目  次 

 酔  い  ど  れ  記 

  (一)    (二)    (三)  
  (四)    (五)    (六)  
  (七)    (八)      

 閉   鎖   病   棟 

  (一)    (二)    (三)  
  (四)    (五)    (六)  

   終        章   

  (一)    (二)    (三)  




あ  と  が  き


 今、私はアルコール依存症から回復し、八年目の断酒期間を迎えています。皆さんもご存じのように、アルコール依存症には、回復はありますが、完治はない病気ですから、それから言えば、私も、入院している人も、毎日が断酒の日々でなくてはなりません。断酒が安定してきた三年目あたりから、日頃感じていることをエッセーにして、皆様方に読んで頂き、私の断酒の糧としてまいりました。
 それが十八号になったところで、吉本先生のインターネットに入れて頂くことになり、至福の思いをしておりましたが、もっとインパクトのあるものを、自分の生涯の財産として残して置きたくなって、筆をとったのが今回の小説なのです。
 何分に初めてのことですから、皆様方からは、ほんの筆汚し程度のものにしかならなかったかも知れませんが、少しでも病気の苦しさを知って頂き、又、何かのご参考になればと思っている次第です。
 文中に、アルコール依存症以外の病気の方を登場させたことは、もしかしたら私の偏見で、ご迷惑をおかけするかも知れないと思い、素稿では記述をためらったのですが、アルコール依存症として、病棟を通り過ぎてきた者にとって、彼らの苦悩の一面も知って頂き、彼らに温かい手を差し伸べてもらえたらと思い、お叱りを承知で書かせて頂きました。
 尚、この小説を書くにあたって、富山市民病院、精神神経科部長・吉本博昭先生、北陸内観研修所、所長・長島正博先生、北陸内観懇話会、参与・土倉道之先生、のお三方には、なみなみならぬご指導、ご鞭撻を頂きました。
 紙上をお借りして厚く御礼申し上げます。

一九九八年  盛夏
仙 哉  記

                           



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