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「最期」


終わりの見えてしまう
そんな日々の中で
擦り切れていくのならば
空を飛びたい

鉄の意志は
評価の向こう側に
僕の張りぼてを見ても君は
愛してくれるのだろうか

奔放な表現は
君の輝きを奪うだけ
僕を導いてくれた輝きを
奪ってしまうだけ

偽りでさえも
人生であるのならば
僕が僕のままでいる理由は
どこにも見つからない

そろそろこれで
終わりにしようと思うけれど
その終わり方をまだ
思いつかない

何度も確かめようとして
その度に飲み込んだ本当のことを
誰も傷つけないように
注いでみたい

君の言葉の指が
柔らかく僕の心に触れた
崩れ去っていくのは
この愛ではなくて

繰り返す日々を
受け入れるということが
罪ではないのだと気付かせて
迷路がまず終わる

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