雑記帖 - つれづれのことのは

No.121
道元さん

「放てば満つる」古来、人間の欲望というやつは、どうもつきることがないみたい。食を作る料理を趣味とするのは、なかなか理にかなうことのようだと 思えるこの頃。生きること、食すること、作ること、全てに成るきりこと。日々の暮らしそのものが精進・修業そのもの。眼横鼻直、花は紅柳は緑。あるがまま、ありのまま、あたりまえのことと会得する。 道元さんの教えに従い、4と9のつく日はちと手抜きの日とする。仕事を持つ身には、土日でもいいんじゃない。長時間の座禅は好きじゃないのだが、なかなかに納得の教えじゃわい。

(2003-12-12)

No.122
人間ドキュメント

大分の耶馬渓で家族三人が養豚で暮らす石川栄二さんの暮らしぶりを「人間ドキュメント」でみました。豚を育て暮らしの糧とし、最後には感謝して近隣の人達と分け合って食べる生活には奢りもてらいもなく、どっしりと地に足を着け働く人の自信と誇りに輝いています。雑草の花に感動し、土を裸にしない畑作りをするお母さんを手伝って一緒に種まきする息子さん。死んだ子豚を淡々と後かたづけする10才の息子さんの働く姿は、家族と共に喜怒哀楽を共にする日常の暮らしであり、正に生活文化そのもの。

「一番楽しい時は、子豚が生まれ元気に育つ愛らしい姿を見るとき、悲しいことは命の終わりに接する時」と息子さんの質問に答える優しい親の目の父さん。子供の成長にあわせスコップの柄を長いものに取り替えてやる父と、新しいスコップが使いやすくなり張り切って働く息子の逞しい腰つき。静かな感動と共感でみたドキュメントでした。

(2003-12-20)

No.123
大晦日

おせちに、黒豆・筑前煮・伊達巻き・錦糸玉子・牛蒡の肉巻きを揃えたところで、ふぅ~と、ひとやすみ。今年は、カブラ寿司・数の子・田作り・昆布・かまぼこは嬉しいことに頂き物。ぽこにゃんは、台所にぷぅ~んと立ちこめている出汁の香りをかいでごきげん。さて、これから松飾りと床飾りを飾ります。

今年は、すぐ近所に「ゆくとし、くるとし」の中継車がきています。年越し蕎麦も食べたし、そろそろ除夜の鐘がきこえてきそう。みなさま、どうぞよいおとしをお迎え下さいませ。

(2003-12-31)

No.124
小正月

毎日プールで泳ぎ、ゆったり、のんびり気分の毎日。「ホテルハイビスカス」が面白かった中江監督の「ナビィの恋」を観て、昔懐かしい唄の数々を口ずさみ、そして、まだ見ぬ青い海、心優しく唄い踊る沖縄へ、無性に想いがつのります。読書は、椎名誠「やっとこなあのぞんぞろり」。いつも自分に正直に精力的に生きる中年おじさんのまっしぐらな馬鹿の道に共感多々。続いて、大江健三郎「『新しい人』の方へ」。正直で真摯な人間の勇気と忍耐をこれからの若者に優しい言葉で語りかけ、過去に学び未来を見通すノーベル賞作家の大江氏はは日本の誇り。どちらかというと古い人の方に属するのですが、死ぬまで今を生きる新しい人でありたいもんです。アロママッサージで年明けからの仕事の疲れを癒し、雪を頂き日本海に浮かぶ白き山々の美しさにしばし感嘆。塩湯の温泉で芯から温もり、おいしい氷見うどん、氷見牛、山の茸、はさがけ御飯にも大満足。小正月っていいもんだ。

(2004-01-13)

No.125
春!

道路には雪の壁がまだまだ残っているとはいえ、確実に春が!昨日から、ぽこちゃんのところに「みゃ~おう、みゃ~おう」と愛のお誘い。が、当のぽこにゃんは、素知らぬ顔で2階にあがっていってしまったのですが、今度の猫君は愛情深く、かつ強引。もっと大きな声で鳴いていたかと思うと、なんと、勝手口のドアに3度も体当たりで「ここあけろ!」といわんばかり。いやはや、そのまっすぐな情熱にはびっくりしてしまいました。

(2004-02-16)

No.126
豪華弁当

ほかほかつやつや釜炊きご飯、放し飼いの地鶏の卵を使った出汁巻き、百合根・銀杏・キクラゲ入りの蕪蒸し、蓮根と舞茸のきんぴら、根菜類の粕煮、漬け物、じゃこの山椒煮。本日は、ぽこ亭の手作り豪華弁当でした。その上、おやつは、「冷蔵庫の余り物で」というのが信じられないパウンドケーキで、スタッフにもお客様にも好評でしたことです。

(2004-02-18)

No.127
春の格闘

駐車場のロフトを寝床にしている通い猫のブチさんは只今傷だらけです。恋の季節なので、どうも「体当たり猫」にやられたらしいのです。右の後ろ足を引きずって見るからに痛々しい。小心者の私は、見るだけで胸がきゅん。背中を撫でてあげながら「いたいのいたのとんでけ~!」とおまじない。動物の生存競争?は激しいな~。

(2004-02-19)

No.128
志賀高原

初春の楽しみが志賀高原でのスキーです。今日は雲ひとつない快晴。風もなく浅間山の煙はもちろん富士山まで見通せました。辻まことさんゆかりの宿で7冊目の「山で一泊」も読みました。横手山の山頂から滑り降りてゆく山スキー行を読んだので「あっ、あの話はこのあたりだ」と芳が平方面をみたりしながら滑ってきました。

石の湯は志賀の中でもちょっとはずれた場所にあるのですが、ロッジのベランダにはたぬきさんがやってきて温泉を覗いていったり、また昨夜は、かもしかの足跡が窓際までやってきたり、ゲレンデにはウサギやテン等の足跡がてんてんと…。霧氷が朝日に溶け出しきらきら輝く様子は、いつ見ても美しく感動です!

(2004-02-28)


No.129
月初め

月初めは、換気扇の手入れをしたりして、普段はしないところにも手を入れます。包丁研ぎもまたしかり。すぱっと切れ味の良い包丁は気持ちよく、腕の見せ所とばかり切り憎い沢庵の薄切りも難なくサックサックと切り、「お見事!」と自ら悦にいっています。今朝は、冷え込んでいるものの、露結びのあたりに残っていた庭の雪もすっかり消え、春は確実に近づいています。沈丁花も、けなげに赤い蕾を一杯付けてくれています。 来年はもっとしっかりした雪囲いにしてやらなくちゃ。

(2004-03-02)

No.130
雛祭り

うっすらと雪化粧して絵のような庭をみながら、桜御飯に暖かくあっさりした鶏鍋で朝ご飯。れんこんをいちょうに薄く切って甘酢に漬け 昨夜から浸しておいた椎茸を甘辛く煮て、干瓢は軽く塩でもんで薄味に、半切りで作ったすし飯に混ぜ込んで、錦糸玉子やゆりね、塩茹でいんげんの細切りを散らして出来上がり。

お弁当は、もちろんちらし寿司。焼き魚は紅鮭 春菊のごまあえ 途中はまぐりを買ってお吸い物に。 昨年近くの山で摘んだ八重桜の塩漬けは色鮮やか。で、今日のお茶は桜茶です。桃の節句になぜか桜づくし。おやつは、ぽこさん手作りの桜餅と鶯餅セットにお抹茶つきでした。こころはなやぐ雛祭り♪

(2004-03-03)