雑記帖 - つれづれのことのは

No.261
天の恵み

連休は、たまちゃんを迎えるべくちぃ凸ちゃんちのお引っ越しでした。水曜日あたりから京都方面のお天気ばかりが気になり、引っ越し本番の土曜日はどんより雨マークの予報に、ちと気が重くなっていたのです。金曜日、一足先にぽこぺこ隊員が出発する時間はちょうど青空もみえていて実に快適なドライブ。

土曜、目覚めるとやはり雨。6時起きでまだ荷造りの済んでいない荷物を鉢巻き締めて4人でひたすら片付けました。9時にはやってくる筈のトラックにまにあわせなくちゃならないのです。予定よりちょっと遅れてやって来てくれた引っ越し屋さんが到着すると殆ど時を同じく、なんと雨がやんでくれた。大きなタオルでてるてるぼうずを作ってお願いしておいた甲斐があったというもんです。

引っ越し作業には、ただ感動しました。あれこそ、プロの技。ひたすらてきぱき、てきぱき、そして柔らかく腰の入った丁寧さ、そして常に気配りを忘れず目の行き届いた仕事ぶりでした。どんなに重い冷蔵庫だって、まるで指一本で動かしている如きでした。もう骨折していたことなどすっかり忘れ、まさに火事場の馬鹿力とはこのことかとばかり、せっせ、せっせと片付け仕事をこなしたのでした。

合間にお蕎麦やさんやイタリアンそして京懐石としっかり腹ごなしにも励み、思文閣で開催されていた「三浦綾子展」もじっくり鑑賞してきました。「人間はいかに生きるべきか」という事を問い続けた作家浦綾子さんの作品はいろいろ読んでいるのですが、人間はどんなときにも諦めてはあかんのですね、好機は必ず巡ってくるのですよ。

(2006-09-18)

No.262
秋祭り

どんっどどっ どんどどっ どんどっどどんっ! ぴぃらぁらぁ~、ぴぃらぁらぁ~ ぴぃらぁりぃら~♪遠くから風にのって聞こえてくる祭り囃子は何ともいいもんです。町内の獅子舞も最近は人手が足りなくて他町内から助太刀を頼み、お囃子も女性陣が登場と時代を反映しています。

日頃家を空けていることが多くので、町内の人達と顔を合わせるいい機会。子供達が成長してしまったいまでは、顔を合わせることがめっきり少なく、「どこのだれやったけぇ?」「あれぇ~、おおきぃなったがいね」「おばちゃん、わかるけ?」と、目を見張る様な成長ぶりに驚かされたりする。

お祭り前にしておきたい家の手入れは、あらかた義姉夫婦に助太刀を頼み、今日はお天気に誘われ早朝から残った庭仕事。自然の水にみたてて軒下に引き詰めた小石は、雨落ちの泥跳ねも防いでくれるし目にも涼やかで気に入っているが、逞しい雑草を抜くのには多少手間がかかる。ゼニゴケも油断するとあれよあれよという間にあちこちに芽を出し、憎らしくべったりと張り付いている。時々、先入観というか意識をがらっと転換させ、これを美と考えればいいのかな?と思うのだが…。

まだ正座は無理だけど、これも格好の膝のリハビリと、やわやわ騙しながら座り込み、はい回って小さな庭をじわじわ前進していく。「人間の作ったものは手入れすべし!」が口癖で、こうして自分の手と脚を動かして少しづつかたちを整えていると愛着もひとしお。手作り料理にも共通する味わいがある。

(2006-09-23)

No.263
元気に育て

嬉しぃもんですね。新しい命を迎えるということは!どうしてなのか未だに不思議なのですが、10月2日の朝は、仕事の時しか持ち歩かない携帯を朝から傍に置き、ベルがなると電話に飛びついて受信したのでした。「破水したみたい…」。サンダーバードに飛び乗り、車中でも走りたい気持ちをおさえて、「大丈夫、大丈夫。すぅ~はぁ~ すぅ~はぁ~ ゆっくり、ふかぁ~く得意のヨーガで腹式呼吸でね」とちぃさんに伝えた事を自分にも言い聞かせて京都に駆けつけました。

出がけにぽこさんが持たせてくれた病院までの地図を片手に、駆けこんで玄関で3階と確かめるやいなや、エレベーターを待つのももどかしく階段を駆け上った。看護婦さんに様子を訪ねているところに、新米とうさんとかあさんが登場でびっくり!おかげさまで、検診中から常に異常なしの安産を絵に描いたようにあっけない位に短時間のお産でした。

十ヶ月に入ってすぐの出現だったのでまだまだ小さく温度と湿度だけを調節する保育器に入っているのですが、湯も飲めばミルクも飲んでゲップして。当然なのですが、まるで一人前の赤ちゃんです。オムツだけの裸ん坊で、とにかく良く手足を動かし元気なのが何より。真っ赤だったのが時間と共にうっすら肌の色も落ち着いてくると、大きな頭に真っ黒の髪の毛が目立ち、手足も鼻もお腹もやけに大きくないかい?等と新米ばぁばが目を細めるのでした。

なにしろ予定日より一月早かったのです。ちぃさんは、9月一杯まで仕事をこなし、前の住居の引き渡しも終わり、すっきりしたところでした。当日は朝の食事や身支度を終わって凸さんも出勤する前だったのです。出産前に準備講座を受ける予定でしたが、いきなり本番を迎えることになり、でも周りの人にとても落ち着いたお父さんぶりでしたよと誉められました。とにかく、神様にも仏様にも感謝したい気持ちです♪皆様、どうぞたまおちゃんを宜しくお願いします。

(2006-10-04)

No.264
デビュー戦

パンパカパーン。臨時ニュースです。本日、新米ほやほやバァバが、水泳では、初めての大会と名の付くものに出場いたしました。朝寝を楽しむトさんを無理矢理起こし、それレッツラゴー。寝起きのトさんは「3日のブランクがなぁ~。ちょっと足首かたいかなぁ~」などと牽制球を投げながらも、ストレッチに励んでいる。

プールに到着し、それっと勢さんで乗り込もうとしたら、「あっ、わたしの水着バックがない!」トさんの水着なら予備があるが、それを着るとなると、私はいいけど見る人が大いに困るだろう。とにかく大急ぎで家へとって帰して、水着バックを探す。「ない、ないっ、ないっ?」確かに勝手口においていた筈のバックがやっぱりない!

こんな時には腹式呼吸と、気持ちを落ち着けてから辺りを再点検、思わぬ処にちょこんと置いてあるバックを発見。「ぬぬぬっ、トさんの仕業じゃないか。おのれぇ~、どうしてくれよう!」再びプールへ向かう途中で、ラジオから大会開始時刻の10時を告げる時報がポ~ン。焦る気持ちを抑えてプールにたどり着き、こんな時こそ落ち着いてと、ゆったりとバックで駐車。大慌てで水着に着替えシャワーを浴び、息せき切ってプールサイドにたどり着いた。

「丁度ぺこさんの番ですよ、次の次のスタートです」 えっ、そんなっ、ええい、もう~、とびこんじゃえっ。
結果は、最高タイムの26.01秒。
トさん、どうもありがとう。

(2006-10-12)

No.265
あわ、あわ

秋なんです。街路樹の葉っぱは毎日必ず落ちてくれます。物思いにふけっているヒマもなく、毎朝とにかくはかねばならない。日曜日は市に出かけました。重荷を背負い込むのが好きな欲張りぺこは、どっさり新鮮野菜を買い込み、その上、おまけにもらったどでかいアカズキを抱え持ち、にこにこ顔で帰ってきたのだ。

どうも、三半規管の通り(?)が悪いのか、しばしば体力と時間と物のバランスが判らなくなるおバカさんなのだ。民宿ならば20人前ほどになりそうなアカズキの酢のもんをどっさり造り。これで保存食になるぞと、ほくほく顔。タマちゃんの頭ほどもあるてて芋は煮昆布を入れて味噌炊き。喉がつっかえる程ほくほくに炊きあがりました。

そこへ、こんどは「菜っ葉をすぐったがいけど…」と大根のすぐり菜がどっさり届いたのです。事務所のスタッフにも持ち帰って貰ったのですが、玄関にはまだ菜っ葉の山。合い言葉は「安い、貰う、ただ」「質素、倹約、地道」。腕が鳴らないわけがありません。只今、捻りはちまきで菜っ葉と格闘中。ひたすら刻んでます。これも冷凍しておけば当面の常備菜にことかかないのだ。

現在、ぽこさんが、たまちゃんちへ出張料理人となって京都に滞在中。民宿のおばさんは、連日大慌て。ぽこ料理長不在中も、しっかり三食腕をふるっていたですが、ページにアップする余裕までは。「早く、帰ってきておくれ。」

(2006-10-19)

No.266
父の介護

母は癌でしたが80歳、6つ年上の父は90歳で天寿を全うするまで長生きしてくれました。最後、一人暮らしだった父は最後まで自宅ですごしましたので沢山の人に助けられて看取りました。介護の気苦労や楽しさを悲喜こもごもに体験しました。

80歳まで元気に仕事を続けていた父でしたから金銭的な心配をしなくてよかったことがとても助かりましたが、最後の2年間黄泉の国と現実世界を行ったり来たり。明治者で謡いや詩吟、剣道が趣味で背筋をすっとのばして生きてきた父だったのに、丸い背中で母の写真をなでているのをみるのは、つらいものでした。

詩吟に夢中になる余り、トイレが間に合わなくて 「ぺこちゃん、じぃちゃんはどうしてこんなことになったやら」としょうしな顔なので 「大丈夫、今の詩吟はなかなか力がはいっとったよ。あんな難しい漢語覚えとって、おじぃちゃんすごいよ!」と慰めながら一緒に始末をしていると 「そうやちこと(父の口癖)、でることはいいことじゃ。これがでんようになったら、たいへんなこっちゃ!!」と、けろっと一言。 ひょうきんで明るい父に助けられ教えられ、一緒に泣き笑いしたことが懐かしい思い出です。

しあわせ呆けになっても、亡くなってしまった母を気遣い「かぁさんは、おいしいもんたべたかいの。」「かぁさんは、もうねたかいの」 寒い日には「ぺこちゃんは風邪ひくさかいに、はやく、おうちへかえらっしゃい」と子供を気遣い、どこどこまでも優しく、人の生き方を教えられました。

父と一緒に何度も何度も母の眠るお墓へドライブし、見晴らしの良い墓所の掃除をしながら詩吟や謡を母に聴かせてあげたのも楽しい思い出です。いくつになっても、新しい発見をしながら生きていけるものだなぁというのが介護の経験から学んだことです。

(2006-10-25)

No.267
一夜干し

日曜日は、氷見の海鮮市場祭りへ。「かますやアオリイカを確保しておいたよ。はやくおいでぇ~」とうりこさんから電話がはいる。ゆっくり朝寝を楽しんでいる場合じゃない、こうしてはいられないとトさんの運転で出発したが、どうやら皆が皆、お祭りに向けて車を走らせているみたいで、氷見へと続く道は車がいっぱい。

なんとか会場にたどり着いてみればもうお魚は売り切れ。しかし、漁師のじぃちゃんが一夜干しされたあおりいか・はたはた・トビウオ・河豚の干物や、ぽこにゃんが乱舞しそうな小鰺や小鰯のぴかぴかの煮干しが籠に溢れる位でそれぞれ700円1000円と破格の安さ。いつも生協さんでおなじみの鱈場商店さんのものだ。呼び込みの声も明るく元気な地元のおばさん達の稲積の梅や熊無・論田のおこわや漬け物、森寺の椎茸と特産物のお店、ぽっかんや焼きそばのお店、そして焼きトウモロコシが揃うとなるとすっかりお祭り気分が盛り上がる。みんなの顔が見える市は、方言が元気にとびかい笑い声が絶えない。「わくわくすっちゃ(します)。いいがいねぇ~♪」

大きなつづらが大好きなぺこは、両手に一杯買い込んでも足りなくて、仕事を終えて一緒に市場を巡っていたじゅんちゃんの両手も借りてしまう。ポーター役じゅんちゃんは「うまい、うまい!」と感動しながら袋に手を入れては、ポリポリ、ポリポリ。「おらっちゃの店」の前で駐車して待っていてくれたトさんの処までたどり着き、今度は新鮮野菜もと欲張りに果てしがない。穂付きでお洒落な藁編みのナンバが手に入りほくほく。かぁちゃん達のお手製・揚げたてのかき揚げ入り天麩羅うどんをみんなですすり、まるで気分は学校祭のバザーの如く。ここでも無添加の粕漬けをしっかり手に入れた。

さて、家に帰り着いてからが大変。魚が捌けないというウリコさんちの分も引き受けてしまったから、ますますたっぷりある。まず、大きなアオリイカ4ハイを捌いて、買ってきたばかりの「しら井」さんの香り高い広昆布で〆る。一山24匹のカマスは、大きなのを8匹選び出し塩焼き用に下処理、残りは次から次へと背開きしてゆく。傍で見習い奉公のうりこさんは、血合いの部分を手でしごきながら水で洗い流し、これまたおまけに貰った「鳥居」さんの海の塩入氷水に浸けてゆく。都合16匹のカマスの開きが「いっちょう、あがりぃ~。お客さん、きときとやっ!」と、包丁を手にした板長ぺこは威勢がいい。

お天気続きが幸いし、夜風にあてたカマスはすっきり透き通ったように美しく干しあがりました。さっとあぶって食べると、これまた最高のご馳走。一夜干しは、お手製にまさるものはないがやちゃ♪

(2006-10-25)

No.268
コモ・エスタ

その昔、黒沼百合子さんのヴァイオリンを聴いて、すっかりメキシコの虜になったぺこは、メキシコ壁画展にも出かけたものでした。ポサダを初め、オロスコ・シケイロス・リベラなどの壁画に、がぁ~んとショックを受け、それまで見知っていた印象派の絵や抽象的な絵、そして浮世絵とも全然違う絵に圧倒されてしまったのであります。リベラの妻で民族美術をモチーフにして、内面の叫びをそんまま表現しているような激しい絵を書き表したフリーダ・カーロの住んだコヨアカンへ旅しようと熱心に地図とにらめっこしたこともありました。

調べていくうちに、三方を山で囲まれた高地で、乾燥地帯でもあるメキシコシティは、急速な発展を遂げた事による弊害を抱え、世界一公害がひどく、地盤沈下等の深刻な水不足の難題を抱えている国であることも知り、いつしか興味を失っていったのでした。

そんな記憶を呼び覚ましてくれ、すっかりまたメキシコの虜にしてくれたのが、今度のメキシコドキュメンタリィー映画祭です。まるで評論家にでもなったみたいに、3本連続で観ました。またまたショックを受けました。経済的には格差もひどく、貧しい階層に育つ庶民の生活は決して豊かではないのですが、本音でぶつかりあいながら、喧嘩もすれば殴り合うこともある現実を生々しく映し出しているドキュメントでした。決して目の離せないしぶとさや激しさ逞しさ、そして根底に流れる人間への信頼に心打たれ、いつのまにかウソくさく取り澄ましている日本という国が、なぜかとてもよそよそしく危なげに見えてきたのです。

家族で時を過ごすことをこよなく愛するメキシコの人々の生活はエネルギーに溢れています。規制の強化や環境の浄化が急速に行われ出したというのも、マリアッチの陽気な音楽を聴いていると頷けます。 すっかり、またまた夢中になっています。では、ブエナス・ノーチェス

(2006-10-25)

No.269
お江戸へ

仕事がらみ、コンサートへのご招待、忙しさの間隙をぬってお江戸の街を掛け走ってきました。銀座詣での際には必ず立ち寄る伊東屋さんでは、どれも見ていて楽しく使って便利な文房具のあれこれに目がくりくり。実際に見て手にして選んだ文具が8点。シュッレッダー、ペーパーナイフ、書類のバインダー、愛用している手帳の補充、軽くて丈夫な書類バッグ、木造のラジオに革のティッシュケース、そしてホッチキス。加齢とともに、自慢だった握力が衰えをみせてきたこの頃、ビンの蓋開けなんて「得意技」だったのに、だんだん「あれおかしい、こんな筈は」という具合になってきた。ありました、ありました。50%の力で書類を纏めることのできるホッチキスが!いろんな大きさのホッチキスが売られていることも発見。そうですよね。箸と一緒で、手の大きさがまちまちなのですから、当然大きさだっていろいろあるべきなのです。やはり現場主義に限るなあ。

早朝の出発でお腹はぺこぺこ、松屋8階のイタリアン「イ プリミ ギンザ」にて腹ごしらえ。お腹が膨れた3人は、田舎のネズミとなり、都会の百貨店内をきょろきょろちょこちょこ、あっちもこっちそっちも見たい。お洒落な台所製品にため息ついたりうなったり。うりこさんは、じゅんちゃんへのお洒落なお土産自分へのご褒美と二つの時計を手に入れて布袋顔。そうそう、シップスキッズでタマちゃんへのお土産も厳選しなくてはなりませぬ。おしゃれな洋服を前に、念入りに裏生地や肌触りを厳選して、ぺこばぁばは目がキラリンッ。

「見慣れた木彫りだなぁ~」と、引き寄せられれるように近づいてゆくと、なんとトさんが北海道登山旅行の際、本の好きな凸さんへのお土産にと買ってきて以来、すっかりお気に入りになった「読書する人」の彫刻作家さんの作品が展示されているではないですか!そして、あれまぁ作品とそっくりな作者の藤岡孝一さんその人が目の前にたっていたのです。ぽこさんには檀の木で彫られた「種まく人」。凸さんには箒をもってリズム良く掃除するロックンローラー(楢の木)を手に入れ、不思議な出会いに大きな目を更に輝かせたのでした。「是非、アトリエにも」と場所を見れば、なんと竹馬の友くろりんの「森のアトリエ」にほど近いとは♪

凸さん推薦の「イデミスギノ」さんでは整理券を手に行列に並び、3人で慌ただしくもしっかりお茶。甘味好きなうりこさんはえびす顔。とって返して、お宿「吉水」さんでお風呂を使わせて貰い、大慌てで着替えて、ふたつめのメーンエベントに向かって走る。「もう~ちょっとだけぇ~、ゆっくりできもんかねぇ~」といいながら、一日乗り放題券をフルに使って地下鉄に駆け込みサントリーホールを目指す貧乏性の3人なのだ。

「ヨーヨーマさんのバッハ無伴奏」は素晴らしい演奏でした。三度目の正直とはこのこと。これまで軽いという印象のチェロだったのですが、今回は軽快でありながら時には重厚でもあり、聞き惚れました。招待してくれたうりこさんに感謝感謝で、お返しは、夜遅くにもお蕎麦が食べられる「流石」さんへ。3人でコースを二つだけ注文したにもかかわらず、だし巻きもお蕎麦も三つに分けて供して貰える心遣いに気持ちがぽっ。選び抜かれた器、美味しいアテや揚げたて天麩羅の数々に盃が重なりおかみさんとの話も弾み、宿に向かう足取りは、スキップしながらもゆらいでいる夜でした。

宿「銀座吉水」さんは、これからも泊まりたい小さな日本旅館。美しい木の戸をからりと開け、玄関に一歩足をふみいれると、脇には脚を洗う為のちょうずがあるという旅籠。手入れの行き届いた無垢の戸が美しく、竹材の床が足裏に気持ちよい。オーガニックの布団、無農薬の藁を使ったタタミ、珪藻土の壁、隅々まで行き届いた掃除は、はたきと箒とちりとりと雑巾で。朝食は、勿論、有機栽培の食材で作られた暖かい和食。ここが銀座のど真ん中とは信じられない!ぐっすり眠りこけたのは、いうまでもありません。

(2006-11-11)

No.270
幻のふぇでぇらぁ~

上海は、デンジャラスでびっくりでこわぁあ~い街でした。ハプニングにハプニングが続き、どういうわけか大ファンのトさんにとっては「幻のフェデラー」となってしまったのです。ぺこが、感動いったりきたりで興奮して観戦中、トさんは、ダフやと渡り合っていたという、語るも聞くも涙の物語が展開されておったのでした。これだから旅は楽しいのですが、ちとデンジャラスすぎました。

次回への教訓とすべく、頭をたれて「反省中」。とりあえずは、失敗話の大好きな友人を大喜びさせ、会心の笑みを浮かべさせることになり、残念無念、ぐやしぃ~。自分にむかって「ばか ばか ばか」「だらだらだら!」とトさんはぶつぶつ唱える毎日です。いまは、このどじで間抜けな性格のビィールスが、タマごんの方までとんでかないように祈るばかりなのでありますよ。

(2006-11-18)