世界に一つだけの花

 昨年の秋の彼岸の夜、町内の子供たちが町内会の行事に参加してお手伝いをしたごほうびにカラオケへ行きました。
大人組と子供組に別れてそれぞれの部屋へ入ったのですが、私は、オンチでカラオケが歌えないので子供たちのお守りをすることにしました。
アニメソングや流行の歌を、次々と子供たちは楽しそうに歌っていました。

 私は、ジャズやかつてのフォークソング、ニューミュージック、ポップスなどと呼ばれるジャンルの歌が好きで、演歌や歌謡曲、アイドルなどという歌は好きではありません。
ただ、SMAPはさすがに超売れっ子のグループだけに良い曲を歌っていると思っていましたし、「夜空ノムコウ」は歌い続けられていく名曲の一つだと思っていました。
この「世界に一つだけの花」も「夜空ノムコウ」ほどではないけどやっぱりいい曲だなぁと思っていました。

 カラオケでも子供たちはヒットしていたこの歌を歌いました。
私は、モニターに大きく映し出される歌詞を追いながら、子供たちの歌を聞きました。
これまで、SMAPがテレビで歌うのを何となく聴いていただけだったので、歌詞をよく理解していなかったのです。
素晴らしい歌詞とそれを歌う子供たちの姿が絶妙にマッチして感動しました。
歌う子供たちが、この歌詞のような気持ちで、一人一人の生命を生きていってくれたらと願いながら子供たちの歌を聞きました。

 槇原敬之という人は、麻薬事件を起こしていたし、音楽的にも好きなミュージシャンではなかったこともあり、とてもこういう歌詞を書く感性の持ち主とは思っていませんでした。
SMAPも見せかけのカッコばかりのアイドルだから、愛だ恋だという男女の恋愛をテーマとした歌しか歌わないものだと決めつけていました。
しかし、それは私の勝手な思いこみでした。

 『(極楽浄土の)池の中に車輪のように大きい蓮華があり、青い色の蓮華の花は青い光を、黄色い蓮華の 花は黄色い光を、赤い色の蓮華の花は赤い光を、白い色の蓮華の花は白い光を放って輝き、 それらの蓮華はさわやかな香りを放っている。(「阿弥陀経」) と、お経にもこういう記述があります。
これは、「この中で誰が一番だなんて 争う事もしないで バケツの中誇らしげに しゃんと胸を張っている」という差別のない、争いのない世界でしょう。

 天皇家に生れた皇太子さまの子、愛子さまだけが特別に選ばれた子ではないのです。
誰もがみんな「一人一人違う種を持つ 世界に一つだけの花」であり、「小さい花や大きな花 一つとして同じものはない」から誰もがみんな「もともと特別な Only oneなのでしょう。
誰もがみんな「もともと特別な Only oneで、「一人一人違う」んだから、比較して他と優劣を競うことは元々無意味なことでしょう。

「その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい」
一生懸命といっても、無理をして頑張る、必要以上に努力するって意味じゃないと思います。
それぞれが自分らしく生きるということだと思います。

「バケツの中誇らしげに しゃんと胸を張っている」。
頑張らなくていい、そのままでいい、自分らしく誇らしく しゃんと胸を張って生きよう!

南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

 

 

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