いつからか女性は 単純な生体複製器である 雌性生殖体としての生業を捨て いつからか男性は 可能性を混入するだけの 雄性生殖体としての生産を捨て 個々の性質と形を 人生とか思想とか呼んで 貫き通すことにひたすらになり 生殖が生殖でなくなり 生命が繰り返さなくなり 適応には心の要素が含まれ 単純な物理学の延長から解き放たれたほとばしりは 当然のように時空を越え、ただ愛しさを求めて 何物を摂理とし何物を残すのかを知らず 人としての変革は残酷でさえあり 子供達の覚醒のいななきは 純粋な氷がぶつかって砕けるようである 人のフロンティアは宇宙にある 肥大化した地球という生命の枠は 代謝の法則に従って腐り始めている 争いのない新たなる展開を求めている それはまた稚拙な精神世界が 暑苦しい圧縮を脱して拡大される 遙かな未来の可能性への布石でもある それは既に決められた道程 ただ時間だけが 人間の罪を許さないのだ 逃げ出すのではないということを 不浄な衣を着た純粋な瞳たちは 圧倒的なスピードとパワーで 突きつけようとしている 止まらない不安と希望の流れ それでも毎日の暮らしは 訳のわからない液体にくるまれたまま 理由も理屈も付けられずに過ぎる 争い合いはなくなりはしない 生きることは戦いであるからだ 何を競い、誰と争うのか その質的変革こそが 子供達の瞳に映されなければ 使命を放棄した生殖体諸君 最後の歴史を作ろう それで君たちは終わる 革新を育む冬を前にして 腐った実は落ちなければならない 生き物としてのあるがままを せめて残していこう 子供達がどのように生まれようと ただ生き物であるという点において 彼らは確かに末裔なのだから 銀河宇宙を呆然と仰ぐ その遙かな天上の彼方から 明日のつぼみは地球を見ている