雑記帖 - yo:ku:nel
- No.201
渡舟 -
純米大吟醸生酒、今回の神田の蕎麦何処「松翁」のお酒。茨城県石岡市の府中酒造のお酒。渡舟は、山田錦の親として、昭和初期まで、酒米として使用されていたと言う。それを平成年間に入って復活させた。と言うことは、大変意欲的な蔵である。銘柄は「府中誉」。酒米は、近くの農家と契約栽培しているというので、やはりやる気満々である。
石岡は、常陸国の国分寺所在地。との伏木は越中国分寺所在地なので、親近感がわく。そう言えば、蜂蜜自家製造のまぁさんちの近くか。かって、呑んで、うーん濃厚という記憶がある。
さて、今回は、非常にすいすい入った。フルーティな香りがぷんと来て、喉ごしは日本海側のお酒ではない濃厚さを感じる。山田錦のような華麗な感じはないが、とにとっては、こっちの方が好ましい。
天麩羅は、帆立がメイン。これがまた肉厚で美味しかった。天麩羅の前に、肉の横のべろべろを酒のつまみに出してくれた。塩っぽくて、酒の肴に絶妙である。お江戸の天麩羅専門店に行ったことはないが、ここの天麩羅は、ホントに美味しい。一種ずつ揚げたてをマスターがわざわざ、持ってきてくれるだけで、喉がごろごろ鳴ってしまう。そして、熱々をちょこっと天然塩を付けてほわっほわっと頬張る。「渡舟」をすする。蕎麦屋の天麩羅に昼酒、あーこりゃこりゃ。
〆に薫り高い新蕎麦と来れば、いうことなし。以上。
(2008-11-14)
- No.202
奈良萬 -
これも、今回の神田の蕎麦何処「松翁」のお酒。前回の訪問時にも戴いたお酒である。予備知識は全く無かったが、とにかく呑みやすいお酒である。どれだけ呑んでも、のみあきしないという印象である。吟醸香は十分に有るが決して嫌味ではなく、喉ごしもするりとしている。福島県喜多方市の夢心酒造製という。喜多方はラーメンだけにあらず。福島県は、東北1,2のお酒出荷県であり、全国でも10位以内というお酒県。
2005年3月のdancyuで、鍋にもっとも合う酒として紹介されていたようだ。奈良萬の純米大吟醸が燗酒目隠しコンテストで一位だったという。これは、是非燗酒で呑みたくなった。富山は、結構寒い日もあり、最近は、薪ストーブを焚き、お酒は燗酒なので、美味しい燗酒に飢えている。本日、とりあえず、岐阜の三千盛を注文したが、奈良萬も試してみなくっちゃ。
(2008-11-15)
- No.203
シャトー・ラネッサン2001とヴァランセ・ナチュラル チーズ -
シャトー・ラネッサンは、ボルドーメドック地区の赤ワインで、格付けもの並みに扱われているシャトーと言う。2001年物は、非常に透明感溢れ、オーストラリアのがつんとくるカベルネソヴィニオンとは一線を画す。香り味ともなかなか。
合わせるチーズは、灰かぶり山羊チーズタイプ。先日出かけた、富山大和のデパ地下にチーズ専門店があり、そこに、モントドールや、ロックフォールやらあったので、発作的にあわせて買ってしまった。ヴァランセはさすがに美味しい。灰ごと、切って食べる。山羊の臭さが全然気にならない。そして、ラネッサンをチビッ&グビッ、わーし・あ・わ・せ・。
デパ地下と言えば、京都の錦小路の現代版やろ。かっては富山駅前のごちゃごちゃとした食料品商店街や高岡では大和デパートの下に、今もあるむろやの昆布店とか、食料品商店街が懐かしい。世界中何処へ出かけても、バザールは食料品を求める庶民で大混雑で、そんな中をぶらり歩きをするのが、こよなく楽しい。やっぱり、食料品は対面販売で無くっちゃ。
昨日訪れた、金沢駅名店街も、歳末並みの混雑。たま爺こととは、孫に、試食用のするめいかや、豆菓子を与えて、喜ばれた。山葵漬けにはさすがに顔をしかめられた。早く、孫と一緒にお酒を飲みたいもんだ。
(2008-11-26)
- No.204
今年の三千盛と潮屋の「鯛かしら荒磯煮」 -
三千盛は、言わずと知れた岐阜の超辛口日本酒であり、とのお酒の盟友今は亡きサムさんのお気に入り酒である。サムさんに教えられて、蔵元から取り寄せたところ、案内が来るようになり、今年も「しぼりたて純米大吟醸」と、濁り酒活性酒ともう一種「燗酒」のご推薦酒をとFAXしたら、5年熟成酒が届いた。
まずは、「しぼりたて」を、冷やで、角偉三郎の杯に注ぐ。しぼりたてだけあってシャンパン並みのシュワー感が有るが、後口は、あくまで辛口である。
5年熟成酒は、燗で呑む。全くおとなしい味わいである。とは、日本酒の古酒には、もともと懐疑心が有るが、このお酒のひね香は、そんなにも目立たない。
一方の「鯛かしら荒磯煮」は、甘煮の鯛にぽこさんが、白菜巻や、葱を添えた。 「鯛かしら」は、当地のお魚屋さんでは、鯛が取れさえすれば数百円で売っているので、我が家でもたまに買ってくる。甘煮が、辛口のお酒ににぴったり合う。
赤ワイン&チーズと、どっちを取るかといわれれば、やっぱり、どうしようもなく日本人であるとはこっちかな。
(2008-11-26)
- No.205
エルミンティ -
バリのホテル「マヤ・ウブド」のバーの止まり木で、ぺこさんと連日呑んだカクテルがこれ。
ラムベースにライムの果実を2,3個絞り、黒砂糖を加えすりこぎでゴシゴシする。氷をたっぷりくわえて出来上がり。レモンより鋭いライムのキリット感と、ほのかな甘みと、適度なアルコール感が心地良い。
広大な空間にスタイリッシュにデザインされたホテルと、その一角にある開放的なバー。照明の使い方がまことに上手く、クリスタルグラスに氷が揺らぐ。京の駄ら仏さんのシンガポールのラッフルズホテルもかくの如しか?
なんといっても、バリはライムなど果物が豊富。南の島や国を訪れると、北と違って果物がさほど手も掛けずにできる事実に圧倒される。どっか、その辺のカフェでの果物ジュースの安くて美味しいことったらない。
今回は、どれもこれも食事が大当たりだった。バリにはまった凸ちーコンビが選りすぐったレストラン&カフェ。前回は、お腹が大当たり、今回は、食事が大当たり、天と地の差だった。
インドネシア料理は、サヌールのホテル「ザ・ガンサ」の「ゴン・レストラン」(ベスト・インドネシア・レストランに選定)が、前回はお粥しか記憶が無いバリ料理を堪能させてくれた。フレンチは、ウブドのホテル「バイスロイ」の「カスケード」(ベスト・インドネシア・レストラン)ここは、渓谷を望む絶好の位置にレストランがあり、まことに洗練されて美味しい。との、世界お薦めレストランにくわえたい。
サヌールの「カフェ バトゥジンバー」は、ワインの品揃えの豊富な食料品店を併設しており、ここで買ったワインを持ち込んだ場合は、200円持ち込み料を払えばいい。ドレドレと早速物色、殆どがオーストラリアやチリだがおっと、有りました、思い出のトスカーナの赤ワイン「ブルネリ・ディ・モンタルチーノ」明日には飲めなくなるやも知れずと、思い切る。うーんこれこれとかってのフィレンツェ「エノティカピンキオリ」で野ウサギと合わせて飲んだことを思い出してうっとりする。同行のじじBさんは、「昨日のより美味しいね。」「あっちゃ、その程度?」
しかし、何と、夜のイタリアン「マッシモ」で、同じワインが、何と260マンエン(ルピー)。昼飲んだプライスの3倍だった。じじBさんが今度は「あっちゃー」だった。
高級店でも、銀座の3〜4分の1で、安いとこは、めちゃ安くて、ご一行6人+たまで1800円で夕食が済んだこともありました。ここも、無農薬野菜のヘルシー料理の店でさっぱり味で美味しかった。
(2009-01-02)
- No.206
幻のドメーヌ・デユ・トレヴァロン2000 -
トレヴァロンと検索すると、必ずと言っていいほどあのロバート・パーカーが「人生最大の発見」とまでいったドメーヌと出てくる。
アヴィニョン市の南25キロに位置するアルピーユ丘陵の北西端の畑。アヴィニヨンと聞くだけで、なんとなく心がうきうきしてくるのは、なじみのあるアビニョンの橋の唄のせいか。イギリス人がプロヴァンスに移り住んだ日々を描いたピーター・メイルのベストセラー「プロヴァンスの12ヶ月」でも出てくるとのことだが、とんと記憶にない。改めて見直してみても、「シャトーヌフ・ドュ・パフ」は目につくが「トレヴァロン」は見つけられない。
ラベルは、まことにお洒落である。先代が画家&彫刻家だったらしい。さて、ぽこさん誕生日にみんなで飲んだことは事実だが、お味の印象は、ぼやーっとしている。例えば、その後飲んだドイツ人がオーストラリアで作ったシラーズ種の「エルダートン」は、まことにわかりやすい。トレヴァロンは、カベルネ・ソーヴィニオン60%、シラー40%と言う。
これが、フランス人のエスプリなんだろうか。だいたいパーカーさんは、こってり濃厚味の評価が高い。その傾向とは正反対なので、カルチャーショックをうけたと言うことか。
そこで、もう一度試してみたいと、インターネットで、検索してみるが、現時点では、まことに入手し難くなっている。いろんな意味で幻だった。
(2009-01-29)
- No.207
純米吟醸生酒「良寛」 -
新潟県長岡市の美の川酒造のお酒。本日小布施の蕎麦屋「せきざわ」で飲んだお酒がこれ。
無濾過なので、何と言ってもフレッシュ、寒い時期は、ビールで言えば生ビールに相当する生酒が旨い。味わいは非常に上品、さすが、人生の達人「良寛」を名乗るだけのことはある。
このお酒を飲めたのは、京の駄ら仏さんのお陰である。本日は、5時半起きで、たけどんと野沢へスキーに。女性陣は、昨日から、南の島へ出かけて楽しんでおられるようだ。
野沢は快晴、今年はこんな天気が多くて困る。雪が欲しい。スキーを終えて、「熊ノ湯」で汗を流し、「いけしょう」さんで、おやつを頂いて、村中で買い物をして、「せきざわ」へ5時30分に到着した。
「酒のまれ」「いいちゃーオラモのまんちゃ」と会話中に、たけどんんの携帯がルルルとなる、「トさんに酒飲ましてあげられ」とわざわざ京の駄ら仏さんから電話があったのだ。ありがとさまな。お陰で、うっまい酒飲めたがいね。
(2009-03-01)
- No.208
能登ワイン -
4月29日結婚式を挙げた、うちの若さんの引き出物がこれ。能登にワインメーカーなんてあるんかと思いきや、ちゃんとあるんです。それも自家製畑の葡萄を使った生ワインを製造している。ここ10年以内にできた新しいワインメーカーらしい。
葡萄畑に、能登名物の牡蠣の殻をまいて、ミネラルやカルシウムをたっぷり含んだ土造りをして濃い葡萄を作りたいと工夫しているという。牡蠣といえば、能登の岩牡蠣は、ほんまに、うっまい、能登中島町の蕎麦屋の「くき」さんで、シーズンにお蕎麦と牡蠣を是非食べてみてくだはれ。
ここの生ワインというのは、瓶詰の際に殺菌しないで、フィルターを通して、酵母菌やオリを濾過することをいうようだ。白は、シャルドネ、赤はメルロー種だった。いずれもかなりまともである。現時点では、白のシャルドネが、しっかりした辛口であり、生特有の飲みやすさがある。
メルローは、口当たりがやや、国産メルロー特有のくささが鼻につくが、そのあとは、意外にするりと入る。メルローは、先輩格の小布施ワインでも、評価が高いワインなので、国産ワインはメルローが得意なのかも。今後の成長を大いに期待したい。
(2009-05-12)
- No.209
ハンガリーワイン「GAL TIBOR シャルドネ2005」 -
ハンガリーワインは、トカイワインだけにあらず。トカイワインは、なんといってもペコさんの大好物のデザートワインなので、とが飲んだら、しかられる。
ハンガリーは、マジャール人が建国した国であり、ヨーロッパでは珍しく、日本と同じく、名字が先で、名前が後である。長年、ハプスブルグ家とハンガリーの二重支配を受けてきた国。しかし、土壌は豊かで、オーストリアの食料庫だった国。
トの同級生の、Mさんは、ブダペスト在住であり、先週の土曜日NHKの地球ラジオにひょっこり出ており、いくつか、ハンガリーの著作を翻訳しているが、彼によると、ハンガリーは、東京都と同じほどの人口ながら、ノーベル賞受賞者は、山ほどいるし、オリンピックの成績も凄いというが確かにそうだ。
とペコの結婚三〇周年記念で、ブダペストヒルトンホテルに泊まったのが、今でも忘れがたい。ここのヒルトンホテルは、数あるヒルトンホテルの中でもぴかいちである。といってもヒルトンで泊まったことがあるのは、ここだけである。何が素晴らしいかというと眺望が素晴らしい、ドナウの真珠と歌われる町並みがホテルの部屋から眼下に広がる。そして、遺跡を建物の中に取り込んだオペラ会場を持っている。
ハンガリーといえば、温泉でチェスをする光景が有名、その温泉が多いのがEGEL地方、そのEGEL地方は古くからワイン産地である。ガル・チボールはイタリアの有名なワインメーカー「オルネイラ」で一〇年間つとめ、故郷のハンガリーに帰ってワイン造りを始めた。
そのシャルドネ、適度な黄金色、含み香は、スパイシー、適度な酸味、バニラ香もある。「ムルソー」を意識しているというのもうなずける。 グルジアワインといい、いわゆる東欧ワインは美味しい。
残念ながら作り手が事故死をしたというので、今後どうなるのだろうか。 ピノノワールが評判がいいようだが、果たして手に入るのか。
(2009-05-12)
- No.210
お祭りの酒 -
約400個の提灯をつけた重さ約10トンの山車がぶつかり合う「かっちゃ」が売りの、けんか山祭り。
我が家では、久しぶりに祭りの「ごっつぉ」が並んだ。ペコぽこさんが、午前中に氷見の「姿鮮魚店」まで出掛けてきときとの魚類を仕入れてくる。お昼からしたごしらいがされ、夕方からぽこさん、ぺこさんのサポートで、みるみるうちにごちそうができあがってくる。
とは、玄関に花車の絵を飾り、座敷に「七福神」の掛け軸をかけてさっと掃除。寒いので、まさかこの時期につけることはないと思っていた薪ストーブに火をつける。
さて、祭りのお酒はなんにしようかと思案しながら、おりからふっくら炊きあがったおこわをほおばる。黒豆艶々、お米がつるつるでうっまい。まずは、シャンパンは、パリのリッツホテルのハウスワインが、先の旅行の土産物にあったので、これに。3年熟成のキューヴェーブリュット。キューヴェーは一番搾り、ブリュットは辛口。まずはこれで「あり乾杯」。果実風味の甘みを感じるが至って上品。
日本酒は、ジュンちゃんにヤフオクでとってもらった、「田酒特別純米」を角偉三郎の弟さん角こうじさんの魚の絵付き朱塗り杯で。なんといっても、今日の主役はごっつぉで、皆さんあれやこれを取り分け「美味しい」を連発される。合間に漆の杯でつるりとお酒をいれる。
白ワインは、オーストリア「シュタードルマン」ツィアーファンドラークラシック。今日の和食に、違和感はない。オーストリアワインについては、ウィーンのもりさんにおおいに教えてもらいたい物だ。
途中、2度目の「かっちゃ」をみるために、若さん夫婦,M田さんご夫婦をかぶりつき席にご案内。「いやさー」「いやさー」「ガツン、ゴツン」の迫力を堪能して、再び家に戻って若さんのじいちゃん宅でとれたシジミ汁でひえきった体を温める。寒い一日だった。そして、お茶に12時をまたいで話の花が咲いた。
誤算は、各種ヨーロッパビールをバケツに氷を入れて冷やしていたが、一本も開かなかったことだった。
(2009-05-16)