七月一一日、第五回定例会は、二三名の参加を得て行われました。
<この間の動き>
六月三〇日に永平寺川ダム建設工事入札予定価格非公開に対して異議申立をしました。談合のうわさのある入札であり、談合の有無を確認するためにも、入札予定価格の開示は不可欠です。ちなみに、県では、六月一日以降に実施される入札については、事後的に入札予定価格を開示することにしていますが、本件は、それ以前の五月中の入札であるという理由で不開示になったものです。六月以降であれば公開できるが、それ以前は公開できないという理屈はないはずです。六〇億円も七〇億円もする工事ですから、皆さんの監視の目を鋭く向けましょう。
時同じくして、全国市民オンブズマン連絡会議でも、入札談合問題を全国的に取り上げようとしています。
七月三日に、武生市情報公開懇話会提言がまとまりました。懇話会を六回開催し、三回目以降は審議の模様を公開してきました。委員は、市民公募四名、市議二名、学識経験者二名、商工会議所・青年会議所・市連合青年団・連合福井南越地域協議会・区長会連合会・農協・女性ネットワーク各一名という構成です。
武生市の懇話会提言の先進的な部分は、
@市民の知る権利を保障するものであることを明記
A議会は自主的判断に任せるが、実施機関となることが求められると、議会の情報公開に一歩踏み出した。議員の海外視察名目の物見遊参もチェックできるようになるか
B本人情報の開示・訂正について明記した(個人情報保護条例の制度化)
それに対し、限界としては
@市が主たる出資者である法人を実施機関から除外し、自主的な情報公開・提供に任せた。土地開発公社が議員の所有する土地を不当に高額で取得してもその資料は入手できない
A対象情報は、決裁供覧手続その他これに準じる手続を終了したものに限定した。HIVの厚生省ファイルは除外される。
B請求権者を市内在住者に限定した。福井市に事務所を置く市民オンブズマン福井は武生駅前開発の情報公開を請求できない
C非開示の範囲となる個人情報はプライバシーに関わりなく個人識別情報に広げた。公務員は実施機関が定める範囲の職および氏名は公開するとして、実施機関の判断に委ねた。カラ出張の有無を確認しようと思っても公務員の出勤簿は開示されないし、食糧費を用いた接待の相手方の氏名は公開されない。
D企業情報のうち公開されるものが人の生命、身体、健康を保護するために必要であると認められるもの等に限定された。産業廃棄物処理施設にかかる情報で企業情報に該当するものは、人の生命、身体、健康を保護するために必要であることを住民が立証しない限り、公開されないが、情報の中身を知らない住民にはそのような立証は不可能
E行政執行情報・意思形成仮定情報等が非開示とされた。用地買収の交渉日誌や入札予定価格や都市計画審議会議録は公開されない
F非公開条件付提供情報は非開示とされることが明記された。
これから、鯖江市でも情報公開の懇話会が始まります。一歩でも二歩でも福井市や武生市の条例から進んだものを作ってほしいところですが、一回目の懇話会の席上に配布された提言の骨子を見ると、武生市のものとほとんど同じであり、しかも懇話会の審議を公開するかどうかで時間を費やし、結論は市民公募委員の意見に反し、非公開が多数という情けない状態であったということです。せっかく、市民参加で体操ワールドカップを成功させたというのに、残念です。当会からも働きかけをする必要が大いにありそうです。
<カラ出張問題>
福井県は旅費調査の詳細な結果を明らかにしないし、資料も開示しないのが現状です。これに対し、どう対応すべきか。
監査請求を行うことについては、請求期間が行為があってから1年とされており期間徒過を理由に却下されるおそれがあること(ちなみに、監査委員事務局は、昨暮れにオンブズマン準備会のした監査請求に対し、請求期間徒過で却下しましたが、今回の旅費調査の結果、監査請求一一件の内八件をカラ出張であると認めました)、監査請求の対象が個別具体的に特定しなければならないとされている(最高裁判例平成二年六月五日)のに対し、請求は平成八年度の何回の旅費支出という具合に包括的にならざるを得ず、その点でも却下されるおそれがあります。
当日の議論の結果、「却下されるおそれがあるとしても、今のままでは県の旅費支出調査結果を了承したことになるので、監査請求は起こす」、「するからには、オンブズマンとして行うのでなしに、個人名で、それもなるべく多くの人で起こす。せめて五〇〇人は請求人として集めよう」という力強い意見が出されました。
監査請求の対象としては、平成六年度以降全期間について、知事部局全部及び監査委員事務局を対象として、知事らに対して返還を求めるような内容になろうと思います。
改めて請求人名簿を回しますので、署名集めをお願いします。
<平成八年度東京事務所の使用料及び賃借料(決算額一八、八九一、二八三円)>
観さんに詳細な報告をしてもらいました。その中に、営業車借上料として一六〇万円余の支出があります。それを見ますと、一回平均五万六〇〇〇円の支出であり、中には、事務所→羽田空港→議員会館→都内各所→赤坂→事務所で一〇三、三五〇円、平河町→お台場→羽田空港→丸の内四六、四〇〇円というのがごろごろありました。一日ハイヤーを使って一〇万円以上もの支出をする、あるいはハイヤーを七時間も待たせておくなど、全く庶民感覚からは信じられない支出がありました。このようなハイヤーの使用は、議員によるものですが、そもそも議員には旅費が別途支給されているのに、ハイヤーを公費利用すること自体が問題ではないでしょうか。この点については、平成九年度の状態も調べてみます。その上で、監査請求をしましょう。
<平成八年度県政記者懇談会開催状況>
広報課の経費の情報公開の席での担当職員との会話
観「県政記者との懇談会で、記者から会費五〇〇〇円を徴収しており、この会費はコンパニオン代や食費の一部に充当しているとのことであるが、そうすると、知事以下県側の出席者は、記者の支払った金でコンパニオンのサービスを受けていることになるが、どう思うか」
広報課「県側出席者も会費を出している。」
観「では、知事の会費は交際費から支出されているのか、それともポケットマネーか」
広報課「全員個人が負担している(まゆつばもの)
観「五〇〇〇円の会費を徴収して、なお一人当たり二万円も県費支出することについては、どう思うか」
広報課「開催場所によっては、高いところもある。今後は、出席者の個人負担とするかどうかを含めて検討している」
観「県政記者との懇談会の経費を広聴員相談員制度運営費から支出しているが、これは妥当か」
広報課「県政記者との懇談も、広聴制度の一環としてとらえており、この費目から支出して差し支えない。県政記者と懇談するための費目はない」
ああいえばこう言う、まさに官僚答弁の見本ともいうべき名回答ぶり。県政記者との懇談会をする費目がないと言うことは、県費で行う合理性がないということだから、すべからくポケットマネーで行うべきではないのか。
ちなみに、平成八年の広報課の支出として、七月一日開花亭での県議会総務教育常任委員会懇談会の広報課負担分として二万六〇〇〇円の支出がある。これは、総額六七万円以上の支出を、県議会事務局が二〇万円、教育総務課が六万五〇〇〇円、秘書課・広報課・政策企画室・財政課・人事課・人事委員会・監査委員など二一部局で負担しているものである。議員の飲食代を、それも開花亭という高級料亭での飲食代を、どうして知事部局が割り勘するのか。
<お高くついてる県政広報>
グラフフクイという雑誌をご存じですか。理髪店とか公衆浴場とかに置いてある県の広報誌です。
このグラフフクイは、平成八年度一六、〇〇〇部、配達料その他を含めて五四〇〇万円(買取費用が三三〇〇万円、配達料が二〇〇〇万円)りもかけて発行されています。広報誌でありながら、編集発行をしているのは、広報課ではなく、福井県広報協会であり、そこからの買い取りという形になっています。この広報協会なる団体、グラフフクイの発行をしているだけであり、県職員OBを含め二人だけの団体で、会長は、西川副知事が就任しています。事務室は以前は広報課内にあったが、今は県電気ビルの中にあります。グラフフクイの裏表紙を見ても、発行元の電話番号は記載されていません。謎に包まれた団体が福井県の広報誌を、多額の費用をかけて作成しているのです。そして、昭和三五年以降、県はこの広報協会との随意契約で発行してきたのです。果たして五四〇〇万円もかけて発行する必要のあるグラフフクイなのでしょうか。
また、県は、テレビ・ラジオ・新聞等の広報で、平成八年度一年間で一億八三〇〇万円弱を支出しています。
福井新聞には、毎週月曜日に県政だよりを掲載しており、四二〇〇万円を支出しています。会員の中からは、「だから福井新聞は県批判の記事や、オンブズマン関係の紙面が少ないんだ」との声も出たほどです。カラ出張報道があったとき、知事は、県政だよりの全紙面を使って、お詫びを掲載しました。違法支出のお詫びをするのに、どうして県費を使うのか、どうして県政だよりを使うのか。県政広報の趣旨と異なるのではないかとの質問に対し、広報課は、お詫びだけではなく、改善策も述べたから支障はないとのこと。見事な官僚答弁ですね!
県政広報には、このように様々なメディアを用いて、莫大な経費をかけて行われています。しかし、これまでの「お任せ行政」から「市民主導の行政」への転換を図るために、そのあり方を問い直してみる必要があるのではないでしょうか。
<つるが・きらめき みなと博21>
こういう都市博が来年、敦賀で開催されることをご存じですか。ところが、これがまた謎に包まれているのです。
みなと博開催に伴い、知事が電力会社に二〇数億円もするパビリオンの寄付をねだりました。それがまた、「県民市民の強い要望に基づき」知事が要望したというのです。
そこで、その要望書なるものを情報公開で見ようとしたところ、存在しないというのです。つまり、県と敦賀市が金と人を出し実行委員会を作っていて、事務所も嶺南振興局の中にあるのに、実行委員会は県の組織ではないし、みなと博は県の事業ではないから、実行委員会の書類は県の書類ではないというのです。
担当者曰く、「実行委員会は、県ではなく、実体のない社団法人のようなものです」
あげくのはてに、担当者は、「なぜ市民の方がそんな書類を見たがるのですか」というのですから、何をかいわんやです。
<フリートーキングタイムから>
「一般市民の中にオンブズマンが浸透していない。家族にもなかなか理解されない」という声もありました。オンブズマンも広報活動が必要な時代です。そこで、「市民向けに分かりやすいパンフレット・チラシ(マンが入り)を作ろう、それを何かの集会があるごとに配ろう」ということになりました。