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この世は苦しみである。 生きるたびに、人は苦しみを重ねる。 一つの苦しみ、二重苦、三重苦、四重苦、五重苦、 六十九、七十九、はちじゅうく、きゅうじゅうきゅう、ひゃあくっ!! おかぁさぁん、でるよぉ。 ぼく、もうおふろ、でるからぁ。 あの夜、僕はのぼせて、確か風邪をひいた。 母の冷たい手が、とても気持ちよくて、 苦しかったけれど、幸せに眠った。