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大腸癌の診断と治療
診 断 治 療
便潜血検査
注腸検査
大腸内視鏡検査
生検
超音波内視鏡検査(EUS)
腹部CTスキャン
腹部MRI検査
腹部超音波検査
腫瘍マーカー
基本方針
早期大腸癌
進行大腸癌
肝転移例
再発例
便潜血
便を調べて、血液が含まれていないか検査します。ポリープや癌がある場合に血液の反応が出ることが多いからです。しかし、癌があっても、必ずしも陽性となるわけではなく、また、陰性だからといって癌が否定できるわけでもありません。あくまで、検診に用いる目安という程度のものです。
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注腸検査
肛門からバリウムを注入し、大腸の粘膜や大腸全体の形をレントゲンで調べま す。胃における胃透視と同じ原理で、粘膜の凹凸から病気を診断する方法です。大腸をくまなく調べるには良い方法ですが、病変の色の変化などはこの検査では知ることは出来ません。

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大腸内視鏡検査
肛門からファイバースコープを挿入し大腸の粘膜を直接観察します。胃における 胃カメラと同様に粘膜の色の変化など詳細な診断が可能です。また、同時に組織生検を行えるため、最終的な診断方法として有用です。ただし、検査には熟練を要するほか、大腸のひだに隠れた病変を見逃すという落とし穴もあります。

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生検
内視鏡検査の時に、大腸の粘膜を採取して組織の検査をすることをいいます。こ の結果は、限りなく最終診断に近いものとなります。すなわち、生検で癌と診断されれば、癌と確定されたことになります。

細胞の悪性度はグループで表現され、

グループ1は正常

グループ2は炎症など

グループ3は良性腫瘍(腺腫)

グループ4は癌の疑い

グループ5は癌

を表します。

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超音波内視鏡検査(EUS)
先端に超音波装置がついた内視鏡をもちいて、表面から見えない腫瘍の広がりを 調べます。主に癌の深達度やリンパ節の転移の有無を調べる目的で行います。
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腹部CTスキャン
レントゲンをもちいて、人体の輪切り像を見る検査です。大腸癌においては、肝臓やリンパ節への転移の有無や腫瘍の広がりを調べます。造影剤を用いない「単純CT」と、造影剤を静脈注射して行う「造影CT」があります。通常は、同時に両方の撮影を行います。造影CTでは、腫瘍がより鮮明に描出されます。

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腹部MRI
CTのような輪切り像に加えて、縦切り像も得ることが出来ます。大腸癌におい ては、肝臓やリンパ節への転移の有無や腫瘍の広がりを調べます。CTのようにレントゲンに被爆することがありません。造影剤を用いなくても、かなり詳細な画像を得ることが出来ます。

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腹部超音波検査
エコーとも呼ばれています。超音波を用いて、内臓の様子を観察します。大腸 癌においては、肝臓やリンパ節への転移の有無や腫瘍の広がりを調べます。体に害のない検査なので、比較的頻繁に用られます。ただし、体型などによっては、臓器の観察が容易でなかったり、検査を行う術者の技量によって、診断の信頼性に差が出るという欠点があります。

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腫瘍マーカー
血液に含まれる、腫瘍が分泌する特有の物質を測定します。腫瘍の有無や再発の 発見にもちいます。大腸癌ではCEAやCA19-9といわれる腫瘍マーカーが有効です。ただし、腫瘍マーカーは、癌があっても必ずしも上昇するとは限りませんし、また癌以外の要因でも異常値となることがあるため、あくまで診断の助けとして用いることになります。
基本方針
癌の広がり、進行程度に応じた切除が基本となります。早期の場合は、内視鏡的 切除で完治が期待できます。
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早期大腸癌
隆起型であれば、内視鏡的ポリペクトミー(ポリープ切除)を行い、表面型では内 視鏡的粘膜切除(EMR)を行います。組織検査の結果、粘膜内癌であれば、治療は
終了しますが、粘膜下層癌ではリンパ節転移の可能性があるため、リンパ節郭清
を伴う腸管切除術を追加します。腸管切除に際しては、部位によって開腹術か、
腹腔鏡補助下手術の選択を行います。
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進行大腸癌
広範なリンパ節郭清を伴った腸切除術を行います。開腹で行うのが通常です。最 近では、腹腔鏡補助下手術を行う場合もあります。
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肝転移例
大腸癌では、肝転移があっても切除することで、治癒が期待できるため、転移巣 が2〜3個の場合は、肝転移巣を切除するのが一般的です。切除後は肝動脈にカテーテルを留置し、抗癌剤の肝動脈注入を定期的に行います。肝転移が多数あり、切除が困難な場合は、肝動脈注入のみを行います。
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再発例
肝転移再発例では、上記肝転移例と同様に治療を行います。局所再発例では切除 が可能な場合は切除します。直腸癌の局所再発では放射線治療を行う場合もあります。基本的には、切除できない場合は抗癌剤治療を行うことになります。
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