雑記帖 - つれづれのことのは

No.271
市場祭り

今朝は、せり人さんからお誘い受けた農林水産物まつりへ。買った物を駐車場に運び込んだら、まるで八百屋さんの店先の如きで何でもあり。蕪・赤蕪・葱・自然薯・千石豆・南瓜・鞘豆・川蟹・ブロッコリー・野沢菜・銀杏・黒豆・小豆・天付きナンバ・柿・みかん・粕漬け・浅漬け・五平餅・茗荷寿司・鮎の塩焼き等々。「お客さん、お安くしますよ」とミニ販売所が出来そうな品揃え。

なにが楽しいといって「生産者の顔がみえること」です。山で自然薯掘ってきたじぃちゃんは、自然薯みたいに粘りのある顔つき、ぶっとい手が逞しくいかにも頼りになりそう!「おじさん、すごい自然薯」と、がっちりしたのを二本も買ったところ、ぽんと栽培自然薯の大きなおまけがつきました。おじちゃんはふとっぱらです。大きなつづらの好きなぺこはにっこり。見慣れないドラゴンフルーツみたいな野菜を販売していたおばぁちゃんは、随分のお年だとお見受けしたのですが、好奇心一杯で目が輝いてました。

トレッキング用のでっかいリュックを担いでいって、これ以上は無いというでっかい南瓜もお買い上げ。「わぁ~、かたぁ~てしっかり持ち重りするね。きっとほくほくやろね。ひとつもらいますちゃ」と愛想をしながら、買っては車に運び、買っては車に運び。気がついたら「らいねんの冬至までもつかも…」という位に沢山の南瓜を買い込んどりました。野沢菜や赤蕪を買ったお店は、葉っぱが虫食いだったので、農薬控えておいでだろうなと想像されました。隣のお店では、ぴかぴかした立派なのも売られていましたが、虫喰い一つないというのは、こわぁ~いのです。日頃、ベランダ菜園で無農薬栽培していると、菜っ葉は虫さんのために大きくしているのかと思える程、あらかた食べられてしまうのですから。昔食べた記憶があるのに、最近はまったく目にすることがなかった川蟹も手に入れました。つい先日、ウン十倍払って食べてきた上海かにとそっくりな味であることを発見して感動!

会場で落ち合ったじゅんちゃんの車(キャンピングカー)の中はピクニック状態。ほかほかの鴨うどんに揚げたてかき揚げがのっかり、茗荷寿司・里芋田楽にミカンのデザートまで付いているという豪華な食卓。ぽっかんの実演販売も楽しいし、いも田楽の香ばしい味噌の匂いはいやでも食欲を刺激するし、ふわふわ湯気のたつ蒟蒻田楽はお祭りの記憶を呼び起こさせてワクワクするし、背中の荷の重いことも忘れてスキップ状態の買い物でした。消費者が楽しいことが、販売促進、購買意欲向上の第一条件じゃないかしらん。

朝から仕事に精出しているトさんが待つ事務所に帰り着き、腕まくりしてふくらぎをたったと捌き、トさんの大好物、残の味噌汁のできあがり「おきゃくさん、ご注文の品あがりぃ~」。炭焼きの小さな鮎も美味しかったそうで(食べようと楽しみにしとったのに、残ってなかったぞ)、古代米いりおこわも、咬めば咬むほどにあまぁ~くて大満足。夜は、フクラギの片身でてんこ盛りのおさしみ、もう片身は塩焼きに味噌漬けに変身。50センチ余もあって、脂ののったがんどぶりに近いような大きさで3匹1000円。蕪は1週間後に蕪寿司になる予定。水車を利用して皮を剥かれた里芋は、ほっくり煮物に。太いのに柔らかい蕨はあぶらげと炊き合わせ、銀杏はもちろん銀杏ご飯やろなあ~♪

(2006-11-20)

No.272
ひょっとこ顔

本日、上海テニスツァー同行の仲間から写真を送られてビックリ、知らない間に写されていたなにげない一枚が、がぁ~ん。ひょっとこ顔なんですぅ。うるる。笑ってるばあいではないのです。たまちゃんのひょっとこ顔のネタもとは、他でもないこのばぁばやったがいね。ばぁばの陀ら仏な性格もうつっとるかもぉ~。

最近のわたくしめは、まさに「時をずっこけるばぁば」これが少女なら多少は許されるのでしょうが…。馬齢を重ねて懲りない人とは、わたしのことだなぁ~と、自戒することもなく、問題のひょっとこ顔でポーズだけ反省という毎日です。

(2006-11-25)

No.273
柚味噌

柚子を刳り抜いてたたいた中身を自家製味噌とあわせ、丸ごと焼いた柚味噌は子供の時から大好物。柚味噌楽しんだ後は、きざんでかぶらとやちゃらになったり、糠床に、白菜漬けに、美味しいのでついお裾分けしたり大活躍。一つ残さず楽しんでます。あっ、そうそう、蕪寿司にも漬け込んだから、1週間後には食べられる予定♪

(2006-11-25)

No.274
知代ちゃん

秋の恒例イベント、テニスプロ「知代ちゃんのジュニアレッスン」へ行ってきました。マナーが良く笑顔がとびきり可愛い知代ちゃんのファンが大勢参加して、若さにあふれたイベントでした。目を輝かせている子供たちが美しい。久しぶりに「市川」さんで蕎麦や天麩羅、鴨うどん、カレーうどんとてんこ盛りに食べながらおしゃべりが尽きません。最終便の飛行機で慌ただしく故郷を後にする若者にエールを送りながら、返ってこっちが励まされるような元気を貰いました。

(2006-11-26)

No.275
漬け物は楽しい

休日は、どっさりある秋の実りと格闘しつつ殆どを台所で過ごしています。志ん朝さん聴きながら大奮闘。煮物に、漬け物に、酢のもんに、干し大根にと忙しいことったらありゃしない♪食卓はまたもやてんこ盛り。先日、農業祭で買ってみた野沢菜を初めて漬けてみたのが意外に美味しくなってご機嫌。本漬けしたのだが、さてどうなりますかな…。漬け物は「待つ」楽しみが、何ともはや。そぉ~と覗き込んではほくそ笑んでいます。このたまらないゆるやかな時が、いいがやちゃ。

夜は、うりこさんとじゅんちゃんを迎えて遅い食事会。食後のデザートの時になって、「そうだそうだ、こんなに毎日暖かいから心配や!」と、そぉ~と蕪寿司の重しを開けてお茶請けに出してみた。「うん、いけるいける。おいしいよ」と、うりこさん。「今年もなかなかじゃ!」と、仕込んだぺこばぁばは、満足、満足。これだから、漬け物はやめられん。たまちゃんが、食べてくれるようになるのが楽しみ♪

(2006-11-26)

No.276
てんぷら

昨日、プールで1キロこなし、お腹ぺこぺこになって帰宅して、食卓に座って「いたっだきまぁ~す」。今晩のおかずは、「薩摩芋のてんぷらたべたいっ!」とリクエストしてあったおいものてんぷら。日中あったことをあれこれかくかくしかじかと、おしゃべりに夢中になっていて、ふと食卓に目をやると、てんぷらが残りすくないっ。「わたし、まだ、いっこしかたべとらん!」「わたしが、ちゅうもんしたがやぜ!」いまにも掴みかからん勢いに、トさんの箸がひっこんだ。まるで、老人ホームの喧嘩のようで…こわぁ~。

(2006-11-29)

No.277
朝食抜き

京都、東京と巡礼(出張)してきました。2ヶ月過ぎた孫のたまちゃんは、益々元気に飲み、泣き、足を蹴る。あくびしながらむし笑いしてばぁばと一緒にご機嫌でお風呂に入り、じぃじにだっこされてぐっすり寝入り。朝は、ビックリするような大きな声でおっぱいを所望して早起きしていたそうな…。「たまちゃんは、なんて温和しくよく寝とるねぇ~」とばぁばがいうと、「ぐっすりは、あんたです」とたま父さん。

東京では、ザ銀座の老舗フレンチでバターソースの味をたっぷり味わいながら、「最後もう一月のりきろうね!」と乾杯。しかし、終わりに近くなると、秘かに「やっぱし、和食がいいかも…」。デザートがワゴンいっぱいに供されるのだが、もはやカウントダウン状態でどうにもこうにもお腹に隙間がない。宿にもどり、自分で準備する布団を夢うつつで敷き詰め、倒れ込んだと思ったら既に朝。悲しいほどぐっすり熟睡して眠ってしまって、せっかく素敵な宿なのにとちょっと損した気分。「吉水さんの布団は、ほんと寝やすいね」「あんたは、どこでも熟睡しとる…」

仕事の予定が入っていたので、今朝は6時起きで宿を出た。朝食は、しっかり食べるので、汽車に乗ったら「幕の内」と思ったのが安易だった。駅の売店で、売ってるものは、どれもこれも、しっかりたっぷり毒薬入りの弁当しかないじゃないですか。古来、おにぎりは塩むすびであった筈だし、暑いときで日持ちをさせたい時には焼きおにぎりだった筈。誰がなんであんなにクスリばっかり入れるのん?

朝食抜きで、行きに武生で買った榮太郎の「羽二重餅」とお茶という簡単食で昼まで仕事。ぽこ食堂の鍋焼きうどんの美味しかったこと!つるつる、じゅわぁ~と美味しさが口から喉へと広がる。プールを終えて帰宅すると、ご馳走がどっさり。家庭の味に乾杯!「水菜の和え物おいしかったなぁ。キウリの和え物もたべたくなったぁ~」

(2006-12-07)

No.278
幻の蕪

2度目の「かぶらずし」が日に日においしくなってきた。 ここの所、甕を覗き込んではほくそえんでいる。ところが、大失敗をやらかした。 三度目をと思って予約しておいた蕪を取りに行くのを、くるくる舞して仕事に夢中になっていて、すっかり忘れていたのだ。気がついたのは、一日の喧噪から解放され、ふらふらと水着に着替えているときだった。「あっちゃ~たいへん!」すぐに電話すれども、もちろんお店は既に閉まっていた。

翌日は、終日仕事の波に揉まれながらも、蕪の行方が気になってならない。うりこさんが、自宅まで訪れてくれたが、おるす。1時間に一度、タイマーの如く電話すれど、「りぃ~ん、りぃ~ん」とベルだけがむなしく響く。夕方遅くになってようやく電話が繋がった。「予約していたのに、申し訳ないことをしました。すんません。」「あれぇ~、それは気の毒やった。もう、遅いことだし、いいよいいよ。また、夕市に来てくだはれ」と、おばさんは寛容で優しい。ぽったり麹がしみこんだ美味しい蕪寿司を食べているような、嬉しい心持ちだった。

(2006-12-13)

No.279
初滑り

北海道でのスキーは生まれて初めて。それに、なんと言っても私にとっては骨折以来の初スキー。たまったマイレージポイントでの特典チケットだから、出来る限り遠い処へ、と「大きなつづら」が好きなふたりは、簡単に話がまとまった。とはいっても、一日休みをとっただけの二泊三日の慌ただしい日程なんですが。

さて、やってきましたニセコ。飛行場からバスターミナルに着いてみれば、そこはスキーゲレンデの真横。計画によると「まずレンタルスキーを借りて、その後プールで泳いで、ゆっくり夕飯を」だったのが、ゲレンデを見たとたんに「やっぱ、滑らんまいけ!」。クレイジーなふたりは、大慌てで宿に入るや準備万端ととのえ「さぁ、出発」。ふと目の前を見れば、トさんのヘルメットがさかさま…。ナイター券を買い込み、4時半の出発を待って、改札口横で準備運動のつもりで足踏みしていたら、地団駄踏んでいたと見られたらしい。改札の若者が「どうぞ」と、10分も早く手動で改札を開けてリフトに乗せてくださった。「2千円も得した!」と、にっこにこのふたり。とても大物にはなれそうにない。

帰りの空港でも、またドタバタ。出発空港に車を置いてきたから宅配で送るのはもったいないと大きなバックを3個ずりずり運んでチェックイン。が終わるやいなや、今度はお土産屋さんへ直行。昔から無添加のいくら等を取り寄せていた佐藤水産のお店で買い物をせねばとリスト片手に「お世話になっているあの人、この人、あれもこれも」と指折りながら買い込んだ。これまた宅配料がもったいないと、両手一杯の荷物をずりずり引きずりながら持ち帰るふたりなのでした。

トさんがネットで探してくれた宿は、満点ペンション。スポーツ好きなでお洒落なご主人とお料理好きで和風アレンジの食事が得意でかわいい奥様と、お部屋は7室で木の香りがいっぱいの木造り、お風呂は広く、お掃除好きで手入れが行き届いて快適この上なし。おかげさまで、快適に滑り、プールで泳ぎ、蟹もウニもいくらもほたても百合根(倶知安の特産物)も搾りたての牛乳も道産の蕎麦もラーメンも十二分に味わい堪能、温泉につかってアロマでマッサージして貰い、フルコースでリフレッシュしてきました。あと10日のラストスパートを元気に乗り切りますです。

(2006-12-19)

No.280
イブ前後

24日はクリスマスケーキを食べる日?なので、お約束通り事務所のスタッフの妹さん手作りのモンブランクリスマスバージョンを美味しく頂きました。出張の際、飛行機の機内雑誌で知ったのですが、モンブランはスパゲティ好きなイタリア人の創作によるものだそうで、日本人が茶蕎麦をおへらに登場させるような具合かな?

イブ後の方は、元気おじさま世界の小澤征爾氏率いる新日本フィル(はちょこっと気に入らなかったのですが)で、ラヴェルとチャイコフスキーを堪能。ピアノ協奏曲はショパンコンクール最年少金賞受賞のユンディ・リさん。疲れが澱む程に溜まってきているのできっと気持ちよく眠り転けるだろうと思っていたのに、なんのことはない歯切れ良く実にリズムカルな演奏を最後まで楽しみました。「冬の日の幻想」は、先日のニセコまでの道中、どこまでも続く白樺の林の中を走っていたのが思い出されるような、パウダースノーで軽くウェーデルンという軽やかな演奏でした。それにしても、とても72歳とは思えない小澤氏の脅威のパワーにはビックリ。

演奏会の後は、いつもの仲間が総勢12名。「あ蔵」さんになだれ込んでまちこかあさんの手料理にありつきました。熊本から取り寄せてくれた馬刺しも、地鶏を荒く弾き骨を叩いたお団子をベースにしたお鍋も、極上。穂紫蘇を隠し味にした柚子味噌がかけてあるほたほたのふろふき大根、福野の山野の小芋の串焼き、五箇山の凍み豆腐の田楽、原木ナメコのおろし和え、高野豆腐の白和えと、ご馳走がに次々箸が伸びる。実家に帰って寛いでいるような気分で食べるおふくろの味に、当然盃が重なり、〆張り純米吟醸の一升瓶があっちへいったりこっちへきたり。小沢御大に元気を貰い皆ハイな調子で今年の失敗話と自慢話で盛り上がり時間を忘れて笑いこけ食べ飲み納め。気の置けない仲間っていいもんです♪

(2006-12-27)