてきたバンドですが、ここで聴かれる楽曲はとてもフレンドリーでファンのイメージする彼らを映し出すかのような音世界が広がっています。アーティスティックに突き詰められた衝撃的な展開などはありませんが、コンパクトにまとめられた楽曲を揃えた直感的に楽しめる一枚でした。
同系統アルバム
LIFE/ADAGIO
TIARA/SEVENTH WONDER
MACHINE NATION/MANIGANCE

KILL OR GET KILLED/IRON SAVIOR

キル・オア・ゲット・キルド(初回限定盤)/アイアン・セイヴィアー

MARQUEE MICP-90112 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ産バンドの10枚目のアルバムです。ドラマーが交代しています。

 哀愁帯びたメロディを伴ったスリリングなスピードナンバーの1から、パワフルなヘヴィメタルを展開していくアルバムは、湿ったメロディで熱く突き進んでいくソリッドなミッドテンポの2、ダイナミックなリフと叙情メロディで突っ走りキャッチーなコーラスへと雪崩れ込むアップテンポの3、メランコリックなメロディがタイトなリフに乗って進むエモーショナルなミッドテンポの4、スリリングなリフが躍動していく勢いのあるアップテンポの5、ソリッドなリフで押し込んでいく重量感のあるエピックなミッドテンポの6、緊迫感の強まるリフが突っ込んでいくダイナミックなスピードナンバーの7、哀愁メロディが迫るエモーショナルなミッドテンポのタフな8、グルーヴィなリフがダークでメランコリックな空気感を生み出していくスケール感の強いミッドテンポの9、クランチーなリフが叩きつけられるマッシヴなアップテンポの10が収録されています。
 ボーナスディスクには、AC/DCのカバーの1、ブライアン・アダムスのカバーの2、過去曲のリメイクの3、4、1の別バージョンとカラオケバージョン、さらにハロウィンの前身バンドの楽曲からの7が収録されています。

 よそのバンドのボーナストラックで期待感が膨らんだアルバムですが、さすがにいつも通りの安定したクオリティ(´∀` )哀愁帯びたメロディと勢いのあるリフで突き進むパワーメタリックなサウンドと展開していきます。今回はSFっぽいムードは無いですが、楽曲はジャーマンメタルを体現するものが揃えられており、バンドの信念を感じさせます。ボーナスディスクも色々と興味深いものが揃えられた、ブランドを維持する一枚です。
同系統アルバム
SOLITARY MEN/REFUGE
APOCALYPSE/PRIMAL FEAR
FIREPOWER/JUDAS PRIEST

THE WINGS OF WAR/OVERKILL

ザ・ウィングス・オブ・ウォー/オーヴァーキル

WARD RECORDS GQCS-90689 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 アメリカンベテランスラッシャーの19枚目のアルバムです。ドラマーがシャドウズ・フォールなどに参加しているジェイソン・ビトナーに交代しています。

 インダストリアル風味のヘヴィなイントロで幕を開けるアルバムは、唸りを上げるギターリフが激しく繰り出されていく圧倒的な突撃ナンバーの1で、一気に聴き手の度肝を抜いていくと、荒々しいリフが躍動していくブレイクダウンも入れた攻撃的なアップテンポの2、グルーヴィなイントロからソリッドなリフを叩き込んでいく緩急を効かせたアクティヴなアップ〜ミッドテンポの3、唸るギターリフで圧倒していく威嚇的でハイテンションなミッドテンポの4ではアナイアレイターみたいなミステリアスな展開を見せます。メランコリックなイントロからキレのあるリフを積み重ねていくミステリアスでダークなミッドテンポの5、クランチーなリフが唸りを上げるドライヴするスピードナンバーの6、パンキッシュに突っ走る怒涛の突進ナンバーの7、ダークなイントロからソリッドなヘヴィリフを叩きつけていくミステリアスなミッドテンポの8、タイトなリフが加速していくアグレッシヴなアップテンポの9、ダークな雰囲気を高めるイントロから激しいリフで突撃していくスラッシーな10、ボーナストラックはダークな空気感を残すソリッドなミッドテンポのナンバーが収録されています。

 新たなドラマーは手数の多いタイプですが、最近の活力あふれるバンドのサウンドに上手くマッチしており、さらに勢いを増した楽曲をブーストしていきます。これまでのバンド遍歴を内包しつつもさらにクリエイティヴに楽曲を構築していく様は最新作こそ最高傑作と言うスタイルが改めて実感させられるものとなっており、ソロパートもフラッシーなプレイを見せて印象的な効果を発揮しています。何だかどんどん若返ったサウンドになっているような気がする充実の一枚です。
同系統アルバム
CLAIMING SUPREMACY/GAME OVER
RED N' ROLL/CHRONOSPHERE
DARKER THAN BLACK/VOLCANO

THE VERDICT/QUEENSRŸCHE

評決 (デラックス・エディション)/クイーンズライク

SONY MUSIC SICP-31236/7 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 アメリカンプログレッシヴメタルバンドの15枚目のアルバムです。ドラマーが脱退したため、ヴォーカリストが兼任しています。

 重量感を感じさせるリフワークと滑らかなハイトーンヴォーカルで圧倒していくダイナミックなミッドテンポの1から、プログレッシヴなフィーリングが強まるサウンドを展開していくアルバムは、パワフルなリフで突き進むドライヴ感とテンション高まるアップテンポの2、情感豊かなメロディを歌い上げていくダイナミックなミッドテンポの3、トライバル風のビートも絡めたミステリアスでエモーショナルなミッドテンポの4、ミッドテンポから加速していくダイナミックな展開を見せるアグレッシヴな5、メランコリックなメロディで迫るドラマティックなパワーバラード風ナンバーの6、ダークなリフがヘヴィに進むタイトで起伏の大きいミッドテンポの7、不穏なリフワークで進む情念高まるグルーヴィなミッドテンポの8、緊迫感高まるリフで押し込むアグレッシヴでダイナミズム強まるミッドテンポの9、物悲しいメロディがダークに紡がれるエモーショナルなミッドテンポの10が収録されています。
 ボーナスディスクには、アコースティックバージョンが二曲に、新曲のエモーショナルなミッドテンポの3、静かな激情が吹き上がるミッドテンポの4、タイトなリフが唸るエモーショナルなミッドテンポの5、ライヴバージョンが四曲収録されています。

 ヴォーカリストとのフィーリングも完全にフィックスされたアルバムは、彼らの特徴的な叙情感やテクニカルなプレイが最大限に発揮されたものとなっており、足りないドラマー以外は完全体になったかな、って印象を与えます。安定感と安心感が十二分に詰め込まれている楽曲には強い求心力が戻っており、ライヴ音源でも再確認させられるヴォーカルの力量がクオリティアップに貢献していることを実感させます。再びバンドの存在感を知らしめる強力な一枚です。
同系統アルバム
LEGENDS OF THE SHIRES/THRESHOLD
CLOAKS OF OBLIVION/ERUPTION
CHRONICLES OF THE IMMORTALS: NETHERWORLD II/VANDEN PLAS

THE EIGHTH MOUNTAIN/RHAPSODY OF FIRE

ジ・エイス・マウンテン〜第8の山岳/ラプソディー・オブ・ファイア

KING RECORD KICP-1970 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア産バンドの11枚目のアルバムです。元TEODASIAのヴォーカリストと、ドイツ人ドラマーが新たに加入しています。

 不安感の高まるダークなイントロで幕を開けるアルバムは、緊迫感高まるアグレッシヴなイントロからテンションを維持しつつ突き進むダイナミックな劇的スピードナンバーの2から、ハイトーンヴォーカルを擁するファンタジックなシンフォニックメタルを展開していくと、タイトなリフで突っ切るファストチューンの3、緩急を効かせたアグレッシヴでドラマティックなスピードナンバーの4、センチメンタルなメロディが広がるタイトで壮大なミッドテンポの5、メランコリックなメロディを歌い上げていくリリックなバラードナンバーの6、情念高まるメロディを重ねていく7はダイナミックな展開で盛り上げていくミッドテンポの壮大な劇的ナンバー、スリリングでネオクラシカルなフレーズが乱舞する劇的なイントロから静かなパートを経て徐々に加速してドラマティックに飛翔する8、ダイナミックなリフで突っ走る劇的スピードナンバーの9、厚いコーラスに導かれる10はスケール感の大きいドラマティックなアップテンポのナンバー、ロマンティックなバラードナンバーの11、緊張感高まるイントロからダーティな歌唱で攻撃性を高めていくドラマティックなアップテンポの大作ナンバーの12、ボーナストラックには4の日本語バージョンと言う最近のトレンドが収録されています。

 すでにアレックス・スタロポリのソロプロジェクトみたいになってしまった、オブ・ファイアですが、新ヴォーカリストはファビオ・リオーネほどの馬力はないものの、高音域から低音までオールラウンドに表現力を発揮する実力者で、現在のバンドの楽曲を魅力的なものに仕上げています。サウンド全体では大仰なシンフォニック感がやわらいだことに加えて、ヴォーカリストの声質もあって随分聴きやすく仕上げられており、これまでの高圧力のサウンドに比べると取っ付きやすくなっています。これまでのアルバムよりもコンパクトになってはいますが、高品質のシンフォニックメタルとして完成度の高い一枚でした。
同系統アルバム
ORIGINE - THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PART 2/ANCIENT BARDS
WAR OF DRAGONS/BLOODBOUND
LIONHEART/SERENITY

MOONGLOW/TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA

ムーングロウ/トビアス・サメッツ・アヴァンタジア

WARD RECORDS GQCS-90672 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツのエドガイのヴォーカリスト、トビアス・サメットによるメタルオペラプロジェクトの第8弾です。

 コーラス隊を引っさげてトビアス・サメット自身がヴォーカルを主導する高揚感高まるオペラティックなアップテンポの大作ナンバーの1で幕を開けるアルバムは、初参加だったっけ?みたいなブラインド・ガーディアンのハンズィ・キアシュにクリエイターのミレ・ペトロッツァ、さらにプリティ・メイズのロニー・アトキンスにヨルン・ランデと豪華ゲストを投入したアグレッシヴな劇的スピードナンバーの2、キャンディス・ナイトとデュエットで唄う叙情性高まるロマンティックな3、ハンズィ・キアシュとヨルン・ランデが再び参加する4はスケール感の大きい壮大な大作ナンバー、ロニー・アトキンスが参加する躍動感高まるアップテンポのロックナンバーの5、元クイーンズライクのジェフ・テイトが参加するエモーショナルな6、更にジェフ・テイトが唄い上げるドラマティックでスリリングなミッドテンポの7、開放感高まるメロディで突き進むドラマティックに飛翔するアップテンポの8、ボブ・カトレイと共に歌い上げていくキャッチーで明朗なポップナンバーの9、静謐なイントロからドラマティックに展開していくエキサイティングでスリリングな10はマイケル・キスクを引っ張り出したテンションの高いスピードナンバー、ミスター・ビッグのエリック・マーティンが参加した映画「フラッシュダンス」のテーマ曲のカバーの11、ボーナストラックには爽やかなメロディが響き渡るキャッチーな12が収録されています。

 新たなゲストを迎えて更に飛躍していくアルバムは、いつも通りの安定のクオリティを保っており、華やかで鮮やかなサウンドを作り出しています。ギターを担当するサシャ・ピートのパフォーマンスも楽曲を力強く支えており、プロジェクトが円熟していく様を現していきます。トビアス的にバンドとプロジェクトのどっちがメインだったか、もう分からないよねって言う、めずらしい取り合わせが沢山聴ける一枚でした。
同系統アルバム
THEATER OF DIMENSIONS/XANDRIA
RETURN OF THE COSMIC MEN/GALDERIA
OF JUPITER AND MOONS/TEMPERANCE

A PRELUDE TO SORROW/WITHERFALL

プレリュード・トゥ・ソロウ/ウィザーフォール

SONY MUSIC SICP-6008 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産プログレッシヴメタルバンドの2018年に発表された二枚目のアルバムです。急逝したドラマーに代わりスティーブ・ボロネズが加入しています。

 暗くメランコリックなメロディに導かれるアルバムは、重量級のリフとアグレッシヴなヴォーカルが荒れ狂う起伏激しく展開していく2から、テクニカルでエモーショナルなサウンドが広がっていくアルバムは、ソリッドなリフを叩きつけていく緩急の強い展開を見せるテクニカルでダークなミッドテンポの3、センチメンタルなイントロからダークかつヘヴィに迫る4はエモーショナルなコーラスなどで多彩な表情を見せていきます。エモーショナルでメランコリックな5、アグレッシヴに感情を叩きつけていくタイトでスリリングな6、メランコリックな導入からダイナミックに展開する7、静かなインストナンバーの8から、メランコリックなメロディから激しく組上げていくダイナミックなミッドテンポの9、センチメンタルな10、ボーナストラックにはハロウィンのカバーの11、メランコリックなバラードナンバーの12が収録されています。

 メンバーの死に影響を受けたサウンドは全体的にも暗い雰囲気をまとっており、テクニカルでプログレッシヴな展開にも影を落としています。それでも起伏の大きい展開や叙情的なメロディは前作を継承しており、満足感の高いものに仕上げられています。困難を乗り越え、前進する意志を見せる一枚でした。
同系統アルバム
LEGENDS OF THE SHIRES/THRESHOLD
CLOAKS OF OBLIVION/ERUPTION
CHRONICLES OF THE IMMORTALS: NETHERWORLD II/VANDEN PLAS





March

AGE OF ARTEMIS | ARTILLERY | BATTLE BEAST | BLACK EARTH | BLOODBOUND | BRYMIR | CHILDREN OF BODOM | IN FLAMES | ORION'S REIGN |

MONOMYTH/AGE OF ARTEMIS

モノミス/エイジ・オブ・アルテミス

KING RECORD KICP-1978 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ブラジル出身のバンドの三枚目のアルバムです。ヴォーカリストとギタリストが交代しています。

 サウンドトラック風のイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ダイナミックなリフワークで突き進む緩急の効いたタイトなアップテンポのナンバーの2から、パワフルなヴォーカルとテクニカルなプレイが交錯するサウンドが展開していくと、タイトなリフと情感高まるヴォーカルが一体となって迫るスリリングなミッドテンポの3、テクニカルなフレージングで進む4はエモーショナルなメロディとソリッドなリフが重なり合うダイナミックなミッドテンポのナンバー、スリリングなイントロからクランチーなリフと情念高まるヴォーカルが一体となって進む緩急の強いアップテンポの5、哀愁帯びたメロディを放つ6は感情を露にしつつ進むエモーショナルでタイトなミッドテンポのナンバー、スリリングなフレーズを叩きつけていくアグレッシヴなアップテンポの7はエピックなインストパートで盛り上げます。雄大なムードが広がるパワーバラード風の8、ピアノの繊細な響きに導かれる9はトライバルなムードも孕むテクニカルでメロディアスなミッドテンポのナンバー、プリミティヴなビートを連ねるイントロからダイナミックに進むスピードナンバーの10、アコースティックパートからドラマティックに展開するバラードナンバーの11、ナレーションから優しいメロディを繋いでいくミッドテンポの小品の12、ボーナストラックには3と8のインストバージョンが収録されています。

 テクニカルでメロディアスなサウンドを追求していくアルバムは、様々な音楽要素を内包しつつバラエティに富んだ楽曲を揃えており、バンドのこれまでの道程を振り返るようなものになっています。確かなパフォーマンスに裏打ちされる楽曲は、説得力と完成度を高めており、バンドの成長を確かに感じさせています。ヴォーカルが変わったアングラよりもアングラに聴こえることもあったりなかったりする、自信に満ち溢れた一枚でした。
同系統アルバム
ØMNI/ANGRA
E.V.O/ALMAH
LIFE/ADAGIO

THE FACE OF FEAR/ARTILLERY

ザ・フェイス・オヴ・フィア/アーティレリー

SPIRITUAL BEAST IUCP-16300 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 デンマーク出身のバンドの9枚目のアルバムです。

 タイトなビートを打ち付けていくイントロから、クランチーなリフが荒れ狂う突撃ナンバーの1から、スピードとパワーが交錯するスラッシーなサウンドが展開するアルバムは、グルーヴィなイントロからソリッドなリフを叩き込んでいく荒々しくスラッシーな2、ミステリアスなイントロからグルーヴィなリフで圧を高めていくヘヴィナンバーの3、鐘の音のSEからアグレッシヴなリフで突撃するドライヴ感の強いスピードナンバーの4、ドライヴするダークなリフで突き進むタイトなミッドテンポの5、ソリッドなリフが鳴動するグルーヴィでメロディアスなミッドテンポの6、センシティヴなメロディが流れるエモーショナルでダイナミックなミッドテンポの7、叙情的なメロディを紡ぐインストナンバーの8、タイトなリフを叩きつけていくアグレッシヴでハードアタッキンなアップテンポの9、再録になるギャロップするリフで突き進むタイトなアップテンポの10、ボーナストラックには、これまた再録のソリッドなリフと明るいメロディでロックしていくアップテンポの11、ライヴ音源の12が収録されています。

 スラッシーな感覚を保ってメロディアスに仕上げていくスタイルはそのままに、クオリティを上げてきたアルバムは、楽曲の緩急も強まり全体のコントラストも高めたものになっています。硬質なサウンドとフックのあるメロディが絡み合い活力漲る楽曲へと繋げていくあたりは流石の経験値って感じです。実直に独自のスタイルを追求していく様が心地よいベテランバンドの自信を伺わせる一枚でした。
同系統アルバム
THE WINGS OF WAR/OVERKILL
1981/F.K.Ü
DAMNED IF YOU DO/METAL CHURCH

NO MORE HOLLYWOOD ENDINGS/BATTLE BEAST

ノー・モア・ハリウッド・エンディングス/バトル・ビースト

WARD RECORDS GQCS-90691 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの五枚目のアルバムです。

 ゴージャス感たっぷりのイントロからキャッチーなメロディが炸裂する80年代北欧ポップ感あふれるアップテンポの1から、エモーショナルなメロディがパワフルに歌い上げられていくミッドテンポの2、躍動感あふれる叙情性の強いキャッチーなメロディで進むアップテンポの3、どこのボン・ジョヴィだって言うミッドテンポの4、明るいメロディで開放感高まるミッドテンポの5、フックの強いメロディをパワフルに唄い上げるアップテンポの6、LAメタル風のエモーショナルなミッドテンポの7、荘厳なイントロからのパワーバラードの8、シンフォニックなイントロから勇壮なメロディで進むパワフルなミッドテンポの9、抜けるようなメロディで突っ走るスピードナンバーの10、キャッチーなアップテンポの11、ボーナストラックには、メランコリックなパワーバラードナンバーの12、ドライヴ感の強まるロックナンバーの13が収録されています。

 キャッチーなサウンドが全開のアルバムは、ますますメタル色が薄くなってしまってポップな楽曲が揃えられており、聴きやすくはなっているものの楽曲の魅力自体は多少後退気味。先達に倣って北欧感全振りで良い気もしますが、アメリカナイズされたところとの違和感が少し残ります。現在進行形でスタイルを模索中の、次のアルバムでは更にポップにロックしてそうだな、って一枚でした。
同系統アルバム
SEXORCISM/LORDI
FROM HELL WITH LOVE/BEAST IN BLACK
MIRRORS/CARDIANT

PATH OF THE IMMORTAL/BLACK EARTH

暗黒の地球/ブラック・アース

TROOPER ENTERTAINMENT QATE-10115 [BEST] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のアーチ・エネミーの初期メンバーによって構成されるプロジェクトの新曲二曲を含む初期三枚のアルバムから選曲されたベストアルバムです。

 注目の新曲の一曲目は叙情メロディが炸裂しながら突き進む緩急も大きいダイナミックでアグレッシヴなアップテンポのナンバーの1、哀愁帯びたフラッシーなギターのイントロからタイトなリフで突き進むミッドテンポのグルーヴィなナンバーの11が収録されています、もちろん泣きのギターソロ込み。
 残りの曲はリマスタリングがされており、原曲よりはハッキリ、クッキリした音像に仕上げられています。

 最近のアーチ・エネミーもそれはそれで良いものですが、やっぱり初期のインパクトと破壊力は今聴いてもまったく色褪せないなあって思われ'`,、(´∀`) '`,、素晴らしい作品を作っていてもバンドか崩れちゃうんだから人間関係って大変だなあって当時を思い出す一枚です。
同系統アルバム
WILL TO POWER/ARCH ENEMY
THRONE OF SCARS/NONEXIST
THE CURSE WITHIN/NO RETURN

RISE OF THE DRAGON EMPIRE/BLOODBOUND

ライズ・オヴ・ザ・ドラゴン・エンパイア/ブラッドバウンド

MARQUEE MICP-11474 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの八枚目のアルバムです。

 牧歌的な哀愁メロディが紡がれる、ゆったりとしたエモーショナルなミッドテンポの1から、ファンタジックな世界観を作り出していくアルバムは、フォーキーなメロディが導くイントロからフラッシーなリフが炸裂するダイナミックでエピックなスピードナンバーの2、勇壮さを前面に押し出したエピックなミッドテンポの3、キャッチーなメロディが躍動するアップテンポの4、シンフォニックで華やかなイントロから壮大に展開するドラマティックで高揚感高まる5、メランコリックなメロディが疾走するドラマティックなスピードナンバーの6、哀愁メロディが積み重ねられていく情感たっぷりのミッドテンポの7、キラキラキーボードに導かれる8は北欧ポップ感高まるアップテンポのナンバー、タイトなリフと勇壮さが交錯するミッドテンポの9、ネオクラ感が高まるシンフォニックなスピードナンバーの10、ファンタジックなイントロからの11は叙情メロディが広がる壮大なミッドテンポのナンバー、ボーナストラックには過去の楽曲のライヴバージョンが三曲収録されています。

 エピックメタル路線継続中のアルバムですが、今回はちょっとフォークメタル寄りのサウンドのファンタジックなものとなっており、当たりの柔らかい楽曲が揃っています。前作の高評価を受けて、ヒロイックファンタジー的な世界観を再現していく様は、現在のバンドの嗜好を反映したものになっており、聴き手と作り手がシンクロしたサウンドに仕上げたれています。ボーナストラックを聴くと、以前の質実剛健な楽曲の方が良かった気もしてきますが、安定したクオリティを保った一枚でした。
同系統アルバム
THE LAST STAND/SABATON
THE GREAT BROTHERWAR/EVERTALE
COAST OF GOLD/THAUROROD

WINGS OF FIRE/BRYMIR

ウィングス・オブ・ファイア/ブリュミル

VICTOR VICP-65516 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの三枚目のアルバムです。

 勇壮で壮大なイントロダクションに導かれるアルバムは、シンフォニックに大きく展開するエピックなスピードナンバーの1から、グロウルが激情を加速させるエクストリームなサウンドを作り出していくと、キャッチーなリフで突き進む叙情性の強いファストナンバーの2、緊張感高まるコーラスとソリッドなビートに導かれる3は高圧のリフとコーラスに彩られる重厚なエピックナンバー、緊迫感強まるイントロからスリリングな展開を見せるブルータルでエピックなミッドテンポの4、メランコリックなメロディとソリッドなリフを重ねていく躍動感と叙情性の強いミッドテンポの5、スリリングなキーボードとギターリフが乱舞するブルータルでダイナミックなスピードナンバーの6、オカルティックなイントロからブラックメタル的な冷気を伴ったスリリングでタイトなスピードナンバーの7、神秘的なコーラスからミステリアスなメロディを繋げていく壮大で攻撃的なシンフォニックナンバーの8、叙情性強まるイントロからタイトなリフを刻んでいく情念高まるミッドテンポの9、センチメンタルなメロディを紡いでいくイントロからドラマティックかつ激情的に進むアップテンポの10、物悲しいメロディが紡がれるイントロからエモーショナルな展開を見せる壮大なミッドテンポの11、ボーナストラックには、ブルータルに突進するシンフォニックな12、10のインストバージョンの13が収録されています。

 北欧らしさ満点のエピックメタルへと加速していくアルバムは、キャッチーさと凶暴性が重なり合うエキサイティングなサウンドを作り出しており、前作よりも更にスケール感を増していきます。あらゆる要素をパワーアップさせていくサウンドは安定感と説得力も増しており、バンドの進歩をはっきりと感じさせます。現時点でのバンドの全力を詰め込んでいく会心の一枚でした。
同系統アルバム
TWO PATHS/ENSIFERUM
NORTHERN HELL SONG/GYZE
DOMINION/DRAGONLORD

HEXED/CHILDREN OF BODOM

ヘックスド/チルドレン・オブ・ボドム

WARD RECORDS GQCS-90688 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの10枚目のアルバムです。元ネイルダウンノーサーのギタリスト、ダニエル・フレイバーグが新たに加入しています。

 タイトなギターリフを叩きつけていくダイナミックなミッドテンポの1で幕を開けるアルバムは、メロディをふんだんに盛り込んだアグレッシヴなサウンドを作り出しており、明朗なメロディとタイトなロック感が交錯する勢いのアルアップテンポの2、クランチーなリフをねじ込んでいく押しの強い攻撃的なアップテンポの3、ミステリアスなムードが高まるタイトでグルーヴィなヘヴィナンバーの4、威嚇的なイントロから激しいリフとビートが唸りを上げる攻撃的な突進ナンバーの5、キラキラ感のある叙情メロディが炸裂するダイナミックでロッキンなアップテンポの6、スラッシーなリフとネオクラシカルなプレイで突っ走るスピードナンバーの7、エッジの効いたギターリフが突き刺さるドライヴ感の強いアップテンポの8、ダークなメロディを重ねていくタイトなミッドテンポの9、ヘヴィリフと叙情メロディを重ねていくダークなミッドテンポの10、タイトなリフとビートがエッジを刻みソロパートが加速していくダイナミックなアップテンポの11、ボーナストラックには、ライヴバージョンが二曲と、11のリミックスバージョンが収録されています。

 最近の傾向をより強化したアルバムは、「ヘイト・クルー・デスロール」あたりの初期のネオクラシカルなフィーリングも取り戻したメロディアスなサウンドを展開しており、キャッチーさも伴って聴きやすい仕上がりになっています。荒くれロック感とキラキラネオクラ感が共存する彼らを象徴するような楽曲が揃えられており、自身が開拓したジャンルに戻ってきた感が強まります。初期からのファンの方が満足感を得られそうな一枚でした。
同系統アルバム
THE CURSE WITHIN/NO RETURN
EMBERS OF A DYING WORLD/MORS PRINCIPIUM EST
WILL TO POWER/ARCH ENEMY

I,THE MASK/IN FLAMES

アイ、ザ・マスク/イン・フレイムス

WARD RECORDS GQCS-90690 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの13枚目のアルバムです。リズム隊が交代しています。

 細かくギターを刻んでいくイントロからダイナミックでタイトなリフを繰り出していく圧力の高いミッドテンポの1から、グロウルとクリーンヴォイスを使い分けるエモーショナルなサウンドが展開されていくアルバムは、攻撃的なリフを叩き込んでいく衝動性と情感高まる突進ナンバーの2、ソリッドで躍動的なリフで進む3は衝動性の強いメロディが炸裂するアップテンポのナンバー、タイトなリフが激情のヴォーカルを引き連れて進むエモーショナルなミッドテンポの4、メランコリックなメロディがあふれだすバラード風味の5、ソリッドなリフを詰め込んでいくダークでエモでミステリアスなミッドテンポの6、タイトなリフと叙情メロディが交錯するエモーショナルなミッドテンポの7、メランコリックでキャッチーなミッドテンポの8、グロウルとアグレッシヴなリフを叩きつけていく突進力の強いダイナミックな9、ヘヴィリフを激情のヴォーカルが引っ張るダークなミッドテンポの10、センシティヴなメロディで進むパワーバラード風ナンバーの11、リリカルなバラードナンバーの12、ボーナストラックにはモダンテイスト高まるタイトなミッドテンポのナンバーが収録されています。

 閉塞感が強まっていた作風からは、かなり疾走感やフラッシーなギターソロを強化したサウンドを展開していくものとなっており、グロウルの増加も相まって高まるダイナミズムを感じさせます。オルタナティブな路線に舵を切ってからの中では、比較的アグレッシヴな曲が多いかなって印象ですが、路線変更とは行かないのがバンドのサウンドの完成形が近いのを感じさせます。それなりにバラエティのある楽曲の豊潤なメロディを堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
VERKLIGHETEN/SOILWORK
WELCOME TO EMBER FALLS/EMBER FALLS
THE SICK,DUMB & HAPPY/THE CHARM THE FURY

SCORES OF WAR/ORION'S REIGN

スコアズ・オブ・ウォー/オリオンズ・レイン

BAKU-ON.CA/RADTONE MUSIC RADC-120 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2001年に結成されたギリシャ出身のバンドの2018年に発表された二枚目のアルバムです。

 壮大で勇壮なマーチに導かれるアルバムは、激しく展開していくリフと重層なコーラスで畳み掛けていくドラマティックなスピードナンバーの1から、荒々しいヴォーカルが朗々と歌い上げていくメロディックメタルを作り出していくと、スリリングなイントロからタイトなリフを刻んでいく緊張感高まるアップテンポのスピードナンバーの2、重厚なリフとコーラスで壮大に迫るパワフルなミッドテンポの3、シンフォニックなイントロからソリッドなリフで一気に突っ走る緊迫感高まるスピードナンバーの4、フォーキーなムードで進むキャッチーでファンタジックなミッドテンポの5、重厚なコーラスに導かれる6はパワフルなヴォーカルが勇ましく唄い上げるミッドテンポのエピックナンバー、女性ヴォーカルによるファンタジックなメロディが紡ぎだされる7はダイナミズムを高めて勇壮に進むミッドテンポのナンバー、壮大なコーラスから一気に突っ走るスリリングなファストナンバーの8、叙情性高まる壮大なパワーバラード風ナンバーの9、一転して激しく突っ走る怒涛のスピードナンバーの10、オペラティックに展開する壮大なエピックナンバーの11、ボーナストラックには3のオーケストラバージョンが収録されています。

 10年ぶり!の二枚目のアルバムと言うことで、とりあえず前のアルバムのことは気にしなくてもいいかな'`,、(´∀`) '`,、シンフォニックかつシアトリカルに展開していくスケール感の大きいサウンドが詰め込まれたアルバムは、一目で熱いと分かるジャケットからの期待に違わぬ凄まじい劇的世界が繰り広げられていきます。実力者のゲストヴォーカルに引けを取らないヴォーカリストの力量も含め、バンドのパフォーマンスも良好で、説得力を持ったエピックなサウンドを現していきます。さすがに次が10年後だと忘れてしまうので、なるべく早めに次を出してもらいたい一枚でした。
同系統アルバム
THE EIGHTH MOUNTAIN/RHAPSODY OF FIRE
THE GREAT BROTHERWAR/EVERTALE
GUNMEN/ORDEN OGAN





April

ENFORCER | GLORYFUL | SILVER BULLET | SKELETOON |

ZENITH/ENFORCER

ゼニス/エンフォーサー

WARD RECORDS GQCS-90705 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの五枚目のアルバムです。

 アリーナロック的なスケール感を持ったダイナミックなミッドテンポの1で幕を開けるアルバムは、静かなイントロからタフなギターリフを打ち付けていくエピックメタル的な展開の大きいミッドテンポの2、テンション上げて突っ走る緩急を効かせたファストチューンの3、メランコリックなバラード風ナンバーの4、エピックなムードを纏うタイトなミッドテンポの5、LAメタル風のキャッチーで躍動的なアップテンポの6、フックの強いリフで突っ走るドライヴ感の強い派手なアップテンポの7、タイトなビートのイントロから一気に爆走する突撃ナンバーの8、エピックなイントロからの9は哀愁メロディで進むスケールの大きいミッドテンポのナンバー、アコースティックの物悲しいイントロダクションから壮大に展開していくエピックナンバーの10、ボーナストラックには伝統的メタリックリフで突き進むキャッチーでドライヴィンなアップテンポの11、タイトなリフでダイナミックに迫るミッドテンポの12が収録されています。

 ポップな1からバラエティに富んだ楽曲を揃えたアルバムは、80年代メタルの総決算みたいな雑多な要素を詰め込んだ多彩さを見せており、NWOBHMフォロワーからの脱却を目指した模様。これまでのバンドからすると挑戦的なスタイルも多くなっており、正統派メタルバンドとしての成長を志向する意志を窺わせます。新たなステージに向かう拡大する意欲を強く見せ付けた冒険的な一枚でした。
同系統アルバム
INFERNAL OVERDRIVE/WHITE WIZZARD
WAY OF THE ROAD/SKULL FIST
FOR THE LOVE OF METAL/DEE SNIDER

CULT OF SEDNA/GLORYFUL

カルト・オブ・セドナ/グローリーフル

BAKU-ON.ca RADC-122 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2010年に結成されたドイツ出身のバンドの四枚目のアルバムです。

 不穏なムードが高まるダークなイントロダクションに導かれるアルバムは、クランチーなリフを叩きつけていくパワーメタリックな熱いスピードナンバーの2から、ダーティなヴォーカルが吼える漢らしいサウンドを充満させていくと、湿ったメロディを重ねていくダイナミックでタフネスなミッドテンポの3、ソリッドなリフを叩き込むパワフルでエモーショナルなアップテンポの4、クランチーなリフで突き進むアグレッシヴなスピードナンバーの5、哀愁メロディで進むエモーショナルなミッドテンポの6、タイトなリフを叩きつけていく情感の波が大きいミッドテンポの7、叙情メロディで進んでいくソリッドなミッドテンポの8、最近のアイアン・メイデン風のエピックなイントロから怒涛の突進力を見せるバイタリティあふれるスピードナンバーの9、物悲しいイントロからの10はタイトなリフとアグレッシヴなビートで突っ切るアップテンポのナンバー、哀愁帯びたエピックなアウトロの11、ボーナストラックには、最近珍しくなくなってしまった4の日本語バージョンが収録されていますが、この歌詞のクオリティはちょっと(;´Д`)

 さすがに四枚目と言う事で、サウンド的には出来上がってる感の強いアルバムは、いわゆるじゃない方のジャーマンメタルの主流を行くパワーメタリックな楽曲を揃えており、堂々とした仕上がりを見せています。無骨で不器用な感じの伝わる楽曲は、まるで実家のような安心感。ああ、ヘヴィメタルだなあって満足感を得られる一枚です。
同系統アルバム
ARMORTURA/ARMORTURA
HEALED BY METAL/GRAVE DIGGER
KILL OR GET KILLED/IRON SAVIOR

MOONCULT/SILVER BULLET

ムーンカルト/シルヴァー・ブレット

SPIRITUAL BEAST IUCP-16301 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 元チュリサスのベーシストが中心となって結成したフィンランド出身のバンドの二枚目のアルバムです。

 静謐かつ荘厳なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、聖戦が始まりそうなドラマティックに展開するリフで突き進むアグレッシヴなスピードナンバーの2から、荒々しいヴォーカルが劇的展開を導いていくシンフォニックなパワーメタルを作り出していくと、叙情性高まるメロディとヘヴィリフに導かれる重厚なミッドテンポの3、呪詛めいたイントロからの4はソリッドなリフを叩きつけていくダークでシリアスな展開の大きいナンバー、ミステリアスなムードが高まる5はエスニックなメロディも絡めつつ壮大に展開するミッドテンポのエピックナンバー、アイスド・アース的な展開を見せるスリリングなリフとシャープなエッジが印象的な劇的ナンバーの6、女性ヴォーカルが加わったエスニックでダイナミックなミッドテンポの劇的ナンバーの7ではフラッシーな高速インストパートが緊張感を高めていきます。ナレーションからの8はシンフォニックにタイトなリフが詰め込まれていく緩急の強い劇的ナンバー、繊細なピアノを響かせる9から、ソリッドなリフを叩き込むアグレッシヴなミッドテンポの10、シンフォニックなイントロから躍動感高まるアップテンポのナンバーの11、キレのあるビートで突き進むダイナミックなスピードナンバーの12、ボーナストラックにはグレイヴ・ディガーのカバーの13と、3のデモバージョンが収録されています。

 パワフルでダイナミックなサウンドが充満するアルバムは、先達バンドの影響を感じさせながらもフックの強い魅力的な楽曲を揃えていきます。経験値の高いアーティストが中心にいるだけあって、新人らしさを伺わせない完成度の高さと安定したパフォーマンスによって、世界観に沿ったサウンドを説得力を持って構築しています。キャリアを重ねて独自性を高めていけば、更に飛躍しそうな一枚です。
同系統アルバム
THE GREAT BROTHERWAR/EVERTALE
ULTIMATE SACRIFICE/GALNERYUS
STONEHYMN/WIND ROSE

THEY NEVER SAY DIE/SKELETOON

ゼイ・ネヴァー・セイ・ダイ/スケルトゥーン

MARQUEE MICP-11481 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2011年に結成されたイタリア出身のバンドの三枚目のアルバムです。映画「グーニーズ」を元にしたコンセプトアルバムになっています。

 芝居がかったナレーションに導かれるアルバムは、ドラゴンフォースハロウィンをやってるみたいな叙情メロディで突っ走り高揚感高まるファストチューンの1から、ハイトーンヴォーカルとエッジの効いた演奏が絡み合うメロディックメタルを作り出していくと、繊細なイントロからの2は重厚なリフでエピックなムードを高めていくミッドテンポのナンバー、開放感高まるキラキラメロディで突き進むキャッチーなアップテンポの3、メランコリックなバラードナンバーの4、スリリングなビートとファンタジックなメロディで突っ走るダイナミックなスピードナンバーの5、哀愁メロディで進むポップ感高まるミッドテンポの6、キーパー道を邁進するキャッチーなメロディで突っ走るアップテンポのスピードナンバーの7、キャッチーなメロディが躍動し開放感高まるアップテンポの8、捻りの効いたリフで突き進むソリッドでプログレッシヴなアップテンポの9、アヴァンタジアのカバーの10、シンディ・ローパーのカバーの11、ボーナストラックには6の別バージョンが収録されています。

 イタリア産ながらかなりのキーパーメタルっぷりを見せ付けるアルバムは、マイケル・キスクあたりに影響を受けたヴォーカルとフックの強いメロディを引っさげて、爽快感のあるサウンドを作り出しており、多彩なゲストヴォーカルの効果もあって鮮やかな世界観を提示していきます。あからさまなフレージングが気にならなくもないですが、ファン気質の強いバンドならではと言うことで許容範囲かなって感じです。オリジナリティとかはこれっぽっちも無いですが、安定した品質を聴かせる一枚でした。
同系統アルバム
ØMNI/ANGRA
E.V.O/ALMAH
LIFE/ADAGIO





May

AMON AMARTH | DEATH ANGEL | FLESHGOD APOCALYPSE | GLADENFOLD | GLORYHAMMER | POSSESSED | SAVAGE MESSIAH |

BERSERKER/AMON AMARTH

ベルセルク(デラックス・エディション)/アモン・アマース

SONY MUSIC SICP-6121 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの11枚目のアルバムです。

 メランコリックなメロディが紡がれるイントロダクションに導かれるアルバムは、哀愁帯びたメロディを孕んだ勇壮で荒々しいアップテンポの1から、グロウルが吼えるヴァイキングメタルを展開していくと、物悲しいメロディがヘヴィリフを伴って進むダークなミッドテンポの2、叙情メロディで突っ走る哀愁ドライヴスピードナンバーの3、ソリッドなリフで圧倒していく威嚇的なヘヴィナンバーの4、叙情メロディとタイトなリフが絡み合うエモーショナルなドライヴ感強まるミッドテンポの5、アグレッシヴなリフとメロディで突進するダイナミックなアップテンポのヘヴィナンバーの6、重厚なエピックナンバーの7、物悲しいイントロからの8はグルーヴィなリフで進む情念高まるヘヴィナンバー。哀愁醸しつつヘヴィに迫るエピックなミッドテンポの9、激しいリフワークで突っ走る攻撃的な突進ナンバーの10、クランチーなリフで突撃するアグレッシヴなスピードナンバーの11、叙情メロディが重ねられていくエモーショナルなヘヴィナンバーの12が収録されています。
 ボーナスディスクには2017年に行われたライヴの模様がたっぷり収録されています。

 スタイルとしては大体いつも通りのサウンドが展開されていくアルバムは、良くも悪くも安定感のある仕上がりになっており、アルバムタイトルに選んだモチーフの影響からかヴァイキング的な要素が強くなっている印象を受けます。メジャー感を志向したせいか大仰さも増えており、スケール感を生み出していきます。変化には乏しいですが円熟味を味わえる一枚でした。
同系統アルバム
PALO/KALMAH
TWO PATHS/ENSIFERUM
GODS OF VIOLENCE/KREATOR

HUMANICIDE/DEATH ANGEL

ヒューマニサイド/デス・エンジェル

WARD RECORDS GQCS-90716 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 アメリカンスラッシャーの九枚目のアルバムです。

 期待感高まるダイナミックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、クランチーなリフが唸りを上げるアグレッシヴでスリリングな突撃ナンバーの1でテンションを上げていくと、パワフルなリフを叩き込んで感情を爆発させていく起伏の激しいアップテンポの2、ミステリアスなイントロからエッジの効いたリフを繰り出していくタイトでアグレッシヴなアップテンポの3、パンキッシュなムードで突っ走るバイタリティあふれるアッパーなスピードナンバーの4、メランコリックなイントロからの5はタイトなリフとダークなメロディが交差するエモーショナルなミッドテンポのナンバー、スラッシーなリフが荒れ狂うダイナミズム高まるスピードナンバーの6、タイトなリフを叩き込むパワフルなミッドテンポの7、不穏なイントロからクランチーなリフで突き進むアグレッシヴなファストチューンの8、グルーヴィなリフで迫るダークなヘヴィロックナンバーの9、アグレッシヴなリフがダイナミックに展開していく起伏の激しいアップテンポの10、ボーナストラックには、暗いメロディとタイトなリフで進むヘヴィロックナンバーの11が収録されています。

 スタイルとしてはこれまでの路線を継続したものとなっていますが、様々なところに手の込んだサウンドを聴かせるあたり、アーティストとしての成熟度をうかがわせたりもします。彼らの特徴であるスラッシーな面は変わらずに、パワーメタルだったり、ブルージーだったりして手札を増やしながら、現在進行形のサウンドを作り出していく様は意欲的なバンドの姿を浮き上がらせます。衝動性と円熟味が絡まりあった重層な楽曲を揃えた完成度の高い一枚です。
同系統アルバム
RED N' ROLL/CHRONOSPHERE
DARKER THAN BLACK/VOLCANO
THE WINGS OF WAR/OVERKILL

VELENO/FLESHGOD APOCALYPSE

ヴェレーノ【初回限定盤CD+ライヴBlu-ray】/フレッシュゴッド・アポカリプス

WARD RECORDS GQCS-90709/0 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2007年に結成されたイタリア出身のバンドの五枚目のアルバムです。

 激しいビートで突き進むイントロで幕を開けるアルバムは、タイトなリフと重厚なコーラスが一体となって突進していくアップテンポの1から、グロウルが吼えるシンフォニックでブルータルなサウンドを展開していくと、メランコリックなメロディに導かれる2はブルータルに突撃する展開の大きい破壊力満点のナンバー、嵐のようなフレージングで圧倒していくスリリングな突撃ナンバーの3、コーラスによる間奏曲の4を挟んで、壮大なコーラスとグロウルが交錯していくドラマティックな5へ。アグレッシヴなリフが荒れ狂う狂乱のデスメタルナンバーの6、荘厳なコーラスと叙情性孕むメロディが融合していくエクストリームでシンフォニックな7、ピアノのイントロから躍動するリフが繰り出されていくタイトでスリリングなスピードナンバーの8、女性ヴォーカルとコーラスが主導するメランコリックな9を経て、唸りを上げる破壊的なリフで圧力を高めていくダイナミックなヘヴィナンバーの10、悲壮感漂うピアノによるアウトロで締めます。ボーナストラックには、ラムシュタインのカバーの12、ノクターナルのカバーの13が収録されています。
 ボーナスディスクにはペルージャでのストリングスやコーラスを引き連れた壮大なライヴの模様が収録されています。

 初期のセリオンあたりのアプローチに近いサウンドを聴かせるアルバムは、シンフォニックな装飾とデスメタルを融合させたドラマティックでオペラティックな楽曲を揃えており、重厚な世界観を提示していきます。一定のクオリティを保ったサウンドは安定感を感じさせて手堅いと思わせる楽曲に昇華させており、説得力のある仕上がりになっています。先進性とか独自性はあまり感じられないものの、完成度の高いサウンドが詰め込まれた一枚でした。
同系統アルバム
WINGS OF FIRE/BRYMIR
EONIAN/DIMMU BORGIR
DOMINION/DRAGONLORD

WHEN GODS DESCEND/GLADENFOLD

ホエン・ゴッズ・ディセンド/グラデンフォールド

SPIRITUAL BEAST IUCP-16303 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2003年に結成されたフィンランド出身のバンドの二枚目のアルバムです。

 雷鳴のSEからドラマティックなイントロへと進むアルバムは、重厚なコーラスとグロウルとクリーンヴォーカルが一体となって壮大な展開で緊迫感高まるシンフォニックな1から、ハイブリットなサウンドを作り出していくと、ダイナミックなイントロから一気に突き進む情念煽るパワフルなアップテンポのスピードナンバーの2、重量感のあるリフとエモーショナルなクリーンヴォーカルを中心に組み立てる色鮮やかでメランコリックなミッドテンポの3、細かいリフとクリーンヴォーカルが主導するエモーショナルなミッドテンポの4、ダークなイントロから一気に加速していくアグレッシヴな劇的スピードナンバーの5、物悲しいメロディが紡がれていくバラードナンバーの6、起伏の大きいスリリングな展開を見せる劇的スピードナンバーの7、チルドレン・オブ・ボドム風のキラキラ感で突っ走る8、クリーンヴォーカルが主導するシャープなスピードナンバーの9、叙情性強まるメロディで進むセンチメンタルなミッドテンポの10、ボーナストラックには、叙情メロディで進むミステリアスなミッドテンポの11、アコースティックギターによるリリカルなメロディが紡がれていくインストナンバーの12が収録されています。

 シンフォニックなメロディックデスメタルをベースに、パワーメタルやフォーク風のサウンドなどで彩っていくアルバムは、最近のクリーンヴォーカルとグロウルの複合系の影響下にあるもので、ドラマティックな世界観を作り出していきます。全体的には一曲目の印象よりはおとなしい感じに収まりますが、北欧メタルらしいメロディラインやヴァイキングメタル的な哀愁なども伴って、まとまりのあるサウンドに仕上げていきます。まだまだ先達バンドの影響下にあるものの今後にも期待できそうな一枚でした。
同系統アルバム
WINGS OF FIRE/BRYMIR
EONIAN/DIMMU BORGIR
VANQUISH THE DEMON/CRY VENOM

LEGENDS FROM BEYOND THE GALACTIC TERRORVORTEX/
GLORYHAMMER

レジェンズ・フロム・ビヨンド・ザ・ギャラクティック・テラーヴォルテクス/
グローリーハンマー

KING RECORDS KICP-1988 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スコットランド産ファンタジーメタルバンドの三枚目のアルバムです。

 サウンドトラック風のシンフォニックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、パワフルなリフと壮大なコーラスに導かれるドラマティックなアップテンポの2から、ハイトーンヴォーカルが力強く歌い上げていくスケール感大きいサウンドを展開していくと、鮮やかなフレージングとエッジの効いたリフがキャッチーなコーラスを呼び込んでいくダイナミックなミッドテンポの3、ファンファーレみたいなキーボードで突っ走るアップテンポの劇的スピードナンバーの4、キラキラキーボードで疾走する叙情スピードナンバーの5、勇壮なメロディとムードで突っ走るスピードナンバーの6、バンド名を冠したパワフルなミッドテンポの7、ポップ感高まるキャッチーなメロディで疾走するアッパーなスピードナンバーの8、キラキラキーボードと湿ったメロディがキャッチーに紡がれるドライヴ感高まるアップテンポの9、荘厳なイントロからの10はドラマティックで華麗な展開で圧倒していく大作ナンバー、ボーナストラックの11は勇壮なメロディで突き進み明るいコーラスへと雪崩れ込むミッドテンポのナンバーが収録されています。

 バンドのコンセプトを体現するファンタジックなサウンドが充満するアルバムは、スペーシーな要素よりもエピックメタル寄りになっており、シンフォニックな感触が強まっています。ナレーションなどを絡めたお約束な展開なども、ファンの期待に応えるものになっており、安定したパフォーマンスも相まって没入感の高い仕上がりを見せています。さすがにこのチープなキーボードサウンドは次作で改善した方がいいんじゃないかなって感じですが、スタイル自体はこの路線をひたすら追求していって欲しい一枚でした。
同系統アルバム
RISE OF THE DRAGON EMPIRE/BLOODBOUND
THE EIGHTH MOUNTAIN/RHAPSODY OF FIRE
ORIGINE - THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PART 2/ANCIENT BARDS

REVELATIONS OF OBLIVION/POSSESSED

レヴェレイションズ・オブ・オブリヴィオン/ポゼスト

WARD RECORDS GQCS-90708 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 オリジナル・メンバーはヴォーカルのみと言う、米国産デス/スラッシュメタルバンドの33年ぶり通算3枚目になります。

 オカルトホラー風の不穏なイントロダクションに導かれるアルバムは、狂乱のギターリフが荒れ狂う激烈スラッシュナンバーの2から、吐き捨てヴォーカルが叫ぶ荒々しいサウンドが充満されていくと、怒涛の突進力を見せる緩急の強いブルータルなファストチューンの3、タイトなリフを叩き込んでいく破壊的な突進ナンバーの4、イーヴルなリフで起伏激しく突き進む展開の大きい5、唸りを上げるリフで突っ走る暴走スラッシュナンバーの6、オカルティックなSEからの7は躍動するソリッドなリフが叩きつけられる高圧のイーヴルなスラッシュナンバー、不安感高まるイントロからダークなリフが唸りを上げるソリッドでオカルティックな8、圧迫感の強いリフが襲い掛かるブルータルな突進ナンバーの9、フックの強いリフが躍動していく荒々しい突撃ナンバーの10、不穏なイントロから突き進むタイトで緩急の強いスラッシュナンバーの11、静かなアウトロナンバーの12で幕を閉じます。

 スラッシュメタル〜デスメタルの黎明期のサウンドを思い起こさせる破壊力の強い楽曲を揃えたアルバムは、当時のスタイルをそのまま継続したようなものとなっており、期待を裏切らない仕上がりになっています。紆余曲折あったヴォーカルのパフォーマンスも安定の満足感。スレイヤーみたいに聴こえることもあるソロパートの荒ぶりっぷりもテンションが上がります。80年代からそのまま次のアルバムを出したみたいな不変のサウンドを聴かせる一枚です。
同系統アルバム
NEW WAR ORDER/EXARSIS
RED N' ROLL/CHRONOSPHERE
REDUCED TO FLESH/HATESPHERE

DEMONS/SAVAGE MESSIAH

ディーモンズ/サヴェージ・メサイア

TROOPER ENTERTAINMENT QATE-10117 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国産メタルバンドの五枚目のアルバムです。ギタリストとドラマーが交代しています。

 アグレッシヴなリフと激しいビートが一体となって突き進むタイトなスピードナンバーの1で幕を開けるアルバムは、湿り気帯びたメロディとパワーが渾然としたサウンドを作り出し、ブルージーなメロディとタイトなリフが交錯するソリッドなミッドテンポの2、エモーショナルなメロディを叩き込んでいくタイトなミッドテンポ〜アップテンポの3、クランチーなリフがヘヴィに迫るアグレッシヴな起伏の激しいナンバーの4、ソリッドなヘヴィリフを叩き込んでいく感情の起伏が激しいミッドテンポの5、アイリッシュなムードも残るブルージーでエモーショナルなロックナンバーの6、メランコリックなメロディが紡がれるパワーバラードナンバーの7、唸りを上げるリフで突っ走るアグレッシヴなスピードナンバーの8、ウェットなバラードナンバーの9、タイトなリフを叩きつけてドライヴしていくアップテンポの10、ヘヴィリフで圧力を高めるエモーショナルなミッドテンポの11、ボーナストラックにはタイトなリフを叩きつけるファストチューンが収録されています。

 ブリティッシュメタルらしいメロディと正統派メタル然としたスタイルが力強く描き出されていくアルバムは、前作の方向性を維持しつつ、より楽曲を洗練させていきます。高い構築力を持って説得力を増した楽曲により、情感に強く訴えかけるものとなっており、メンバーの不安定さとは打って変わって安定感の強い仕上がりを見せています。アルバム製作時のメンバーとは異なる体制になっていますが、高品質のパフォーマンスでパワーメタルの醍醐味を味わえる一枚でした。
同系統アルバム
ARMORTURA/ARMORTURA
PHOENIX RISING/PASTORE
DAMNED IF YOU DO/METAL CHURCH





June

CRYPTOPSY | Fuki | MAJESTICA | MARY'S BLOOD | STEEL PROPHET | PALADIN |

THE BOOK OF SUFFERING/CRYPTOPSY

ザ・ブック・オブ・サファリング/クリプトプシー

VICTOR VICP-65529 [EP] >>>>>BUY...?

 ジャパンツアーを終えたカナディアン・テクニカルデスメタルバンドの2015年と2018年に発表されたEPをまとめた来日記念盤です。

 ナレーションのSEから一気に爆発力の強いギターリフが荒れ狂うブルータルでテクニカルな壮絶サウンドで圧倒する突撃ナンバーの1から、グロウルが吼えるアルバムは、緩急をつけながら暴走していく突進ナンバーの2、トリッキーなリフワークで緊張感を高めていくテクニカルでケイオスな3、クランチーなリフが叩きつけられていくブルータルな突撃ナンバーの4、狂乱のリフが荒れ狂う嵐のような攻撃的な5、唸りを上げるギターリフが襲い掛かる威圧感たっぷりの攻撃的なナンバーの6、不穏なフレーズが押し寄せる緩急の強いブルータルな7、不安感の高まるダークなフレーズから複雑に突き進む暴虐的な8が収録されています。

 度肝を抜くクリプトプシーらしい鋭角さと混沌が同居する期待を裏切らないサウンドが充満するアルバムは、圧倒的な音の奔流を叩きつけていく仕上がりで、聴き手を打ちのめしていきます。壮絶な情報量で一気に駆け抜けていく一枚でした。
同系統アルバム
ALGORYTHM/BEYOND CREATION
SPELLBOUND/SADIST
REPULSION FOR HUMANITY/SINSAENUM

Million Scarlets/Fuki

ミリオン・スカーレッツ<豪華盤>/フキ

FABTONE Inc. FBAC-091 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 アンラッキー・モルフェウスやFuki Communeなどで活動するヴォーカリストの個人名義のアルバム第一弾です。

 ドラマティックなイントロから緊迫感を高めながら疾走していく叙情スピードナンバーの1で幕を開けるアルバムは、トランス風フレーズと情熱的なメロディが躍動するアップテンポのキャッチーな2、ソリッドなリフのイントロからフックの強いメロディがコケティッシュに唄われていくアップテンポのハードポップな3、爽やかなメロディがキャッチーに流れていくI'veみたいなポップナンバーの4、分島花音が作曲したのかと思ったらTom-H@ckだったわーなダークでメランコリックでダイナミックなミッドテンポの5、ロマンティックなイントロからの6は扇情的なメロディで進むエモーショナルなミッドテンポのナンバー、テレビアニメ「W'z《ウィズ》」のエンディング・テーマの7、カントリー風の優しいナンバーの8、ポップでアッパーでファンキーな9、ネオクラシカルでダークな劇的疾走ナンバーの10、ポップなメロディが爽やかに流れるキラキラナンバーの11が収録されています。
 DVDには1と5のミュージックビデオとメイキングが収録されています。

 歌唱力には定評のあるヴォーカリストの一人ですが、ここでは様々な歌唱や表情を見せていくバラエティに富んだ楽曲を揃えており、ヘヴィメタルに拘らない自由なサウンドを展開しています。歌唱自体が極端な振れ幅を見せており、楽曲にあわせたスタイルに仕上げているあたりには凄みを窺わせますが、彼女自身の熱心なファンじゃない人は面食らいそうです。楽曲重視の聴き手と歌声重視の聴き手で評価がかなり分かれそうな一枚でした。
同系統アルバム
CHANGE OF GENERATION/UNLUCKY MORPHEUS
カルナバル・ジ・アビス/電気式華憐音楽集団
GATE OF FANTASIA/CROSS VEIN

ABOVE THE SKY/MAJESTICA

アバヴ・ザ・スカイ/マジェスティカ

WARD RECORDS GQCS-90721 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 バンド創設者のトミー・ヨハンソンがサバトンに加入したことでも知られる、スウェーデン出身のレインエクシードが改名して再出発したバンドのファーストアルバムです。

 スリリングなイントロで幕を開けるアルバムは、ハイトーンヴォーカルが哀愁メロディを歌い上げていくドラマティックなキラキラスピードナンバーの1から、北欧メタル全開で突き進んでいくと、壮大なコーラスを引き連れてダイナミックに迫るアップテンポのキャッチーな叙情ナンバーの2、キラキラキーボードで突っ走り叙情メロディが炸裂するアップテンポのポップ感高まる3、フォーキーなメロディとエピックなムードが交錯する壮大なミッドテンポの4、ドラマティックなイントロからスリリングに突っ走る叙情疾走ナンバーの5、80年代ポップチューン風の哀愁メロディックナンバーの6、テクニカルなインストパートからのエモーショナルなアップテンポのスピードナンバーの7、ファンファーレ風のイントロからタイトなビートを刻んでいくミッドテンポの叙情メロディックナンバーの8、ネズミーランドの管理人がすっ飛んできそうなハッピーでアッパーでポップなスピードナンバーの9、叙情感高まるドラマティックなイントロからエモーショナルな歌唱で進む緩急の大きい壮大なナンバーの10、ボーナストラックには、7の2002年バージョンの11と、映画「スペースボール」の主題歌のカバーが収録されています。

 ハロウィンリスペクトが激しい1でアルバムの進行が危ぶまれましたが、終わってみれば、初期のソナタ・アークティカあたりを想起させる北欧的なサウンドが詰め込まれた楽曲を揃えており、新人バンドじゃないだけに安定感のある仕上がりになっています。きっとサバトンの方が忙しそうなので、このバンドの今後の活動も不透明ですが、聴き手の期待を裏切らないクオリティの一枚でした。
同系統アルバム
ABSOLUTE CLARITY/SUNRISE
SIXTH DIMENSION/POWER QUEST
DELIVERANCE/CRYONIC TEMPLE

CONFESSIONS/MARY'S BLOOD

コンフェッションズ「初回限定版」/メアリーズブラッド

TOKUMA JAPAN TKCA-74796 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産ガールズバンドの五枚目のアルバムです。

 リリックでミステリアスなSEからソリッドなギターリフを繰り出して激情を露にするコーラスへと雪崩れ込むダイナミックな1で始まるアルバムは、タイトなリフで突き進むシリアスなミッドテンポの2、アグレッシヴでストレートなスピードナンバーの3、ポップなメロディで進む躍動的な4、ミステリアスでダークなムードが高まるソリッドなミッドテンポの5、キャッチーなムードで進む開放感あふれるポップナンバーの6、叙情メロディに導かれる7はエッジの効いたリフで突き進むメロディアスなアップテンポのキャッチーでダイナミックなナンバー、パンキッシュなロックナンバーの8、勢いのあるアグレッシヴでスリリングなアップテンポの9、ダークで攻撃的な疾走ナンバーの10、オカルティックなイントロからタイトなリフを刻んでいくミステリアスなミッドテンポの11が収録されています。
 DVDには3のミュージックビデオとメイキングが収録されていますが、それほど貴重ではなかった(´・ω・`)

 バラエティあふれる楽曲を揃えて音楽的要素を拡大させていくアルバムは、ポップ寄りの楽曲が増えてメタル色が薄まった印象を強く与えており、メジャー感を増していきます。様々なスタイルの曲は特段統一感も無く並べられているため、全体としては散漫な印象が残り、ヘヴィメタルとしても味気ないサウンドが積み重ねられます。路線変更で中途半端な仕上がりになってしまって酷いことになった様々なバンドを想起させる、今後に不安の残る一枚でした。
同系統アルバム
PREVAIL II/KOBRA AND THE LOTUS
ORIGINS/DARK MOOR
SET THE WORLD ON FIRE/ANNIHILATOR

ASCENSION/PALADIN

アセンション/パラディン

BICKEE MUSIC BKMY-1085 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2015年に結成された米国出身のバンドのファーストアルバムです。

 泣きのギターに導かれるアルバムは、パワフルなリフとヴォーカルが一体となって突き進む豪快なスピードナンバーの1から、スピーディーに振り切ったサウンドを詰め込んでいくと、タイトなリフを叩きつけていく2はグロウルも絡んでアグレッシヴなムードを演出していく勇ましく哀感あふれる展開の大きいミッドテンポのナンバー、グロウルが主導するクランチーなリフで一気に突っ走るブルータルでメロディアスなスピードナンバーの3、荒々しいリフを叩き込んでいくダイナミックでスラッシーな4、テクニカルなイントロから加速していく5はメガデスアーチエネミーへのリスペクトも感じさせるスリリングでエモーショナルなアップテンポのナンバー、クランチーなリフで圧倒していくダイナミックでパワフルな突進ナンバーの6、叙情リフが押し寄せるタイトで緩急の強い哀愁スピードナンバーの7、アッパーなリフで突っ走るロック感高まるアップテンポの8、メランコリックなメロディとソリッドなリフが交錯していくアグレッシヴなアップテンポの9、哀愁帯びたメロディとスリリングなソロパートで進むタイトで緊迫感高まるアップテンポの10、湿ったメロディで進むチルドレン・オブ・ボドムアイアン・メイデンを混ぜたみたいなミッドテンポの11が収録されています。

 今時のバンドなだけにグロウルなども取り入れていますが、流れるサウンド自体は80年代メタルに多大な影響を受けたであろう唸りを上げるスピードメタルが徹頭徹尾展開されていきます。ギターヒーロー風のフラッシーなギターソロを随所に盛り込んで緊張感を維持していく曲展開に、パワフルなヴォーカルとグロウルによる衝動性を加えて熱いサウンドを構築していく様は、新世代バンドの若さと息吹を感じさせます。スピードとパワーをこれでもかと詰め込んだ、勢いと情熱があふれだす強力な一枚でした。
同系統アルバム
COAST OF GOLD/THAUROROD
ARMORTURA/ARMORTURA
HUMANICIDE/DEATH ANGEL

THE GOD MACHINE/STEEL PROPHET

ザ・ゴッド・マシーン/スティール・プロフェット

MARQUEE MICP-11493 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産ベテランメタルバンドの9枚目のアルバムです。ミスティック・プロフェシーのヴォーカルのR.D.リアパキスを迎えてを迎えて製作しています。

 パワフルなギターリフとダミ声ヴォーカルが歌い上げていくタイトでタフなミッドテンポの1から、ストレートなヘヴィメタルを追求していくアルバムは、ソリッドなリフと粘りのあるヴォーカルが一体となって進むミッドテンポの2、タイトなリフが唸りを上げるアグレッシヴで躍動感高まる鋭角なアップテンポの3、ブルージーなムードが高まるエモーショナルなミッドテンポの4、哀愁たっぷりのメロディで進むエモーショナルでダークなミッドテンポの5、情感をあらわにするヴォーカルで突き進むタイトなミッドテンポの6、センシティブなバラードナンバーの7、エモーショナルでソリッドなミッドテンポの8では緩急を効かせて緊張感を高めていきます。ダークなムードが高まるエピックなミッドテンポの9、ブルージーなロックナンバーの10、ボーナストラックにはデモバージョンが収録されています。

 ベテランらしい手堅いサウンドを聴かせるアルバムは、ハードロックとヘヴィメタルの境界が曖昧だった頃の空気感を醸しだすブルージーな要素が強まっており、ヴォーカリストの影響が割と出ている模様。昔聴いたときはもう少しメイデンだったような気がしたので、色々あったんだろうなあ、って感じですが、このヴォーカルが唄うと大体印象が一緒だよね…(´д` )ベテランだけにある程度の安定感は保っているものの、ヴォーカリスト交代でクオリティと引き換えに何かを失ってしまったみたいな一枚でした。
同系統アルバム
DEMONS/SAVAGE MESSIAH
IMMORTALS/FIREWIND
DAMNED IF YOU DO/METAL CHURCH

RETURN TO EDEN/TIMO TOLKKI'S AVALON

リターン・トゥ・エデン/ティモ・トルキズ・アヴァロン

KING RECORDS KICP-1986 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 元ストラトヴァリウスのギタリスト、ティモ・トルキのプロジェクト第三弾です。

 物悲しいメロディに導かれるアルバムは、ライオットのトッド・マイケル・ホールが唄い上げる華麗なギタープレイが舞うアップテンポの叙情メロディックメタルナンバーの2からドラマティックなサウンドを広げていき、トリスタニアの女性ヴォーカルも加わるフォーキーなメロディが躍動していくヴァイキングメタル風味の勇ましいミッドテンポの3、元ザ・ギャザリングの女性ヴォーカリストが繊細にメランコリックなメロディを唄い上げるエモーショナルなミッドテンポの4、三度トッド・マイケル・ホールが唄う湿ったメロディで突き進むアップテンポのスピードナンバーの5、神秘的なイントロから情感高まるメロディが重ねられていくバラード風ナンバーの6では元サヴァタージ〜現サークル・トウ・サークルのザッカリー・スティーヴンスが歌声を披露します。元エレジーのエドゥアルド・ホーヴィンガがハイトーンを披露するスリリングな高速スピードナンバーの7、アネク嬢が叙情的なメロディを繊細に唄うキャッチーでロマンティックなミッドテンポの8、トリスタニアの女性ヴォーカルが唄い上げるバラードナンバーの9、勇壮さを持った叙情メロディで進むエドゥアルド・ホーヴィンガが唄うミッドテンポの10、ザックが唄うミッドテンポのエモーショナルな11、トリスタニアの女性ヴォーカルが唄う哀愁メロディのシンフォニックなスピードナンバーの12、ボーナストラックには9のオーケストラバージョンが収録されています。

 ティモ・トルキもすっかり落ち着いたなあって印象が残る、安定したクオリティを保ったアルバムは、彼の才能がたっぷり味わえる作品になっており、ストラトヴァリウスを思い出させるシャープなプレイも満載で、丁寧に作られている様が伺えます。長大な展開は少なめでコンパクトにまとめられた楽曲も聴きやすくなっており好印象を与えますが、ストラト時代の尖った感覚は薄まって丸くなったなあ、って印象が強まります。ティモ・トルキの状態が安定してきたのは良かったですが、音楽的にはあんまり良くなかった一枚でした。
同系統アルバム
ORIGINE - THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PART 2/ANCIENT BARDS
RISE OF THE DRAGON EMPIRE/BLOODBOUND
MOONGLOW/TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA





July

BLOOD STAIN CHILD | GYZE | QANTICE | SABATON | TURILLI/LIONE RHAPSODY | XENTRIX |

AMATERAS/BLOOD STAIN CHILD

アマテラス/ブラッド・ステイン・チャイルド

BAKU-ON.ca/RADTONE MUSIC RADC-126 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 トランス+メタルの第一人者の国産バンドのベストアルバムを挟んでの六枚目のアルバムです。ヴォーカリストに四枚目のアルバムに参加していたSadew、更に新ドラマーを迎えて製作されています。

 爆発力の強いリフとビートが炸裂する怒涛のスピードナンバーの1から、グロウルとクリーンを使いこなすヴォーカルがエモーショナルに歌い上げていくダイナミックなサウンドを展開していくアルバムは、物悲しいイントロからの2はタイトなリフが激しく叩きつけられていくソリッドで激情的なミッドテンポのナンバー、メランコリックなメロディが複雑に絡み合う突進力が加速してキャッチーなコーラスへと雪崩れ込む展開の細かい3、センチメンタルなイントロからエモーショナルなメロディがソリッドなフレーズにのせて進むミッドテンポの4、叙情メロディで突っ走るスリリングなスピードナンバーの5、煌びやかなキーボードサウンドと情感タップリのメロディが紡がれていくキャッチーなアップテンポの6、スリリングで攻撃的なフレージングで突っ走る叙情スピードナンバーの7、ブルータルなリフとトリッキーなキーボードが交錯していくアグレッシヴで緩急の強い攻撃的なナンバーの8、リリックなイントロから叙情メロディが広がってクリーンヴォーカルが主導するメランコリックなミッドテンポの9、躍動感の強いメロディとスリリングなリフが疾走していくドラマティックなファストチューンの10、トランスサウンドとメタルサウンドが渾然一体となった彼ららしさが満載の起伏の大きい展開を見せる彼らの代表曲になりそうな11、ああ、これメタラーのカラオケで良く聴いたやつだー'`,、(´∀`) '`,、みたいなドラゴンボールの主題歌のカバーの12が収録されています。

 なんだかスッキリしたソイルワークみたいなサウンドになったぞ!(´∀` )というアルバムは、フューチャリスティックなキーボードサウンドで彩りつつもモダンなスタイルも加えたメロディックデスメタルに仕上げています。トランス成分の方が強かった過去の作品よりもメタル成分の方が強まっており、オリジナリティというところでは少し後退したものの、アルバムの完成度や安定感は上がっておりプロフェッショナルなサウンドを詰め込んだ楽曲を揃えています。メタルバンドとしてのアイデンティティを強固にした飛躍への一歩を踏み出した一枚です。
同系統アルバム
VERKLIGHETEN/SOILWORK
WHEN GODS DESCEND/GLADENFOLD
WINGS OF FIRE/BRYMIR

ASIAN CHAOS/GYZE

アジアン・ケイオス/ギゼ

VICTOR VICL-65212 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産メタルバンドの四枚目のアルバムです。ギタリスト兼マニュピレーターとしてSHINKAIが新たに加入しています。

 雅楽調のメロディが繊細に紡がれていく厳かなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、激しいリフとフレーズが乱舞するドラマティックでスリリングなスピードナンバーの2で、和風のテイストが満載のサウンドを展開していくと、哀愁メロディが導く3は泣きのメロディが炸裂する叙情スピードメタルナンバー、リリカルなインストナンバーから勇壮なメロディを繰り出していく和風エピックメタルなスピードナンバーの5へ。70年代フォーク風メロディが流れるタイトなミッドテンポの6、ミステリアスなイントロから哀愁メロディで突っ走るファストチューンの7、センチメンタルなメロディが重ねられていくキャッチーなアップテンポの8、哀愁漂うソリッドでアグレッシヴな演歌調高速ナンバーの9、叙情的なイントロからエモーショナルなメロディが紡がれていくソリッドなアップテンポの10、ボーナストラックには、X-JAPANのカバーの11、ヴィヴァルディの「四季」から冬のメタルアレンジの12、2の別ミックスになる13が収録されています。

 雅楽などで使用される楽器も導入した本格的な「和」テイストを前面に押し出したアルバムは、これまでのサウンドを踏襲しつつも新たな表情を見せており、バンドの新たな一歩を示すものとなっています。メロディックデスメタルとしてのスタイルはそのままに、海外での活動を行う中で開眼した、自分たちのアイデンティティを見つめなおしたスタイルが今後のバンドの方向性を決定づけるかどうかは次のアルバム次第という感じです。このアルバムがバンドのマイルストーンになるかどうか、今後のバンドの活動に注目したい一枚でした。
同系統アルバム
HEXED/CHILDREN OF BODOM
MACHINE MESSIAH/SEPULTURA
DOMINION/DRAGONLORD

THE ANASTORIA/QANTICE

ジ・アナストリア/カンタイス

BAKU-ON.ca/RADTONE MUSIC RADC-129 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フランス出身のバンドの三枚目のアルバムです。ヴォーカリストがスウェーデンの歌手に交代しています。

 優雅さを纏ったファンタジックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、スリリングなリフと華麗な展開で疾走するドラマティックなスピードナンバーの2で、ハイトーンヴォーカルを擁するメロディックメタルを展開していくと、叙情メロディがあふれ出すエモーショナルで緩急の強いクラシカルなスピードナンバーの3、シンフォニックなイントロから繰り広げられるエモーショナルな展開のミッドテンポの4、フォーク風のメロディに導かれる5はキャッチーなメロディが広がる躍動感の強いアップテンポの開放的なナンバー、ロマンティックなメロディが紡がれる叙情性高まるファンタジックなバラード風ナンバーの6、マーチ風の明るいメロディに導かれる7は開放感と飛翔感が高まっていくアップテンポのナンバー、タイトなリフとネオクラシカルなフレーズが交錯する緊張感の高まるエモーショナルなミッドテンポの8、シャッフルするビートに乗せてダークなメロディが歌い上げられていく躍動感の残るドラマティックなアップテンポの9、センチメンタルなメロディに導かれる10は鮮やかな展開と叙情性が高まっていく大作ナンバー、ミステリアスだったりファンキーだったりするムードがシアトリカルな展開でまとめられるアップテンポの11、ファンタジックで壮大なアウトロの12、ボーナストラックには3のシンフォニックなバージョンが収録されています。

 ファンタジックなサウンドが前面に押し出されたアルバムは、パワーメタリックな前半からプログレッシヴになる後半へと、バンドのポテンシャルを見せ付ける鮮やかな楽曲を揃えています。バラエティに富んだ楽曲は、様々な楽器や音楽要素などを詰め込んで、優雅なサウンドへと仕上げていきます。ヴォーカルは代わっても安定感と華のあるサウンドを作り出していく一枚でした。
同系統アルバム
ORIGINE - THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PART 2/ANCIENT BARDS
RISE OF THE DRAGON EMPIRE/BLOODBOUND
ABOVE THE SKY/MAJESTICA

THE GREAT WAR/SABATON

ザ・グレイト・ウォー/サバトン

WARD RECORDS GQCS-90728 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの9枚目のアルバムです。ギタリストにレインエクシード〜マジェスティカのトミー・ヨハンソンが加入しています。

 壮大さを保つイントロダクションに導かれるアルバムは、厚いコーラスとソリッドなリフで重厚に進むエモーショナルなミッドテンポの1から、エピックメタルを追求していくと、哀愁メロディで突っ走る躍動感高まるアップテンポのスピードナンバーの2、北欧ポップ感あふれるメロディで進むアップテンポのキャッチーな3、叙情性強いメロディが押し寄せる情念高まるミッドテンポの4、勇ましく躍動的なメロディで進撃するタイトなミッドテンポの5はゴージャスなコーラスワークが鮮やかに迫ります。クラシックの一節を引用したイントロからキャッチーでアッパーなメロディで突っ走る軽快なスピードナンバーの6、壮大なコーラスからの7は重厚さを前面に押し出したドラマティックでエピックなナンバー、北欧的なキャッチーなメロディで突っ走るアップテンポの8、哀愁メロディでアグレッシヴに突っ走るスピードナンバーの9、静かなイントロからの10は壮大なコーラスを絡めて突き進む重厚なシンフォニックナンバー、優しいコーラスのアウトロの11で幕を閉じます。

 新ギタリストが加わってもバンドの方向性に迷い無し!のサウンドが広がっていくアルバムは、コンパクトにまとめられた楽曲を揃えた彼ららしさが充満したものとなっています。クラシックを絡めたギタープレイなどトミー・ヨハンソンの影響も多少ありますが、基本的には新機軸とかはまったく無いサウンドなので、聴きこんでいる人には新鮮味の薄いものとはなっていますが、すでにバンドサウンドが完成していると思えば安定したクオリティを保っていると言えます。ライヴ映えしそうな楽曲が揃ったファンの期待を裏切らないイメージどおりのサウンドが展開する一枚でした。
同系統アルバム
KILL OR GET KILLED/IRON SAVIOR
FROM HELL WITH LOVE/BEAST IN BLACK
THE GREAT BROTHERWAR/EVERTALE

ZERO GRAVITY REBIRTH AND EVOLUTION/TURILLI/LIONE RHAPSODY

ゼロ・グラヴィティ〜リバース・アンド・エヴォリューション/
トゥリッリ/リオーネ・ラプソディー

KING RECORDS KICP-1991 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ラプソディーデビュー20周年フェアウェル・ツアーの共演がきっかけとなった、元の面子の四人にルカ・トゥリッリズ・ラプソディーのギタリストを加えたメンバーが集結したバンドのファーストアルバムです。

 ミステリアスなイントロダクションに導かれるアルバムは、厚いコーラスとテクニカルなプレイが交錯するオペラティックな劇的ナンバーの1から、華麗なシンフォニックメタルを展開していくと、女性ヴォーカルも加えて扇情的に迫るダイナミックで重厚なミッドテンポの2、神秘的なイントロからオペラティックに進んでスリリングな展開を見せるタイトなアップテンポの3、SEからの4はソリッドなリフを繰り出しつつエモーショナルなヴォーカルを導く壮大なミッドテンポのナンバー、ピアノのセンチメンタルな響きで始まる5はメランコリックなメロディとシャープなリフが交錯していく展開の細かいオペラティックなスピードナンバー、壮麗なコーラスが緊張感を高めていく壮大なナンバーの6から、テクニカルなフレーズを重ねていくプログレッシヴでクラシカルなミッドテンポの7へ、ピアノの響きに誘われる8はメランコリックで壮大なナンバー、ダークなイントロからソリッドなリフを叩きつけていく展開の大きいドラマティックでクィーンなアップテンポの大作ナンバーの9、クラシカルなイントロからテクニカルな展開を見せるプログレッシヴでドラマティックなミッドテンポの10、ボーナストラックには穏やかな雰囲気で進むエモーショナルで優雅なミッドテンポの11が収録されています。

 メンバーの顔ぶれを見る限りでは、どっちがラプソディーか分かんねえな!'`,、(´∀`) '`,、みたいな本家はこっちだと思う人も多そうな感じですが、音楽性では少しだけ元々のラプソディーとは異なる質感を与えるサウンドが展開されていきます。プログレッシヴメタルやクィーン的なシアトリカルな要素も盛り込んで、SF的な世界観をやっぱりファンタジックに描き出しており、ファンの期待に応えるものとなっています。バンドが分かれすぎて何がなんだかって感じですが、このスタイルのアルバムが多数発表されるのは喜ばしい一枚でした。
同系統アルバム
ORIGINE - THE BLACK CRYSTAL SWORD SAGA PART 2/ANCIENT BARDS
SCORES OF WAR/ORION'S REIGN
THE EIGHTH MOUNTAIN/RHAPSODY OF FIRE

BURY THE PAIN/XENTRIX

ベリー・ザ・ペイン/ゼントリックス

SPIRITUAL BEAST IUCP-16309 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 23年ぶり!に発表された英国出身のスラッシュメタルバンドの五枚目のアルバムです。

 哀愁帯びたメロディに導かれるアルバムは、クランチーなリフが叩きつけられていく緩急をつけた荒々しい突進ナンバーの1から、吐き捨てヴォーカルが吼える80年代から戻ってきたようなスラッシュメタルを展開していくと、ソリッドなリフがアグレッシヴに叩き込まれる切れ味鋭いスピードナンバーの2、唸りを上げるリフで突っ切る高圧で攻撃的なアップテンポの3、メランコリックなイントロからタイトなリフを連ねていく圧迫感の強いダークなミッドテンポの4、クランチーなリフで突っ走る疾走ナンバーの5、哀愁メロディのイントロからソリッドなリフで圧倒していくアグレッシヴなアップテンポの6、怒涛のリフで突っ込んでいく攻撃的なスラッシュナンバーの7、ミステリアスなリフで突っ走る緩急の強いタイトな突進ナンバーの8、リリカルなイントロからクランチーなリフを叩き込む威圧感高まるミッドテンポの9、唸りを上げるクランチーなリフで突撃する攻撃性のと起伏の強いファストナンバーの10、ボーナストラックにはトゥイステッド・シスターのカバーが収録されています。

 ファーストアルバムだけは何故か持ってたバンドですが、当時のメタリカフォロワーからテスタメントにクラスチェンジしたよ!'`,、(´∀`) '`,、そんなわけで、初期テスタメントの空気感をたっぷり味わえるピュアなスラッシュメタルが広がっていくアルバムですが、キャリア的に紆余曲折あった影響を感じさせない、鋭いリフとエモーショナルなギターソロが絡み合うダイナミックな迷いの無いサウンドが突き刺さります。さすがにテスタメント色が強すぎるので、次のアルバムでは独自性をアピールしてもらいたい一枚でした。
同系統アルバム
BROTHERHOOD OF THE SNAKE/TESTAMENT
NEW WAR ORDER/EXARSIS
SYSTEMATIC ANNIHILATION/STORMTHRASH





August

CHAOS MAGIC | DESTRUCTION | EQUILIBRIUM | FREEDOM CALL | HAMMERFALL | KILLSWITCH ENGAGE | LORD | NARNIA | SACRED REICH | TWILIGHT FORCE |

FURYBORN/CHAOS MAGIC

フューリー・ボーン/ケイオス・マジック

KING RECORD KICP-1989 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランドとチリからなる女性ヴォーカル擁する多国籍バンドの二枚目のアルバムです。

 ソリッドなリフを刻むヘヴィなミッドテンポの1から、情感豊かな歌唱を聴かせるクリーンなヴォーカルが歌い上げていくアルバムは、ダークなムードが高まるミッドテンポの2ではエヴァーグレイのヴォーカリストが参加してエモーショナルな歌声を披露します。ミステリアスなイントロからパワフルな歌唱を見せ付けるダイナミックでタイトなミッドテンポの3、メランコリックな歌唱で迫るバラード風のリリックな4、アマランスあたりを彷彿とさせるエレクトロでエモーショナルなミッドテンポの5、シレニアのヴォーカリストが参加した6はロマンティックで情感高まるミッドテンポのナンバー、ダークでエモーショナルなヘヴィナンバーの7、アコースティックなバラードナンバーの8、ダークでソリッドなリフで進むパワフルなミッドテンポの9ではロニー・ロメロが参加、ゴシックなムードのミステリアスなミッドテンポの10、メランコリックでドラマティックなミッドテンポの11、ボーナストラックには4の別バージョンが収録されています。

 前作よりもメタリックな仕上がりを見せていくアルバムは、ゴシックなムードを纏うヴォーカルのパフォーマンスもあって、劇的さが強化されています。ヴォーカルのパフォーマンスは満足できるものの、楽曲自体はそこまで魅力を発揮している感がないので、ちょっと宝の持ち腐れ気味。良くなりそうな要素は色々あるものの、現段階では物足りない感触が強い一枚でした。
同系統アルバム
HELIX/AMARANTHE
OF JUPITER AND MOONS/TEMPERANCE
EVOLUTION/KOBRA AND THE LOTUS

BORN TO PERISH/DESTRUCTION

ボーン・トゥ・ペリッシュ/デストラクション

WARD RECORDS GQCS-90736 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 久しぶりに四人編成に戻ったジャーマンスラッシャーの重鎮の14枚目のアルバムです。新たに元ゴノレアスのギタリスト、ダミール・アスキック、ドラマーにはアナイアレイタープライマル・フィアで活躍したランディ・ブラックが加入しています。

 タイトなイントロからアグレッシヴにギターリフを連ねていく突き刺さるような攻撃的なファストチューンの1から、殺傷力の高いリフが刻まれる勢いの強い突進ナンバーの2、唸りを上げる激しいリフが襲い掛かる威嚇的なスラッシュナンバーの3、タイトなリフを叩きつける威圧感たっぷりの硬質なミッドテンポの4、跳ねるリズムが躍動感を生み出すモーターヘッド的なアップテンポの5、メランコリックなイントロからの6はダークなムードが感情をあらわにしていくヘヴィナンバー、怒涛のリフとギターソロで圧倒していく高速突進ナンバーの7、ソリッドなリフを連ねていくアグレッシヴでタイトなミッドテンポの8、嵐のようなリフで突っ切る攻撃的でスリリングな突撃ナンバーの9、威嚇的なリフで圧力を高めていくタイトな10、ボーナストラックには意外にも思える選曲のライオットのカバーが収録されています。

 四人編成に戻ったら、初期のメガデス感がちょっぴり戻った!みたいな作りこまれたサウンドが充満するアルバムは、スラッシュメタル然とした勢いを失うことなく自分達の自然体を保つことに成功しています。ギターソロの充実度が印象に残るように、ブルータルな側面は少し減退したものの、このベテランバンドの新たな一歩を踏み出そうとする気概を感じさせます。メンバーの頭数が増えるとちょっとインテリジェンスが発揮される、彼らの本質がまた表れた一枚でした。
同系統アルバム
HUMANICIDE/DEATH ANGEL
THE WINGS OF WAR/OVERKILL
RED N' ROLL/CHRONOSPHERE

RENEGADES/EQUILIBRIUM

レネゲイズ/エクリブリウム

WARD RECORDS GQCS-90739/40 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ産バンドの六枚目のアルバムです。ベーシストが交代しています。

 オリエンタルなムードのイントロで幕を開けるアルバムは、ダイナミックなリフとグロウルが圧力を高めつつメランコリックに進んでいくパワフルなミッドテンポの1から、ソリッドなリフと繊細なメロディが絡み合いクリーンヴォーカルのコーラスが開放していく展開の大きいミッドテンポの2、アッパーでキャッチーなメロディがグロウルで突っ走る明朗で高揚感あふれるアップテンポのスピードナンバーの3、タイトなリフで進む4はクリーンヴォーカルにラップも取り入れた異色のミッドテンポのナンバー、壮大なムードを高めていくイントロからメロデス展開を経てキャッチーなコーラスへと雪崩れ込むアップテンポの5、アグレッシヴに突進するパートから中華風にダイナミックに展開していくアップテンポの6、ザ・フーターズのカバーの7、重厚なイントロからブルータルに突進していく攻撃的でダイナミックな8、キャッチーなリフで突き進むエモーショナルなアップテンポの9、リリカルなイントロから壮大なメロディが展開されていく劇的ナンバーの10が収録されています。
 ボーナスディスクの8ビット版は、…うん、なるほど(;´Д`)

 前作でも随分変わったなあ、って印象でしたが、今作はこのバンドってどんなバンドだったっけ…?みたいな衝撃的な変化を見せており、以前の要素をかなりの部分でバッサリ削ぎ落としたサウンドを展開していきます。ペイガンメタルだった頃の面影は殆どなくなってモダンでメロディックな感覚が強まった、いわゆるアメリカナイズ寄りの楽曲を揃えており、まあ洗練されたサウンドを作り出しています。全体的な印象としては、上手いラーメン屋に通っていたつもりだったのに、そこそこのカレーライスを出されて、あれっ?て感じ(´∀` )メロディのクオリティは十二分に堪能できる、これまでの経緯を気にしなければそれなりに楽しめる一枚でした。
同系統アルバム
HELIX/AMARANTHE
OF JUPITER AND MOONS/TEMPERANCE
AMATERAS/BLOOD STAIN CHILD

M.E.T.A.L./FREEDOM CALL

M.E.T.A.L./フリーダム・コール

MARQUEE MICP-11510 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 デビュー20周年を迎えたドイツ産バンドの10枚目のアルバムです。

 キャッチーで明朗なメロディが開放されていくアップテンポの1から、ハイトーンヴォーカルを引っさげた徹頭徹尾メロディックメタルを追求していくアルバムは、哀愁メロディで突っ走るアグレッシヴでコーラスワークも爽快な疾走ナンバーの2、重量感と高揚感が混ざり合うアリーナロック風のムードを持ったド直球のメタルアンセムなミッドテンポの3、ポップ感高まるキャッチーでハッピーなミッドテンポの4、ヘヴィリフと重厚なコーラスに導かれるエモーショナルでエピックなミッドテンポの5、アッパーでハッピーでキャッチーな疾走ナンバーの6、メロウな80年代風ポップナンバーの7、メランコリックなメロディで突き進む勢いのあるスリリングなスピードナンバーの8、叙情メロディで進むソリッドでエピックでキャッチーなミッドテンポの9、和風テイストがあんまり無い和風テーマのダイナミックで勇ましいミッドテンポの10、哀愁メロディがエモーショナルに迫るエピックなミッドテンポの11、ボーナストラックには過去曲のアコースティックバージョンが二曲収録されています。

 前作のクソジャケから、80年代メタルコンピレーションみたいなジャケットになったアルバムは、えーといつも通りです'`,、(´∀`) '`,、高揚感高まるハッピーなメロディが満載で、いつ聴いてもテンションの上がる楽曲を揃えており、アルバムタイトルで銘打っているほどメタル色が強まるわけでもなく、みんなの大好きなヘヴィメタルが展開していきます。あ、「フリーダム・コール」って割と連呼していました(´∀` )20年経っても全然変わらねえな!って言う安心感と信念に満ち溢れた一枚です。
同系統アルバム
DELIVERANCE/CRYONIC TEMPLE
THE GREAT WAR/SABATON
THEY NEVER SAY DIE/SKELETOON

DOMINION/HAMMERFALL

ドミニオン/ハンマーフォール

WARD RECORDS GQCS-90732 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの11枚目のアルバムです。

 叙情性を帯びたギターリフとメロディが一体となって突き進む哀愁あふれるメロディックなミッドテンポの1から、ハイトーンヴォーカルによって描き出されるオーセンティックなヘヴィメタルを追求していくアルバムは、ヘヴィリフで圧力とエピックなムードを高めていくミッドテンポの2、勇ましいコーラスに導かれる3はタイトなリフを繰り出していくアップテンポのパワフルなナンバー、ソリッドなリフで押し込んでいく勇壮なコーラスが印象的なミッドテンポの4、スウェーデンのHR/HMを俯瞰していくキャッチーなアップテンポの5、メランコリックなバラードナンバーの6、ソリッドなリフがドライヴしていく叙情性高まるアップテンポのスピードナンバーの7、ダークなリフで進むグルーヴィでパワフルなミッドテンポの8、インストの9を経て、タイトなリフと哀愁メロディが共に進むエピックナンバーの10、ドライヴするアッパーなスピードナンバーの11、叙情性強まるメロディが迫るエモーショナルで壮大なミッドテンポの12、ボーナストラックにはタイトなリフが叙情メロディを呼び起こすミッドテンポのナンバーが収録されています。

 いつも通りの安定したクオリティの楽曲を作り出していくアルバムは、メロディラインに少しチャレンジが見られるものの、適度にキャッチーで適度にヘヴィと言う自分達のスタイルを堅持していくもので、ヘヴィメタル然としたサウンドが構築されていきます。スウェーデンのメタルシーンに於いてすっかり重要な位置を占めることになったバンドのとしての覚悟が伝わる完成度の高い一枚です。
同系統アルバム
KILL OR GET KILLED/IRON SAVIOR
APOCALYPSE/PRIMAL FEAR
FIREPOWER/JUDAS PRIEST

ATONEMENT/KILLSWITCH ENGAGE

アトーンメント/キルスウィッチ・エンゲイジ

SONY MUSIC SICP-6188 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産MAメタルバンドの八枚目のアルバムです。

 ミステリアスなイントロからソリッドなリフとクリーンヴォーカルとグロウルが交差していくエモーショナルでタイトなミッドテンポの1、怒涛の突進力を見せるイントロからタイトなリフを刻んでいく威嚇的で攻撃的なミッドテンポの2、衝動性が慟哭の叫びを呼び起こすエモーショナルでタイトなミッドテンポの3、テスタメントのチャック・ビリーが参加した、ハードにリフを叩きつけて攻撃的に迫るソリッドなミッドテンポの4、叙情メロディを連ねるエモーショナルなミッドテンポの5、感情高まるヴォーカルが吼えるダイナミックなミッドテンポの6、衝動性を露にダークなサウンドが展開するダイナミックなミッドテンポの7、クリーンヴォーカルが哀愁帯びたメロディを歌い上げていくソリッドなミッドテンポの8、ソリッドなリフで押し込んでいく激情の突進ヘヴィナンバーの9、センチメンタルなイントロからエモーショナルな歌唱が躍動するアップテンポの10、クランチーなリフと咆哮を叩き込んでいくアグレッシヴな突撃ナンバーの11が収録されています。

 メタルコアのスタイルを決定付けたバンドの繰り出したアルバムは、メタルコアを体現するメインストリームを突き進むサウンドを詰め込んでおり、さらに停滞を感じさせない充実した楽曲を揃えています。コンパクトにまとめられた楽曲は、キャッチーさを保ちつつもハードコアだったりメタリックだったりする要素を加えて、タフなサウンドに仕上げられており、エクストリームな要素を緩めることの無いモダンなスタイルを提示していきます。このスタイルの求道者としての自信と説得力にあふれた一枚です。
同系統アルバム
I,THE MASK/IN FLAMES
VERKLIGHETEN/SOILWORK
THE SIN AND THE SENTENCE/TRIVIUM

FALLEN IDOLS/LORD

フォーレン・アイドルズ/ロード

RUBICON MUSIC RBNCD-1281 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 元ダンジョンのロード・ティム率いるオーストラリア出身のバンドの五枚目のアルバムです。アルバム完成後にドラマーが脱退した模様。

 グロウルの咆哮で幕を開けるアルバムは、クランチーなリフを叩きつけていく1でエッジを効かせたスラッシーなパートからメロディックに展開するダイナミックなヘヴィメタルがパワフルなハイトーンヴォーカルで歌い上げられていくと、タイトなリフで押し込んでいくエモーショナルでミステリアスなミッドテンポの2、叙情リフで突き進む情感豊かでタイトなミッドテンポの3、メロディアスなリフが躍動するタフなアップテンポの4、シュレッディングなリフが刻まれていく緊張感高まる高密度のアップテンポの5、ダークなリフとグロウルが迫るコーラスとの起伏の大きいヘヴィナンバーの6、センチメンタルなバラード風ナンバーの7、グロウルのダークなパートとエモーショナルなコーラスとのコントラストが強いミッドテンポの8、エピックな感触も伝わるダイナミックなアップテンポの9、タイトなリフとシリアスなメロディが交錯するアップテンポの10、ボーナストラックには、アイアン・メイデンの少し珍しいカバーの11、同郷のジョン・ファーナムのカバーの12、4のインストゥルメンタルバージョンの13が収録されています。

 最近のバンドのトレンドに漏れず、グロウルなどを盛り込んできたアルバムですが、やっぱり安心のメロディックメタルに落ち着く辺りはいつものロード・ティム。様々なところに手を伸ばしてみようとするサウンドは先鋭的な要素も孕みつつオーセンティックなスタイルへと収束して、ダイナミズムあふれる楽曲へと昇華していきます。流行のサウンドを取り込んでも、やっぱりブレないロード・ティムのメタル魂を感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
KILL OR GET KILLED/IRON SAVIOR
ASCENSION/PALADIN
MACHINE NATION/MANIGANCE

FROM DARKNESS TO LIGHT/NARNIA

フロム・ダークネス・トゥ・ライト/ナーニア

KING RECORDS KICP-1984/5 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの8枚目のアルバムです。ベーシストが交代しています。

 叙情メロディが炸裂するエモーショナルなミッドテンポの1から、マイルドなハイトーンヴォーカルによる北欧メタルサウンドが充満していくアルバムは、ダークなリフに乗ってメランコリックなメロディが紡がれていくロック色の強いミッドテンポの2、タイトなリフと粘りのあるメロディが交錯するプログレ感のあるスローナンバーの3、フォーク調のメロディに乗せて躍動的に進むアップテンポの4、タイトなリフに乗って情感を高めていくダイナミックなミッドテンポの5、センチメンタルなメロディの壮大なバラードナンバーの6、緊張感の強いリフワークにパワフルなメロディを絡めたタイトなミッドテンポの7、ミステリアスなムードのリフに優しいメロディが絡み合うエモーショナルなミッドテンポの8、ドラマティックなイントロに導かれる9は穏やかなメロディが繊細に紡がれて壮大に展開していくスケール感の大きいナンバー、続いての10はエモーショナルなメロディがゆったりと紡がれるインストナンバーが収録されています。
 ボーナスディスクにはブラジルでのライヴの模様が収録されています。

 前作からヴォーカリストが戻ってバンドイメージに沿ったサウンドが復活しており、その路線を継承していくものとなったアルバムは、北欧的なメロディを中心にした穏やかなものとなっており、安定した仕上がりを見せています。でもライヴを聴いたら過去の楽曲の方がいいな、って印象の強まる一枚でした。
同系統アルバム
RETURN TO EDEN/TIMO TOLKKI'S AVALON
ICONS OF THE NEW DAYS/LORDS OF BLACK
LEGENDS OF THE SHIRES/THRESHOLD

AWAKENING/SACRED REICH

アウェイクニング/セイクレッド・ライク

WARD RECORDS GQCS-90750 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産スラッシュメタルバンドの23年ぶり!になる五枚目のアルバムです。

 タイトなリフが叩きつけられていくダークでソリッドなミッドテンポの1から、タフなヴォーカルが叫ぶ、当時の空気感が蘇るサウンドが展開されていくアルバムは、クランチーなリフで突進する緩急を効かせたアグレッシヴなファストチューンの2、クランチーなリフがジリジリ迫るダイナミックでエモーショナルなミッドテンポの3、タイトなリフを押し込んでいくイントロからスラッシーに突っ走る突撃ナンバーの4、ソリッドなリフを刻んでいくドライヴ感のあるダークなミッドテンポの5、グルーヴィなリフで進むヘヴィロック的なミッドテンポの6、ドライヴするリフで突っ走るスピードナンバーの7、ジューダス・プリーストを彷彿とさせるタイトでグルーヴィンなミッドテンポの8、ボーナストラックには3のデモバージョンが収録されています。

 前二作を聴いたはずだけど、“インディペンデンス”一曲しか記憶に無いと言う…(;´Д`)まあ、そんな感じで骨太のヘヴィメタルを作り出していくアルバムは、グルーヴ感が強まっていた過去作の影響も残りながらもスラッシャーとしての矜持を取り戻した一枚になっており、現代的に仕上げています。今時にしてはちょっと曲数が少ないかなって感じも残りますが、往年のスラッシュメタル的なムードも保った復活作にふさわしい一枚でした。
同系統アルバム
HUMANICIDE/DEATH ANGEL
BORN TO PERISH/DESTRUCTION
THE WINGS OF WAR/OVERKILL

DAWN OF THE DRAGONSTAR/TWILIGHT FORCE

ドーン・オブ・ザ・ドラゴンスター/トワイライト・フォース

WARD RECORDS GQCS-90738 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの三枚目のアルバムです。ヴォーカリストに元ルカ・トゥリッリズ・ラプソディーのアレッサンドロ・コンティを迎えて製作されています。

 ハイトーンヴォーカルが力強く歌い上げていくドラマティックでシンフォニックなスピードナンバーの1で幕を開けるアルバムは、壮大なイントロダクションに導かれる2は明朗なメロディが羽ばたいていくダイナミックなアップテンポのナンバー、幸福感高まるメロディが広がっていくキャッチーでファンタジックなミッドテンポの3、スケール感の大きい荘厳なイントロからエモーショナルなメロディが連ねられるオペラティックな劇的ナンバーの4、ファンタジックなイントロから壮大にメロディが広がっていくキャッチーなアップテンポの5、スリリングなリフで突っ走るシリアスなスピードナンバーの6、シャープなリフと叙情的なメロディが交錯するスピードナンバーの7、劇的イントロからシリアスなメロディが紡がれていくスリリングで壮大なアップテンポの8、シンフォニックなイントロから勇壮なメロディで突っ走るアップテンポの9、中華風メロディがダイナミックな展開にのって起伏大きく進んでいくドラマティックな大作ナンバーの10、ボーナストラックには過去曲の別バージョンの11、4のオーケストラバージョンの12、デモバージョンが二曲収録されています。

 ヴォーカルが変わったと同時にプロダクションも向上したアルバムは、全体的なクオリティの底上げに成功しており、ファンタジックな世界観の説得力を強化していきます。新ヴォーカリストもこのスタイルを熟知しているだけに違和感無くフィットしており、安定感の強い仕上がりに貢献しています。やっぱりこのスタイルの頭打ち感は払拭されないものの、聴き手の求めるクオリティを順調に上げてきたサウンドを堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
THE EIGHTH MOUNTAIN/RHAPSODY OF FIRE
RISE OF THE DRAGON EMPIRE/BLOODBOUND
THE GREAT BROTHERWAR/EVERTALE





September

THE AGONIST | DRAGONFORCE | HATRIOT | KOBRA AND THE LOTUS | MERGING FLARE | SASCHA PAETH'S MASTERS OF CEREMONY | SUICIDAL ANGELS |

ORPHANS/THE AGONIST

オーファンズ/ジ・アゴニスト

ARD RECORDS GQCS-90751 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 カナダ産エクストリームバンドの六枚目のアルバムです。

 ミステリアスなイントロに導かれるアルバムは、怒涛の激しさを見せていくダイナミックでブルータルなパートとエモーショナルなパートが交錯するアグレッシヴでテクニカルな1から、グロウルからクリーンまで使い分ける女性ヴォーカルが激情を露にしていくサウンドが展開されていくと、凶悪な咆哮から野獣のような叫びが繰り出されていく攻撃性と情念が混沌としていく緩急の強い突進ナンバーの2、ドライヴするリフで突っ込んでいく攻撃性と衝動性のコントラストの大きい突撃ナンバーの3、タイトなビートに乗って情念高まるヴォーカルが叫ぶ荘厳さやミステリアスなムードも加えたミッドテンポの4、不穏な空気が流れるイントロからの5はパワフルな歌声とリフが一体となったエモーショナルなミッドテンポのナンバー、ヘヴィリフとヒステリックなヴォーカルが錯綜するソリッドなミッドテンポの6、スリリングなリフで切れ込んでいく攻撃的で緩急の強いタイトなミッドテンポの7、クランチーなリフを叩き込んでいく怒涛の突進ナンバーの8、リリックな導入からパワフルかつエモーショナルに進むテクニカルなミッドテンポの9、テンションの高いヴォーカルとソリッドなリフを叩き込んでいくアグレッシヴでテクニカルなミッドテンポの10が収録されています。

 情念高まる女性ヴォーカルを筆頭に、テクニカルでタイトなサウンドを作り出していくアルバムは、これまでの方向性を維持しつつもパワーアップしたものに仕上げていきます。変幻自在のヴォーカルと予想のつかない曲展開がエクストリームなサウンドに彩られて、独自の世界観を演出しており、さらに先鋭さを増していきます。ヴォーカルが変わっても停滞することなく進歩を加速していくバンドの強い姿勢が反映された一枚でした。
同系統アルバム
A PRELUDE TO SORROW/WITHERFALL
ALGORYTHM/BEYOND CREATION
THE BOOK OF SUFFERING/CRYPTOPSY

EXTREME POWER METAL/DRAGONFORCE

エクストリーム・パワー・メタル/ドラゴンフォース

WARD RECORDS GQCS-90760 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国産スピードメタルバンドの8枚目のアルバムです。キーボーディストが脱退しており、ゲストにエピカのコーエン・ヤンセンがキーボードとして参加しています。また、ベーシストのフレデリク・ルクレールがアルバム完成後に脱退しています。

 スケール感の大きいイントロダクションで幕を開けるアルバムは、キャッチーなメロディで突っ走る高速スピードナンバーの1から、ハイトーンヴォーカルが伸びやかに歌い上げていくメロディックメタルを展開していくと、叙情メロディがスリリングに展開していく緩急を効かせたアグレッシヴなスピードナンバーの2、オリエンタルなフレーバーを取り込んだエモーショナルなミッドテンポのヘヴィナンバーの3、北欧メタル的なキャッチーなメロディが躍動しダイナミックな展開を見せるアップテンポの4、ブルータルなイントロからパンキッシュなムードで突っ走るアッパーなスピードナンバーの5、哀愁メロディで突き進む扇情的なスピードナンバーの6、80年代メタル風のポップ感とキャッチーさが合わさったミッドテンポの哀愁ナンバーの7、スリリングな展開で進む疾走ナンバーの8、アイリッシュなムードのイントロから高揚感高まるメロディで進むミッドテンポの9、ボーナストラックには原曲が思い出せなくなるセリーヌ・ディオンのカバーの10と叙情メロディで突き進むプログレッシヴ感もあるスピードナンバーの11が収録されています。

 バンド内で色々ありそうですが、サウンドの方はドラゴンフォースらしさが充満するスピードメタルが展開されており、その点は安心感の高まるものとなっています。ゲストのコーエン・ヤンセンの影響も少なからず感じさせる北欧メタル感がインストパートなどに現れており、少し印象の異なる感覚を与えています。志向はともかく才能はあったベーシストやキーボーディストの脱退が今後の作曲能力に影響が無いと良さそうですが、とりあえずは期待を裏切ることの無い希望にあふれるサウンドが満載の一枚でした。
同系統アルバム
THEY NEVER SAY DIE/SKELETOON
COAST OF GOLD/THAUROROD
ASCENSION/PALADIN

FROM DAYS UNTO DARKNESS/HATRIOT

フロム・デイズ・アントゥ・ダークネス/ヘイトリオット

SPIRITUAL BEAST IUCP-16313 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 エクソダスのスティーヴ "ゼトロ" スーザが息子と共に結成した米国産バンドの三枚目のアルバムです。ゼトロはエクソダスに出戻って脱退しています。

 不穏なムードのイントロに導かれるアルバムは、クランチーなリフが荒れ狂う突撃ナンバーの1から、父親を彷彿とさせる吐き捨てヴォーカルが炸裂するアグレッシヴなスラッシュメタルを作り出しており、唸りを上げるリフの応酬で圧倒していくダークでソリッドなミッドテンポの2、不気味なイントロからダークなリフで切れ込んでいく躍動しつつ加速していくアップテンポの3、クランチーなリフで突っ走る緩急を効かせた攻撃的なスラッシュナンバーの4、唸るリフがドライヴしていく突撃ナンバーの5、不穏なリフがジリジリ迫るイントロからの6は畳み掛けるクランチーなリフで突っ込んでいくアグレッシヴなスピードナンバー、グルーヴィなリフでダイナミックに迫るミッドテンポのパートから急加速する起伏の大きい7、アグレッシヴなリフが躍動するドライヴ感の強いアップテンポの8、タイトなリフで突き進むブルータルな突撃ナンバーの9、ボーナストラックには3と6のデモバージョンが収録されています。

 息子も結構やるじゃん'`,、(´∀`) '`,、みたいな第一印象のアルバムは、若いメンバーばかりになった事もあってか、吐き捨てヴォーカルだけでなくグロウルも使ったりと最新のサウンドも取り入れつつ荒々しくスラッシュメタルを追求していきます。曲作り自体はこれまでの路線を継承しつつも若気の至りか、ちょっと全体的に尺が長めに仕上げられており、もう少しシェイプアップした方がいいかなって感じです。今後はオールドスタイル一辺倒からは脱却しそうですが、新しい感性でスラッシュメタルを作り出す意欲を感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
HUMANICIDE/DEATH ANGEL
BORN TO PERISH/DESTRUCTION
REVELATIONS OF OBLIVION/POSSESSED

EVOLUTION/KOBRA AND THE LOTUS

エヴォリューション/コブラ・アンド・ザ・ロータス

WARD RECORDS GQCS-90756 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 カナダ出身の女性ヴォーカル率いるバンドの六枚目のアルバムです。ギタリストが交代しています。

 ブルージーなイントロからソリッドなリフを叩きつけていくハードでエモーショナルなミッドテンポの2で、パワフルな女性ヴォーカルが歌い上げていくメロディアスでタイトなサウンドを展開していくアルバムは、グルーヴィなリフと感情高まるヴォーカルが一体となって迫るミッドテンポのダークな3、躍動感と叙情感高まるリフで進むタイトなミッドテンポの4、不穏なリフとリリカルなメロディが交錯するダイナミックでエモーショナルなミッドテンポの5、躍動するリフとメロディで進むキャッチーなロックナンバーの6、グルーヴィなリフと浮遊するヴォーカルが拮抗するヘヴィロックナンバーの7、メランコリックなメロディで迫るバラードナンバーの8、緊張感高まるソリッドなリフからフックの強いコーラスへと突き進むミッドテンポの9、キャッチーなリフと躍動するメロディが絡み合うアップテンポの10、物悲しいイントロからの11はソリッドなリフを叩きつけるエッジの効いたダイナミズム高まるアップテンポのナンバー、ボーナストラックには再び日本語詞のヘヴィでメランコリックなナンバーが収録されていますが、ますます日本語が上手くなっていくな…(;´Д`)

 アルバムを重ねるごとにスケールアップしていくサウンドは今作でも更なる進化を遂げて、パワフルでエモーショナルな楽曲を揃えていきます。安定したパフォーマンスと洗練されたサウンドが融合したヘヴィサウンドが堪能できる一枚です。
同系統アルバム
HEXENHAMMER/BURNING WITCHES
FOR THE LOVE OF METAL/DEE SNIDER
APEX/UNLEASH THE ARCHERS

REVOLT REGIME/MERGING FLARE

リヴォルト・レジーム/マージング・フレア

WARD RECORDS GQCS-90761 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ビースト・イン・ブラックにも参加するカスペリ・ヘイッキネン率いるフィンランド出身のバンドの8年ぶりの二枚目のアルバムです。ギタリストが一人脱退しています。

 フラッシーなギタープレイが炸裂するキャッチーなファストチューンの1で幕を開けるアルバムは、ハスキーなパワフルヴォーカルによって躍動していくメロディックメタルが展開されていくと、アクセプトあたりを継承するパワフルなストロングスタイルのミッドテンポの2、80年代風味のキラキラ感が炸裂するギャロップするアップテンポのスピードナンバーの3、北欧ポップ感が充満するメランコリックでキャッチーなミッドテンポの4、エモーショナルなメロディが加速していくスピードナンバーの5、キレのあるギターリフが迫るプログメタル風味のアップテンポの6、コーラスワークが印象に残る叙情的なメロディで進むエモーショナルでキャッチーなミッドテンポの7、タイトなリフで押し込んでいくドライヴ感の強いダイナミックなアップテンポの8、叙情メロディとタイトなリフで突き進むアップテンポのスピードナンバーの9、ローラ・ブラニガンのカバーの10、ボーナストラックには、セント・エルモス・ファイアーカバーの11、ヘヴンズ・ゲイトのカバーの12が収録されています。

 北欧出身なのにジャーマンメタルっぽいアプローチを見せていくサウンドは今作でも健在ですが、他所のバンドからの影響は大分払拭されつつあり、オリジナリティを感じさせるところも増えています。自分達のルーツの一つでもある北欧サウンドも大胆に取り入れるところもあり、様々なジャンルの良いところを集めたような楽曲を揃えています。色んなことをやろうとするには、ちょっとヴォーカルの表現力に難ありかな、って感じるところもありますが、ポジティブな明るいサウンドが充満する一枚でした。
同系統アルバム
ZENITH/ENFORCER
CULT OF SEDNA/GLORYFUL
DOMINION/HAMMERFALL

SIGNS OF WINGS/SASCHA PAETH'S MASTERS OF CEREMONY

サインズ・オブ・ウィングス/サシャ・ピートズ・マスターズ・オブ・セレモニー

KING RECORD KICP-1999 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 元ヘヴンズ・ゲイトのギタリストで現在はプロデューサーとして活躍するサシャ・ピートのプロジェクトのファーストアルバムです。ヴォーカリストにはテキサス出身のSEVEN SPIRESのエイドリアン・カワンを迎えています。

 キレのあるギターリフで切れ込んでいくパワーメタリックなスピードナンバーの1から、クリーンとグロウルを使い分けていくハイテンションな女性ヴォーカルが躍動していくアルバムは、メランコリックで情念高まるダークなヘヴィナンバーの2、ブルージーなムードとエモーショナルな歌唱が交錯していくミッドテンポのルーズなロックナンバーの3、タイトなリフとエモーショナルなヴォーカルが加速していく扇情性高まるアップテンポの4、ソリッドなリフで押し込んでいくエモーショナルな5、ダークなリフと感情を高めていくヴォーカルが融合していくダイナミックなミッドテンポの6、リリカルでメランコリックなバラードナンバーの7、ラウドなリフで進むタイトなヘヴィロックナンバーの8、キャッチーなメロディが躍動するソリッドでダイナミックなミッドテンポの9、ゲイリー・ムーア風の80年代ロックチューンの10、フレンチポップ風の導入部からドラマティックに展開していくソリッドでアグレッシヴなアップテンポの11、ボーナストラックには、2のオーケストラバージョンが収録されています。

 気に入った女性ヴォーカルを見つけて自由に曲作りを進めてみたアルバムは、ヴォーカルのパフォーマンスを最大限に引き出そうとする意欲に満ちたバラエティに富んだものになっています。サシャが手掛ける他のバンドに見られる派手なオーケストレーションとかネオクラシカルな展開も少なく、基本的にはモダンでヘヴィロック的なサウンドで構成されており、特にヘヴンズ・ゲイト感はほとんどありません。今更期待する人がいるかどうかは分からないけどね!(´∀` )再びバンド活動に戻ってきたのは喜ばしいものの、音楽的には微妙な仕上がりの一枚でした。
同系統アルバム
HELIX/AMARANTHE
OF JUPITER AND MOONS/TEMPERANCE
AMATERAS/BLOOD STAIN CHILD

YEARS OF AGGRESSION/SUICIDAL ANGELS

イヤーズ・オブ・アグレッション/スイサイダル・エンジェルズ

SPIRITUAL BEAST IUCP-16315 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ギリシャ産のバンドの七枚目のアルバムです。

 荒々しい唸りを上げるギターリフが吐き捨てヴォーカルと一体となって突進していく攻撃性の強いタイトなアップテンポの1から、アグレッシヴなスラッシュメタルを展開していくアルバムは、メロディ回しにかなり最近のクリエイター的なアプローチを見せるソリッドでダイナミックなスピードナンバーの2、さらにクリエイターの影響を感じさせるタイトでキレのあるミッドテンポの3、オリエンタルなイントロからの4はリフワークやソロパートのかなりのアイスド・アースっぷりに驚きを禁じえないヘヴィでソリッドでミステリアスなミッドテンポのナンバー、やっぱりクリエイターっぽく聴こえる怒涛の突撃ナンバーの5、スレイヤーっぽいリフ回しも見られるダークでアグレッシヴなミッドテンポの6、手の込んだイーヴルなリフで押し込んでいく威嚇的なタイトなミッドテンポの7、エッジの効いたクランチーなリフで圧倒していくブルータルな突進ナンバーの8、ミステリアスなイントロからの9はダークでグルーヴ感を強めていくヘヴィナンバーでリリックでオリエンタルなソロパートが印象に残ります。ボーナストラックにはライヴバージョンが二曲収録されています。

 クリエイターとスレイヤーとちょっぴりアイスド・アースと言う、そこそこキャリアのあるバンドなのに、このスタイルの柔軟さは割と思い切ったなあと感じさせるアルバムですが、楽曲のクオリティでそこら辺を押し切ってしまうあたりは経験値の高さを窺わせます。無骨にスラッシュメタルを突き詰めていく姿にはベテランらしからぬ勢いと強い意欲を感じさせ、聴き手を巻き込んでいく強力な求心力を発揮していきます。自分たちをアップデートしつつも根幹ではブレの無い安心の一枚でした。
同系統アルバム
GODS OF VIOLENCE/KREATOR
BORN TO PERISH/DESTRUCTION
REVELATIONS OF OBLIVION/POSSESSED





October

GALNERYUS | SHADOWSTRIKE | VANDEN PLAS |

INTO THE PURGATORY/GALNERYUS

イントゥ・ザ・パーガトリー/ガルネリウス

WARNER MUSIC WPCL-13137 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産メロディックメタルバンドの12枚目のアルバムです。

 重厚でスケール感の大きいインストナンバーの1で幕を開けるアルバムは、緊迫感高まるリフが駆け抜けていく起伏の大きいドラマティックなスピードナンバーの2、メロディックなリフが躍動していくキャッチーでフックの強いスピードナンバーの3、タイトなリフがギャロップしていく緩急の強いアップテンポの4、キャッチーで躍動的なリフで突き進む叙情感の強いアップテンポの5、アグレッシヴでソリッドなリフワークとオペラティックな歌唱が交錯する緊張感高まるハードなミッドテンポの6、スリリングなギターリフで疾走するタイトなスピードナンバーの7、ピアノの響きも美しいロマンティックなバラードナンバーの8、ドラマティックなイントロから哀愁メロディを引っさげて突っ走るダイナミックで開放感高まるスピードナンバーの9、メランコリックなアウトロの10で幕を閉じます。

 前二作でコンセプトアルバムが続いたバンドでしたが、今作では一旦コンセプトを止めて、ギタリストのソロアルバムでも見られたプログレッシヴなインストパートをたっぷり盛り込んだ楽曲を揃えています。コンセプトの縛りが無くなったことで、自由な発想でバラエティに富んだ楽曲を作り出しており、今までには無かったようなスタイルも取り入れたりと、クリエイティヴな側面を強めています。大上段に構えたコンセプトアルバムもバンドの魅力の一つでしたが、こちらはあまり構えずに多彩なサウンドを楽しめる一枚でした。
同系統アルバム
MONOMYTH/AGE OF ARTEMIS
LEGENDS FROM BEYOND THE GALACTIC TERRORVORTEX/GLORYHAMMER
VORVADOS/SYU

LEGENDS OF HUMAN SPIRIT/SHADOWSTRIKE

レジェンズ・オヴ・ヒューマン・スピリット/シャドウストライク

MARQUEE MICP-11518 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2010年に結成されたニューヨーク出身のバンドのデビューアルバムです。

 キラキラ感全開の叙情メロディで突っ走るスピードナンバーの1から、ハイトーンヴォーカルが伸びやかに歌い上げていくアルバムは、緊迫するナレーションの2から、哀愁メロディで突っ走る怒涛のスピードナンバーの3へ。ドラマティックなイントロから高速リフを連ねていく勇壮なスピードナンバーの4、哀愁メロディが押し寄せるスリリングなスピードナンバーの5、ファンタジックなイントロからドラマティックなコーラスに導かれていく6はスケール感の大きいエピックでキャッチーなナンバー、開放感高まるメロディで疾走する高速スピードナンバーの7、ミステリアスなイントロから緊張感高まる展開を見せるアグレッシヴで壮大なスピードナンバーの8、ダイナミックなイントロからキャッチーに躍動していくエピックなスピードナンバーの9、ドラマティックなイントロからの10は展開が複雑な大作の劇的スピードナンバー、ボーナストラックには、やっぱりポップなスピードナンバーが収録されています。

 これはかなりのドラゴンフォース'`,、(´∀`) '`,、っていうくらいのリスペクトっぷりに思わずほころんでしまうスピードメタルが徹頭徹尾繰り広げられていくアルバムは、ドラゴンフォースのファニーな部分をファンタジックに置き換えたみたいなサウンドが充満しています。プロダクション自体はデビューアルバムだなあって感じのクオリティですが、本家にも劣らないやり過ぎ感満載のソロパートや、オリジナリティは少ないもののキャッチーなメロディを集めた楽曲は冗長なところもありますが、新人離れした仕上がりを見せています。今後の活動にも期待大の強力な一枚でした。
同系統アルバム
EXTREME POWER METAL/DRAGONFORCE
THEY NEVER SAY DIE/SKELETOON
ASCENSION/PALADIN

THE GHOST XPERIMENT - AWAKENING/VANDEN PLAS [IMPORT]

ザ・ゴースト・エクスペリメント〜アウェイクニング/ヴァンデン・プラス

FRONTIERS RECORDS FR CD 988 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ産プログレメタルバンドの9枚目のアルバムです。再び全二作となる超常現象を題材としたオリジナルストーリーに基づいたコンセプトアルバムの第一弾となっています。

 アグレッシヴでスリリングなリフで幕を開けるアルバムは、メランコリックなコーラスへと雪崩れ込む緩急と展開の大きいミッドテンポの1から、ドラマティックなサウンドを作りだしていき、静かなイントロから情感を高めていくテクニカルでメランコリックなミッドテンポの2、起伏の大きい展開が打ち寄せる波のように押し寄せていくドラマティックなミッドテンポの長尺ナンバーの3、メランコリックでダークなパートからスリリングなインストパートへ突入していく展開の大きいミッドテンポのこれまた長尺の劇的ナンバーの4、ピアノの静かなイントロから緊迫感を高めていくエモーショナルでドラマティックな大作ナンバーの5、ダイナミックでタイトなアップテンポの6が収録されています。

 長尺だったり展開の多い楽曲を揃えたアルバムは、ソリッドな質感を高めたプログレメタルなサウンドを作り出しており、情感あふれるメロディを歌い上げていくヴォーカルとの相乗効果で独自の音楽世界を作り出していきます。全6曲ながらも、密度の高いサウンドには満足感も高く、すでにベテランの域に入ったバンドの更なる一歩を感じさせる仕上がりに、安心感と安定感を覚えます。バンドの意気込みが伺える次回作にも期待が膨らむ一枚でした。
同系統アルバム
DISTANCE OVER TIME/DREAM THEATER
THE VERDICT/QUEENSRŸCHE
A PRELUDE TO SORROW/WITHERFALL





Nobember

BLIND GUARDIAN TWILIGHT ORCHESTRA | NILE |

LEGACY OF THE DARK LANDS/
BLIND GUARDIAN TWILIGHT ORCHESTRA

レガシー・オブ・ザ・ダーク・ランズ/ブラインド・ガーディアン・トワイライト・オーケストラ

WARD RECORDS GQCS-90805 [EXTRA] >>>>>BUY...?

 ドイツ出身のブラインド・ガーディアンの中心人物二人による全編オーケストラを使ったシンフォニックアルバムです。

 バンドのメンバーでプレイに参加しているのはヴォーカルのハンズィだけだと言う思いきりのよさというか、徹底振りにはアンドレとハンズィの強い拘りを窺わせますし、やりたかった事を全力で振り切ってみた意欲は強く感じさせます。楽曲的にはオーケストラのインストナンバーとナレーション、さらに彼ららしさが全開のヴォーカルとクワイアをふんだんに盛り込んだ劇的ナンバーと、予想通りいつものブラインド・ガーディアンからバンド成分を取っ払った感じです。何ていうか、全編“ナイトフォール”みたいな感じ?

 そんなわけで、これっぽっちもヘヴィメタルではないわけですが、ブラインド・ガーディアン流のドラマティックな演出や大仰なサウンドが好きなら、充分に満足できる仕上がりの一枚でした。
同系統アルバム
LMO/LINGUA MORTIS ORCHESTRA FEAT.RAGE
REFLECTIONS/APOCALYPTICA
BELOVED ANTICHRIST/THERION

VILE NILOTIC RITES/NILE

ヴァイル・ナイロティック・ライツ/ナイル

WARD RECORDS GQCS-90793 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産デスメタルバンドの9枚目のアルバムです。ギタリストが交代しています。

 イーヴルでブルータルな突進ナンバーの1から、凶悪なデスメタルが展開していくアルバムは、狂乱のギターリフが荒れ狂う圧殺のブルータルな突撃ナンバーの2、ダークでグルーヴィなリフがのたうつソリッドなミッドテンポの3、怪獣映画のサウンドトラック風のイントロから唸りを上げるリフが叩きつけられていくブラストビートも凄まじいブルータルな4ではエジプトなムードが高まるインストで盛り上げます。ミステリアスなイントロからヘヴィリフが迫る呪詛めいたミッドテンポから加速していく5、怒涛のブルータルなリフとカオスなソロパートで圧倒していく突進ナンバーの6、緩急を効かせたブルータルな7、エスニックなインストナンバーの8、凶悪なリフで圧倒していく突進ナンバーの9でもエスニックなインストパートで独自性を発揮します。クランチーなリフが唸る邪悪なミッドテンポから一気に加速する緩急の強い10、不穏なムードが高まるダークでヘヴィな11で幕を閉じます。

 トリプル・デスヴォーカルが復活と言うことで、独特のサウンドが戻ってきたアルバムはプロダクションの良好さも加えて、クリアーでソリッドな楽曲が凶暴に迫る破壊的なムードが充満していきます。高いパフォーマンスと独自の世界観が高い次元で融合した安定感の強い一枚でした。
同系統アルバム
THE BOOK OF SUFFERING/CRYPTOPSY
RED BEFORE BLACK/CANNIBAL CORPSE
REPULSION FOR HUMANITY/SINSAENUM





December

|