会田夏彦ってどんなやつ
彼は、マジメを通り過ぎてミジメではないかという噂があるほど、スジメを通し、ケジメをつけるのが大好きなとても変な人である。
理由1:20歳すぎるまで、お好み焼きもたこ焼きも食べたことがなかった。
理由2:自分の乗っていた自動車(マツダのカペラ)の名前をずっとカスタムだと思いこんでいた。
理由3:プレリュードを日産だと思いこんでいて、それをわざとトヨタだと言ってぼけたつもりが本田だと知って驚いていた。
理由4:一見冗談など言わないような真面目な顔をしているのに、冗談ばかり言っていて(というより冗談しか言わないという方が正確で)ある人に「君は少し頼りないところがあるから」と言ったら、横から「便りないは大事のない証拠」などと馬鹿げた冗談を言う、わけのわからない変なクリスチャンである。(三井波男談)
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三井波男ってどんなやつ
彼はすごい人です。
彼の趣味は、テレビや映画を見ることで、舞台中継は歌舞伎からミュージカル、それも宝塚まで見ているというからすごいです。
その上、テレビで放送した「ベルサイユのバラ」は6種類すべて録画して見たと公言してますから、本当にすごい。
小学生の時に歌舞伎の「白波五人男」や「源氏店」のせりふや落語の「寿限無」を覚え、今でも言えるというから驚きです。
さらに当時の特技が、見たドラマや映画のタイトルクレジットに出てくる俳優の順番を覚えることだったというから本当にすごい人です。(椎名利夫談)
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椎名利夫ってどんなやつ
彼は、何にでも感動できるという、誰も太刀打ちできない特技を持つ呆れた人です。
中学の時から本を読み始め、当時は年間200冊ペースで、今でも年間100冊以上は本を買って読み、なおかつ本屋で週に2時間は立ち読みをして、ありとあらゆる雑誌に目を通すというから呆れてしまいます。
かなりのいい年のはずなのに、週刊少年マンガ雑誌をいまだに読んでいるというから、感動してしまいます。
本人曰く、立ち読みしたら必ず何か買って出てくる、それが立ち読みのプロ(?)の掟だそうですが、それと少年マンガを読むことと一体どういう関係があるのか私にはわかりません。
彼は大学時代に立ち読みで一度読んだだけなのに、日本語の起源というその本の内容を今でもほとんど覚えていて、2時間くらいはそれで話ができるというから、もう笑ってしまいます。
そんな読書好きからはまるで想像できない、もう一つの顔が、格闘技大好き人間という面です。
プロレス、ボクシング、キックボクシングは言うに及ばず、相撲、柔道、空手、合気道にいたるまで造詣が深く、剣術は何流から何流が別れ出て、流祖が誰で、その弟子が誰だとか、人物から、歴史にいたるまで事細かに知る全く呆れた人です。
おかげで私の頭もア、切れた。ジャンジャン。シッツレイシマシタ!(会田夏彦談)
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三人委員会よりのごあいさつ
会田「ところで上の談というのはおかしいんじゃない。僕たちだからいいけれど、段田段なんで段田段談になっちゃうよ」
三井「また始まった。それより、みなさんにご挨拶するんじゃなかったの?」
椎名「それでは皆様、ご〜き・げ・ん・よう〜」
三井「それじゃ、終わっちゃうじゃない。かしまし娘じゃないんだから」
椎名「うまいツッコミ。若いのに本当によく知っているな」
三井「これでも芸能博士の異名をとるあたいじゃもの」
椎名「私だって歴史と格闘技じゃ人後に落ちないつもりだよ」
会田「ぼくにはなんの取り柄もないな。アトリエはあるけれど」
三井「それそれ。会田さんには冗談という取り柄があるじゃないですか」
会田「苦情が来るジョークなんてジョーダンじゃない。ま、いけるという程度では洒落にもならなきゃ金にもならない。金がねえとかねがね思っていたけれど、なるのは教会の鐘ばかり、かね。」
椎名「気になるのは明日の天気とリンゴと相場が決まってますよ」
三井「おいおい。それは違う木でしょう」
椎名「おいおいって。あんたは私のおじさんか。泣いちゃうぞ」
会田「おいおいってか」
椎名「人の落ちを先に言うなんて。Youなんて裏切り者。あんたを信じた私が馬鹿だった。Youはそれでもクリスチャンか」
会田「Youは(横山)やすし、来ないが達者(?)。」
三井「やすしは死んじゃった。第一、言うは易く行い難しでしょう。来ないが達者は苦しすぎます」
椎名「でもわかるからたいしたもんだと思うよ。それより話を元に戻して」
会田「My name is Natsuhiko Christfer Aida.クリスちゃんと呼んで下さい」
三井「アホらし。あなたは本当にそれでもクリスチャン?」
会田「だからこそクリスチャンなのです。クリスチャンなら誰でも敬虔で、いつも真面目だなんて決めつけないでほしいな。」
三井「松葉かに、じゃなく確かに」
椎名「たこにも、じゃなくいかにも」
会田「クリスチャンになったからといって品行方正になったり悩みがなくなると思ったら大間違いのコンコンチキチ、コンチキチなのさ。」
三井「祇園祭りか、お前は」
会田「違う。言ってから苦しむ秋川リサ、じゃなくて後の祭りさ。疲れるからもうつっこまないで」
椎名「自分でぼけるのをやめた方がいいと思うけれど」
会田「松茸喰うじゃなく全く」
(椎名と三井、会田を睨む)
会田「わかった。話を元に戻して、クリスチャンといえども、多少苦しみに対する解決方法というか対処方法がわかっているだけで、悩みがなくならないということでは、信仰を持たない人となんら変わりはないわけで。」
椎名「・・・・」
会田「むしろ悩み、苦しむ人間だからこそ、クリスチャンといえるのですよ。ははは」
椎名「とても悩み苦しんでいるようには見えないけれど」
会田「アリがとうならミミズが二十歳てか」
三井「ためだ。やっぱり悩んでない」
会田「人をうらやみ、悔やみ、悩みに悩み、むやみに悩むなんて嫌味じゃない。まっ暗闇の闇ですよ」
三井「本当によく口から出てくるものだと思って」
会田「はじめに言葉ありきではないけれど、言葉は口から出るんじゃないんですよ。心から出るんですよ」
椎名「確かに。そして心から顔に出るものなんですよ。」
三井「・・・・」
椎名「心が楽しいという感情をうららかといい、心が病むようだという感情をうらやむと表現することからもわかるように、心が裏で、顔が表。」
会田「荷物を持って重てえ、ならわかるけれど」
椎名「お能で使う人形の面をおもてといい、時代劇で顔を上げろと言うのを面(おもて)をあげいというでしょう。」
三井「・・・・」
椎名「その心で感じることが表面に出てくることを思うといい、その語源がおもふで、おもは顔、ふは派生を示すハ行の内面を表すウ段というわけです」
三井「本当かな。また例の立ち読みした本の受け売りだろうけれど記憶違いじゃないの」
椎名「私の記憶に間違いはない。と思うけれど。たぶん。そんなような気がしないでもない」
会田「最後は少し弱気のような気がするけれど、私も間違っていないような気がする。なんと言っても、<信ずる者は誰も皆救われん>ですから」
三井「おじさん急に歌い出したけれど、<救われん>って救われないんじゃないですか」
会田「<救われる>の意味の<救われん>です」
三井「変なの」
椎名「それでも日本人? 日本語が通じないとは嘆かわしい」
会田「通じないは便秘のこと。確かに私の洒落は下らない(下痢しない)し、つまらない(便秘しない)し、その上通じないということはないから、腹の調子はいいはずだよ」
椎名「落ちがついて落ち着いたところで、ご挨拶といきますか」
会田「こんな3人ですが」
三井「どんな3人なんだ」
椎名「そんな3人さ」
三井「それじゃわからないよ」
椎名「わかろうと思うこと自体がまちがっているのさ」
会田「人間は、解釈はできても理解できないということです」
椎名「わかったと思っても、そのなかに誤解がいくらか入っているし」
会田「誤解したといっても、その中にいくらかの理解も入っているというわけです」
三井「それならわかる。映画とか小説とかはフィクションだけれど、その中に真実があるものね」
椎名「ちょっと違うような気もするけれど、フィクションとノンフィクション、事実と真実、表現の可能性と限界についてはいつか書こうと思っているからそれを読んでちょうだい」
会田「というわけで」
三井「どういうわけ」
会田「理解されようが、されまいが、そんなことに関係なく、人間は飽きることなく、絶望することなく、言葉の可能性を信じて、言葉を発し続けなければいけないということです」
三井「インターネットの意味も、そこにあるんですよね」
椎名「その通り。どこかに、誰か、自分の意見を理解してくれる人がいるという可能性を信ずればこそのインターネットだと思うよ」
会田「これからも」
椎名「どうぞよろしく」
三井「お願い」
3人「いたします」
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