雑記帖 - yo:ku:nel

No.11
竹鶴レポート

ぽこさんが呑んべ親父のため、父の日プレゼントとして、やまけんシリーズ酒「竹鶴」(広島)「扶桑鶴」(島根)「るみ子の酒」(三重)を取り寄せてくれた。 ここは酒好きだった亡き父にも呑ませにゃーなるまい。そこで竹鶴純米吟醸を、普段は開かずの仏壇の扉を開き、一升瓶をどんと中央にお供えした。

さーこれで飲めるぞー。やまけんちゃ、ほんまに酒わかっとがかー。友達の蔵元やから、いいゆーとっだけやないがかー。まずあけたのが「大和町産雄町使用純米原酒生酒」(18度~19度)。常温では、うまい。甘口辛口の指標が、辛口度+8度なのに、甘く感じる部分がある。まったり、うまくち。ところが、冷やすと、麹の匂いが鼻につく。この酒は、生酒でも、常温か燗をして飲む酒のようだ。

ついで「純米清酒秘伝」を燗する。うまくて軽い。燗酒では、日本のトップクラスだろう。富山では、立山本醸造か金印だけど、純米じゃないのが残念。 トの表日本基準酒、愛知常滑の「白老白寿」と比べると竹鶴の方が、酸味が強く、パワーが有るかも知れない。特筆すべきは後口の良さ。飲み口は舌にも喉にもひっかからない上、後口が非常に良い。後口は美味しい料理・酒の必須条件。竹鶴はそれを満たしている。しかし、竹鶴は淡麗辛口、吟醸香の富山、新潟、石川、福井など裏日本の酒とは違う。表日本の「神亀」「開運」「府中誉」グループだ。

この違いは、なんの根拠もなく乱暴に言うと、太平洋の黒潮が山から下った水を使った酒と、日本海の寒流の水が山から下った水を使った酒の違いなのか。それとも、黒潮に泳いでいる魚に合わせた酒(調味料など含めて)か、寒流に泳いだ魚に合わせた酒の違いなのか。 結局お酒は風土によって生み出されるもの。よって、旅の極意は、地のもんを、地の酒でに尽きるようだ。

(2005-06-22)

No.12
扶桑鶴

きょうも「やまけん」酒「扶桑鶴」島根県益田市桑原酒造。実は、内心一番期待していたお酒でした。今日は、扶桑鶴純米吟醸。口に含んだとたん「竹鶴」の同類のイメージ。あっちがやんちゃな兄貴なら、こっちは品の良い弟。若貴とは、ちょっと違うか。色は、いずれも黄色っぽい、と言うことはいずれも無濾過酒。竹鶴は冷やすと難があったが、扶桑鶴は冷やしても問題ない。 山田錦特有のお色気は十分だが、吟醸香りはさほど感じない。しかし、なめらかなうまさは抜群。喉に何もひっかからないし後口はもちろん良い。

山田錦100%使用。日本酒度+2.5アミノ酸度1.2協会9号酵母。さて、同じ山田錦の「梅錦純米大吟醸」と飲み比べると、むっむっいい勝負じゃないか。梅ちゃんの方がふくよかさに勝るが、こっちは1合1000円。扶桑鶴は1合約350円。

さて、本日は、もう一個のコストパーフォーマンスの高いチリ産赤ワイン「アナケナ」の紹介。約1500円也、口に含んだとたんリオのカーニバル状態。口中にフワーとした香りが広がる。でも、考えてみるとこっちは、1合約350円。扶桑鶴と一緒。どっちをとるかそれが問題だ。

(2005-06-24)

No.13
暑くなると

きょうのお酒は、扶桑鶴冷酒一合。相変わらず呑みやすく後口がよい。 もう一個は、夏ならやはり泡盛。「甕仕込み5年物」のロック。沖縄県西原町石川酒造場。これは、昨年の沖縄旅行で飛行機の出発まで一時間あったので、モノレールを利用してピストンして走った那覇の国際通りの酒店「古酒家」でのお勧め品。あれは8年物の甕入りだった。暑くないときは、焼酎の方がうまいが、暑くなると泡盛は良い。

与那国島に美味しい泡盛があるという。そーいえば沖縄の鍾乳洞玉泉洞に泡盛が寝かせてありました。古酒に憧れます。かって、ぽこさんが買ってきてくれた瑞穂20年物は、かのうるさい居酒寿司のマスターも感激した逸品。昨年15年物を買ってきて寝かせてあるので今年で16年物。あと4年。こんなんじゃだめかなー。

(2005-06-25)

No.14
蕎麦屋の昼酒

本日プールの後はこれでした。トの思い出の原点は、浅草並木の藪蕎麦の菊正宗の燗酒。あーこれが江戸の粋なんだと感激したのがウン十年前。下宿の便所と同じの、ラワン製の箱に入った水を鎖でえぃと引っ張る懐かしのトイレは今でも健在かな。最近では、「ふじおか」の野菜盛り合わせと「雛願」がダントツ(新潟県村上市大洋酒造製、村上市の酒の「ほしの」さんの特注酒。)

きょうの富山の市川では、青森の「田酒」特別純米酒。某日経アンケートでは、一位の酒。黄色い無濾過酒。とにかくパワーフルで吟醸香もある。ここの金色の箱に田酒と緑色で書かれた純米吟醸がもっと華やかできれもこくもある。こっちは1升5000円、特別純米は半額。高校同級の画家「堀皓栽」さんとうりこ亭で食事したとき、彼は〆張純に脇目もふらず田酒純米吟醸をぐびぐびやっっていたなー。

もう一個は、新潟県魚沼郡の「緑川」純米吟醸。非常におとなしい、マイルドなお酒。半合しかなくて無料だったのでことのほかうまかった。市川ではこの他に「八海山」「小鼓」などの純米吟醸をそろえている。おてんとさまが高いうちは働くものと頭にすり込まれている悲しき団塊世代には、白い太陽を拝みながらちびちび飲む昼酒がとんでもない贅沢に感じっちゃー。

(2005-06-26)

No.15
酒器

ウィスキー、ブランディ、ブルゴーニュワイン、ポートワインなどは熟成命ですが、日本酒の古酒は、あのひね香がどうも鼻につくので、好きになれません。しかし、泡盛は、やはり、クースー。

さて、泡盛と言えば、酒器は「カラカラ」。最近のトのお気に入り酒器は、まずビールは、かって、我が家にストーブを設置にきてくれた鯉江君のお父さんの良三さんの素焼きの細長いぐい飲み。ビールを注いだとたんクリーミーな泡が立つ魔法の器。口縁が、ぼろぼろになってきたけれど、それも味。さすが、抜群の存在感。ちょこっと焼いて、ちょろっと線を入れてあるだけの素朴な器なのですが。

日本酒は、凸すけ夫婦との「ロアジ」「当麻寺」コースの時に当麻寺門前通りのお店で求めた備前の八角形のぐい飲み。「お客さんお目が高い、これは昔仕入れたのでウン千円だけど今はもっと値がします」の売り言葉を鵜呑みにしました。信じる物は救われる。もう一個は、能登の珠洲焼きのぐい飲み。珠洲焼き特有の灰黒色が、使えば使うほど、良い味に。昔、珠洲に「森下旅館」という老舗宿があってここのご主人が珠洲焼きの収集家で、宿に売っていたのを記念に一個求めた物です。いずれも、素焼き系がいい。

今日は、竹鶴特別純米の燗酒、山芋キウリの酢のもん、イカと一文字の酢のもんにぴったり。暑いときの燗酒は、良い。暖かい物に、扶桑鶴冷酒一合。そろそろ、ネクスト。

(2005-06-27)

No.16
加賀鳶純米吟醸

その昔、「ふくちゃん~ふくまさ~もってきて~」というコマソンがあった。金沢の福光屋の福正宗だ。ここは、いろいろ動く酒蔵という印象がある。本日は、福正の初呑み切り「加賀鳶 純米吟醸」。山田錦60%金紋錦40%(長野の木島平産)。初呑み切りとは、新酒を火入れ貯蔵したタンクの飲み口から少量を採ってきた酒のよう。新酒のフレッシュ感が味わえるという。さて、お味は標準的な純米吟醸で、やや生酒っぽい香りが立つ。トには、いまいちインパクトが足りないと思えるが、一口含んだペコさんは、まーいけるという。お酒は、いろいろ。

本日は、煙草にお寿司が台無しにされてしまった。エアコン下の席しかあいてなかったのが不幸の始まり。客はさほど食べずに酒と煙草とおしゃべりのビジネス関連客。煙が美味しいお寿司やおつまみの上に殺到した。わ~やめてくれ~、イエローカードにレッドカードや。食事処で吸うな、呑みながら仕事の話をするな!

(2005-06-28)

No.17
美酒シリーズ

美酒シリーズ 結局今家にある物 盃に1っぱいずつでした。

1番 稜雲で道つけて
2番 扶桑鶴品が良い
3番 竹鶴がつんといってー
4番 梅錦ふーくよか
5番 万寿もさすがだぜ
いいぞがんばれ 日本酒!
燃えよ にいほんしゅ!

遠い夜空にこだまする
シャラポの叫びを耳にして
ふかふか布団で寝静まった
僕らをじ~んとしびれさす
いいぞがんばれ フェーデラー!
燃えよ ウィンブルドン!

(2005-06-29)

No.18
るみ子の酒

さて、今晩は、「るみ子の酒」純米吟醸。ラベルが夏子の酒の尾瀬あきらのるみ子の絵なので、つい既報の夏子の酒の七代目を思い出す。これもやまけんシリーズと言うことで偏見を持つわけでないが、これも竹鶴のねーちゃんかと思うほど同一系列の酒。でもこっちは「山田錦」使用。山田錦は、兵庫県の一地区特産と思っていたら、どうもるみ子の酒の三重県上野市(伊賀地区)でも生産しているらしい。やや酸味が勝っているが後口が良いお酒。

今晩は扶桑鶴常温からなんともいえない上品な味を感じた。 本日は、京都帰りのうりこ先生から和久傳特製の青竹酒を頂戴した。能書きによると青竹成分と混じり合って美味を醸し出すという、楽しみが増えた。

(2005-07-01)

No.19
鮎パーティ

突然の鮎パーティ。鮎は富山県庄川産のこぶりのもの。刺身は、きときと鰺に〆たてコチがことのほかうまかった。その他ごちそう山ほど。あっという間になくなる。お酒は、当然負けていられぬと、お客様持ち込みの「田酒山廃仕込み」、「緑川」雪洞貯蔵酒生、扶桑鶴ほか。 赤ワインは、「95 コルトン GC クロ・デ・メ」いつもの飲み慣れた1000円ワインとはちと違うワイ。優雅な香りでした。皆さんご苦労様でした。

(2005-07-02)

No.20
こんか鰯

最近は、2日続きでおとなしく、1ビア(350ml)1焼酎お湯割り、1燗酒(竹鶴稜雲)でおしまい。さて、肴に美味しい江政製こんか鰯が登場、鰯はこの時期限定でこれがまた絶妙の味。うまれつきこんか鰯に目のないペコさんは、たとえ高血圧で倒れてもかまわないとのたまっている。お酒のあてに最高。ペコさんに倒れて貰っちゃかなわないので、せっせと食べる。日本酒にも焼酎にもあう。美味しい塩味は、日本人にとってたまらない、とはいっても美味しい塩は、ゲランやら、シチリア産やら、岩塩とかいろいろあるか。

(2005-07-05)