ALBUM COLLECTION バックナンバー 1995
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NEVERMORE |
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ネヴァーモア |
TEICHIKU RECORDS TECW-25003 [☆☆☆] >>>>>BUY...?
元サンクチュアリーのWarrel DaneとJim Sheppardが中心となって結成された、言わば後継バンドという存在の出したアルバムは、それまでのバンドの音とは異なった1990年代の主流に近いグランジサウンドを取り入れたヘヴィなものを選択し、過去を清算した新たな領域へと踏み出したものになったわけですが、楽曲自体はサンクチュアリー後期の延長線上にあるものには違いなくヘヴィメタルをやる、と言う宣言のような気概に満ちたものになっています。
デモクオリティの音源ながら非常に完成度の高いマテリアルでリリースに漕ぎ着けたアルバムの一曲目はスローテンポのヘヴィでのたうつような感覚の演奏と荒涼としたメロディを熱唱する奇怪なハイトーンのパワーヴォーカルを合わせた異形のサウンドを産み出し、今後のネヴァーモアとしての方向性や特異性をある意味如実に表したものになっており、一際異彩を放っています。
また、その後の楽曲も独特のヴォーカルを活かした、疾走感のあるメタリックなナンバーやミドルテンポのムーディな楽曲など伝統的なヘヴィメタルの雰囲気を微かに残したモダンパワーメタルなものになっており、ソリッドなギターリフといい、妖しげで奇怪なメロディのギターソロといい、まさしくサンクチュアリーの遺産が活かされた形になっており、今後の原型となるタイプの楽曲の萌芽も感じさせる、既にこの時点で彼等独自のサウンドの完成を見ているのは驚異とも言えます。
この時点ではまだヴォーカルとヘヴィリフが織り成す暗い情念の音世界は明かにされたとは言え、完全には開花していなかったわけで、流行のヘヴィサウンドに乗っただけとも取られかねない衝撃的な一曲目を選択したことによってバンドの印象を決定付けたのは、無意識にもバンドの今後の決意を示すものだったのかもしれません。
ついでに微妙に調和していない日本のイラストレーターである加藤直之の手になる3D画像のジャケットを使用した理由はよく分かりません。
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SHATTERED-MIND-THERAPY/WIZ
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