雑記帖 - 旅日記
- No.5
2003夏~信州 その2「第2のふるさと」 -
おっ私が中学生の頃から大学に入るくらいまで、正月には野沢温泉で、「と」さんの大学時代の友人家族と一緒にわいわい過ごすのが慣例となっていて、また正月以外でもしょっちゅうスキーに来ていたので、野沢温泉はとっても馴染み深い第2の故郷のような街。寒い冬の夜には、温泉饅頭をふかす湯気がもわもわと街中に立ちこめて、共同湯場では、野沢菜、温泉玉子、トウモロコシ等が茹でられていて、情緒満点。もちろん夏の静かな街もそれなりに風情がある。ちなみに春には山菜が、秋には茸がそれぞれたっぷり味わえるので、やっぱり野沢はいいところ。
今晩のお宿「いけしょう」は、とさん、ぺこさんが野沢温泉にスキーに来たときの最近の定宿。古民家を再生した建物で、客室は3室だけ。いつも笑顔のおじさんと料理上手なおばさんのお二人のみで全てを切り盛りされている。ご夫婦ともに本当に働き者で、当然ながら隅々まで目が行き届いていて、快適なことこの上なし。あちこちに飾られているさりげない野の花も、何とも和やかな表情のじいちゃん・ばあちゃんの人形も、質実剛健でシンプルな建物にしっくり。
さあて、野沢に来たら何と言ってもまずは温泉。とさん曰く”野沢温泉ではここがいっちゃんいい”「熊の手洗湯」が宿のすぐ側にある。外湯は村の人たちの社交の場。近所の人が入れ替わり立ち替わりに入りにきて、赤ん坊も嬉しそうにお湯に浸かっている。一風呂浴びた後は、野沢温泉初体験のちぃさんは凸さんと一緒にさらに外湯巡礼に(13ある外湯のうち4つまで制覇したところでフラフラに)、と・ぺこ・ぽこは野沢温泉アリーナに泳ぎに出かけた。身も心もすっかりほぐれると、とたんにお腹がすいてくる。
夕飯時になると、階下の囲炉裏部屋では岩魚がじんわりと炭火で焙られ、その匂いが建物内に充満し、否が応でもお腹がぐう~。「いけしょう」のお料理は、一品ずつにおばさんの工夫がつまった手作りの家庭料理。心のこもったお料理でお腹一杯になった後は、腹ごなしに夜の温泉街へお散歩。野沢に来ると必ず立ち寄る「三久工芸」は、もともとはあけび細工のお店なのだが、古布のコレクションでも有名で全国にファンがいる。綿や麻などの古布を再生した洋服や小物は、お洒落の一言。着てみると肌にしっとり馴染むので、ついついもんぺなど何着か購入。
トウモロコシもぎ翌朝は、目が覚めたところで、下駄をつっかけてまず一風呂。朝食は、自家製寄せ豆腐など、ご飯がすすむおかずが盛りだくさん。このまましばらく滞在していたいところだけど、と・ぺこツアーは次の目的地へ向かわねばならぬ。名残惜しい「いけしょう」に別れを告げて、さて今日は、志賀高原で宿泊の予定だけど、その前にまず望月町の「ゆい自然農園」に寄っていくことにしよう。
昨年、縁があってと・ぺこさんが訪問し、ふかふかの土に大感激して帰ってきた農園で、無農薬有機野菜を長年作り続けておられる。啓盟さんは研修でお留守だったけど、喜代子さんに農園を案内して頂いた。久々の夏日に野菜達がみんな嬉しそう。紅花隠元(花まめ)の文字通り真っ赤な花が盛りで、大きな鞘もぶらさっがている。トウモロコシは、もうまもなく採れどきでいくつかもいでいただいた。他にも、真っ赤な完熟トマト、瑞々しいセロリ、ビーツなど篭いっぱいの野菜は、今晩の宿へのお土産に。。。
農園を後にして、すぐ近くにある蕎麦屋「職人館」へ。蕎麦はもちろんだけど、みまき豆腐もうまかった。それと何よりもゆい農園の野菜を切っただけ茹でただけの野菜の盛り合わせが、甘くて土の香りがして何よりのご馳走。かかっていた手作りトウフドレッシングも美味しかった。「いけしょう」と同じく、こちらも古い民家を活かしたどっしりした建物。年月を重ねた建物の中にいると、それだけで心がしっとり落ち着いて、くつろげる。古い物を大事にする生活ってつくづくいいなと思う。
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関連情報
- 野沢温泉officialホームページ
URL: http://www.vill.nozawaonsen.nagano.jp/ - 民宿 いけしょう
→詳細 - 三久工芸(あけび細工)
〒389-2500 長野県下高井郡野沢温泉村河原湯
Tel: 0269-85-2178
Fax: 0269-85-3755
URL: http://www.janis.or.jp/users/sankyu/ - ゆい自然農園
→詳細 - 職人館(蕎麦)
〒384-2205 長野県北佐久郡望月町春日3250-3
Tel: 0267-52-2010
営業時間: 11:30~15:00(夜は予約があれば営業)
定休日: 水・木曜(祝日の場合は営業、GW、8月は無休)