初さくらの便りが届いた平成二十五年三月二十三日金沢月心寺で隆茗会茶会懸釜を致しました。
この茶会は歴史も古く北陸随一の格式のある会員制の茶会で入会も難しく又釜主となると相当の力量が試され金沢はもとより東京や京都の茶人が釜主となっています、宗徧流では小島宗栄先生が最後となっていました。
宗徧流の一層の発展を祈願し金沢支部が出来ました平成二十年より一念発起し準備して参りましたが、この度釜主に推挙され三月二十三日に二十三年振りに宗徧流の懸釜致しました。
当日は肌寒く暖が恋しい絶好の茶会日和となり、利休の消息、流祖の花入、二世宗引の茶杓、流祖の達磨の炭斗、大徳寺高桐院達磨堂釜、利休伝来の達磨堂常什の釜鎖、曝呉器茶盌、等、流祖を中心とした達磨の設えをし、待合には季節の千代尼の画賛、四方斎宗匠の旦老流祖桜下茶談図で宗旦老と流祖の御縁を紹介致しました、又茶席では、宗匠直伝の障子からの光と手燭の温かさでお客様を迎えし、幽々斎型の点前で薄茶一服差し上げました、流石のお客様もこの幽玄の中での茶会の体験は無い様子で口ぐちに感動したとのお言葉を頂き宗徧ここに在りと一矢投じました。
久し振りに当会での宗徧流の茶席でありお客様の出足を心配していましたが、昨年十二月二日の義士茶会が大きく新聞に報道されました事より、今回の茶会の関心も高かく席待ちの状態が続きましたが流れも順調で二百八十名十二席のお客様をお迎えする事が出来ました、又加賀支部の皆様には多数お祝いに来席頂きました有難うございました。
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