雑記帖 - yo:ku:nel
- No.31
夏日 -
今日は、富山は夏日。朝からグングン気温が上がる。こんな日は、泡盛。サムさんからお土産に貰ったとっておきの古酒今帰仁酒造製古酒「王朝の邦」43度。長期熟成古酒。今日はこれゆこう。キャップが凄い、絶対にアルコールを漏らさないぞという強固な意志を持った茶色の強力ゴムキャップ。瓶は真っ黒の陶器で、昔の帆船を浮き彫りにしてある。これは「カティサーク」じゃないかい。
まず生で。やや黄色い色。口に含むやなるほどこれが古酒かというとろりとした濃厚だけど軽い味わい。43度なので口中に泡盛特有の香りがぱっと広がる。美味しい。「カナ」で呑んだ「やまかわ」43度古酒が素直だという意味を了解。同じ蒸留酒でもブランディやウィスキーとは別世界。やはり、米なので、和食に違和感が無いのだ。特に豚肉にぴったり。サムさんありがとうございました。
勿論、生のままでは食中酒にならないので、次に泡盛3水7の水割りにする。泡盛は大きな氷を使った水割りです。濃度は7:3が基本だけどそれは各自のお好みで。自分にとって濃すぎず薄すぎずに調節を。
(2005-08-01)
- No.32
泥鰌の蒲焼き -
本日は、モーグル娘の手術成功祝いに新しい焼酎を開けるとしよう。芋焼酎なれど、宮崎県西諸郡須木村産かめ壺焼酎「山鳩」。須木村は、人口2300人余。92%が林野という。まずは、生で。おー非常におとなしく、芋の香りはマイルド、すいすい入りそう。あとは、水割りで。
肴は、メーさんから西表島パイナップルのお返しの、泥鰌の蒲焼き。いまや、なかなか手に入り難く幻化している福光町「杓子屋」さんのもの。ここのはさすがに泥鰌がしっかりしていて、焦げも少ない上手な焼き方で、泥鰌の苦み、えぐみもバッチリで焼酎に合う。泥鰌は、躍り食いなどと言う悪趣味な食べ方もあるが、やはり蒲焼きか、唐揚げがいい。あー柳川も良いか
(2005-08-04)
- No.33
立山(登山) -
富山と言えば、立山。と言ってもお酒の方ではなくて、ホントのお山(主峰は雄山という)。
本日は、涼を求めて立山へ雲上散歩としゃれ込んだ。同行はうりこ先生とそのお友達のMさん、Pさん。二人ともアメリカ人だけど、Mさんは、かって高岡に1年在住、Pさんは、博士論文が日本の落語という日本通。ところが、朝出てきた姿は、サンダルにスニーカー。なぬっ、お主等日本の山をなめてるんか。
トは、ドイツ製登山靴で足下を固める。皆さんの足下からして、今日は登頂ではなくて、室堂散策に決まりですなーと歩き出したところが、足下の感触が何故かふわふわして文字通り雲上散歩。そのうちに、靴のソールががばっとはがれて靴ならぬ足袋になってしまうではないか。一足だけじゃ「だんこちんこ」で歩きにくいでしょうと同情を受けるもその心配は僅か1分と持たず両足ともべろり。中間のスポンジ部分がむせてしまったのが原因のよう。なんのことはない、サンダルさんから「ダイジョーブデスカ?」の励ましを受けながらのトホホ散策となってしまった。
日本最高所の温泉とうたっている「みくりが池温泉」で濃厚な硫黄泉を味わい、玉殿の水でお湯を沸かして、ダージリンティーを入れてアフターヌーンティー。スコーンじゃなくてよもぎ饅頭だったけど。
さて、昨日は怖い物は何ですかと聞かれて「お寿司」と答えて昼「すし貫」夜「居酒寿司」をゲットしたPさん。本日の怖い物は、お蕎麦と言うことで、「市川」で、田酒、緑川、八海山でお蕎麦をゲットされました。おっと、その前に「彩々」の珈琲を頂く。今日は休みだったのに、運良くマスターが海から帰ってきたところをつかまえて押し入ったのでした。山から帰ると何故か珈琲が美味しい。
(2005-08-08)
- No.34
台風 -
きのー一緒に行ったうりこ先生が、昔、なーも持たんと雄山まで登って、喉乾いて乾いて、雄山の神社にジュース売って無い、水気は御神酒しかなくて、酒呑めんがに御神酒二本もこーて呑んでへろへろへろになって下りてきたがやと。
さて、きょうは、台風のおさらい。沖縄で、しっかり味わった台風を考え直してみる。台風を良く調べてみれば、台風の語源は意外と新しくて、明治時代に初めて台風という言葉が出てきて、大正時代から一般化したらしい。平安時代は「野分」。江戸時代はどういってたんでしょうか。あるいは沖縄ではどう言っていたんでしょうか。
台風は、英語のtyphoonの音訳という説、台湾地方で吹く風という説などあり。ちなみにtyphoonは、中国のdafengとか、アラビアのtufanが語源という説がある。結局アジアからアメリカへそしてまた日本へと言うことか。ちなみに、hurricaneは、メキシコ湾、カリブ海由来のもの。カリブ語、スペイン語が語源のよう。もう一つは、cyclon これは、ベンガル湾、アラビア海に発生する物。これは、文字通り渦巻き。ギリシャ語のキュクロス由来(回転)でわかりやすい。渦巻きなので、風向きが、台風到来直後と通過直後では、変わるのだ。
台風がどうして発生するかといえば、数年前、パラグライダータンデム機に載せて貰ったとき、ワールドカップレーサーのOさんから地上の焚き火でもたちまち上昇気流になって、パラグライダーを浮かせてくれるので、それをいかにつかめるかが肝心だという話から、想像するに熱帯ではいかにも同じ事があり得るかなと思う。
台風のメッカ沖縄では、台風という名前の泡盛があるのかないのか、今晩は、台風に匹敵する60度「どなん」で締め。
(2005-08-09)
- No.35
夏風邪 -
ローマ字ではなくて漢字の良く寝るのお盆休みだった。まる5昼夜寝て寝て寝呆けました。たいしたことは無いだろうとたかをくくっていた夏風邪に、電池切れのため思わぬ充電期間となりました。トの場合は、熱は滅多に出ないけれど大体弱いところがやられる。鼻、喉、そして頭。今回は肩甲骨周囲も痛かったので、日頃よく使うところがやられたかも知れない、もしかして、頭もそっちのせいかとかすかに期待もしてみたけれどおしりも痛かったので、肩甲骨痛は寝過ぎのせいかもしれず、そうなれば頭の使いすぎ=頭痛は望み薄。大体本人があまり使っている自覚がないのでこの期待はちと図々しい。
「大食 大飲 病弱もの」(こんなんありか?)を字で行くような自堕落な日々。ぺこぽこが、プールに行こうが、映画に行こうが、金沢で中華三昧しようが、「いってらっしゃいませ」と寅さんが腑抜け丸出しで虎屋の2階で臥せっている状態。あっちは恋の病だけどこっちはただの風邪、しかし体が身動きできないのは一緒。腹巻き巻いてないところだけが違う。こんな時は酒呑んでも口がまずい。でも呑まない訳じゃないが。熱いので家中涼しいとこハンターぽこを追っかけながらあっちでのたうちこっちでのたうちしていると、今日漸く回復の兆しが。 そこへ、京都のかの青竹豆腐やらのお土産持参でうりこ先生とJちゃん御到来。早速、新しい焼酎を開ける。「薩摩の風」黒麹で2年仕込み、白麹をブレンドしたとか。薩摩の風で、風邪を吹っ飛ばしてクレーといいつつ呑むとこれがおとなしい味。ついでに石垣島「請福酒造」の「西表」を開けて台風一過を期待する。違いがわからないのは味覚音痴になってるからでしょうね。日本酒のように拒絶反応をお酒から示されることは無いが。味がわからないといいつつ「亭主三杯客一杯」のトでした。(2005-08-16)
- No.36
鮎正宗 -
テニス仲間のかんちゃんから、鮎正宗酒造特別純米「鮎」を貰った。鮎正宗は、新潟県新井市から群馬県長野原町まで113.4キロを結ぶ国道292号沿いの小さな酒蔵。というよりは、新井から飯山へ向けてちょっと山の中に入ったところの猿橋という集落にある築百数十年の建物が残ったお酒屋さん。我が家はかって、野沢温泉や志賀高原に向かうときに必ず通った処。国道292号は飯山から湯田中を通り、志賀高原、渋峠(ここが2172mで国道最高所とか)を経て、草津に至る。
それはともかく、新井から飯山までが冬期間は難所中の難所。日本でも有数の豪雪地帯の上、道が狭くて対向車がスピンすることもしばしば。その難所を何度も怖い目に遭いながらよく通いました。現在は、上信越自動車道を行くので通ることはなくなってしまった。
春は、山菜の宝庫、かってここの途中富倉部落に「郷土食堂」という蕎麦屋があって、オヤマボクチというゴボウの葉に似た葉の繊維だけをつなぎに使ったソバの香りがふんぷんとしたソバが食べられた。山菜の天ぷらがまた美味しかった。店は、道路拡張で中野へ移転した。
さて、「鮎」 おっ、今年のはいける。やや甘口なのは相変わらずだけど、べたつくほどではなくて、ほのかな吟醸香も感じられる。それもそのはず、最近金賞も受賞したことがあるとか。水は、敷地内に湧水が滾々とわき出ているという。
(2005-08-23)
- No.37
上半期ベスト日本酒 -
私的今年度上半期ベスト日本酒は、扶桑鶴「凌雲」と菊乃井特注酒。後者は、京都の割烹菊乃井で出たお酒。菊乃井さんが、どこかの酒蔵で誂えた。口に含むとおーなんと水の如し、喉を過ぎるときに、ポッと小さな蕾が開くような香りが漂う。料理にぴったりより沿い、それでいて料理も酒も楽しくなる。
「凌雲」は、「袋吊り」、「中取り」などもあり、一本一本瓶貯蔵で低温貯蔵、熟成させ、いかにも丁寧に手造りをしたお酒。洋梨系の複雑な香りが口の中に広がる。麹臭や雑味も少し感じるが、これがまた滋味。
最近は、純米酒か否かだけではなくて、濾過酒か否か(炭で白くしたか黄色いままか)、機械絞りか、袋吊りなど自然の力を利用した手造りかなど選択のレベルはより高度になっている。
どこかの純米大吟醸は、高校醸造課卒のオネーちゃんが、白衣を着て、一人でタンクを管理しているという話を聞くと寂しすぎる。やはり杜氏さんが上半身裸になって、蒸し米をかき混ぜてお酒が出来る方が嬉しい。
これからは、お酒選びも職人技にこだわりたい。
(2005-08-25)
- No.38
和久傳青竹酒 -
さて、和久傳青竹酒、しかしてその中身は、京都丹後の「吉岡酒造」製だった。呑む5時間前に青竹に移し替えると、青竹の香りが混じり合って、良いお味になるという能書き。しかし、お酒は残念ながら、アル添。おまけに、この日のライバルは、田酒山廃や、扶桑鶴純米などの実力酒。確かに青竹の香りは感じるが、青竹酒の威力はやや不発であった。
青竹酒と言えば、滋賀県「比良山荘」さんも、お酒は青竹入り。ここも青竹はぎんぎんに冷やして、お酒がことことことと音を立てて杯にと言うのは、なかなかの演出。お酒がことことっというのは、瓢箪型の徳利か青竹。おかげで喉がぐるぐると鳴ってほとんどぽこ状態でお酒が進む。比良山荘は、おまけに極上天然鮎や山菜、松茸が匂いとともにでてくるのだ。思い出しただけでもジュルーと唾液が出てくる。青竹酒はさすが京都の料理屋さんの演出か。
さて、本日の焼酎は、鹿児島県佐多宗二酒店「刀」44度。 お酒は、度数が高い方がうまい。これもなかなかの芋酒。ラベルが墨の「刀」とローマ字でモダン。
(2005-09-02)
- No.39
ルパン -
さて、月曜日のルパンでは、ワインはマスターのお任せにしたところ、客の財布を考えてコストパーフォーマンス抜群路線だった。
白は、ブルゴーニュといっても、シャルトン・コルマーニュやモンラシュではない。白は、「シャルドネ ドゥ シャルドネ2001」ブルゴーニュ。さすが、シャルドネがダブルで来るだけあって、口に含むとやや酸っぱいが、シャルドネらしい、多彩な香りが花開く。
赤その1は、「エルタ・エ・キーナ2002」レンツオ・マージ社キャンティ・ルフィナ地方。これがやすくてうまかった。色がキャンテイ色といえるような透明感溢れる赤が、グラスにきらきら輝く。飲んだ瞬間、キャンティ特有の華やかな香りいいかえればビヴァイタリアが口の中にぱっと広がる。味もいろいろ感じる。どこかのガイドブックで「コストパーフォーマンス金賞」を貰っているというのもさもありなん。市価1500円ぐらい。コンサートの余韻に酔い、おしゃべりに酔い、ワインに酔いは、このクラスのワインがぴったり。イタリアワインは、最初から楽しいおしゃべりを想定しているようだ。
赤その2は、シチリア産ワイン。 「テール・ディ・ジネストラ」これは、赤その1よりは、かなり地味な味。もう少し開栓時間が必要だったか。
久しぶりのルパンの優しい味は、美味しかった。
(2005-09-05)
- No.40
松翁の酒 -
久しぶりの神田のお蕎麦やさん「松翁」には、約20枚のお酒のお札が下がっていた。一四代、獺祭、飛露喜、神亀、出羽桜、〆張鶴、磯自慢など名だたる銘酒がずらりと並ぶ。手作りの銘酒の人気酒を品そろえしてあるとみた。天ぷらは、キス、松茸(どこの?)、マイタケ、モロッコインゲン。
トの選択は、「陸奥八仙」ひやおろし特別純米酒無濾過原酒。八月出荷のお酒らしい。青森と言えば、「田酒」こちらは、こてこての無濾過酒。がつんと来るパワーは魅力たっぷり。これと比較すると、かなり上品である。お蕎麦には、こちらの方があうかも知れない。華やかな吟醸香は無いが、楚々としたメロンライクな香りを感じた。
もう一つ、黒糖焼酎「喜界島」奄美大島産。確かに甘いが、嫌みではない、喉ごしが心地良い甘さ。 「喜界島」と言えば、俊寛。しかし、どうも俊寛が流された島の候補地は三つほどあって、はっきりしないらしい。かっての流刑地に憧れる現代人、いやとぺこは、帰れると言う安心感があってのことだろう。
(2005-09-06)