みなさま、明けましておめでとうございます。
1月8日、2000年第1回の定例会を国際交流会館で開催しました。出席者はやや少なかったものの、勝山・大野から5人が出席されました。
いよいよ、市民オンブズマン福井も、3年目に入りました。県のカラ出張問題追及から始まったオンブズマン活動も、今年でその結節点を迎えます。また、2年目の方針として掲げた地域に根ざしたオンブズマン活動も、勝山、鯖江を中心に、武生、今庄、永平寺と広がりつつあります。今年は、それらの活動をさらにどのように発展させていくのか、私たちの活動が問われると思います。
オンブズマン活動の成果もあって、細かい支出についてはチェックがなされるようになってきているようです。これからは、現在進行しているさまざまプロジェクトに、どのように私たちの意見を反映させていくことができるのか、いわば「後ろ向きの活動=責任追及活動」から「前向きの活動=行政対話活動」に発展させていくことが求められていると思います。
1、 福井県知事交際費の公開に関する改善申入、及び福井県農村整備課消耗品支出に関する公開質問状提出へ
平成11年8月〜10月に支出された知事交際費の情報公開請求をしたところ、県は、高裁の相手方に関する部分は個人情報にあたる等の理由で非公開となりました。会費の支出相手先団体名も非公開です。しかし、知事は、昨年4月の知事選挙後には原則公開に前向きの発言をしていたはずです。そこで、交際費の相手方名を原則公開とする意向があるのかどうか、いつから団体名の非公開の改善をするのか、申入を行うことにしました。
また、福井県農村整備課の消耗品費は、平成9年度には22,160,535円支出されており、これを職員数で割ると、一人あたり1,055,000円となります。これは他の各所属と比べると、5〜10倍もの突出した金額となります。このうち、事務用品の購入に充てられた金額は19,456,007円となっており、ファイル、ホルダー類が多いのが目に付きます。ところが、平成10年度の事務用品購入額は525,556円、わずか2.7%になってしまいました。しかも、19,456,007円のうち97%もが12月までに支出されています。この時期は、カラ出張が発覚した時期と重なります。そこで、職員一人あたりの消耗品使用額の多さ、その使途、支出時期が平成9年12月までに集中していることの3点につき、公開質問状を提出することにしました。
それぞれ、1月14日に提出し、1月28日までに回答するよう求めます。今後とも、情報公開請求で明らかになった不自然な事実については、その都度、申入なり、公開質問なり、さらには住民監査請求なりをすることにしたいと思います。
2、 勝山ニューホテル監査請求棄却への対応
平成11年10月21日、市民オンブズマン勝山の会員を含む勝山市民113名が提出した住民監査請求に対して、勝山市監査委員は、12月21日付で監査請求を棄却しました。この監査請求は、@勝山市が勝山ニューホテルを相互不動産から寄付受入をする際の市長の市議会への説明が「福井市のホテル業者に建物を無償で貸し、ホテル経営はすべて事業者負担で行うから勝山市の負担はない」というものだったのに、実際には勝山市が2年間で1億1300万円もの赤字負担をしなければならなくなったのだから、市議会の寄付受入決議は無効であり、ホテルの寄付受入も無効である、Aホテルの業務委託を東急不動産にすることになっているが、地方自治法は公の施設の管理は自治体の出資法人等にしか認められないのに、民間業者である東急不動産にホテルの業務委託契約をすることは、違法であるし、その契約内容も市の負担を必要最小限度にとどめる保障が何もないまま、市がホテル経営の赤字を全額負担する内容となっているのは違法であるから、契約締結の差止等を求める、という内容のものでした。
それに対して、勝山市監査結果は「宿泊、貸室等にかかるサービス業務や料理飲食部門の内容などについての業務委託契約にすぎず、公の施設の管理委託ではないから適法である」と極めて形式的な理由で監査請求を棄却しており、極めて不当な内容のものでした。しかしながら、他方、監査結果においても、私たち市民の指摘を受けて、「一部不適当と思われる委託業務内容も含まれていることが判明」したとし、予算の組換え措置や委託項目事項の変更、利用料金の徴収及び収納事務の委託、業務委託契約の中における市の歳入の振り分けの取り扱いの規定、食中毒事故が発生した場合の損害賠償義務が業者にあることの明確化等がうたわれることになった。さらに、監査結果の付記として「業務委託の内容を再吟味し、遺漏のないように万全を期するよう申し述べた」、「料飲食業務等経理についても、精査と適正な調査指導を実施されるよう要望として意見を述べた」など、オンブズマンの主張に則った是正措置が図られたこともうかがわれました。
今後、住民訴訟を提起するのかどうか、引き続き恐竜博・今井市政に対してどのような対応をしていくのか議論がなされましたが、結論にまでは至らず、引き続き、勝山で議論がなされることになりました。
3、 鯖江市ミラノ事務所問題
鯖江市長のヨーロッパ視察問題に端を発し、鯖江市ミラノ事務所につき情報公開請求をしてみると、296万円もの費用をかけて、ミラノ事務所派遣職員1名の語学研修が行われていることが判明しました。しかも、その研修は、民間業者(ベルリッツ)のプライベートレッスンという形で行われているのですが、120レッスンが最高と言われているのに、英語だけで250レッスン、イタリア語に143レッスンもかけるという過剰ぶりでした。
その他にも、ミラノ事務所開設パーティーがミラノで行われているのですが、そこに出席したのは日本人(鯖江市・福井県・民間)だけで、ミラノの出席者は、行政当局をはじめ誰もいないことも判明しました。多額の経費をかけて、日本人だけの事務所開設パーティーを行う必要があったのでしょうか。極めて疑問です。ちなみに、県ミラノ事務所も、鯖江市長が県会議員当時に県に薦めて設置したもののようですが、県事務所との関係も問題になりそうです。そこで、この問題は、引き続き、県ミラノ事務所関係の情報公開請求も行いつつ、検討を進めていきたいと思います。なお、この問題を現地で調査するため、波多野幹事が1月末にミラノ視察に赴く予定です。
4、県情報公開条例改正へのだめ押し
情報公開懇話会の意見書が県に提出されましたが、 あとは事務当局にお任せというのでは、どのような改正条例ができるのか分かりません。2月県議会での議論に反映させられるように、今月中に県に条例改正の申し入れ、及び県議会に条例改正の陳情を行うことにしました。
最大の争点は、情報公開の対象となる「公文書」の定義から決裁供覧条項を削除すること、新たな「公文書」の定義となる「管理」の要件を定める県文書管理規程に決裁供覧条項に代わる規定を盛り込まさせないこと、そしてこの「公文書」の新規定の適用を過去の文書にも認めさせることでしょう。
5、新年のディスカッションの中から
空港問題の議論の中で、3月末に県の空港需要予測調査結果が発表されるということが指摘されました。ところで、福井空港にしても、勝山の恐竜博にしても、いずれも民間のコンサルタント会社に調査業務委託をして、その調査結果に基づいて大型プロジェクトが進められるのが実際です。ところが、その調査結果は、コンサルタント会社が公正中立な立場で調査するのではなく、行政の意向を反映した都合のよい結果しか出てこないのが実際です。アセスメントなどでも、「アワセメント」と言われているのと同じです。ここに何とかメスを入れられないか。
たとえば、佐賀空港でも、需要予測調査とは正反対の不振ぶりです。この需要予測調査を行ったのが、福井空港の需要予測調査を行うコンサルタント会社なのです。ここを叩いていく。場合によっては、いい加減な需要予測調査を行ったコンサルタント会社に対する損害賠償請求を提起していくことも必要ではないでしょうか。また、調査結果が出てから行動するのではなく、調査結果が出る前に、公開質問をするなどして牽制していくことも意味があるのではないでしょうか。
早速、福井空港問題でも、需要予測調査業務委託に関する情報公開請求を行うとともに、コンサルタント会社に対する公開質問を行ってはどうか。また恐竜博問題でも、需要予測を行ったコンサルタント会社への公開質問を行ってはどうかという意見が出されました。福井で、この問題につきある程度の方向性が出てきたならば、全国連絡会議にも問題提起をしていきたいと思います。