2002年4月 住職・代務者 各位 能登教務所長 常 塚 紀 「御依頼門徒戸数調査特別委員会答申並びに答申解説」の送付について 「御依頼門徒戸数調査特別委員会」による昨年8月に実施しました門徒戸数調査の折には、各寺院にご協力いただき厚く御礼申し上げます。
以 上 |
2002年3月19日
御依頼門徒戸数調査特別委員会 「御依頼門徒戸数調査特別委員会」答申 下記のとおり答申します。 記
添付書類 以 上 |
「御依頼門徒戸数調査特別委員会答申解説」
−経過− この要望書を提出するに至ったのは、 この「要望書」は、一九九九年一二月一三日に提出された「全国門徒会要望書」とも呼応するもので、その年、初めてもたれた参事会・門徒会懇談会で、長年の関心事である御依頼問題が共通の話題となり、全国的に「公平な割当」を目指す為、当教区においては、住職・門徒一丸となって、この問題に取り組んでいこう、と話し合われたのが、そもそもの出発点であった。 要望書を手渡す中で、宗務総長に強く訴えたのは、 「要望書」より、「嘆願書」の方が重いということを、後で知らされたこともあったが、どちらにしろ、提出後は、宗議会・参議会にかなりの部分が委ねられることになる。 「全国門徒会要望書」だけでなく、各教区から、これまでにも多くの要望書が出されてきたにも関わらず、「不公平感のない」御依頼問題は、遅々として方途が見いだせないままになっている。 そこで 以上により、長年見直してこなかった教区全体の門徒戸数が今どうなっているのか。 (ロ)常任委員会−御依頼門徒戸数の位置づけ− その過程の中で、様々な疑問・問題点が浮かび上がってきた。 |
A、全国に於ける能登教区の位置づけ a、門徒戸数1平成七年度の幾人口を元にした、「宗教団体数からの大谷派門徒数の算出資料」 (興法議員団作成。 b、「算出資料」における、能登教区の申告門徒戸数は二万六七一一戸(二〇〇〇年二万六七〇八戸)となっており、二〇〇〇年度の地方御依頼総額五四億三四〇〇万円中、能登教区に対しては二億三〇六四万円の御依頼がきている。 |
B、能登教区御依頼門徒戸数 a、現在の御依頼数は、昭和四七年に決定した戸数が元になっている。 b、御依頼数算出の基礎となった「寺籍簿」とは、今回の調査で、明治一一年に石川県が調査した原簿を書き写したものであることがわかった(当時は、修験派の廃止などの神仏分離令の影響が強く残っており、佐渡・富山で試された一県一寺制の動きがまだ冷めやらぬ中、新政府によって行われた調査で、石川県庁が空襲を免れたために残った資料である)。 |
C、「国勢調査」と教区人口・所帯数 過疎の進行が言われ出して久しい。身の回りにドンドン家が減っていくのを実感として感じざるを得ない地域、さほど人口異動を感じない地域など、能登全体で様々な印象を受けるが、実態はどうなっているのか。 |
D、願事との関係 昭和四七年に、新御依頼方法が決められ、募財に協力し合っていったのであろうが、願事の一部(住職就任・得度受式)について、「教区制第一〇条第二項」「教区会及び教区門徒会は、宗務総長の承認を得て、宗門維持のため懇志金勧募について、必要と認める方法を議決することが出来る」を根拠に、平成七(一九九五)年一二月の参事会を経て、平成八(一九九六)年の通常教区会において、従来の「本山経常費御依頼二カ年連続完納」を条件とするが再確認され、さらに平成一〇(一九九八)年七月九日の参事会、同七月二四日の通常教区会において「蓮如上人五〇〇回御遠忌懇志金御依頼完納」を条件とすることが議決されている。 |
E、超過について 過疎で大変だ。という声がある一方で、例年超過完納となっているのだから、実際は大したことはなく、本山に要望書を提出しても、ただ言っているだけだと、受け止められているのではないか。 |
−調査結果と問題点−
(イ)調査結果 三七〇ケ寺・教会を対象とした調査であったが、一三ケ寺未提出で、上がってきた総数は、二万五五五〇戸、そのうち、教区内が二万三九八ー戸、教区外での県内一〇一一戸、県外五五三戸であった。 |
(ロ)調査における問題点 A、過疎、若者の真宗離れ、講・行事の停滞、推進員養成・月に一度はお寺で会いましょう。 B、御依頼門徒戸数と「寺籍簿」の示す門徒戸数とが、区別されていない。 C、「特別調査委員会」に選ばれたメンバーの任期が二〇〇二年三月で終了するため、「御依頼門徒戸数調査特別委員会規則」第一〇条にあるごとく、「教区会及び教区門徒会に文章を持って答申」する辺りまでが作業を行えるギリギリの線であった。 D、調査をしても、宗門全体が変わらない限り一教区ではどうにもならない。従来も様々なアンケートがあったが何一つ生かされていないし、同様に調べるだけで終わるのではないか。 E、親鸞聖人からお預かりしている御門徒なのか、寺院財産としての御門徒なのか。門徒戸数を知ることはプライバシー・聖域に踏み込むといった意識が根強く存在している。 F、「調査部会」は、門徒戸数に対する様々な判断、未提出寺院があったことなどで、機能を充分に発揮できないままに終わった。 |
−答申案− 以上から、次の通り答申する。 一、御依頼と願事停止のあり方について検討すること。 二、御依頼非協力寺院に対して、的確な対応を行うこと。 三、門徒戸数大幅減の寺院については、具体的に対応すること。 四、いわゆる三戸御依頼寺院と御依頼のない寺院の調和を図ること。 五、門徒戸数のみを基準とする現「御依頼」のあり方について、検討すること。 六、今後、継続的に教区門徒戸数調査を行うこと。 七、宗門に対しては、要望・嘆願を含めた働きかけを継続すること。 |
【資料@】 要 望 書 一九九九年度、能登教区教区会において、「経常費ご依頼について」慎重審議の結果、要望書を提出すべき旨、決議しましたので、ここに要望書を提出致します。 記 一、経常費御依頼額について−全国均一にすることを要望する。 「御同朋・御同行の教団」「差別のない教団」を標榜する当教団を支える根幹ともいうべき財源において、不平等な扱いが行われていることは、教団の理念にそぐわず、教化等においても様々な弊害となっていることは、つとに指摘されている通りである。 二、一がなされた上で、現状の門徒数(戸数)を掌握する機関・組織を設けることを要望する。 特に過疎・過密地に於ける現割当数と現状の差が甚だしい中で、当教区においても、一、の問題と合わせて、御依頼未完納寺院が生ぜざるを得ない現況である。
能登教区教区会 宗務総長 木越 樹殿 |
【資料A】 御依頼門徒戸数調査特別委員会規則 (設置・目的) (業務) (組織・任期) (委員長・副委員長) (常任委員会) (調査部会) (招集・議決) (教務所員の会議への出席) (参考人の会議への出席) (答申) (事務) (規則の変更) 附 則 |
【資料B】 「御依頼門徒戸数調査特別委員会委員」 (名簿は割愛します:正覚寺住職) |
【資料C】 人口・所帯数の変動−昭和45(1970)年〜平成7(1995)年− 20010711作成
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