雑記帖 - つれづれのことのは

No.231
心地よく 愛する友達

「雪はもういいよ」という野沢温泉では、見たこともない2階から地上まで2間幅のツララにお目にかかった。 スキーの後に熊の手洗い湯に身を沈め体の芯までじんじんぬくたまるのは、沖縄の樹下で風に吹かれて昼寝した心地よさと肩を並べる。

最後のドジ自慢にうりこさんに電話したところ、「自動車の窓ガラスなんかちぃさいちぃさい。うちなんか屋根雪がどっちゃんとおっこちて、テラスハウスの屋根が抜けたがいね!わっはっっは」とたいそうでっかい態度。愛するドジ仲間は楽しい♪

今年も一年無事に過ごせたことに感謝。 そして、みなさんと楽しく掲示板で交流を続けられたことにも感謝ながいちゃ。 来る年も、と・ぺこ・ぽことぽこにゃんそして凸ちぃ一家をどうぞよろしくお願い申し上げますワン。

(2005-12-31)

No.232
あけましておめでとうございます

年が明けた早朝、除夜の鐘が終わって松明の明かりも少し下火になった勝興寺へ散歩に行きました。雪明かりで凍り始めた道がてらてら光り山門からは雪道がごつごつしてお正月気分が一杯。

「あれ、お賽銭がないね」と手ぶらで散歩にでたふたりなのですが「いつも寄付はおさめているから、まぁいいや」とちゃっかりお線香をあげさせたもらった「今年も一年、みんなが元気でありますように」「ゆっくり沖縄時間で過ごせますように」「美味しいものを少しづつ、今年も目標は粗食で一汁三菜」

ゆっくり朝寝を楽しんで、お雑煮と扶桑鶴の冷酒をおとそ替わりに揃ってお正月の食卓を囲んだ。どっさり届いた年賀状は日頃ご無沙汰の人達の近況を知ることになり楽しく感心したり思わず声を出して笑ったり。ネーネーズさんを聞きながらみかん風呂につかって久しぶりに大きな声で一緒に唄い「ああ~いい湯だなぁ~♪」

ことしもどうぞよろしくお願いいたします。

(2006-01-01)

No.233
初売り

煮物は忙しい暮れのお助け惣菜で何度も続いたので今度はおでん。昆布と鰹の出汁をたっぷりとり、糠で下茹でした大根と北海道のジャガ芋、氷見の筍に漁連の薩摩揚げ、ゆで卵等を特大の土鍋で藻塩で味つけし、ことこと、ことこと。能登の鱈の真子はラウス昆布ひき、たっぷりの料理酒と味醂でことこと、ことこと。ぷりぷりの白子はお酒と藻塩をちらちらとまぶして昆布焼きに。ミネラルたっぷりの藻塩は、妙高のパーキングエリアで見つけたのだ。美味しい湯気に包まれ食欲をそそる匂いが満ちている台所でお料理してるのは、しあわせだなぁ♪

お気に入りのショップから初売りの案内を知らせる年賀状が来た。一昨年糖尿病の気配を感じてすっきりスリムにダイエトに成功したご褒美に、この頃とさんは若者ファッションを楽しんでいる。「一流品を買っておけば、貧乏性が幸いして体型が維持できる」という論法で、ヨーロッパ、なかでもとさんがお気に入りのイタリア製や信頼性の高いドイツ製、耐久性のあるUSA製が揃っているので楽しい。

お店に集って来ているお洒落な若者に混ぎれこみ楽しく品選び。いつもの古着屋さんでも買い控え、通販やネットでもあれこれ探していたバッグ。お店を訪れる度に手に取り肩にかけてみたりして目を付けていた品を3割引で手に入れてご機嫌。春物数点には倍ポイントが貰えるのだ♪こんなささやかな悦びを重ねて今年も元気に平和にすごせますように。

(2006-01-02)

No.234
初売りその二

フレッシュ佐武さんからも初売りの案内がきている。ちょうど年末からの煮込み料理のあれこれで本味醂を使い切ったことだし、福引きもついているしとお出かけ。福引きの係は小さな子供達で「きっと、あたりますよ」「一枚づつ引いてくださいよ」と元気で愛嬌たっぷり。「あたりますように。なむなむ」とクジをひくと「こちらであけますよ」と、まるで大人のような口ぶりで応対するのが可愛い。「2等です」りんごやみかんは沢山あるし、ぽこさんや凸さんちが好きな本格カレールーを頂く。「こちらは4等でした」缶詰の中から料理に使えそうなトマトの水煮を選んでちょっと得した気分。

市場の初セリは4日なのでお魚は少ないのだが、新湊の蟹は元気に手を振っている?し、北海道のウニがおいしそうとお造り代わりに選んだ。安心の無薬養鶏の地鶏と名古屋コーチンも籠に入る。葉物が高騰している中で、一抱えもある見事で新鮮なセロリは普段と変わらない。セロリを見つけると薬草の香りがしてくるようでつい手に取ってしまう。茹でているときの香りが大好き。

地物ではないが、みずみずしい蕗もでている。こちらも香りが大好きで、みんなの好物。おでんにいれて煮込むことに決定。 大きな大根の浅漬けや、生芋蒟蒻、春キャベツにセリに百合根と佐武さんでないと買えない野菜をあれこれ籠にいれてレジに向かう頃には、いつもの通り二籠一杯になっていた。 いったい何人家族だ?買い込んだ食材で早速お昼を準備して今日も我が家は満腹食堂。

(2006-01-04)

No.235
初泳ぎ初滑り

連日飲んで食べての繰り返しの結果、確実に太めになってきたお腹をなでながらプールへ出かけた。どうも不足している物が共通しているようでプールは満員で大繁盛。ゆっくり複式呼吸で1キロ水中歩行。500バタに500クロでしっかり初泳ぎ。やはりというかやっぱり体脂肪は24,6%としっかりまとわりついていた。いかん、いかん。

初泳ぎとくればお次は初滑りで野沢温泉へ。恒例のお正月スキーで、雪にもめげず滑りを楽しんだ後は、温泉と揚げ餅、そしておこたで読書しながらうたた寝タイム。しばしのまどろみから目覚めると、吹き抜けの格子窓からいろりの火で焼かれるイワナがぷぅ~んと香りたってくる。お造りは馬刺しというのも野沢ならでは。そしてたっぷりの野沢菜。いつもにこにこ笑顔の働きもんのご主人とお料理好きなおかみさんに、やはりお料理好きな頼もしい跡継ぎ息子さんが加わった。

いつも変わらないスッキリした部屋の設えに、まるで故郷に帰ったような安らぎを覚える。落ち着いた色合いのおこたや座布団。手入れされたお布団や水回り。降旗さんの改造がすっきり活かされて心地良い。身の回りのことがめまぐるしく変貌・変化してゆく時代丁寧に手入れされてにいつも変わらずにある事で、どこか心にほっと安らぎを覚えさせてくれる宿だ。

スキー好き・温泉好きないつもの三人(と・ぺこ・義妹)に今回は若者ろくさんが参加してくれて華やか。陽気でタフでおしゃべり好きな義妹は、マシンガントークで初対面のろくさんをたじたじに。しかしろくさんはあっというまに我らを追い越してゆきそうな滑りっぷりだった。

(2006-01-10)

No.236
「あかね空」

前から読みたい読みたいと思っていた山本一力さんの「あかね空」今日はお休みもらって読みふけった。上方から江戸へ下ってきた豆腐職人の永吉さんが深川蛤町に小さな裏店で暮らし始め、京豆腐の味を頑なに守りながら家族と共に商いを続ける内に波瀾万丈の展開をみせてゆくのだから、豆腐好きでなくてもきっと引きつけられてしまうに違いない。

夏の暑さには冷や奴、凍てつく寒さには湯豆腐、マーボー豆腐にもなれば、揚げ出しにもなってくれるし、白和えに変身したかと思えば味噌汁の実としてもかかせない、最近は久在屋さんの青竹豆腐にぞっこんだし、沖縄通いで豆腐ようという贅沢な味まで知ってしまった。たかが豆腐なんぞと言ってはいられない。されど、やはり、何と言っても日本の味豆腐!なのだ。

「あかね空」は深川に生きる家族を取り巻く様々の人間模様を愛情豊かに描いている作品だった。豆腐の如く様々に変化して且つ飽きさせない味を思わせて香り立つ豆で手作りされた旨さが味わえた。現実の世界では弱い物や貧しい物が益々打ちのめされてしまう仕組みになっているのが歯がゆく何とも切ないのだが、一力さんの父は巨万の富を博奕できれいさっぱりなくした人であったそうだから、なるほどと思わせる話の展開でもある処に拍手喝采、胸のすく思いで読み終えられるところにお話の醍醐味がある。時代小説ならではの人情の機微とゆったりとした時の移ろいがなんとも好ましい。

小説を読み終え、暖かい夕餉に舌鼓をうち、美しく燃える薪の炎に身も心も幸せでいっぱのぬくぬくとした思いで一日が終わると思いきや「今日は、炬燵の周り5メートルの範囲しか動いとらん筈やから運動不足や。夜警にいっておいで」と、トさん。オーロラ見学に備えて買い込んだダウンを着込み、帽子を目深にかぶり、エリザベス女王も愛用の手袋で完全防寒の身支度を調え夜の町にいざ出発。凍てつく寒さに吐く息も白くたちまち耳が痛くなってきたのだが、チリンチリンと鐘を打ち鳴らしながらせっせと歩く内に身体はほかほかにあったかくなってきた。煙突から煙の上がる家、ゆらいでいる赤提灯の明かり お稽古帰りの楽器を担いで自転車を漕いでいる人、お炬燵を囲む家族の笑い声とさんざめき、現代の家族の愛憎劇がくりひろがる下町の風情もなかなかにいいもんだなぁ~と気持ちもあったかくして歩いた。

(2006-01-19)

No.237
冬ごもり

さすが大寒と、毎日おこたから首だけだしてぬくぬくと暮らす贅沢を味わっとりますた。ふんわり ふわふわ 優しく音もなく舞い落ちる綿のような雪を仰いでいるのんびりした時間もいいし、庭にやってきたしじゅうから?のつがいの鳴き交わす愛らしい姿に眼を細めている。おせんべいかじりながら読みたい本を読み、ひとりホームシアターで瞳を潤ませ、志ん生さんに笑い転げ、チャカさん聴き唄いながらお風呂につかる。

ぽこさんが準備してくれたお総菜はたっぷりいろどりみどりだし、つやつやご飯はあるし、ぽりぽりばりばり食べたいだけのお新香にも不自由なし。すっぽり炬燵に丸まってぽこにゃんと一緒に眠りこける冬眠の快適さを知ったが最後、これがまたなんともはや、どっぷりひたりきってこのまま達磨さんになってもいいかな等と考えているのどかな時間。これ以上のものってあるんかいな、ないない、という具合。う~ん、つくづく私も大人?になったもんだ等と独りごちなら、しみじみ歳をかんじるのであります。

といってみたものの、この運動不足はいかんともしがたい。3日連続プールに通って必死こいて2千泳いでしまうところが凡人、まだまださとりの境地には遠いようで修行が足りませぬ。

(2006-02-06)

No.238
有頂天プール

昨夜、高橋雄介著「4泳法がきれいに泳げるようになる!」を寝床で読みながら、うつぶせの姿勢で平泳ぎキックの練習。美しいフォームを眼に焼き付けてイメージトレーニングしておけば明日のキックのスピードはおそらくカエルさんもビックリだろうと自信を深めた。本を閉じようとしたら、”「イチ、ニィ」のリズムでキックを”というバタフライの基本が解説されている。「ふむふむ、なるほど、なるほど、イチで軽く、ニィで少し大きくトーンと打ってみるのね」と予習しておいた。

今日の仕事帰りのプールにて、ヨーガの呼吸法で1000水中歩行、500バタ足といつものメユーをこなしたところで、少人数のジュニア初心者教室でゆっくり泳いでいる子供達の隣へコース変更。ちょうど子供達がバタフライの練習をやりだしたので盗み聞き。「イチ、ニィ」のリズムで足を蹴りながら片手だけを腕を回す練習をしている。私も「イチ、ニィ イチ、ニィ」を繰り返して軽くキックしてみたところ、意外と進むではないか。「もっと頭をさげるとスピードがつくよ」と隣のコースで泳いでいたトさんがアドバイスしてくれた。なるほど、なるほど。足先を見る位に頭をさげてイチ、ニィで顔をあげて呼吸しながらついでに腕もかいてみたら「おおおおっ、おぬし、できるではないか!!」

世界にひとりの私が、はじめて泳いだバタフライデブィユー。わずかに12メートルですけどね。「あんまりスムーズで、そのまま25メートルおよいでしもかとおもた」と、とさんからもお褒めの言葉。本日は、有頂天プールからの実況報告でした。

(2006-02-09)

No.239
清 生 夢

お江戸へ出かけておりました。飛行場から直行したのは、トさんがお気に入り「ブリオニ銀座店」。ここはオーソドックスを誇るイタリアの老舗。裏生地がオシャレで採寸も仕立ても丁寧、一度買ったものは20年も30年も着れるのだ。そして、そのためには体型を保つ必要があるので、根っからの貧乏性を誇る我が家は服に身体を合わせるべく鋭意努力を惜しまず節制の毎日を送らざるを得なくなる。よって、トさんは薬いらずの毎日で医者知らず。ちいさい頃からの病歴が自慢?の私が尊敬する所以でもある。

墨色の僧衣の如き色合いで押さえた絹の光沢が美しい。季節を問わずどんな場にも着られるという「いっしょうもん」がまたひとつ増えて嬉しい。友人達は「いらなくなったものはこちらへ」と手ぐすね引いているので、形見分け遺産目録に書き込んどこう。江戸川柳にもあるじゃないか「なくなくも よいほうをとる かたみわけ」

さて、表題の「清生夢」はといえば、こちらも一生一回シリーズで出かけたお食事処に掛けられた額。「清く生きれば夢をみない」と解すそうなのですが、なるほどと頷きながらも、なかなか、まだまだ。

(2006-03-03)

No.240
久々の「すし貫」さん

お正月から何度も何度も電話してみるがいつも一杯。 どこかって?「すし貫」さん。その筈だな。数えてみれば小綺麗でこじんまりした店内のカウンター席はわずか8席、それに小さなお部屋が2部屋。手早いたかちゃんとまん丸で笑顔が可愛いなみちゃん夫婦は絶妙のコンビだし、控えめで優しいお手伝いのおばちゃんも強い味方で店内は和気藹々。

味付けはちょっと甘めなのだが選ばれた素材がよく、手作りの一夜干しや味噌汁に茶碗蒸し、さぁっと昆布に締めたひらめやさより等どれもこれも申し分がない。 私の好物、数の子にいくらにうにがどれも美味しくおてせいの卵焼きもいい。もちろんとさん好みのお酒もいろいろでなみなみと注いで貰えるのがまた嬉しい。

その上、なんと今夜はカウンターは禁煙席となり、煙草好きで心優しいお二人さんは交替で外で一服。やっぱり、日本人はお寿司だね♪

(2006-03-20)