雑記帖 - 旅日記
- No.3
2002夏~島旅シリーズ「屋久島」その4 -
今日は森へ屋久島3日目の空は少し雲が多かった。宿のおばさんによれば「ちょっと蒸してるし、そろそろ一雨くるかもね」。今日は、白谷雲水峡に行こう。車に乗って宮之浦へ行くと、わ、お店がいっぱいある。何もない永田で1日過ごしただけなのに、街に来ると何か変な感じだ。宮之浦から白谷雲水峡の入口まで山道を30分ほど登っていく。車を停め、草履からハイキング用の靴に履き替えて準備OK。入口で300円払い、地図をもらって歩き出す。
原生林コース2時間30分のルートをたどる。雨の多いことで知られる屋久島なのに、ここ一月ほどまとまった雨はふってないそうだ。苔が全体に乾いている、とはいえ、やはり一面ふかふかの絨毯は見事。森には霊気が漂っている。そして屋久杉には威厳がある。今回の写真斑は、とさん、ちぃさんがデジカメ、凸さんが一眼レフで、お互い顔には出さないが、内面では静かに闘志を燃やしつつ、あちらこちらで熱いタタカイ?を繰り広げている。
1時間ほど歩いたところで、トさん「トイレに行きたいから、この先の白谷小屋までちょっといってくる」と行ってしまった。それからしばらくして、雨が降り始めた。最初ざーっと降った後、小やみになった。待ち合わせの分岐点まで着いたが、トさんはまだ来ていない。ぺこさん、ちぃさん、私の3人はそのまま先に進み、凸さんが雨に濡れながらトさんを待った。だいぶたって、凸さんが追いついてきて「白谷小屋まで行ってみたけど、いなかった」「トさんのことだ、きっともっと先まで行ったのでしょう。その通り、トさんはもののけ姫の森まで遠征していた。
海辺の読書雨のおかげで森の緑がとたんに鮮やかになった。ツイテルよほんとに。どこかでさかんに鹿の鳴く声がすると思ったら、道の脇に屋久鹿がいた。全然人を怖がらず逃げようとしない。1時頃には全員濡れ鼠になって出発地点に戻ってきた。急いで車に乗り込み、宿まで戻った。大量の洗濯物をしながら、冷えた身体をお風呂で温める。
山の上だけでなく、下界の方も一雨来たようで、道路が濡れている。が、今はすっかり青空。昨日と同じ弁当屋さんに頼んでおいた弁当を、昨日と同じく涼台で食べ、あとは昼寝だ。読書はちっとも進まない。夕方、浜で少し泳いでみたが、この日は波が高く、海の中も濁っていた。昨日、たっぷり泳いでおいてほんとうによかった。
この日は夕焼けがきれいだった。夕陽が雲の合間に沈み、間もなくして、刻々と空全体が真っ赤に染まっていく。「夕陽と夕焼けは違うんだよ」とこの地で夕陽と夕焼けを見続けてきた宿のおじさん。この日の夕飯は、浜焼き。でっかい大皿にたっぷりの魚介類。こんなに食べられるかな?と思ったけれども、見事に皿はすっからかん。全部ぺろりと平らげた。3日間で1ヶ月分ぐらいの魚を食べた。背中にヒレが生えてくるかもしれない。
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