雑記帖 - つれづれのことのは
- No.21
北欧の思い出 -
サイトの掲示板に「わぁ~遠い北欧から書き込みが!」と言ったら、ぽこさんに「いっしょ、いっしょ」と笑われました。北欧といえば、4年前の夏、ノルウェー(ベルゲン、オスロ、フィヨルド)・デンマーク(コペンハーゲン、りーべ)を10日間余りでトさんと2人して駆け抜けた経験しかありませんが…。
随分前にドミトリー・キタエンコ指揮ベルゲン交響楽団でシベリウス「フィンランディア」やグリーグ「ペール・ギュント」を聴き、すっかりその透明な音に魅せられました。楽屋口に現れたキタエンコ氏の優しい微笑みにもすっかり舞い上がってしまい(何を隠そうミーハーなんです)、それ以来、ベルゲンの地ををこの足でと憧れていました。
願い叶った彼の地では、絵本の登場人物になったみたいに美しい街を飽かず眺め、フィヨルド、イプセン、ムンク、ロイヤルコペンハーゲン、シベリュウス、アンデルセンと望みの地で沢山の自然と歴史と作品にふれあう船と汽車の旅を楽しみました。お洒落した老夫婦がいっぱいのチボリ公園で聴いたユーリーバシュメットのモーツアルトには、感動で涙が止まらなくなった思い出が鮮やかです。
グリーグの家では、沢山の来客と共に音楽をたのしんでいた豪華な客間に比し、フィヨルドの波音や鳥のさえずり、木々を渡る風の音に囲まれた簡素な作曲小屋が対照的でした。ちょうど、観光客の少ない熱い夏の午後のおかげで、ピアノ曲の流れる庭を静かに散歩出来ました。ホールを貸し切り、コンサートにむけて熱心に練習中だったのです。
ベルゲンはアドミラルで宿泊したのですが、ホテルのレストランのサーモンとニシンの酢漬けがおいしく、おかわりして食べました。海側のお部屋をお願いしたおかげで、緑濃い山肌にまるでデコレーションケーキを置いたように並ぶ白壁の家々が美しく、夕日に染まる様子を望み、ただただシャッターを押し続けたことを思い出します。お部屋もゆったりとした角部屋で、日本では考えられない安心な料金でした。
ここのホテルには、愉快な思い出があります。市内の見学に出かけたところ、愉しそうに会話する高齢のご婦人連れに声をかけられたのです。「今朝ホテルの反対の席でお食事をご一緒していたんです。夫が、貴方のことをチャーミングな方だと見とれていましたよ。どちらからいらしたのですか?」。誉められると、すぐにその気になって喜んでしまう単細胞な私は「それは、ありがとうございます」と、パートナーの方を目で探したところ、杖を頼りにちょっとおぼつかない足取のかなりのご老体なのですが、照れくさそうに、奥様の影で、うつむきかげんにほほえまれるので、思わずトさんと笑ってしまいました。「アドミラルのファンクラブ」と、今でもトさんに冷やかされますが、日本と違い、開放的で直截的な表現がとても爽やかな印象です。
(2002-02-09)
- No.22
エクストリームカービングスキー -
連休は石内丸山でスキーでした。埼玉からやってきた義妹やスキーショップの仲間が、下は3才から上は60歳まで総勢18名が集い、賑やかなスキー旅行。心配された天候も、思わぬ新雪と冷え込みの好条件となり、病弱?な私も一日券を時間一杯使い切る入れ込みよう。毎度のことですが、貧乏性が災いし、日券を買うと元が取りたくなってしまい、それだけではすまずドンドン滑って得まで取りたくなるという夫婦して呆れた性分です。「5時にはリフトが止まります」と放送されると、4分前を確認し、「もう一本乗ろうね」と、二人してノンストップでぶっ飛ばしました。
今日は、エクストリームカービング大会に、トさんが仲間達と共に初挑戦。はらはらしながら妹と見ていたのですが、昨日からの練習が実り、無事完走の目的を果たし、またまた冥土への土産話が増えました。
(2002-02-11)
- No.23
鰯の糠漬け -
鰯の糠漬けをさ~っとあぶって二杯酢をかけると朝ご飯に最高。昔は、あまり食べなかったトさんまでが、最近は、すっかり夢中になっています。我が家で好評なのは、氷見の「江政」さんの。富山では、魚の糠漬けは、すでに漬け込んだものが糠をまぶした状態で売られています。鯖やニシンも売られていますが、鰯が代表的です。昔は、鰯がどっと捕れた5月頃に長期の保存食として作られたようです。一旦、塩漬けしたものを糠に漬け込み発酵させますので、糠の香りがなんともいえません。発酵食品って、食べ慣れない人にとってはとんでもない味なのでしょうが、間違いなくクセになります。外国のチーズに相当するでしょうか。先人の知恵に脱帽。
(2002-02-12)
- No.24
事務所の冷凍冷蔵庫が~ -
購入7年経過の事務所の冷凍冷蔵庫が故障しました。金曜日には野菜室をすっきりさっぱり掃除して帰宅。月曜日の今日、「今週もがんばるぞ」と、早朝からお弁当作りに精だし、仕事にでかけ、冷蔵庫をあけて気が付きました。冷凍庫にぎっしり詰まっていたものが、どれ~んと情けなく溶けていたのです。「壊れるなら、こわれるっていってからにしてよ!」と、ぶつぶついいながら掃除。
街の電気屋さんは、あそこもここも店をたたんでしまいました。我が家の電気製品をすべてメンテナンスして貰っていた電気屋さんも自動車事故で亡くなられ、跡継ぎがなくやはり閉店。なにかが故障したらどうしようと、おそれていたことが起きてしまいました。
全国チェーンの大型電気店に電話したのですが、「ガスがもう抜けたんでしょう、修理代が高いので買った方がいいですよ」と、つれない対応。「そんなもったいない、大きなごみになるなんて!」とオバサンはくいさがり、「お金がかかってもいいですから、とにかく一度見に来てください」とお願いしました。なんていうことでしょう。これだから、不燃物の山になってしまうんだよ!と、なんか急に環境会議の緊急発言の如く、納得いかない怒りが湧いてきました。
無事だった地鶏の味噌付けと上新粉のお団子で、今日の夕飯は、急遽、鶏ナベ。白菜、生椎茸、糸こんにネギも牛蒡もたっぷりの昆布出汁でいただきました。美味しいもの食べてたら、がっかりしてたのもすっかり忘れました。人生、谷あれば山あり。七転び八起きだす。
(2002-02-18)
- No.25
ごはんは、えらい -
玄米食、三分付き、七分付き、雑穀入りと様々な食べ方をするのですが、秋の新米は、やっぱり白米。精米したてを、素早く洗い、水切りするやいなや、しゃっしゃっしゃっと手のひらで研いでやり、後はにごりを洗い流します。余裕のあるときは、30分おいてから炊きます。つやつや、ぴかぴかでこれぞ「銀しゃり」。
炊いているときの、あの暖かいあま~い匂いといい、、ご飯さえあれば文句はないという位、御飯を食べるのが大好き。炊きあがった白米をおひつに移し替え、ちょうど人肌になった頃が極上の味わい!日本人の幸せをしみじみ感じます。
(2002-02-20)
- No.26
とってもいいこと -
冷蔵庫が治ったのです。点検にきてくださった量販店の修理部の人が親切で正直なおじさんでした。「コンプレッサーの起動部品だけの故障ですからすぐに治りますよ」。さっそく、部品を取り寄せてもらい、今朝、短時間で修理を済ませてもらえました。わずか8500円だけで済みました。修理のおじさんの手がほんとに神様の手のようにみえました。ぴっかぴかになった冷蔵庫も嬉しそう、ルンルン♪
よいことついでに、今日はピョルリンクのテノールを聴きました。日本ではあまり知られることがないのですが、まさにビロードのようだと評されるつややかで柔らかいのびのあるテノールです。ドナルドキーンの著書にテノールといえばこの人と紹介されていて初めて知ったのです。スウェーデンが生んだ名テノールの歌声を是非共ライブできいてみたかったと、惜しまれます。北欧の青空に突き抜けるような透明でいて暖かな美しさです。「ねえ、ねえ、聴いて」と歌の好きな友人に勧めています。
(2002-02-22)
- No.27
パラリンピック -
時にはオリンピック以上の感動を呼ぶパラリンピックがもうすぐ始まりますね。今日はBS放送でノルウェーでの障害者スポーツの実情を放映していました。厳しい冬にあってもスキーを楽しむことで、様々な障害を物ともせず前向きに積極的に生きることのできる社会のあり方にすっかり感動!「たまたま障害があったのであって、人間に変わりはない。どのような状況にあろうが人として生き抜くことが大切なのだ。」スポーツを通して、人生に生きる希望と目標を見いだし、明るく堂々とした人生に心から拍手を送りました。盲目の人も、義足を付けた人も、視野狭窄の人も、共にスポーツを楽しむ権利が保障されているのです。
とはいえ、国を挙げて、障害者も健常者も共に生きるのが当然という社会状況になったのは、ほんの30年前からとのこと。障害者の人達の積極的な働きかけがあったことはもちろんなのですが、暗いニュースばかりが多く、先の見えないような日本にもいつかそんな明るい社会が実現するのかも…。今日も地元一の大手ゼネコンの倒産が発表され、みんなの顔が曇っています。いや、きっと実現していかなくては未来は明るくない!
(2002-03-02)
- No.28
チャレンジの精神 -
仕事を始めた頃は、提出書類が手書きでした。カーボン紙で手首の辺りを黒くして、何枚もの書面を緊張して書き続けていたのがつい昨日のことのようですが。そのうち和文タイプをマスターし、やれやれと慣れ親しんだ頃にワープロが登場。ようやっと物にしたぞと安心してキーボードを叩いていたと思ったら、油断も隙もなくパソコンに転じて今日に至り、おもえば~と~おくにきたもんだ♪ほんと苦難の道のりだったんだもんね。この頃では、物忘れがとみにひどくなり、あれ持った、これ持った、それは大丈夫と指さし点検してさえもドジを繰り返す毎日。主治医のあかひげ先生に「先生、ぼけないクスリを」と言えば、「忘れたものを記憶している間はまだまだ大丈夫」と慰められ、なるほどと納得している情けない有様。
(2002-03-03)
- No.29
そばのいんがし -
農民連さんのおじさんから、有機野菜と一緒に雛あられが届きました。玄米のままあられにしたもので甘さが控えめなのですが、噛むほどに味わいのある雛あられしでした。町・村自慢の地方番組に知人が登場しているのを見ながらぽりぽり、かりかり、気が付くとすっかり食べ尽くしていました。昔から、この地方では止まらない物を称して「そばのいんがし(いりがし、あられ)」と申します。
(2002-03-03)
- No.30
越冬野菜 -
ここ富山では、冬に入る頃に越冬野菜をどっさり用意します。最近はスーパーマーケットの進出で、めっきり泥付き野菜が珍しくなりましたが、幸い、農民連さんや共同購入も利用しており、その上、知人も堀立の泥付き野菜を届けてくれますので、とても助かってます。泥付きのままの大根、白菜、人参、ネギ、牛蒡、里芋、山芋は、しっかり保存がききますし、毎日の買い物にも苦労がなく、昔の人達の知恵に感心することしきりです。後は、乾物類の豆や海藻があれば9割方賄えるような気がします。
冬の厳しいこちらでは、塩漬け野菜(ふき、わらび、筍、きのこ等々)や乾物(切り干し大根、野沢菜、干し椎茸、干しゼンマイ、干しずいき)等も多用します。漬け物も米の食文化が生み出す糠を生かした素晴らしい食べ物と思います。
今晩は、トさんのお酒のつまみは初物のホタルイカでした。ホタルイカが揚がるようになると桜の便りが聞かれるようにもなります。今年は、1週間程早いようです。いつもの年だと、3月末から4月初旬というところでしょうか。こちらでは桜の身頃です。
(2002-03-08)