魔法珠 〜Magic・Soul〜 3
  3.
 だけど魔法珠探しは思っていたよりよっぽど困難だった。なんせ、軽く1000年は昔の話である。見つけたと思えばそれは偽物だったりするのだ。
「あんた達…いい加減にしなさいよ…。
 こっちは必死なんだ!」
――風よ、光の命にて、渦を巻き空より我が下へ降り立ち賜え――
 《風嵐流》
「やめて下さい、サラズィアさん。
 いきなり何を…」
「もう少しもすれば風は止まるさ。
 こうでもしなきゃ気がすまないんだよ」
「だからって何も魔法を使わなくてもいいじゃないですか」
「どうせこの魔法はちょっとした強風を起こすだけだし、光魔法だからあまり殺傷力もない」
(あたしは怒ってんだ。このくらい当然だ)
「そういう問題じゃないでしょう。
 あ、止んだ。
 いくら何でもやりすぎですよ」
「魔法珠だと聞けばすっ飛んで行ってんだ。なのに偽物ばっかり。
 あたし人間が信じられなくなりそうだね」
 半分くらいは既に人間不信に陥ってるし。
「気持ちはわかりますけどね…」
(あたしの気持ちが…?)
「そんなものは誰にもわかりやしないさ。記憶がないということは過去がないということだ。
 もし知り合いに会っていつもと違う行動をとっていたらどうするんだよ!」
「………………」
 ? 何か妙なことでも言ったのだろうか。
「サラズィアさん…そういう問題ではないと思いますが…。
 不安はないのですか?」
 じゃあどういう問題なんだ?
「不安なんてあるかよ。嫌なこともきれいさっぱり忘れてるからな。
 もしかしたらこのままの方が気楽かもしれないな。何もかもやり直せる」
「それでも…あなたを待っている人はいるんでしょう……?」
「多分な。だからこそ記憶を取り戻さないといけないんだ」
(私は……してはいけないことをしたのではないだろうか…。サラズィアさんの記憶を奪って……嘘までついて。
 それほどまでに使命とは大切なものなのだろうか…)
「どうしたんだよ、キアルス。
 何、おまえが落ち込んでるんだ」
「なんでもありませんよ」
 しかし、キアルスの笑みは後悔に満ちていた。

 暴れてはいますが、暴走はしていません
 章の長さ、かなりめちゃくちゃです 長いのからみじかいのまで…差が大きい… ……今はまだ差は少ないかな…?
 サラズィアが記憶なくして、不安(?)になっているのを、ふつうとは違う不安にしたかったんだけど、どういうふうにしたらいいかわかんなくて、ちょっと変なのになってる… …表現力が欲しいなぁ…
 4も変わらない時期に作ったので、やっぱり表現力乏しいですが、4をどうぞ

魔法珠 〜Magic・Soul〜 4