ハクサイ漬け
昔々あるところ、小さい頃から「ふたころめ(ハクサイの漬け物を切ったときの芯から2つめのかたまり)」が好きな娘が、嫁入りし、その家のお姑さんもやはり「ふたころめ」が好きな人でした。嫁入りして間もないある日の食卓にハクサイの漬け物が出され、その嫁が「わーおいしそう」と一番に「ふたころめ」に箸をつけたところ、姑の怒りをかい、とうとう離縁にまでなってしまったという嘘のような本当のお話があるのです。
とはいえ、今では時代が変わって、まずはお嫁さんに食べてもらはなくてはと、気を使うお姑さんが多いのかもしれませんね‥。
天日干し
ハクサイは、持ってみて、ずっしりとした手ごたえで、葉がしっかり巻いているものを選び、天気の良い日にハクサイを干します。天日で干すとハクサイの甘味がますのです。
- ハクサイは根本に深く包丁で切り込みを入れ、手で2つに裂き。さらにもう一度根本に包丁で切り込みを入れ、手で2つに裂き、さっと洗って水気を切っておく。
- 日当たりのよい場所にござを広げ、ハクサイを並べる。
- 2、3時間干したら、ハクサイを裏返し、もう2、3時間干してから取り込む。
道具
- 漬け樽:本当なら木の樽がベストですが、やむを得ずプラスチック製の樽を使っています。
- 落とし蓋
- 重石:ハクサイの重さの2倍
- 新聞紙
材料
- 天日干ししたハクサイ 2株
- 塩 ハクサイの総重量の3%
- 昆布 10×20cm:4つ切り
- たかのつめ 5本
- ユズ 1個:洗って半月切り
漬け方
- 容器の底に塩を一つかみ振り入れ、ハクサイの切り口を上にして、葉先と軸が交互になるようにきっちりとつめてゆく。
- 一段並べたところで、昆布、ユズ、唐辛子を少しずつ散らし入れ、塩を一つかみ振り入れる。
- 1),2)を繰り返して、ハクサイを全部詰め、最後に残った昆布、ユズ、たかのつめを散らして、残った塩を全部振り入れます。
- 落とし蓋をして、重石をのせ、新聞紙で覆い、ひもでとめる。
3~4日後...
- 水があがってきたら、重石を半分にする。
- さらに1~2日すると食べごろとなる。北陸の冬は寒くて湿気も多いので、1ヶ月ぐらいは美味しく食べられます。時間がたつとだんだん酸味が増してきて、それがまた独特の味わいで、やすこさんはその古漬けも好物です。