今朝、指を切った 血の玉がにじみ出して ジンジンと痺れた それで。 午前中、糸を結び損ねた 針も上手く入らなかった 点滴のバッグを二度落とした 指がジンジン痺れていたから 昼飯前に お前なんか死んじまえ、だって。 僕がしくじると誰かが死ぬかも知れない だから。 そうなる前に死んだほうが 世のため人のためだと そういうことらしい 空きっ腹に響きわたった 結局昼飯を食べる暇もなく 午後もいろいろやらかして 今度は優しい言葉をかけられた 君らしくないね。 ふうん、なんだろう? いつもの僕は、どの僕なんだろう その言葉は眼差しとともに優しかった だけど、チクチクとしていた 一日中、 指はジンジンと痺れている 朝は雨が降っていてわかりやすかった 今は夕暮れの青空に紫の灰色の雲で 何とも訳が分からない 霞がかった遠くの山裾が 陽光に映し出されて 綺麗だとは思うけど、ね・・・。 あの太陽が これから昇っていくのか それとも沈んでいくのか この重たい体とねじれかかった気持ちにしか わかるはずがないよね、きっと。 それと、もうひとつ。 ジンジンと痺れた指には 時間が流れている 明日。 みんなに謝らなくちゃ あの太陽は沈んでいく そうしなければ、明日が来ないから 僕は元気を出そう 質素でもおいしいものを食べて 暖かくして、ぐっすり寝てしまおう (あ、トイレに行くのも忘れずに。) ねえ、見えるかな? これが、僕らしさなんだよ 沈んでいく太陽なんだ おやすみなさい また、明日。