第四章 『BIOSの設定』


  4.1.1【BIOSセットアップの必要性】

 PC互換機はBIOSの管理下に動いています。BIOSを使わないOSもありますが、システム起動時にはBIOSのお世話になります。BIOSの設定を変更することによってシステムを速くしたり不安定にしたりも出来ます。HOT-433のBIOSはAMI−BIOSです。その中でもAMI-WIN-BIOSというマウスで設定が出来る最新のBIOSが入っています。HOT-433Ver4.0の433AUE33というBIOSを例に取って解説します。BIOSは起動時に<DEL>キーを押し続ける事によって設定画面に入ることが出来ます。BIOS設定画面に入ったら[[Default]の項目に移動して(Key操作ではTABキーで移動)[Optimal]を選択して下さい。CPUを替えたりジャンパーを変更した場合も一度はこの[Optimal]を選択する必要があります。

  4.1.2【Standard Setup】

[Date,Day and Time Configuration]
 日時時刻をこの項目で合わせます。

[Hard Disk C:Type,Hard Disk D:Type]
 ハードディスクのパラメーター設定をします...がこの項目でする必要はなくUtilityのIDE Setupで自動設定することが出来ます。

[Floppy Drive A:,Floppy Drive B:]
 Aドライブ、BドライブのFDDのタイプを設定します。Aドライブを[3.5インチ1.44MB]に、Bドライブは[Not Instaled]に設定して下さい。Bドライブを取り付けた場合はこの項目を変更します。


  4.1.3【Advanced Setup】

[System Keyboard]
 キーボードが接続されてるかどうかのチェック用の項目です。

[Primary Display]
 通常使用のディスプレイタイプを指定します。通常[VGA/EGA]にしておいて下さい。

[Mouse Support]
 この項目でPS/2マウスを使用するかどうかの設定します。通常[Disabled]にしておきます。

[Above 1MB Memory Test]
 全メモリをチェックするかどうかの設定です。1MBしかチェックしない場合には[Disabled]を選択します。

[Memory Test Tick Sound]
 メモリチェック時にAMI-BIOS特有の音を出すかどうかの設定です。音が嫌いな方は[Disabled]を設定します。

[Extend BIOS RAM Area]
 Type:47のHDDを使う場合のパラメーター格納エリアを指定していた名残です。通常[0:300]を設定します。

[System Boot Up Num Lock]
 ブート時にナンバーロックキーを有効にするかどうかの設定です。通常[ON]にしておきます。

[Floppy Drive Seek At Boot]
 ブート時にフロッピーにアクセスするかどうかの設定です。

[System Boot Up Sequence]
 ブート時にAドライブ優先起動かCドライブ優先起動か設定します。[A:,C:]の方が使い勝手がいいでしょう。

[System Boot Up CPU Speed]
 起動時のCPUの速度を設定します。通常は[High]に設定します。

[Internal Cache]
 486CPU内の内部キャッシュメモリー(一次キャッシュ)を使用するかどうかの設定です。通常は使用します。

[External Cache]
 HOT-433マザーボード上の外部キャッシュメモリー(二次キャッシュ)を使用するかどうかの設定です。通常は使用します。

[Password Checking]
 ブート時のパスワード設定をチェックするかどうかの設定です。

[Video Shadow C000,32K]
 C000HからのVideo BIOS ROMをシャドウメモリーにコピーするかどうかの設定です。

[Shadow xxxx,16K]
 ISA,PCI拡張カード上のBIOS ROMをシャドウメモリーにコピーするかどうかの設定です。


  4.1.4【Chipset Setup】

[Auto Configuration Function]
 CPU Clockに応じて自動設定します。システムをチューンアップしたい人はここを[Disabled]にします。

[Cache Speed Options]
 CacheのBurst Read/Writeの設定します。[2-1-2][2-2-2][3-1-3][3-2-3]があります。Am5x86/160MHzの70ns,60ns70ns混在では[2-2-2]が限界のようです。60nsだけだと[2-1-2]でもOKのようです。60nsのEDO DRAMにした場合も同様のようです。ちなみに70ns,60ns70ns混在では60x3=180MHzでは動作しないようです。
 Cx5x86/120MHzの場合には70ns,60ns70ns混在にBTBを使わないなら[2-1-2]はいけるようです。60x2=120MHzの場合は60ns,60ns70ns混在でも[3-2-3]で動作するようです。

[DRAM Read Wait State]
 メインメモリーのDRAMに読み込む場合にWaitを入れるかどうかの設定です。[0W.S]から[3W.S]まで設定出来ます。Am5x86/160MHzの場合で70ns,60ns70ns混在では[2W.S]を入れないとリセットが効かなくなる現象があります。もちろんEDO DRAM60ns使用の場合は[0W.S]で構いません。Cx5x86/120MHzの場合は70ns,60ns70ns混在では[1W.S]が限界のようです。

[DRAM Write Wait State]
 メインメモリーのDRAMに書き込む場合にWaitを入れるかどうかの設定です。[0W.S]から[3W.S]まで設定出来ます。[0W.S]でOKですが[1W.S]にしておくのもいいでしょう。

[HOST-to-PCI CLOCK]
 PCIのCLOCKをシステムクロックそのままにするか1/2にするかを設定します。

[PCICLK-to-ISA SYSCLK Divisor]
 ISAバスのCLOCKを決定します。[PCICLK/2][PCICLK/3][PCICLK/4]から選択します。通常ISAバスは8MHzになるように設定します。一部のカードでは10MHzの高速動作対応品もあります。PCICLKは通常33MHzなのですが、HOT-433では40MHz動作も出来ますのでPCICLK/4=10MHzになってしまう場合もあります。10MHzで動かないISAカードの場合動作を諦めるか、PCIのCLOCKをシステムクロックの1/2の10MHzにして回避する方法があります。

[Keyboard Clock Divisor]
 キーボードのCLOCKを決定します。[PCICLK/2][PCICLK/3][PCICLK/4][7.16MHz]の中から選択します。

[L1 Cache mode]
 一次キャッシュをライトスルーにするかライトバックにするかの設定です。

[L2 Cache mode]
 二次キャッシュをライトスルーにするかライトバックにするかの設定です。5x86などのCPUでは通常ライトバックにして下さい。

[Video BIOS Cacheable]
 Video BIOSの領域をキャッシュするかどうかの設定です。キャッシュするとBIOSを使った描画速度が向上しますが、キャッシュの効率は落ちます。EDO DRAMを使う場合にキャッシュするようにしたらいいでしょう。

[HOST-to-PCI Post Write W/S]
 PCIバス経由でCPUが書き込む場合Waitを入れるかどうかの設定です。通常はWaitを入れておいた方がいいでしょう。最新のビデオカードではWaitが要らない製品もあります。

[HOST-to-PCI Burst Write]
 PCIバスにCPUがBurst転送するかどうかの設定です。通常はBurst転送をしない方がいいでしょう。これも最新のビデオカードではBurst転送した方が速くなる製品もあります。

[I/O Recovery Time Control]
 PCIとISAのI/Oの調整をします。

[Post Write Buffer]
 Post Memory Write Bufferを使用するかどうかの設定です。

[Bus Park]
 PCIのバス調停をするかどうかを設定します。

[1st(2nd,3rd,4th)Available IRQ]
 PCIが使用するIRQを予約します。通常はIRQ9〜12を使用します。

[On Board DRAM Option]
 使用するDRAMのタイプを設定します。FastPagemodeDRAMは[Normal]を指定します。EDO DRAMを使用する場合は[EDO]を指定します。


  4.1.5【Power Management Setup】

[Power Management/APM]
 APM機能を有効にします。省電力機能の設定ですね。

[Doze Mode Timeout]
 Dozeモードに移行するまでの時間を指定します。

[Sandby Mode Timeout]
 Standbyモードに移行するまでの時間を指定します。

[Suspend Mode Timeout]
 Suspendモードに移行するまでの時間を指定します。

[VGA Power Down By]
 VGA画面のサスペンドオプションです。[DPMS][Blank][H+V Sync][HV&Blank]から指定します。最近のビデオカードやディスプレイはDPMS対応が多いです。

[HDD Power Down By]
 HDDのモーターを停止させるまでの時間です。

[Monitor PCI Master x]
 特定のPCIバスを監視するかどうかの設定です。

[Monitor ISA Master&DMA Activity]
 ISAバスのマスターとDMAを監視するかどうかの設定です。

[Monitor LPT Port Activity]
 LPTポートを監視するかどうかの設定です。

[Monitor COM Port Activity]
 COMポートを監視するかどうかの設定です。

[Monitor IDE Activity]
 IDEを監視するかどうかの設定です。

[Monitor FLP Activity]
 FDDを監視するかどうかの設定です。

[Monitor VGA Activity]
 VGAを監視するかどうかの設定です。

[Monitor I/O Region Activity]
 I/Oポートを監視するかどうかの設定です。

[Monitor IRQ xx]
 特定のIRQを監視するかどうかの設定です。


  4.1.6【Peripheral Setup】

[Prpgramming Mode]
 基本I/Oをオート設定するか手動設定するかの設定です。

[OnBoard FDC]
 HOT-433上のフロッピーディスクコントローラーを有効にします。

[Serial Port1]
 シリアルポート1の設定です。COM1だと[3F8H],COM3だと[3E8H]を指定します。

[Serial Port2]
 シリアルポート2の設定です。COM2だと[2F8H],COM4だと[2E8H]を指定します。

[Parallel Port]
 パラレルポートの設定です。LPT1だと[378H]です。LPT2だと[278H]です。LPT3は[3BCH]です。

[Parallel Port Mode]
 パラレルポートのモードを設定します。SPP(スタンダードモード),EPP(エンハンスドモード),ECP(エクステンドモード)を選びます。ECPはDMAを一個消費します。

[PCI OnBoard IDE]
 HOT-433上のPCI-IDEを使うかどうかの設定です。

[PCI OnBoard IDE Mode]
 PCI-IDEのPIO転送のモードです。[AUTO]設定でいいのですが不安なら[MODE 2]が望ましいでしょう。最近の高速なHDDのみだと[MODE 3]でも大丈夫でしょう。

[PCI IDE Card Present On]
 他のこれはPCI-IDEカードを使う場合の設定です。

[PCI Primary IDE IRQ]
 これもPCI-IDEカードがどのINTを使うかの設定です。

[PCI Secondary IDE IRQ]
 これもPCI-IDEカードがどのINTを使うかの設定です。

[PCI Secondary IDE]
 セカンダリーIDEを使うかどうかの設定です。大抵ATAPI CD-ROMを繋ぐので[Enabled]にします。

[PCI IDE IRQ Trigger Mode]
 PCI-IDEのIRQ割り込みの方式を指定します。

[IDE Block Mode]
 IDE-HDDがブロック転送モードをサポートしている場合に設定します。[AUTO]でいいのですが気になる場合[8]くらいにしておくといいでしょう。

[IDE 32 Bit Transfers Mode]
 32bit転送をBIOSでするかどうかの設定です。

[Primary Master LBA Mode]
 528MB以上のHDDを使う場合にLBAモードを有効にします。

[Primary Slave LBA Mode]
 528MB以上のHDDを使う場合にLBAモードを有効にします。

[Secondary Master LBA Mode]
 528MB以上のHDDを使う場合にLBAモードを有効にします。

[Secondary Slave LBA Mode]
 528MB以上のHDDを使う場合にLBAモードを有効にします。


  4.1.7【WinBIOS Password Support】

 パスワードを設定します。パスワードはCMOS RAMに記憶されるので忘れてしまった場合はCMOS RAMをクリアーするしかないでしょう。

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