誰もいない光の中で 誰もいない闇の中で 知ってますか? わたしには音楽なんて聞こえない わたしには味も匂いもわかりません あなたがあまり一生懸命教えてくれるから 嬉しそうな顔をしておくけれど あなたがチャイコフスキーを聴くとき あなたが大好物のプディングを頬張るとき あなたがマダム・ヴィオレの香りに埋もれているとき あなたの満ち足りた顔が輝きを増すほどに わたしの孤独は深まっていきます 段々欲張りになってしまう あなたがもう少しだけ わたしを知ってくれたらなんて あなたとわたしが違っていることは 最初からわかっていたのに 想いだけがどんどん加速していきます わたしを置き去りにして 通り過ぎていく光と闇の縞模様 あなた以外のものはみんな 通り過ぎてしまうだけ そういうわたしの淋しさを あなたに伝えることができたら