雑記帖 - yo:ku:nel

No.141
老桂林

居酒寿司で、京都と高岡の陀羅佛同士が飲んだ酒がこれ。 紹興酒の20年物、マスターによると中国でもなかなか入手が難しく、レア物だそうだ。1本しかないというのを、出して、出しての大合唱に気っぷの良いマスターがエイと(もってけ○○と)出してくれた。京都の陀羅佛様のお陰と、感謝感謝。

中国の良い酒は、混ぜ物が無いことを照明するために、陶器のキャップをかちんと割らないと行けない。「老桂林」も当然そうだ。口に含むとこれは、ブランディ。3年物や、5年物とは、いや10年物とも、別世界。紹興酒も、いろいろあるようだ。

居酒寿司のあの独特の雰囲気は、永久保存もん。かって、「下町酒場巡礼」という本があって、「むかしのままのお店が懐かしい。着古したシャツみたいな下町の居酒屋が好きだ。」(種村季弘)に通じるような、いや、ちょっと、いやだいぶん違う独特の空間です。このページの紹介に騙されて、はるか沖縄のサムさん一家や、埼玉や愛知などから何人訪ねてきたことか。マスターの応対は、誰が来ようと相も変わらず、いつもの通り。あと1ヶ月余りです。

(2006-11-16)

No.142
栄光朝しぼり無濾過生酒

美山錦100%の伊予の国松山市のお酒である。初体験。 無濾過だけに白濁している。栓がシュポッと開く。メロン様な甘い香り、しかし、べたつかない。

昨晩は、金沢で、久しぶりにブーニンのピアノを聞いて、後口は恵是留で反省会。演目のシューベルトは31歳、ショパン、モーツアルトも30代、短くも美しく燃え尽きて後世に名を残すか、ウダウダと馬齢を重ね、しかし、気の置けない仲間と語らい、美味しいものを食べるのとどっちが幸せなのかと考えさせられた。我々の選択肢は、後者の追求しかないのではあるが。

さて、20年ぶりの上海、ビルが林立し、車の洪水。こんな街は、あっという間に作れるということ。古い物を守ることの方がよほど価値が有るとしみじみ感じた。ワルシャワを昔の通り石で再建したポーランド人の見識は凄い。京都も何とかならないものか。

(2006-11-23)

No.143
芋焼酎「安納」

「久耀」と同じ種子島酒造の芋。種子島産安納芋使用甕仕込み黒麹25度。久耀と良く似たマイルドな味わい。久耀は確かに美味しいが、飲み続けると、しょったるい感じがしって、もっときりっとした焼酎が欲しいと思うときがある。安納はその思いを満たしてくれる焼酎ではないが、安心して腹に納まる。

本日の酒肴は、自家製鰤蕪寿司。こっちはきりっとして旨い。流石、かーちゃん。京の陀羅佛さん作と、食べ比べてみたいもんだ。 そのほかにも、能登牡蛎酒蒸し、小芋と紅葉麩衣揚げ、煮物等々。

(2006-12-12)

No.144
札幌クラシック&秀よし

北海道でビールと言えばこれ。生でもビンでも札幌クラシック。かたやウィスキーはニッカ竹鶴。道に入っては道に従え。特別の個性はないが、適度の苦みと香ばしさとこく。ドイツで飲んだビールに近い。

秀よしは、今回のニセコの宿「ファミール・イン・ラミーナ」で出た秋田の純米酒。宿では道産の「国稀」など数種を用意していたが、生憎純米酒を丁度きらしていた。何か純米酒有りませんかというリクエストに出てきた酒が秀よしだった。奥様の御両親が秋田在なので送ってもらったという酒処秋田に恥じないこくも切れもある純米酒。こんな酒を飲むとしみじみ表日本の銘酒よりも、裏日本の純米酒が喉にあっていると思う。

さて、ニセコ。先月の上海と並んで、いま地球でもっともホットなスポット。オーストラリアンのみならず、香港その他からのスキー客で溢れていて、施設はかっての○○荘という民宿も有るけれど、コンドミニアムその他の建築ラッシュだった。最近出来た温泉の案内の表記は、日本語、英語、中国語、韓国語だった。いまや、日本で唯一無二のインターナショナルスキー場。頂上付近は、ミニウィスラーという感じで、ウィスラーから客が流れてきているというのも判るような気がする。

(2006-12-15)

No.145
柚餅子

越畑から、陀羅佛印の極上柚餅子が届いた。 包装紙を開けると、中はiPodの箱、それを更に開くとレインボーカラーの糸に結ばれたお洒落な紙包みが2個。中身が越畑特産陀羅佛柚餅子だった。

是は酒をえらばにゃーならぬ。とりあえず、愛媛栄光酒造の純米吟醸生酒「すえながく」原料米は、松山三井精米歩合50%日本酒度2度。口に含むと麹臭があるが、しかし非常に滑らかな喉ごし。お酒で言えば辛口味のピュアーな柚餅子にピッタリ。

それじゃーもう一酒。富山県福光町の小さな蔵のお酒「成政」純米吟醸南砺産山田錦使用、生酒秋あがり。ここの蔵特有の果実臭、滋味がある。しかし、余韻が短い感じがする。なるほど、酒造りは単純ではないようだ。こっちにも柚餅子は良いあんばい。

12月には、もう一個の手作り、ゆい自然農園「五人百姓の会」の味噌を貰った。こちらは、ゆい農園の畑を借りて、無農薬大豆を作り、無農薬コシヒカリ産麹と伯方の塩を使ったピュアー味噌。どちらも極上、多謝。

(2006-12-21)

No.146
厚切り鰤

今年お初でした。厚切り鰤、たっぷり大根下ろし、本山葵、鳥居の醤油のミックスかぶりつき。合いの手に越畑産柚餅子、これがまた絶妙。お酒は昨日と同じ「成政」。実は今日は、とある忘年会の口直し。それだけによけい幸~わ~せ~。今年こそ、猫パーティはさせんぞー。明日先着3名様に鰤お裾分けすっちゃ。どちらさんもはよこられ~。

(2006-12-22)

No.147
オリオンビール いちばん桜

いわずとしれた、沖縄のオリオンビール。真夏の昼下がりに、海風を感じながら、木陰で、ソーキ蕎麦をすすり、片手にオリオン生。病み付きになるシチュエーション。かの地では、アサヒや麒麟ではなくて、オリオン様なのだ。原材料は、麦芽、ホップのみ。コーンスターチやらいろいろ混ぜ物をするのは、いい加減にして欲しい。北海道の札幌クラシックも美味しかったし、どうして、ビールは辺境(失礼)だけが、美味しいんだろ。

季節限定醸造「いちばん桜」を、所変わって富山で薪ストーブの遠赤外線を感じながら、ぐびぐび、あーこりゃこりゃ。命が延びた。そして、沖縄のうこん茶のお世話になる。アルコールで痛めつけられた肝臓に、効くと酒好きの友人が錠剤をカポカポ飲んでいた。那覇牧志の公設市場のお姉ーちゃんによると、春ウコンより、秋ウコンが効くとか、生ではだめとかいろいろあるらしい。あの粉末の強烈な匂いをかいだだけで、キクー。JR高岡駅でもたまに売っているのがおかしい。 五右衛門じゃないけれど、あー世の中に、お酒とその毒消しの種は尽きマジ。

(2006-12-25)

No.148
更科藤井にて

昨晩は、ウィーンフォルクスオーパーの極上ウィンナーワルツの数々。漸く正月が来ました。これぞ本場の響き。何ともいえない芳醇な音にうっとり。さっきまで舞台で颯爽と弾いていたもりさんを誘って、更科藤井へ繰り出す。蕎麦ビールで喉を潤し、日本酒へ。〆張「純」と宗玄純米無垢飲み比べ。モリさんの評価は、〆張はさっぱりとして、料理との相性が良い。宗玄はこくがあるとのこと。卵焼き、天麩羅もりあわせ(くわい、五郎島薩摩芋、セリのかき揚げ、115号椎茸(寒い時期限定)などなど)にあわせる。

さらに焼酎へ、モリさんの選択は、まずは「大黒」日置市市来町松崎酒造をロックで。ラベルは大黒様。ロックはスッキリして飲みやすく、芋臭さが無い。次は、「あやかし福助」という怪しげな名前にラベルの芋。鹿児島市七ツ島 さつま無双製造 これは生で飲む。さすが芋の香りがぷんぷん。焼酎はやっぱり生がいいか。次々に美味しいご馳走やお蕎麦が。しかし、更科藤井に負けないご馳走はもりさんのウィーン、鹿児島、焼酎の楽しいお話でした。来年はみんなこられー。

(2007-01-05)

No.149
ごちそう泡盛

食事がなぜか俄に沖ナワン。そこで、久しぶりに泡盛のご登場。石垣島の請福酒造の裏ラベルの漢那蒸留所の手造り泡盛、その名も「サキタリヤーおかみの作る「ごちそう泡盛」。請福酒造のおかみの泡盛。ラベルがこっている。そして何と言ってもビンが石垣の綺麗な海の色の透明ブルー角瓶。また、こんな色の海で泳ぎたい。これまでの請福さんの軽い特徴とは違い味にこくがある。と言っても、今帰仁酒造のようにクセはない。しっかりした泡盛。度数は43.4度。「花ぐすく」の豆腐ようにぴったり。

(2007-01-25)

No.150
再び更科藤井のお酒

久しぶりに肉体派を脱して、たまには心に栄養をとばかり、マイスキー&オラモ&フィンランドSOへ。大好きなシベリウスとドボルザークを堪能。なんで大好きかというと田舎者のとにとって、あの、二人の辺境臭さが何ともいえない。プラハのドボルザーク博物館は、なかなか楽しかった事を思い出した。シベリウスは北欧の透明な空気を知らずしてわかるかと思ったりする。マイスキーは、ジーサスクライストさながらの思い入れたっぷりのフォーマンスながら、音色はラモス瑠偉ばりの相変わらず流麗なチェロ。まず自分が酔わなきゃ他人を酔わせられない。おかげで、こちらもたっぷり酔いました。

そのあとなだれ込んだ、更科藤井。ぽこさんが、マスターはメニューにない自分用の酒もっとるよと言うので、出して出してと言って出てきたのが、「四季桜」「天狗舞」。前者は、非常に丁寧に作ってあるナーというお酒、上品な吟醸香もある。松翁にも置いてある。天狗舞は、美味んぼで出てくる松任のお酒だけど、やや酸味が勝った。あとは、宗玄でした。各種季節の天麩羅などにピッタリ。

(2007-02-07)