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「イヴ」


君が
真っ白に
深く堕ちていく

人差し指の
柔らかいところで
右の頬を
つついてやると
少し睨んで
抗うようにその頬を
膨らませようとする
そういう君の
弾力が心地よい

僕と君が
アメーバであって
そして意識を
持っていたなら
この融合と分裂を
どう感じるのだろうか

僕は
君の中で
大きくなったり
そして小さくなったり

君が
堕ちていくのは
僕ではない
どこかだ
僕が
堕ちていくのは
君の核の中だけれど

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