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「三角錐と四角の牛」


知らないうちに九月になって
君の名前もわからなくなって
悔しいけれど最後の日差しが
頭に刺さって何もできなくて

三角錐と四角の牛が
三角錐と四角の牛が
三角錐と四角の牛が
入道雲を食べている

浜辺も山も小川も木陰も
君を飲み込んだキャンディも竜巻も
ぐるぐる回ってねじ伏せてくるのさ
ミサイルなんかよりマシなんだけど

焼け焦げになったローストチキン
焼け焦げになったローストチキン
焼け焦げになったローストチキン
君の惚けた青い空

横たわっている夏の思い出
君も季節も過ぎ去っていく
どす黒いあの出来事さえも
日焼けしただけなんだろう

三角錐と四角の牛が
三角錐と四角の牛が
三角錐と四角の牛が
入道雲を食べている

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