形態

顔ダニ(ニキビダニ)
とにかく長細い。ダニ離れした感じだ。
脚以降の部分(後胴体部)が異常に長く、一見、昆虫のように頭部−胸部−腹部に分けられるが、内部構造は胸部と腹部は連続しており、胸−腹に分かれているのは見かけ上に過ぎないということだ。
しかし、これだけ長いと、腹というより尾といった方がいいような…。
顔ダニ(ニキビダニ)雌・腹面
腹面から。雌で卵をもっているのが分かる。
この画像では、カバーグラスに押しつぶされてやや広がっているが、ホントは上の写真みたいにスマートです…。
顔ダニ(ニキビダニ)雌・背面
背中から。この個体も卵をもっている。
雄雌個体数の比率は1:4.5という報告も見られるが、確かに雄は少ない。
顔ダニ(ニキビダニ)脚部
脚部の拡大。
頭(顎体部)の先端の丸いのは、目ではなく触肢?の先端。
顔ダニ(ニキビダニ)暗視野
こっちは背面から見たもの。
こっちの丸いヤツが目ではなかろうか…。
顔ダニ(ニキビダニ)雌の拡大1
雌の背面から。
いろんな器官が見えるが分かるのは卵くらい…。
顔ダニ(ニキビダニ)雌の拡大2
左の画像からピントを若干ずらしたもの。
それにしても卵がデカイ。どうやって産むのだろう。

雌雄

顔ダニ(ニキビダニ)雄の生殖孔
雄の生殖孔。背中にあります…。
交尾は雌が雄の上に乗っかる形となる。
顔ダニ(ニキビダニ)雄の挿入器
雄の挿入器。ちんちんですな…背中にあるけど…。
顔ダニ(ニキビダニ)雌の背面
こちらは雌。もちろん、背中に生殖孔はない。
顔ダニ(ニキビダニ)雌の生殖孔
雌の生殖孔。
「日本ダニ類図鑑」によると「第4基節上の後部腹面に開く」とあるので、たぶんコレ。

生態

一つの毛穴に8匹!
集団でいることが多いとは聞いているが、これはチョット…。
ちなみにコニキビダニの方は単独毛穴に住んでいるらしい。

コニキビダニ

コニキビダニ(Demodex.brevis)は長らくニキビダニの変種として扱われていたが、単に体長が短いだけではなく、
1.寄生部位の違い(ニキビダニ:毛包の脂腺導管開口部から浅い部分、コニキビダニ:脂腺内)
2.ニキビダニが1つの毛包内に5匹以上の集団で居る場合が多いがコニキビダニは2匹以上居ることは稀。
などから1972年に別種として認められた。

形態的な違いは、主にしっぽの長さなのだけど、卵の形もニキビダニのように矢尻状ではなく卵形らしいです。
あと、観察してても数が少ない。実際に少ないのか、より深い部位に住んでいるので採取しにくいのかその辺は不明だが、毛穴に1匹ずつということなので実際に数はすくないんだろうな。
顔ダニ(ニキビダニ)の長いものと短いもの
左の個体がbrevisと思うんだけど…。
けっこう中間的な長さのものもいるような気がする。
Demodex brevis?
左の個体の拡大。
さすが130年間ニキビダニと同種として扱われただけあって違いが分からん。
Demodex brevis
コレはもう完全にbrevisだろう…。
けっこうカワイイ。
Demodex brevis?(横から)
コレもそうだと思うのだが…。


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