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「サンドイッチマン」


清らかな夜を迎えるために
愛は泥んこになる
イルミネーションの影で
奥歯を噛みしめて耐えている
クリスマス・ソングが聞こえる
もうすぐ君に会える
僕はプレゼントを買う暇もなかった
アルバイトのサンタクロース
リッチなフランス料理も
ホテルの最上階スイートもないけど
部屋で待ってるはずの君のために
温かいおでんでも買って帰ろう

もう二度と
君を苦しませはしないよ
このこころのかけらを
暖かい毛布に変えて
子供みたいにくるまって
窓の外、降りしきる雪を
二人で見ていよう
僕の命は君のためにある
真っ白な夜
教会の鐘が鳴る
メリー・クリスマス
本当の愛のために

そんなクサイ台詞さえ
君の耳に滑り込ませられる気がする
この夜には魔法がかかっている
僕のこのおどけた仕草も
プラカードも
恋するものへの魔法の呪文
理屈なんかどうだってよくて
ただみんなが優しくなれる夜が
一日くらいあってもいいね
この格好のまま君の待つ部屋に帰ったら
どんな顔をして出迎えてくれるかな
街ゆく全ての人々に、どうかメリー・クリスマスを!

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