NEXT終了後のドタバタコメディ(前編)
いつもと変わらない昼下がり。
突然の出会いは、シルフィールの一言からだった。
「あら、今の人……」
「どしたの、シルフィール」
「知ってる人によく似た人を見掛けたんです。ちょっと行って来ますね」
そう言ってシルフィールは駆け出していった。
「シルフィール、どこ行ったんだ?」
あたし達の方を振り向いたガウリイが言った。
気配で気付いたんだろう。さすがは野生のカンというべきか。
「何か知ってる人見掛けたんだって。
それでちょっと行って来るって」
「シルフィールさんの知り合いってやっぱ巫女さん関係ですか?」
「意外なところで身内かもしれんぞ」
「マルチナだったりしてな」
その言葉を聞いてあたしは思わず怒鳴った。
「ニコやかな顔で不吉なこと言わないで、ガウリイ!
あと、ゼルやアメリアには悪いけどさっさと行っちゃったからあたしは知らないわよ。
そのうち戻ってきたら聞いてみりゃいいでしょ」
などとほざいてるうちに、当の本人が戻ってきた。
しかし、一緒にいるのはマルチナよりも不吉な、
「ナーガ?!
何であんたがシルフィールと……。
もしかしてシルフィールが言ってた知り合いってあんた!?」
「リナさん知ってるんですか?
まあ、一応、紹介しますね。
リナさん、ガウリイ様、アメリアさん、ゼルガディスさん、こちらの人は、」
「自称『白蛇』のナーガ。
あたしから見ればただの金魚のウンチだけどね。
知ってるなんてもんじゃないわよ。
ガウリイ達に出会う前に一緒に旅してたから」
シルフィールの声を遮ってあたしが言う。
「おーほっほっほっ、相変わらずね、リナ。
4人も引き連れてお山の大将のつもり?
わたしのライバルも落ちたものね。
これだからあなたは……」
どがめしゃあ!!!
ナーガのセリフが終わらないうちに、あたしの放ったケリがナーガにぶち当たる。
これだからナーガは嫌いだったのだ。
「おい、リナ。この人、大丈夫なのか?」
「ヘーキよ。ナーガほど殺しても死なない奴なんていないから」
ホント、しつこいくらいだし。
「リ〜〜ナ〜〜」
恨みがましいナーガの声。
「ホラね」
「ホラね、じゃなーい!
あんた一体何のつもりよ!」
「これであたしが昔と変わってないのがわかったでしょ。当然その実力も」
「ふっ、じゃあ食い意地も変わってないのね。
じゃあ、そこのメシ屋で早食い競争よ。
当然、リナが払うのよ」
こいつも結局変わってないワケか。
「何であたしなのよ。
あんたが言い出したんだからあんたが払いなさいよ!」
「冗談じゃないわ。
リナにたかるのはあたしの仕事なんだから」
こひつ……そんなもん仕事にするなよ。誰も給料なんか払わないのに……。しかも、そんな迷惑千万なこと……。
「あ、そうだ。シルフィール、あんたが払いなさいよ。
あんたがナーガ連れてきたんだし」
うーん、我ながら名案名案。
「わ……私が……ですか………?」
「そういえば、シルフィールがいたわね。あと、リナの連れも。
リナと張り合ってて忘れてたわ」
『忘れるなあっ!!』
ナーガを除く全員の声がハモる。
いや、ガウリイも除く。ガウリイの場合は聞いてないか、わかってないから。
「おや、随分楽しそうですねぇ」
類は友を呼ぶのだろうか。だって、この声は……
「ゼロス、何であんたが……」
「キサマ、どこからわいて出た!」
うーん、ゼルってばホント、ゼロスが嫌いなんだから。
「何で、と言われても、今、ヒマな身なもので。
どこからと言われても僕は魔族ですから、突然現れてもおかしくないでしょう。
あと、わいて出たってやめてくれません?害虫じゃないんですから」
「似たようなものだろうが!」
「そうです。魔族なんて悪です、悪。
今すぐそんなものやめて真人間に戻りなさい。
わかってるんですか、ゼロスさん!」
アメリアったらまたワケのわからんことを。
「真人間に戻るって言われましても僕は元から魔族ですし、戻るも何もありませんよ。
おや?そこの2人は新顔ですね。
いえ、1人はリナさんの中にあの方がおられた時にいましたね。
でも、直接、面識がないもので」
「ああ、そうね。紹介するわ。
あ、それで思い出したけどさ。
シルフィール、ナーガとどういう知り合いなわけ?」
ふと、思い出した。と、いうか、忘れてた。
「そうね、どうしてリナを知ってるの?
あと、そこの人達の名前、まだ教えてもらってないし。それにいきなり現れたナゾの人の説明もして欲しいわ」
「あたしのことは言うまでもないわよね。
まず、こっちがガウリイ=ガブリエフ。魔法は全くダメだけど、剣の腕は超一流。光の剣持ってるから尚更ね。
ただし……」
そこでいったん区切る。
「ただし、何なのよリナ」
「頭の中身は超一流のバカよ」
キッパリと言う。
「あのなあ、リナ……」
「実際そうなんだからガウリイは口を挟まないで。
で、こっちがゼルガディス=グレイワーズ。岩人形と邪妖精のキメラで魔法剣士。
そーいや、ゼル、最近随分おちゃらけてきてない?」
第一印象とは随分変わってるし。
「キサマらにつられたんだろう」
でも相変わらずそっけないか。
「ひ、どーい。ま、いっか。
そんで、こっちがアメリア。こう見えてもセイルーンのお姫様よ。
ただし、正義一直線の人だから」
ナーガってたまに悪人だしなぁ。
アメリアに因縁つけられなきゃいいんだけど。
「アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンです。
よろしくお願いしますね。
あ、ただし、悪人ならお断りですけど」
「で、シルフィール、ナーガ。
今、現れたナゾの人がゼロス。
こう見えても獣神官、高位魔族なんだからケンカ売らないでよ、ナーガ。
あと、シルフィールも手ぇ出さないで」
「どうしてですか?リナさん。
相手が魔族なら滅ぼすべきではないのですか?」
あたしの言うことが不可解なようにシルフィールが問いかける。
なぜ、ここで終わるかな〜
「それは秘密です」(殴)
それは冗談で、ここがちょうど半分あたりだったからです
他の理由はありません(爆)
題名の通りのストーリーです
これを考えた頃は、まだうちのあたりじゃTRY入ってなかったんです
ずれは多少はお許し下さい
じゃあ、この後の後編をどうぞ
後編へつづく