ビートルズの面々はデビューから解散までの約8年の間に驚くほどの容姿の変貌を遂げます。さすがにデビュー当時は初々しさがありますが、人気の上昇とともに自信を深めた表情となっていきます。さらに、コンサート活動を停止してアイドルを卒業してからは、これが同一人物かと思わせるほど円熟味を増し、解散間際には頂点に達しています。これが、30歳前とはとても信じられません!彼らを短期間で熟成させた酵母菌は「不動の人気」という新説を唱えさせていただきます。いまだに、1962年ものの熟成ワインは、世界中で愛飲され続けています。なんちゃって。さぁ、ビートル少年目指すなら、このあふれ出るオーラに少しでも近づくため、努力しようではありませんか。
ジョンは四人の中で一番激しい変化をします。デビュー前のハンブルグ巡業時代には、リーゼントで固めた頭でバリバリのロックンローラを気取っていた彼らは、メンバーの一人であったステュアート・サトクリフ(故人)と恋仲になったドイツ人女流写真家アストリッド・キルヒヘルに感化され、彼女が好んでステュアートにさせた、前髪を眉毛近くまでたらし切りそろえる、後に言う「マッシュルーム・カット」を取り入れることになります。この辺の下りはは映画「バック・ビート」でも詳しく描かれています。一番左が典型的なマッシュルーム・カットです。さらに、'66年頃まではこの形を原型にして眉毛が隠れるまで髪を伸ばして、キノコ度を高めています。コンサート活動を停止して、レコーディング活動でスタジオに籠もるようになると、露出度が低くなるので、ステージ・パフォーマンス以外の方法で世間に存在アピールするため、必然的に髭をたくわえたり、丸眼鏡をかけたりと、個性的に容姿を変え始めます。また、解散間際の頃は、一番右の様な仙人というか、老人というか、7、8年前にアイドルしていた同一人物とは思えない容貌と化します。これは、年上女房のオノ・ヨーコさんと釣り合う様にわざと老けた格好をしたためという説もあります。ビートル少年を極めたいとは言っても、現在ここまで真似たら、どこかの危ない教祖と間違えられるのが関の山です。ちなみにビートル・ハッチ君もさすがに'67年型の容姿止まりです。
ポールは比較的変化が小さく、後期に髭をたくわえたことと、解散間際に伸ばした髪をオールバックにしたことぐらいでしょうか。もともと端正な顔立ちでベビー・フェースなので、髭との取り合わせのアンバランスさがまた魅力となっています。僕らがやったら、ただの無精で汚いおじさんにしかならないのが悲しいところです。(笑い)ソース顔で自信のある方はトライしてみてください。なお、ポールはその時によって髪の分け方を左右変えています。かなりの気分屋かも?。
ジョージは容姿の変貌に関して、兄貴分であるジョンの後を追随しているのではないかと思うのですが、どうでしょうか?ちょうどインドかぶれしたころに突然変異を始めます。教祖マリハシ・ヨギに近づくためでしょうか、最年少ゆえ幼さをカモフラージュするためでしょうか。それは、どうでもよいのですが、とにかく渋くてかっこいい!男の色気を演出したいむきには是非おすすめです。
デビュー当初、リンゴはピート・ベストの代わりに借りてきた猫状態だったので、一番左の絵の様に、前のバンドにいた頃のロカビリー・ヘアの痕跡が残っており、まだ、マッシュルーム・カットと呼ぶには少々無理があります。しかし、その反動か、それ以降は他のメンバーの中で一番こんもりしたキノコ頭に変身していきます。それも、鼻が高く彫りが深いから似合うのであって、日本人がリンゴの'67年型ヘアを真似したらちょっと不気味かも・・・・・。(笑い)注意してください。解散間際はさすがに円熟味を出していて雰囲気があります。
マッシュルーム・カットと並ぶもう一つのビートルズのトレードマークといえば、襟なしスーツです。これまた、ドイツ人女流写真家アストリッド・キルヒヘルが、当時フランスで流行していたピエール・カルダンのデザインをモチーフにアレンジした服装で、ステュアートとペア・ルックで着ていたものを、後にビートルズのユニホームとして取り入れたものです。当初、彼らは「ママのジャケット」とステュアートをからかっていたそうです。まさか、後にママのジャケットで世界制覇するとは・・・・・。これを着てステージにたったらバカ受け間違いなしですよ。確か、映画「マジカル・ミステリー・ツァー」の中で、円熟した彼らが昔着ていたユニホームを照れながら身にまといポーズをとるシーンがありましたね。
上述の襟なしスーツの足下を飾るのが、ビートルズ・ブーツです。スーツ着てただの革靴履いてたんじゃ、ただのおやじ軍団だけど、ブーツに目をつけたところがミソ。これまた、かっこいいんだな〜。コピーバンドでズックはいて演奏するなんて問題外ですぞ。是非、これに履き替えてください!足下が男の印象を決めるって昔から言うでしょう。
メンバーの中で、とりわけジョンは帽子を愛用し、コンサートでも度々かぶっていました。帽子の多くは船員がよくかぶるような型のものです。彼は普段見せるキャラクターに似合わず、部類の照れ屋で、サングラスで目の表情を隠すのと同様、観客の視線を頭上にそらすためこのような行動をとったのではないでしょうか。コピーバンドの皆さんも、この曲ちょっと練習不足で自信ないなと思ったら試してください。あがり防止に効果があったか結果報告お待ちしております。
次もジョンのトレードマークグッズ、眼鏡です。強度の近眼だった彼は、眼鏡が常時必要でしたが、アイドルゆえにコンサートなどでかけることは許されませんでした。コンタクトも勧められたが、熱狂的なファンがいろんなものをステージに投げつけてくるので、当たって目が傷付くのを恐れて、裸眼の何も見えない状態で演奏していたそうです。アイドルを卒業してからは、気兼ねなく眼鏡でお洒落を楽しんでいたようです。あの鷲(わし)鼻にちょこんとのっかった丸眼鏡がかっこいいこと!後期派ジョン役は是非取り入れたいお洒落アイテムです。
リンゴが、指輪おたくゆえにリングが訛った芸名リンゴを授かったことはあまりにも有名な話です。アップルレコードだから日本語の"りんご"をひっかけたんじゃないよ。(ちなみに、アップルレコードは後々にできたレーベルです。)リンゴ命のドラマーなら身につけないと本物に近づけないよ。あっ、そうそう、映画「ヘルプ!」も指輪にまつわる冒険活劇だったっけ?