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「生命(いのち)」


抜け落ちた髪
切り落とされた爪
死のイメ−ジを
細胞が恐れるのだろうか
魂(たま)の火群(ほむら)の道程を
決めつけた その種は
根を張り 繁り 実らせて
大地そのものを引き裂こうとしている
漂い 飛び 昇る
沈み 潜り 堕ちる
その暖かさと寒さの螺旋の縦を切断する
すっと伸びて
さっと広がる
あの地平線は
やがて僕らを 星に溶かし
星は羽ばたいて
大宇宙の端っこを拡げる
その音は
きっと飛行機のエンジンの唸りだ
惑いし友よ
身勝手で有限なるものどもに
奪われてはならぬ
僕らは無限の 雫なのだから

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