COLUMN 重金属雑談
第二回「ヘヴィメタルとH.P.ラヴクラフト」
H.P.ラヴクラフトは米国の怪奇小説作家。1890年8月20日、ロード・アイランド州プロヴィデンス市に生まれました。ラヴクラフトの小説はホラーとファンタジーの2つに大別され、その作品世界にクトゥルー神話体系と呼ばれる架空の神話体系を創造しました。ラヴクラフトの死後もその神話体系はうけつがれ、多くの作家が新たな物語を生み出しています。その影響はヘヴィメタルにも及んでおり、その作品世界をモチーフにした曲も少なからず見つけられます。現在では彼の作品は多くの人々に愛読されるようになりましたが、当時はあまり人気もなく彼の生活も苦しかったようです。そして、ラヴクラフトは1937年3月に46歳の生涯をとじました。
そういう訳で(どういう訳?)今回も曲を紹介しましょうか。
まずは有名なバンドで、
あのメタリカもやってたんですねえ、クトゥルーものを2曲も。でもクリフ・バートンがいなくなってしまった今となっては、こういう曲はもう作られることはないんでしょーねー。
次はホラーといえばこのバンドの
えー最初のは、クトゥルー神話には欠かせないアイテムの「ネクロノミコン」の著者となっている狂えるアラブ人アブドゥル・アルハザードについての曲。次はクトゥルーについての曲。あ、ちなみにクトゥルーっていうのは作品に登場する邪神のことです。
次はちょっとマニアックな題材の
アルバムのコンセプトが「エーリッヒ・ツァンの音楽」という作品についてのものという通な選びかたをするなーと思ったら、
- WITHOUT A TRACE/SECRETS IN A WEIRD WORLD
- BEYOND THE WALL OF SLEEP/TRAPPED!
- WAKE ME WHEN I'M DEAD/THE MISSING LINK
- LOST IN THE ICE/THE MISSING LINK
- SHADOW OUT OF TIME/BLACK IN MIND
- IN A NAMELESS TIME/BLACK IN MIND
- THE CRAWLING CHAOS/BLACK IN MIND
前述のメコン・デルタの初期の作品はこのレイジのピーヴィー・ワグナーが絡んでいたんですねー。それでピーヴィーの題材の選びかたもかなりマニアックなわけで、1,4,6は3部作になっていて、1はよくわからないんですけど、どっちかっていうとX-FILESみたいですけど、4は多分「狂気の山脈にて」、6は、あ、よくわかんないや。2は「眠りの壁の彼方」、3は映画にもなった「死体蘇生者ハーバート・ウエスト」、5は「時間からの影」と思われます。6もかな。まだ、よく探せば出てくるかもしれません。
7はラヴクラフトの若い頃に書いたストーリーを基にしているそうです。治療のためアヘンを使用していた患者が熱の中で見るヴィジョンを描いたものだそうです。彼等へのインタビューから。
- AT THE MOUNTAINS OF MADNESS / BY TIME ALONE
- ANCIIENT RHIMES / BY TIME ALONE
ラヴクラフトの一大長編にして代表作の狂気山脈[AT THE MOUNTAINS OF MADNESS]も楽曲が作られています。ゴシックメタルである彼等は主人公の視点で物語を再構成しています。また、2は「チャールズ・ウォートの奇怪な事件」の登場人物であるチャールズ・デクスター・ウォートが主人公の曲です。
人間椅子
- 狂気山脈 / 黄金の夜明け
- ダンウィッチの怪 / 頽廃芸術展
日本のメタルバンドも「狂気山脈」をテーマにしています。ストーリーを簡潔にまとめた歌詞になっています。2はあの「ダンウィッチの怪」を怪物化した男の視点から描き出しています。
デスメタルとラヴクラフト、んーと
まー殆どの曲が絡んでるっていえば絡んでるんですけど、邪神召喚まで唄ってますからねー。あー怖い怖い。
はっきりとした描写はありませんが、このバンドも前述のRAGEと同じ作品をモチーフにしているようです。曲名も同じだし。
このバンドの描く歌詞世界はオカルトが中心になっていて、ラヴクラフト的な世界に加えて、アレイスター・クロウリーの魔術世界、クライヴ・バーカーのホラーワールドなども言及されています。日本盤の歌詞には注釈もついてます。
UPDATE
デンマーク出身のバンドの1999年発表のファーストアルバムにおいて、ツァン=チャン帝国も登場する「眠りの壁の彼方」を題材にした曲を書いています。なんとなくコンセプトアルバムのような気がしないでもありません。
【情報提供:powertoolさん ありがとうございました】
未確認情報
EDGE OF SANITYの初期のアルバムにはラヴクラフト関連の曲があるそうです。ご存知の方はこちらまで。その他の曲をご存知の方も情報をお寄せください。(お礼は何もできませんけど。お名前ぐらいは掲示させていただきます。)
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