歌おう!歌おう!歌おう! みんな声を合わせて歌おう! 声は出さずとも 心を震わせて歌おう! 生活の全てを歌おう! 自然の様々な姿を歌おう! 身近なものを愛おしく歌おう! 理想を高らかに歌おう! 春のときめきを 夏の輝きを 秋の優しさを 冬の強さを 命あるものの喜びを 育み続けることの充実を 天上にあふれる星々の旋律を 愛し合うもの同士の心と体の同調を 未来を信じることのできる瑞々しい勇気を 君達に巡り会った偶然を あなたと過ごす時間の奇跡を 素晴らしき有限の中で祝福していこう! そして僕らは 神を超えて人間になる 全ての出来事に誇りを感じ 揺るぎない明日を目指して歩き出す うつむくことはない 僕らは人間なのだから そのこと以上に何を望むだろう 腹を抱えて笑い 震えながら涙を流し 感動の拳を高く突き上げ 過ちと正しさを繰り返しながら 孤独を癒してくれる愛しい人を求め続ける 永遠に変わりゆくことの不安と 輪廻の中で高まり続けることの歓喜が 全身をくまなく駆けめぐる環流によってもたらされる 触れるほどに温かく 傷つけ合うほどにもろく 踏み付けられるほどに逞しく 手を差し伸べ合うほどに微笑ましく なんと愛しい存在! だから歌おう! みんな声を合わせて歌おう! 声は出さずとも 心を震わせて歌おう! 人が人である証よ! 人が達しうる最高の喜び 人は人以外のものにはなれない だからこそわかり合える 人を愛そう! たとえ傷ついても 大声で泣きわめけばいい そして笑い合おう! 大地に腰を下ろし あるいは寝そべって 笑い合う仲間達の頬に 朝露のスズランが祝福のワインを注ぐ 命あるものの温もりを感じながら 洗練された一粒一粒の言葉を 滴る肉と共に腹一杯食らう 泉の向こうから優しい眼差しを向ける ペガススの高貴なるたてがみは 柔らかく風にたなびいているけれど 目を凝らしてよく見てごらん そうっと触れてごらん なんて強健なる剛毛だろう 奪命者を打ち払うための 生命の利剣なのだ それをあんなにも繊細に たなびかせる風は 現実の世界の厳しき強風 その愛くるしきさえずりによって 仲間達を微笑ませる あのコマドリのつがいにも 志す目当てに向けて 翼を羽ばたかせる瞬間の 永遠にも思えるような鈍痛が 待ちかまえている あえて悲しむことなく その時を迎えんとする健気さ 仲間達を包み込んで喜びを与えるこの世界は こんなにもたくさんの躍動に満ち満ちて ニンフやエルフのいたずらでさえも 微笑みのために用意されている それを受け止められるのは 仲間達に支えられてる あるがままの君だ 孤独は忠実なる番犬のように 君を待っていてくれるから 今は仲間達の抱擁に 身を任せるがいい さあ歌おう! みんな声を合わせて歌おう! 声は出さずとも 心を震わせて歌おう! 歌おう!歌おう!歌おう! 心を震わせて!