JOYはまるで 絵本の挿し絵みたい あのドアを出たり入ったり その度に大きくなって 輝きと憂いを増していく わたしの知らない遠い世界で JOYは大人になっていく その眼差しの光には 疑いと軽蔑が含まれていく ドアの向こうは憎しみかもしれない ガラスの向こうの 窓の向こう 凛然として輝き渡る メガ・オリオン 雄大な星々の配列 愛するものの成長を 喜びとするには わたしはまだ淋しすぎる 砂時計をこぼれ落ちていった わたしの流れ星たち 置き去りにされた わたしの心に ぽっかりと暗黒が口を開いて 変質という名の重力波が 幼い憧れの上に流れ込んでくる もう止めることはできない 残酷な運命の予感 あの人のレポートのタイトルは 「ホムンクルス・プログラム」 それが何なのかまだ知らないけれど 今はただこの淋しさを 憎しみや怒りに変えてしまわないように 両手を胸の上に重ねて祈るだけ そして刻みつけておきたい 暖かい眼差しの記憶を