平成12年1月14日

福井県知事栗田幸雄殿

福井県公文書公開条例の改正に関する申入書

市民オンブズマン福井

代表幹事 湯 川 二 朗

情報公開は時代の流れであり、ようやく国においても情報公開法が制定されました。地方分権の時代を迎えるに当たり、県民の知る権利を保障し、行政の説明責任を全うするためにも、福井県公文書公開条例(以下「条例」と言います)を時機にかなった内容のものに改正する必要があります。

このたび、平成11年12月27日に福井県情報公開懇話会が県に『福井県公文書公開条例の改正に関する意見書』(以下「意見書」と言います)を提出されました。私たちは、その内容を高く評価するとともに、さらに県民の知る権利を保障し、県の説明責任を全うする見地から、踏み込むべきポイントが何点かあると考えます。

そこで、県におかれても、2月県議会で条例改正をされると聞いておりますが、以下の点を条例改正案の中に盛り込んでいただくようここに申入を致します。

@  意見書の内容を改正条例案に十分に反映すること。

A  意見書において、情報公開の対象公文書の定義につき、「決裁・供覧要件」を削除し、「職務上作成取得・管理要件」とすることがうたわれました。ところで、「職務上作成しまたは取得したもの」、あるいは「実施機関が管理しているもの」が何を意味するかは、具体的には福井県文書規程の中で定められることになると思います。この文書規程の定め方によっては、実質的に「決裁・供覧要件」が残っているのと同じ結果となることも予想されます。

 したがって、改正条例の趣旨が十分に生かされた内容の文書規程を制定すること。

B  意見書において、決裁・供覧要件を削除した改正条例の適用に関して、過去の文書も対象とするかどうかについては、両論併記されています。しかしながら、過去の文書が公開されないでおいて県民への県の説明責任を全うされたとは、およそ言えないと思います。公開することによって行政事務の円滑な執行に支障が生じるとか、審議、検討過程の情報が公開されてしまうという問題があるのであれば、それは個別に非公開事由に該当するかどうかで検討すれば足りるのであって、包括的に改正条例の適用外とすることは、およそ情報公開の趣旨に反していると言わざるを得ません。

したがって、決裁・供覧要件を削除した改正条例は、条例改正前に作成取得された文書にも適用すること。 

以 上