雑記帖 - 旅日記
- No.18
2008正月〜バリ その2「バリの洗礼」 -
ふたりの息子らしく凸さんが間違えてチケットを確保してくれたバリの踊りケチャは、夕闇が迫ると始まります。腰巻きひとつの100名近くの男性陣が灯明の回りに円陣を組んでほとんど地面に座り込み、ケチャ、ケチャ、ケチャ♪のリズムで手を差し伸べ左右に身体を揺すりながら踊るというなんとも素朴で呪術的な雰囲気が溢れていました。
ケチャのリズムにのって表れ出でたる美しい魔女は不思議なほどにしなやかな肢体と指先が特徴的で妖しいまでに魅力的。躍る様子に目を見開いて一緒になって身体を揺すってたまちゃんもご機嫌。と、夢中になっていたその時に、「チョット具合が変かな?」と思っていたぺこのおなかも躍り出したのです。ぴぃ〜ひゃら、ぴぃ〜ひゃら、ぴぃ〜ひゃらりぃ〜♪
楽しい催しは、ちょっとのことでは諦めないぺこなのですが、強烈な「もよおし」にはがまんがならず・・・。先刻から、いかにも調子の悪そうだったトさんも、力強いケチャのリズムに後押しされて本格的に悪くなり・・・。
かくして、ふたりは、かってない豪華リゾートヴィラにて枕を並べて仲良く?倒れ込んでおったのでした。ベッドに倒れ込んでいるだけならまだましだったのですが、バスルームは正にワンルームマンション一軒ありそうな大きな部屋の反対側にあるのです。「うっうっ」とうめきながら、大理石の床をよろよろバスルームに向かう姿は、今思い出しても涙がでます。
「もうだめだ。こりゃ、あかん」いよいよとなって、ぺこは諦め、これまた豪華でふかふかの特大バスタオルをバスルームに敷き詰め、その場に倒れ込んでしまったのでありました。けちゃ、けちゃ。
今年の波乱の幕開けを思わせるおぞい事態に、悔し涙にくれながらも、「こんな豪華なリゾートヴィラ生活をゆっくり満喫したことはこれまでかってないがいね」と懲りない?二人は、「悪運はここで使い切ったことにせんまいけ」と、ひたすら眠りこけていたのでした。
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