燃えさかる炎は 溶け合う体から地平線を広げ 荒々しき創造の息吹の 誕生を告げる 君の中に眠っていた 大地を波動の源とする 力強き愛の本能が 聖獣のように 原始の光を放って 今その目を覚まされたのだ 昨日までの君は ほんの一部でしかない 限りないシルクのベールは 僕を傷つけないように 君の真実を 星が生まれ落ちる激しさを 隠し続けていたのだ 狂おしいほどに 君が波打ち その重力波が 僕の核心を揺さぶる 君の信じがたいほどの輝きは この世界の全てのものへの信頼を 生まれ変わらせてくれた あの静かなる融合の時を越えて 更なる深みへ誘なわれていく もはや温もりではなく それは激烈なる溶岩のように 挫ければ即座に焼き尽くされてしまう 命の価値を試し合う瞬間 僕と君の明日への扉を開くための これは美しき試練だ 何度も何度も 喜びに至るまでの 凄まじき闘争が襲い来る 積み上げれば崩し 崩せばまた積み上げる やがて来たる歴史を 今宵一時に凝縮し尽くして 君の迷宮に 僕の断端に 刻み込んでいく 君は聖なる儀式となって 僕の大地に確信の慈雨を降り注ぎ 解き放たれた扉の向こう側で 僕は君の僕になり 君は僕の君になる 君の水面に跳ね上がった 僕の透明なたましひが 深淵に沈み込んで 時間の浸透を感じ始めると 君は懐かしい君の顔で 穏やかな寝息を立て 僕を温もりとする 毛布だけをまとって 震えていた君の素足を 思い出して苦しく あの君の怯えたような仕草は この崩壊と創造を与え合うことへの 喜びと不安であったのだ この夜の向こうへ まず君が歩き出していった 僕はいつも少し遅れる 君の手を引くことを夢見ていても いつも少し遅れる 君に導かれるばかりだけれど きっといつか君のために きっといつか君のために もう君を起こさなければいけない 送っていかなければいけない 思いきり抱きしめて 君が目を覚まさないのなら それもいいかもしれない 女神に辿り着いた そんな夜なのだから