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雪の日には音があります ゴオゴオという真っ白な風 雪の日には風が一番鮮やかで その一筋までもが舞い踊ります そして雷鳴 雪の中、稲妻はなく 地響きが鳴り止みません いつまでもいつまでも いっそ 誘惑に身を預けられれば 何もわからなくなる 吹雪のように 稲妻の代わりに ボロボロと降り始めた雪が 風に貼り付き巻かれて 全てを痺れさせ 優しさの中に芽生える轟音は 白い世界に響きわたり 行く末を怯える私を 消し去ろうと荒れ狂うのです