漆黒の夜空に散りばめられた 星々の輝きよりも この星が宇宙の一塵であって 僕が永遠の中に立ち尽くしているのだということを 遥かに近く 感じさせてくれる どこまでも澄み切って透明な 深く清しく くすんだ青白い空 暗黒との繊細な境界 まだ月は微かに囁くだけ 一番星の輝き始める直前の 夕風も音も光すらもなくした刹那 僕の周りの平面は無限に広がってゆき 僕の体は一瞬のうちにただ一点に集約される 目を閉じて 深呼吸をしてみる 次に目を開く瞬間のことを 考えている いつまでも罪を犯し続ける僕は あなたの言葉によって もう人間ではなくなってしまったけれど この宇宙の中で いったいなんなのだろう そんなことをふと考えながら 現実の奏でる喧噪に 耳を澄ましてみる クラクションが 甘えた心を 張り飛ばして 一番星より先に 大きな月が輝き始めた 真っ赤に染まった 僕の体だ