この数年の不景気により奥能登においては加速度的に過疎化が進行しており、輪島も例外ではありません。かつては35,000人であった輪島市の人口も現在では約26,000人となりました。独居老人家庭の増加は、将来の過疎化を予測させるに十分なものがあります。

 正覚寺は1999年度分2,397,000円という経常費の御依頼を完納させていただきましたが、御門徒1戸あたり8,500円という懇志金は1,100,000円余りにすぎません。残りは9件の院号法名と住職個人の持ち出しというのが現状です。

 同和研修において院号法名の差別性が問われ、私も深くうなずくことが出来るのですが、経常費の捻出には御門徒に院号法名を積極的にお薦めしなければならないという現状があり、教義と御依頼の板挟みにもなっております。

 相続講制度発足時に正覚寺は正直に実数を申告したのでしょうが、組内寺院と比較しても強い不公平・不平等感を感じずにはおれず、正直が罪となって、現在、過去の大きな罰金が科せられ続けているようなものです。年々苦しくなる一方の現状・窮状を訴えて平成6年に門徒戸数の見直しを能登教区に請願いたしましたが、組内寺院間で門徒戸数を増減し調整せよという非現実的な回答により実質的には門前払いにされました。

 明治18年に始められた相続講制度も、昭和25年に現行制度に改正されて以来50年余りを経たようですが、未だに何ら見直し・改正に向けての対応が見受けられず、新世紀に向けての同朋公議とは名ばかりの宗派の現状に、宗門存立に対して強い危機感を感じています。

 そのような折、蓮如上人五百回御遠忌懇志金の御依頼がありました。正覚寺には4,568,400円の御依頼があり、ご門徒に御遠忌と本山の御依頼の趣旨をお伝えし、懇志を募りました。結果、平成9年度までの4年間で2,521,400円の懇志金を上納させていただきました。無事、蓮如上人五百回御遠忌が勤められ、組内の一員としてご門徒と共に上山の上、参詣させていただきました。

 その後、想像だにしていなかった通知が届きました。それは、教務所名で義務金等が未納になっているので至急上納するようにとの内容で、本山蓮如上人五百回御遠忌懇志金2,047,000円の督促状でした。別の資料によれば、「未納寺院には、願事停止の他、経常費連続完納の表彰、超過金券を発行しない等の制限があります」とありました。

 蓮師御遠忌志勧募の4年間に、蓮師御遠忌志扱い可能な須弥檀収骨や院号法名の授与願いがあったのですが、同じご本山への懇志金だとの思いで通常の相続講扱いにしていただきました。私の要領の悪さ、本山の御遠忌志の裏実態、裏常識に疎かったことが原因だと指摘されるかもしれませんが、本山に騙され、詐欺にあったような気持ちです。

 名古屋で、中学生が同級生から暴行のイジメを受けた上、5千万円を恐喝された事件があり、栃木県では、監禁、暴行、恐喝された上に殺害されてしまうという事件がありましたが、殴る蹴るという暴行こそ受けてはいませんが、私が住職となっての20年間も本山から上納金が不足だとイジメられ、恐喝され続けているようなものです。今までは泣き寝入りしてきましたが、もうそろそろ経済的にも精神的にも我慢の限界がきています。

 私がどのような理由・根拠の下でこのような仕打ちを受け続けなければならないのか分かりません。私に落ち度があるのであればその旨ご教示願いたく、別紙質問状を提出させていただきます。ご回答をお待ちいたしておりますのでよろしくお願い申し上げます。

 

 本山御依頼金
週刊新潮 | 北国新聞 | 寺門興隆
裁  判 | 御遠忌・修復懇志金 |  調  停
拝啓 宗務総長殿 | 質問状と回答
請願書(1994年) 
| 近江第1組本山経常費調停

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