人はすぐに 寂しがるけれど 僕の中にも 僕たちの間にも 本当の寂しさはない 休耕田がボウボウとしている 道を挟んだ隣では 実りの跡が燃やされている せめて刈り取られ燃やされていたい たとえ雑草だらけになっていても 実りを夢見る心は死にはしない もしかしたら本当のことが どこかにあるんじゃないかって 探し続ける心は秋の枯田に似ている そして僕はまだ諦められずにいる だからこれは寂しさじゃない いろんなやり方で いろんな強さで いろんな眼差しで ひとつの心を刻み続けたい そんなことを考えているうちは 枯田には来る年の実りが待っている だからこれは寂しさじゃない 土があり心がある 風の寒さも寂しさじゃない これは寂しさじゃない